ルイ・モーラー
ルイ・モーラー
フランス Louis Maurer アルザス
● アルザスから超期待の大型新人をご案内させていただきます。ビオディナミを実践しビオの調剤も自作、So2 も出来る限り控えて、まさに「ナチュール」な出来上がりで有りながら、アヴァンギャルドには陥らない、素晴らしいワインを造っています。
アルザスのビオと言いますと・・大御所ですとマルセル・ダイス、若いところですとジュリアン・メイエのパトリック、それにリエッシュでしょうか。勿論、ジェラール・シュレールもご存じでしょう。
中々に素晴らしい仕上がりで、ちょっとビックリしましたが、
「どの程度?・・誰に似てる感じ?」
と言う部分が皆さんのご興味かと思うんですね。
因みに・・
「So2 の残存量は極端に少ない方!」
です。リースリング・レルシェンベルグ2021で10mg/L と言いますから、検出限界に近い数字です。
マルセル・ダイスはビオですが、昨今は非常に安定していまして、徐々にそのナチュールさに先鋭さを増して来ているものの、
「先進的なビオでは無い」
と言えます。
例えばジェラール・シュレールは、気合の入った時の美しさ、出来は物凄いんですが、時に・・
「・・あれっ?・・」
みたいな・・(^^;; ちょっと理解に苦しむ仕上がりに、ご紹介するかどうかなどを含めて悩むことになる訳です。
ジュリアン・メイエは最近、扱いませんが、最近は安定して来たものの、一時は、
「・・これはすでにお酢だろう!」
と・・当時、J子さんとやり合ったこともある位でして、
「そのレベルで普通にリリースするのね・・」
と言う理解をしたので扱いを止めてしまいました。
このルイ・モーラーですが、ジェラール・シュレールやパトリック・メイエ並みに攻めているんですが、
「ワインとして・・ちゃんとしている!」
と思える素晴らしい仕上がり方をしているんですね。
で、しかも・・
「滅茶苦茶にナチュラルなのに、アヴァンギャルドじゃない!」
んですよ。
勿論ですが揮発酸は出ていたり、ほぼ無かったりするんですが、
「表情のひとつとして存在している」
と認められる仕上がりなんです。
マルセル・ダイスはビオ的にそこまでは攻めていません。ナチュラルですが、先進的なビオでは無く、So2の使用はルイ・モーラーよりも全く緩いです。
「ルイ・モーラーは基本的にSo2を使いたくない人」
であり、
「必要と認めた場合、ごく少量のみの使用で済ませられる状況と環境を作っている!」
と感じました。
初めての扱いですので、言い切ってしまうのは厳しいですが、少なくとも今回の入荷分については上記のことは間違い在りません。
優しくふんわりとしつつ薫り高くナチュール的で、非常にナチュール的に美しいです。是非飲んでみていただきたい素晴らしい生産者さんです。どうぞよろしくお願いいたします。

■ ポスト・ミレニアル世代のナチュラル・アルザス
◇ 20歳でデビューした若さ溢れるナチュール・ヴィニュロン
ルイ・モーラーは今年27 歳になるアルザスで最も若いヴァン・ナチュールの造り手の一人です。彼は醸造学校在学中にマルク・クライデンヴァイスとドメーヌ・セルツで研修し、ビオロジック農法のワインへの影響の重要性を学びました。高校卒業後はカトリーヌ・リスが醸造所を間借りしていたルカ・リーフェルの下で1 年半修行し、ヴァン・ナチュールについて実践で学びました。2016 年から実家のドメーヌに参画し、当時20 歳ながら、家族のワインとは別に、自
身の名前で3 種類のヴァン・ナチュール(2016 ヴィンテージ)を醸造してデビューしました。
◇ カトリーヌ・リスに続く欧米で話題の新星
ルイは、カトリーヌ・リスやリエッシュ、パトリック・メイエと非常に仲が良く、頻繁に会ってワイン造りについて意見交換をしています。2018 ヴィンテージからは複数品種を混醸したヴァン・ド・ソワフやピノ・グリをリースリングの果汁でマセレーションしたキュヴェなど個性的なワインも造り始めました。
彼のワインは欧米のナチュラルワインの愛好家の間で、すくに話題となり、SNS で数多く取り上げられています。ポスト・ミレニアル世代の造る若さ溢れるアルザスのヴァン・ナチュールです。
■ ルイ・モーラーについて
ルイ・モーラーは1996 年生まれ。ポスト・ミレニアル世代のアルザスでも最も若い世代のヴァン・ナチュールの造り手の一人です。ルイはルファックRouffach の醸造学校でBTS(醸造栽培上級技術者のディプロマ)を取得。在学中にマルク・クライデンヴァイスとドメーヌ・セルツで研修し、ビオロジック農法のワインへの影響の重要性を学びました。高校卒業後はルカ・リーフェル(当時カトリーヌ・リスが醸造所を間借りしてたドメーヌ)の下で1 年半修行し、ヴァン・ナチュールについて実践で学びました。
2016 年から実家のドメーヌに参画。当時わずか20 歳ながら、家族のワインとは別に、自身の名で3 種類のヴァン・ナチュール(2016 ヴィンテージ)を醸造しました。実家のドメーヌは⾧年ビオロジックでブドウ栽培を行っており、2009 年からはビオディナミも導入しているため、ルイはさらに先に進みたいと考え、ブドウ以外には何も加えないヴァン・ナチュールの醸造(SO2 も無添加で、必要な場合に限り瓶詰め時に最低限のみ添加する)に挑戦したのです。ルイはドメーヌの三代目になりますが、ドメーヌの創始者である祖父母も両親も彼の挑戦を強く後押ししてくれたそうです。
その後、2018 ヴィンテージからは複数品種を混醸したヴァン・ド・ソワフやピノ・グリをリースリングの果汁でマセレーションしたキュヴェなど個性的なワインも造り始めました。ルイは、カトリーヌ・リスやジャン・ピエール・リエッシュ(二人とも隣村のミッテルベルクハイムに住んでいます)、パトリック・メイエと非常に仲が良く、頻繁に会ってワイン造りについての考えや哲学について意見交換をしています。ラベルデザインは彼のガールフレンドがデザインしたものだそうです。
■ ドメーヌについて
ルイの実家のドメーヌはルイの祖父によって設立。現在はルイの父のフィリップが当主を務めています。ストラスブールとコルマールのほぼ中間のエイコフェン Eichhoffen に本拠を置いています。栽培面積は16ヘクタールで、細分化された40 の区画がエイコフェンと隣村のアンドロー、エプフィグ、イッタースヴィラーに点在しています。
ドメーヌでは昔から除草剤や化学肥料は一切使用しておらず、15 年以上前に完全なビオロジックに転換。2009 年からはビオディナミも導入しました。これによって、ブドウ木の生命力が劇的に向上し、自然に収量が低くなり、ブドウ中のエキスも最上の状態で凝縮されるようになりました。ドメーヌの畑は全て耕耘され、中耕除草も行います。ブドウ畑の畝の間には下草を生やし、ライ麦と野菜を栽培しています。
そして、初夏に下草を抜いて、畝の間に敷き詰めてカバークロップにしています。こうすることによって、草が自然の覆いの役割を果たし、過剰な暑さや雨から土を保護してくれるのです。また、地中の温度が低く保たれることによって微生物の活動と、土中の水の浸透能力が維持されるという効果もあるのです。
ブドウの病害予防には、イラクサ、トクサ、ヤナギなどのハーブや植物の煎じ薬を用いています。また、堆肥や牛糞、ブドウの搾りかすや藁などをベースにしたコンポストを自前で作って畑に撒いています。生命力に満ちたこのコンポストによって土が活性化され、健康で成熟した果実を造るために必要なあらゆるミネラル成分がブドウ木に行き渡ります。ドメーヌでは、生きた土壌とブドウ木から、成熟のピークに達したブドウを低収量で収穫することがテロワールを表現するために必要不可欠な条件であると考えています。
■ 醸造と周辺環境について
醸造に関しては、何よりもブドウを尊重することを大切にしています。ワインがテロワールとその独創性を最大限に表現できるように、人為的介入を最小限にしています。ブドウは野生酵母で自発的に発酵され、スーティラージュも必要な場合にしか行いません。SO2 も必要な最低限のみ添加するだけです。ワインはアルザス伝統のフードルで醸造されます。フードルでは大きな澱が樽の底に沈殿し、細かい澱が通常の樽よりも広がるという利点があります。ド
メーヌのワインは全てエコサートの認証を受けています。
このように、ルイの実家のドメーヌのワインはビオディナミ栽培と人為的介入の少ない醸造で造られていますが、カトリーヌ・リスやリエッシュ、パトリック・メイエなどとの交流で触発されたルイは、家業に参画した2016 年から、それをさらに進めたヴァン・ナチュールの醸造(ブドウ以外に何も加えず醸造。SO2 も無添加。必要な場合に限り瓶詰め時に最低限のみ添加)に挑戦することを決断したのです。祖父母も両親も、ルイの挑戦を後押してくれ、ルイはドメーヌの約3 ヘクタールの区画の栽培の全てを委ねられ、自分の手で栽培したブドウから自分自身の名前でナチュラルワインを2016 ヴィンテージから醸造しています。
ルイのドメーヌは、マルク・クライデンヴァイスの本拠Andlau アンドローや、カトリーヌ・リスやジャン・ピエール・リエッシュが本拠を置くittelbergheim ミッテルベルクハイム、オステルタグの本拠Epfig エプフィグなどの村に隣り合わせています。ルイ・モーラーは、現在のアルザスで最もエキサイティングな場所に生まれた最新世代のヴァン・ナチュールの造り手と言えます。
● 2023 Haute Voltige A.O.C. Alsace
オート・ヴォルティージュ A.O.C.アルザス
【新キュヴェ「遅積みゲヴェルツ」!オレンジ・マーマレードのようなコクのある果実が「ギュッ!」と詰まったピュア・アルザスです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] ルイ・モーラーの新キュヴェです。実はこのワイン、一本開けてテイスティングしているのですが、その前にVivitさんのところで試飲させてもらっていました。
その時に非常に面白いインプットがあって、現状抜栓したてはトロトロなので、デキャンタに移してからシャカシャカ空気を含ませると粘性が取れます、とのこと。乳酸菌の影響で一時的なトロみがついているとのことで、熟成や抜栓からの時間の経過とともに粘性は穏やかになっていくとのことです。
その時は抜栓二日目のテイスティングだったので過剰な粘性は感じられずだったので、改めて抜栓したところ確かに「トロトロ」。
しかしこれがネガティブかと言われればそんなことは無く、さらっとした餡のようで、その粘性が徐々に緩んでいく過程と、味わいや香りが開いていく過程が同時進行していくので、これはこのままでもいいのでは?と思いましたが、粘性がちょっとキツイなと思われた方はシャカシャカやってみてください。
同じゲヴェルツのレトランジェ・オレンジュとなにが違うの?といえば、このオート・ヴォルティージュの方が収穫が遅いようです。アルコール度数も14.5度もあります・・!正確な収穫時期はわかりませんが結構な遅積みではないでしょうか。
遅積みによって増幅した糖分はほぼ気付かない程度のみ残糖として残され、その大部分は発酵に回されています。ですので味スジとしてはドライとセミドライの中間・・ほぼドライと言っていいと思います。裏面ラベルを見ると、2021年からAOCアルザスに義務付けられた残糖度の表記では一番辛口の4g未満のセック(ドライ)に該当していますので、粘性が若干の甘さを演出する部分もあるのだと思います。
そしてよく熟したブドウからの、香り立ちの良さが目立ちます。オレンジ、マーマレード、金柑、枇杷。オレンジ系のフルーツがいくつも重なり、そこに穏やかなハーブが交じり合います。ゲヴェルツらしいライチ感は控えめです。
「ギュッ!」と詰まったオレンジ果実が、じんわ~り口内にいきわたります。
これだけアルコール度数も高く、粘性もあるのに全くしつこくなく、めちゃピュアでナチュラルな果実の充足感と余韻がけを残していく・・・この構成を産み出すバランス感覚は素晴らしいですね!
ちなみにめちゃ安定していますし、澱をしっかりと落として落ち着かせればクリーンなワインです。ただしSO2も少なく、めちゃピュアで、飲む直前まで低温管理を想定した造りですので、温度管理にはご注意ください。一度高温に晒されると一気にバランスを崩すような繊細さも持ち合わせています。
ブドウの熟度が要求されるため、毎年は造られないキュヴェとのこと。2023ヴィンテージは総生産量1700本しかないようです。ぜひルイ・モーラーの新しい挑戦、「遅積みゲヴェルツ」をご堪能ください!
● 2023 l'Etrange Orange A.O.C. Alsace
レトランジュ・オランジュ A.O.C.アルザス
【ベルガモット、ホップ、金木犀、紅茶・・アロマティックな「香りのチーム」と日本人的感覚で引き出される「旨味」の妙が素晴らしい・・!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] ルイ・モーラーのゲヴェルツは非常に特徴的で、ライチよりも「オレンジが主体」です。
それもシンプルなオレンジではなく、伊予柑やベルガモットのような、香立ちの良いアロマの含みがあります。そこに金木犀やホップのようなビター感がポンポン加わってくるので、
「意外に賑やか」
です。
しかし南のワインのように一つの香りが、他を押しのけるようにやってくるわけではなく、各香りの要素たちに皆協調性があるので、
「香りのチーム」
として楽しませてくれます。
そしてチームとなり、総合力をアップさせた香りが、とてもアロマティック。ある種とても日本人的なチームワークと言えるかもしれません。
実は日本人的なのは香りだけではなく、味わいも非常に日本人的だな・・と思うんです。そこにこそルイ・モーラーの真骨頂があるような気がしてならないんですが、どのキュヴェからも「旨味」をしっかりと感じるんですよね。
レトランジェ・オレンジュもシュール・リー由来の旨味を感じますし、技法だけではなく、しっかりと「果実の良さ」からやってくる旨味があります。間違いなく、これは畑が良い・・!と言えると思います。
重要なのは「旨味だけ」を残し、「えぐみ」やその他の要素をちゃんと置いてきているという点です。このバランス感覚が絶妙で、旨味をギリギリまで引っ張って持ってきて、えぐみが出る直前で引き上げる。というタイミングのセンスがあるからこそ、ホップのような強目のビター感を感じられるのでしょうし、充実した「擦られたような果実の旨味」、「旨味の伸び」が感じられるのだと思います。
また酸素と触れ合わせているとわずかに紅茶のようなニュアンスが出てきます。「ベルガモット x 紅茶」ですからまさに
「香るアールグレイ・・!
のように進化していくわけですね。
ミネラリティと組み合わさって、オイリーさも感じますが、しっかりと締まりの良さがあります。香りはあまやかですが、味わいはしっかりドライ、とてもバランス感覚に優れたアロマティックでピュアなワインです。きっとこれがルイ・モーラーの世界感か・・と心地よい酔いにどっぷり浸ることができると思います。
かなりクリーンで安定感のあるオレンジワインです。素晴らしいですね!ぜひご堪能くださいませ!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【これぞ・・オレンジワイン!!・・じゃない?・・オレンジワインと名乗るフレーヴァーが飛んで存在しないオレンジ色のワインとは、まったく異なる見事な味わいです!】
「 noisyさんは余りオレンジワインは扱わないですよね?」
と稀に聞かれることが有ります。なのでそんな時は、
「・・タイミングかなぁ・・。敢えてオレンジを探すと言うような行動はしないけど、美味しいのが有ればやってるよ。」
と返しています。
中々オレンジワインで美味しいの・・って・・無いですよね。ピノ・グリが本家かなぁ・・と思いますが、なんとこのワインは、
「ゲヴェルツトラミネール100%!」
で造ったオレンジワインなんですね・・。
ですから比較的おとなしいピノ・グリよりも、輪郭やアロマが活き活きしていて、ディテールがしっかり感じられます。
でも一般的なゲヴェが見せるような、
「ちょっと尖がって、スパイスがキツイ」
ようなスタイルにはなっておらず、滑らかでしっとりしつつ、硬軟、強弱をわきまえたかのような素晴らしい表情を持っています。

ドライで、ほんのり活き活きしたスパイス、フルーティーです。でもそれだけか?・・と言う訳では無く、お茶とか紅茶を香らせたかと思えば、
「ん?・・杏のドライフルーツまで・・出てくる?」
と言うような瞬間も有り、非常に楽しめます。
何より、酢酸系のドギツイ香りの邪魔が入らず、美しくて味わいそのもの、香りそのものを楽しめるんですね・・。
さらには、身体に優しいと言うのが・・飲み終えて30分~1時間後に感じられると思いますよ。基本、So2は「余り使いたくない人」のようです。
まぁ・・オレンジですから、物凄くポテンシャルが有るか?・・と言われましたら、
「・・いや、そこまではどうでしょ。」
と言わざるを得ませんが、
「アルザスのゲヴェルツトラミネール種としても楽しめる」
性格も有ると感じます。ぜひ飲んでみてください。意外にも骨太です。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【生きているオレンジワイン!?・・多種多彩な果実のニュアンスがたっぷりで華やか!・・造り手のセンスを感じさせる素晴らしいオレンジです!】
有りそうで余り見あたら無い・・でしょう?
「ナチュラル感が凄く載った美味しいオレンジワイン!」
って・・何か有るでしょうか?
仮に・・この言葉を3つに分けて、
「ナチュラル感が凄く載った」
「美味しい」
「オレンジワイン」
にした場合には、それぞれにそこそこに挙げられるかと思うんですよね。
ですがこの3つを繋げてしまいますと・・
「まず・・当たらない・・見当たらない」
でしょう?
もしくは、もう少し敷居を低くして、
「ナチュラル感のある美味しいオレンジワイン!」
にしたところで・・どうでしょう?・・

実は、オレンジワインを飲んでナチュラル感を感じる場合に・・は、
「美味しい!」
が抜けちゃうんですよ。
ナチュラル感は有っても美味しさが・・少ないんですね・・。なんか、枯れてしまったものばかりを集めたような感じだったり、ビオ的に攻めたは良いが、何を飲んでいるのか悩むような感じだったりしないでしょうか?
この「レトランジュ・オランジュ」は、
「まさにオレンジ感がバッチリ!」
です。
オレンジな果実やミント、ハーブが優しくふっくらと・・感じられます。ドライフルーツ的なニュアンスも有りますが、多くのオレンジワインがそうであるように、「お茶・ウーロン茶」的なニュアンスはほんの僅かで・・「その他大勢」です。
もし・・このワインを自身の設計通りに造れたのだとすると・・この方、相当半端無いと思います。色彩も生きています!
揮発酸は僅か・・です。しっかり要素の一つとして溶け込んでおり、揮発酸を意識することは無いに等しいでしょう。美味しいオレンジワイン!?・・です。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2023 Pinot Gris Duttenberg A.O.C. Alsace
ピノ・グリ・デュッテンベルグ A.O.C.アルザス
【青いフルーツに、ドライなのにあまい日本酒のような吟醸香!繊細で日本的な侘寂ミネラリティにじんわり湧き出る果実の旨味感!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] レトランジェ・オレンジュの項で「和風!」とか「ルイ・モーラーのワインは日本人的!」と書かせていただきましたが、その最たるものはこのデュッテンベルグのピノ・グリ・・・かもしれません。
ひじょ~に繊細なワインなんですよね。過去のNoisyのレビューを年を追うごとに繊細さに磨きがかかっているのではないか・・と感じます。
香りは控えめなところから、青い柑橘、青りんご、そしてドライなのにあまい、よく磨かれた日本酒のような吟醸香・・!
昨今の日本酒はワインのようにどんどんアロマティックになっていっておりますが、デュッテンベルグのピノ・グリは逆にどんどん日本酒に近づいてる・・?のかもしれません。
モンラッシェ近郊のミネラル爆弾や、シャブリのような分厚さのあるミネラリティではなく、細か~く浸透したような日本的な「侘寂」を感じるミネラリティです。
ルイ・モーラーらしい「じんわりとした果実の旨み」がジワジワと上がってきて、これはフレンチレストランよりも、出汁の効いた煮物や、焼き魚にはじかみみたいのが合いそう・・・そうだ!女将さんのいるあそこの割烹料理屋に持ち込もう・・!なんて気持ちにさせてくれます。
インパクトを求めるとちょっと違いますが、出汁感のシミジミさに舌鼓を打つ・・・なんてときはデュッテンベルグの出番かもしれません!ご検討くださいませ。
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【ん?・・2021年ものとはだいぶ色調が異なる??・・でも、味わいはかなり似ているし・・でもミネラリティの出方がちょっと違うかも??】
・・とても旨いです!・・ピノ・グリなんですが、むしろ2021年ものよりもクリスタルなミネラリティが多分に存在しているような感じがします。
何しろ2021年ものの時は、一瞬これもオレンジか?・・と思った位ですから・・オレンジ的なソフトさと、ちょっとした濁りと、収穫の遅さ??・・みたいなものは感覚的に持っていたと思います。
2022年ものはむしろ若々しく、透明なミネラリティが多分に有り、それこそ・・
「・・あれ?・・これってピノ・グリなの?」
と、品種を疑ってしまうような、素直なスパイスと、やや硬質な果実の風味を感じ、とてもスタイリッシュで完成度が高いと感じました。
アルザスワインって、結構に「熱」を感じるシュチュエーションが多いんですが、このピノ・グリも冷ややかです。ルイ・モーラーのワインは基本、結構にドライで冷ややか、エレガントで・・なので、そのアルザス風の熱風とか蒸し暑さとかは出て来ないんですね。

やや色落ちして見えるのは、おそらく、
「野生酵母を使用することと、発酵初期にSo2を使用しないこと」
に由来すると想像しています。
まぁ・・現在は野生酵母を使用してボラティル値を上げないためには様々な手法が有って、どのような手法を取っているのかは判りませんが、
「ルイ・モーラーはその辺り、かなり上手い!」
と言えます。
仕上がるワインは美しく、ドライでナチュラルで、でも危険性はほぼ無いんですね・・。ぜひ飲んでみてください。ピノ・グリがこれほどピュアで透明感が有るんだ?・・と驚かれるでしょう。お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【優しくナチュラルな果実感の高い、ほんのりスパイシーなピノ・グリ!これも滅茶旨いです!】
色彩だけ見れば・・オレンジワインにかなり近いですよね・・(^^;;
ですがこちらは、発酵時に果皮と種子を漬け込まないので、多分・・オレンジワインとは言わないはずです・・知りませんが。オレンジワインの発祥の地と言われているジョージアでは元々、白葡萄もマセラシオンしていたので・・オレンジ色の色素が出てオレンジワインと言われたんだと思いますが、
「こちらはオレンジワインでは無い」
としておきます。
「レトランジュ・オランジュ」の方はステンレスタンクでマセラシオンしますから、果皮と種子から色素やタンニンなどが出て、
「味わいに深みが出ている」
訳ですね。
ですが、非常に・・バランスが良く、果皮と種子からの抽出したものが出しゃばらないので、むしろ・・
「マセラシオンを意識せずに普通に美味しく飲める!」
ほどの味わいなんですね。まぁ・・あちらはゲヴェですが。

こちらはピノ・グリですから、ゲヴェほどはスパイシーさが無く、優しいスパイスのアロマが有ります。
マセラシオンしていない、普通の白ワインの造りですから・・レトランジュ・オランジュよりはスッキリしているはず・・なんですが、
「・・ん・・そこも余り意識しないで美味しく飲めてしまう!」
のが恐ろしいところです。いや・。・モーラーさん、非常にお上手!
こちらも僅かに揮発酸は出ています。少量So2 も使用したようです。ですが、飲み終えた後の身体の自然な酔い・・と言いますか、酔い自体が非常に軽いです。
残存So2は30mg/L ほどのようで・・これだと、
「ほぼ使用していない!」
に等しいです。
通常は醸造で10~20mg/L ほどは生成されてしまう訳ですね。なので、ボトル詰めの時に「大きなタンク(1000Lほど)に耳かきで一杯」みたいな感じなのでしょう。
丸っとしたリンゴや洋ナシ、花梨、ハーブなスパイス。中域も適度な膨らみでふんわりなミネラリティがノーズに還って来ます。余韻もふんわり・・優しい味わいが長く持続します。美味しいです。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2023 Riesling Lerchenberg A.O.C. Alsace
リースリング・レルシェンベルグ A.O.C.アルザス
【青リンゴ、青い柑橘、吟醸香に穏やかなペトロールが手を繋ぎあったアロマの美しさ!上質で繊細なルイらしいリースリングです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] ルイ・モーラーのリースリングは畑の組成もあるのでしょうが、どちらかと言えばその造りを反映して、「繊細」、「和の風格」を感じる佇まいです。
グランクリュであるメンヒベルグに隣接するらしく、粘性は高く、キラキラ鉱物的なミネラリティを見せながら砂質のさらっとした感覚もあり、非常に上質・・・と感じます。
一方で、THE・リースリングというようなペトロールのくどさが驚くほどなく、砂質のさらっと感がつれてくるようなさらりとした軽いペトロール香に、青リンゴや緑の皮の柑橘があり、フレッシュで活き活きとしたハーブもいます。
ですので香りと味わいが同系統でリンクしておりシームレス、一直線に繋がる感覚です。
さらに吟醸香のような日本酒風なアロマもあり、比較的に穏やか系のアロマが手を繋ぎあった美しさがあります。
酸は冷たくも温かく、ソフトでピュア。非常にバランスが取れていて繊細です。
リースリングというと冷たくも、主張が強く、ベッタリとしがちですが、レルシェンベルグはまさに真逆のキャラクターで、穏やかで主張は強くないものの多様で繊細な風味、低域からしっかりと充足感を持つ中身のしっかりとした、質実剛健なワインです。
やはり和の香味との相性が良さそうで、山椒の葉や、少しだけ生姜が効いた煮物、柚子やすだちなどの和柑橘、出汁を効かせた食材と合わせたくなります。
穏やかでピュアな液体は、まさに上質な出汁が身体に染み込むように浸透し、癒しをもたらしてくれます。
ルイ・モーラーは写真をみると、恰幅のいいお兄ちゃんという雰囲気ですが、ワインは非常に繊細で心地よい、類稀なるセンスの持ち主だと感じます。ご検討くださいませ!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【アルザス・リースリングとしますと、結構にスレンダーで縦延び!?少しドイツ風のリースリングがセパージュされているかと思えるほど、ファットでない質感の美味しさです!】
これは出来も良いです。グラスの淵を粘って落ちる涙の粘性が見て取れます。そして、グラン・クリュ・メンヒベルクに隣接と言うこの畑の素性の良さが、エレガンスに現れています。
アルザスのリースリングと言いますと、そもそもが遅熟ですし、熟させないと言うような造り手の意思も有るのか、結構にグラマラスでファットな味わいかと思います。グラン・クリュになりますとその辺りが少し変わって来て、ドライに仕上げさえしますと・・涼やかでミネラリティがバッチリ感じられる縦延び系になるんですが、そんな資質が出ているのかもしれません。
ドイツのモーゼル辺りの出来の良いものは、もっと酸が立っていて、ミネラリティも金属系のものを感じるんですが、どうでしょう・・少しドイツっぽさも感じられるかもしれませんね。
そしてメンヒベルクもそうですが、「砂」の存在がまた・・そのスタイリッシュさにも影響しているでしょうし、砂の組成がまたミネラリティにも影響するはずです。
砂の中には・・あ、川砂と海砂でも結構異なるかもしれませんし、人為的に崩して砂を作ったりもしているのでしょうが、あの・・
「キラキラとした透明、白色の小さな粒」
もあるはずです。

そして砂が有ると言うことは、元々は川だったり、海だったり・・と言う地形が多いと思われますが、
「その砂がリースリングの味わいをクッキリとしたものにしている」
のが、この「レルシェンベルグ」なのかもしれません。
マルセル・ダイスなら・・「準1級・自称1級」かも・・しれませんね。
先だってのギルベール・ジレのサヴィニー=レ=ボーヌのワインのご紹介には、結構な頻度で「砂質」を書かせていただきました。まぁ・・単純には「さらりとしたニュアンスが加わる」と思っていて良いかとも思います。それに加え、例えば・・あのフェルム36の矢野さんのところの畑もですね・・
「昔は川底!」
と言うことで、勿論・・川の上流とか中流とか・・下流とかでも変わると思いますが、矢野さんのところは「中流?」なのかなと・・比較大きめの角の取れた丸めの石が多くて大変だったとおっしゃっているようですので・・。
で、あの素晴らしいミネラリティですよ。日本のワイン生産者さんの中でも指折りのミネラリティの有るワインを造られると思いますが、砂とか、石とか・・それが地中に有ると言うことが、あの味わいになっているのが面白いなと思っている訳です。
そしてこのリースリングにはおそらく細かな砂・・そして、風化して崩れやすくなっているんじゃないかと思えるミネラリティが有ります。ぜひ飲んでみてください。めちゃお買い得なリースリングだと思います。お薦めです。
以下は以前のレヴューです。
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【So2無添加のグラン・クリュに接した畑のリースリング!・・滅茶ナチュールですが、滅茶美味しい!・・リースリングのソリッドさはSo2によるものなのか?と思ってしまいそうな美味しさです!】

思えば随分とビオ系の生産者さんには悩まされたような気がしています。今はだいぶ・・良くなったと思うんですが、例えばインポーターさんも・・
「臭い」
とは言ってくれなかった訳です。
臭い・・と言うのは色々有りますでしょう?・・自然派ワインの場合。豆っぽかったり・・お酢臭かったり・・。昔は「厩臭(うまやしゅう)」まで有りました。
noisy としましては、その辺がどうしても許せないので・・
「酢酸臭がする場合、許容範囲か範囲外か・・位は自分たちで判断して伝えましょうよ」
と・・散々、言って来た訳です。10数年も言い続けて来ましたが、ようやっとこの何年かで・・インポーターさんも、その辺りを伝えてくれるようになったと感じています。いまだに隠したい方々はいっぱいいらっしゃいますが。黙っていて販売出来てしまうのならその方が良い・・と考えているのかもしれないと、勘繰りたくなってしまいます。
で、このマーラーさんちのリースリングは何と・・
「So2無添加!」
です。それでこの色彩・・です。まっ茶っ茶じゃぁ・・有りません。美しい黄色です。もっとも・・抜栓して時間が経過しますと色は落ちて行きますが。

で、揮発酸ですが・・ハッキリ言いましょう。
「揮発酸は有ります!」
・・(^^;;
ですが、まったくこれ・・許容範囲内です・・と言いますか、
「このワインの表情にはむしろ必要不可欠で有り、必要な要素だと言えるし、揮発酸だけを取り出してああだこうだと言う必要が無い!」
と言えると感じます。
こんなことが出来るんですね・・いや、ちょっと驚きました!
シュレールにせよメイエにせよ・・「これは勘弁して欲しいなぁ・・」と思ったことは多く有ります。
「ぷんぷんと匂って・・飲んで行くうちに揮発酸値が増大して行く」
なんてことも有る訳です。
ですが・・・非常にノーブルです!尖がったカチコチのリースリングでは無く、ふくよかでふんわり優しく丸い、しかも果実感はしっかり、ミネラリティもしっかり、余韻まで美味しいリースリングです。
これは飲んでみて欲しいですね・・未来を担う味わいになるんじゃないか・・少なくとも、この方向性は間違い無いと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● N.V.(2021) Cremant d’Alsace
クレマン・ダルザス
【サン・スフルでドザージュ無しのエクストラ・ブリュット!・・これはちょっと・・図抜けたクレマン・ダルザスです!!】

ちょっとビックリしたクレマン・ダルザスです。相当出来が良いです。
泡質も細やかです・・持続性も実は良い・・長いんですが、
「見た目としての泡の持続は長くは無い」
です。2枚目の写真は、カメラを用意しているうちに大部分の泡が引けてしまったので、再度注いで上から撮りました。
まぁ・・そこはおそらく熟成と絡んだ部分でしょうから、1~2年寝かせることが可能ですと、少し変わって来ると思います。
そして面白いのは、
「ピノ・ノワールを10%加えている」
ことでしょうか。
ワインの色彩として、黄色が濃い目に感じられますが、そこにはピノ・ノワールがそれなりに関与していると思いますし、味わいの華やかなコクにも影響を与えていると感じます。因みにピノ・ブラン主体ですが、
「ピノ・ブラン的な抜けた感じは無く、煌びやかな酸がしっかり有る!」
ので、エチケットを見なければ、
「ん?・・シャンパーニュ?」
と思われる方もおられると思えるほど、酸の味わいが立体的でめちゃ見事です。

MCRが寄与しているのかフルーツな美味しさもたっぷり有りますが、シャンパーニュ的にやや抑制されているようなニュアンスも有り、本格派を想像させます。
また余韻の長さも酸の組成の素晴らしさゆえでしょうか・・美しいパレットを描き、長く感じさせてくれます。やはりルイ・モーラー..凄いですね・・半端無いポテンシャルをお持ちの方です。
例えば、トラペ・ダルザスが始まった時には、
「ん~・・リーズナブル系なのかな?」
と感じました。数年経過してから、
「・・げげっ・・超本格派に大変身?・・と言うより、最初からそこを目指していたんだ」
と気付きました。
ルイ・モーラーはトラペ・ダルザスとはスタンスは異なるかな?・・自由で飲み心地良く、So2は使わずに新たなトライをして行く・・つまり、
「自分が飲みたい、良いと思うアルザスワインを造りたい」
と思っているのかと感じます。
クレマン・ダルザスとしますと、図抜けた存在かと思います。飲んだ後も実に身体が軽いです。ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!
● 2022 Pure Souche
ピュール・スーシュ
【これがエデルツヴィッカーなら、とんでもなく高い酒質!!・・ヴァン・ド・ソワフと言えるほどにクイクイ行けると思いますが、非常に充実した味わいです!】

確かに確かに・・飲み口が良いですし、飲み心地も最高!・・しかしながら、酒質としましては、
「相当に高く感じる!」
・・デイリーワインです。まぁ・・エデルツヴィッカーと言えば、
「ブルゴーニュならグラン・ドルディネール」
でしょう。
あ、ルロワさんちのグラン・ドルディネール・・いや、違った・・今はグラン・ドルディネール改め「コトー・ブルギニヨン」ですが、某百貨店の高XXさんでは、ドメーヌ・ルロワの2017年コトー・ブルギニヨンが8万円税別・送料別で販売されていまして、ついこの間までは5万円ほどだったんじゃないかと・・違ったかな?・・凄いですね~・・ちょっと呆れています。
完全にマロラクティックで抑制され、エキスの美味しさに磨きをかけた高級白ワインです。ヴァン・ド・ソワフと言うのは・・
「・・冗談?」
と言いたくなるほどです。でも飲み心地、酔い心地は本当に良いです。

決してジューシーと言うような味わいでは無く、マロラクティック(二次発酵)をして強いリンゴ酸を滑らかな乳酸に変えています。
オイリーで、ほんのりと高質なリースリング的な果皮、軽めのぺトロール的なニュアンスが感じられます・・リースリングは使ってないとのことですが・・。ほんのりと煙、石、リンゴや梨、柑橘が香ります。
So2 の少なさ由来でしょうか、ふんわかとした柔らかなニュアンスに硬質なミネラリティが混じった感じです。クイクイと行け、しかし複雑な味わいを多分に持っています。
これが・・ユーロが120円ほどなら、2千円ちょっとになると思えば・・残念ですが、それでも3千円を切って飲めるのは非常に有難い・・かなりポテンシャルのある白ワインです。ぜひ飲んでみてください。凄い生産者さんだと思います。
● 2022 Retour aux Sources
ルトゥー・オー・スルス
【白ワインなのに何と・・「ド」が付く様な見事なピンクなオレンジ色!!・・旨いだけじゃなくて飲み心地最高!・・こんな白・・いや、ピンク・・いや・・オレンジそのもの、飲んだことあります?!・・テンション上がるの、間違い無しのサン・スフルです!】

「わ~お・・!」
と・・思わず声が上がるんじゃないかと予想していますが、耐えられましたか?
そう・・美しいですよね~・・言わば、
「サーモン・ピンク!」
でしょう?・・しかも、エライ新鮮なサーモンじゃ無いと・・こんな感じにならないんじゃないかと。実に美しい色彩です。
しかもこれ、
「So2無添加のサン・スフル!」
です。一体、どうやって色を落ち着かせているのか・・その辺は経験なんでしょうかね。ルイ・モーラー..恐るべし天才!・・と感じてしまいます。
で、飲んでみて・・ど~にもこ~にも言葉にならないようですと、へなへなと・・そんな感覚も一気に萎んでしまう訳ですが、
「飲み始めても実に旨い!」
んですね・・。ビックリです!
まぁ・・これ、オレンジワインなのでしょうが、ここまで見事な色彩をしていますと・・
「オレンジワインとは言い辛い・・」
ですよね。

ピュアでナチュラルでドライです。そしてビオでSo2も無添加ですから・・
「アヴァンギャルドかな?・・オフなフレーヴァーがツンと来るんじゃないの?」
などと想像してしまいますが、いやはや・・そんなものは一切無いです。めちゃピュアです。
まさに、皮をむいたオレンジを彷彿して良い・・そんな溌剌としたフレーヴァーです。パレットも丸く美しい・・そして、酸はしっかりしているのに侵入角度が緩いので、スイ~っと入って来ます。
中盤もキツさの無いふっくらとした膨らみから、ふんわり感を感じさせながらの美しい収束。
「ん・・確かに白ワイン・・それも相当旨い!」
と感じていただけるでしょう。
面白いのは、時間が経過するほどに膨らんで来るんですね。アンフュージョンに留めているのが良い結果をもたらしているのかもしれませんが、
「この・・尖がった色彩とは裏腹に、見事に白ワインしてる!」
と言うことなんですね。
もちろん、オレンジワイン風に感じる部分も有る訳ですが、そう言ったものはほぼ・・伸びが無いものが多いんですね・・。
なので、
「反対に(良い意味で)違和感。オレンジらしい超内向きのナイーヴさはむしろ無い!」
と言えるのかも・・しれません。素晴らしい出来です!ぜひ飲んでみてください。
「こんなの、飲んだことない!
・・ときっと思われるでしょう。お薦めです。
● 2022 Pinot Noir
ピノ・ノワール
【ドライで美しい!・・めちゃ端正なピノ・ノワールです!・・So2も少なく貴重な存在です!ポスト・ジェラール・シュレールはルイ・モーラー!?】

ジェラール・シュレールを初めて飲んだ時は驚きました・・余りの綺麗さ、美しさに・・そして、So2 を使いたく無い人なんだなと・・INAOとも常に揉めているのがラインナップを見ても伝わって来ました。
ただし、時折見せる・・
「・・これ、大丈夫かぁ?」
みたいにしか判断しようのない味わいが、noisy をずいぶんと迷わせてくれたんですね。
なのでそのようなキュヴェに出くわすと、
「・・これはたぶん、3~5年置けば大丈夫かな」
などと判断し、そのまましばらくお蔵入りにしてしまうとか・・でも、
「・・これ、古いのに何であるの?」
と忘れてしまうことも度々・・、ビオの難しさを実感していました。

そんな中で時折少しだけいただけたシュレールのシャン・デ・ゾワゾーの美しい味わいには・・驚きましたね・・
あそこは白葡萄の畑のようで、石灰が強く淡い色調になっており・・華やかな美しいアロマでした。このピノ・ノワールも、
「とんでもなくドライ!」
ですが、旨味をちゃんと感じる酸バランスに仕上がっていて、しかもグラスの写真をご覧いただけば判ると思いますが、
「何となく白っぽい!?」
ですよね・・。
華やかな石灰由来のアロマも、シャン・デ・ゾワゾーには適わないとしても、しっかり感じます。
素晴らしい出来だと思います・・・ルイ・モーラー...ぜひ覚えておいてください。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【このSo2無添加のピノ・ノワールのアロマは正にピノ・ファン的!・・薬品無しのピノ・ノワールは、シュレールのシャン・デ・ゾワゾーにも重なります。ピノ・ノワール裸の姿に驚いてください!】

素晴らしいアロマです!・・スピードも速くノーズにふんわり・・しかしスムーズにピノの美しい香りを運んでくれます。
フラワリーでもあり果実的でもあり香水的でもあり、しっとりしたスパイスがエレガントに香ります。
アルザスは夏場、そこそこに暑いので・・もっと真っ黒で粘土のニュアンスが全面を覆っているような、
「どちらかと言うと暑苦しい感じがするピノ・ノワール」
が多いでしょう?
ジェラール・シュレールのピノのトップ・キュヴェ、グラン・クリュなのに名乗れないシャン・デ・ゾワゾーも、淡い色彩に多分な石灰のニュアンスを持った味わいで滅茶エレガント・・でもエキスはそれなりに濃密ですが、このピノ・ノワールも・・かなり似たニュアンスを持っていると感じました。
まぁ・・シャン・デ・ゾワゾーの方が繊細さが際立っているかと思いますが、このピノ・ノワールはなんせ、
「So2無添加!」
です。

残存量もかなり少ないですから・・言ってみれば、
「素っ裸のピノ・ノワール!」
なんですね。
初めてシュレールのシャン・デ・ゾワゾーを飲んだ時はおったまげましたが、惜しくも届かないまでも・・
「かなり近いんじゃない?」
と言えるんじゃないでしょうか。
白ワインよりは無添加で造りやすい赤ワインだとは言え、このレベルでワインを仕上げられることに驚きを感じます。しかもこちらは酢酸的ニュアンスはほぼ無いんですよね・・。
複雑性は届かないにせよ、シャンボールの・・ミュジニーにも近い部分にも似た素晴らしいワインでした。是非飲んでみてください。超お勧めします!
● N.V.(2023) au bout du Goulot Blanc
オー・ブー・デュ・グロ・ブラン
【高く高度なナチュールさに加え、美しいピュアさ!葡萄そのものを頬張っている・・そんなイメージのペティアンです!】

ナチュールですね~・・めちゃナチュールです!比較、癖の少ないリースリングを主体に若いうちは硬質なミュスカを加えてバランスを取ったアルザスのペティアンです。
何せ、澱引きもしていませんから・・結構に澱は有りますが、飲んだ感じでは・・
「邪魔にはならない」
です。
そして、
「その澱が旨味の元?」
になっているようなニュアンスで、意外や意外・・結構に太目の味わいがします。
泡質は強くは無く、しかしペティアンとしますと程良い感じです。ペティアンの場合は結構、「粗い感じの泡」になる場合が多いように感じますが、そこそこにふんわり感が有ります。甘みはほとんど無く、ドライです。
アロマは泡に載って飛び込んできますが、まったく「危険性の無い」美しいもの。ナチュールなニュアンスはバリバリに有りますが、同時に、
「ピュア感」
も半端無く有ります。

色彩は結構に濁った黄色ですが、
「濁った味」
と言うよりは、
「深みのあるピュアな味わいとノーズ」
です。
ん~・・こういうのは良いですね・・。やはりビオ系で半端無いナチュール度だとしても、揮発酸が泡に載って「ツーン」と香るようだと興醒めしてしまいます。大抵の場合、そのような泡になってしまいますと・・
「余韻の風味がみんな同じ・・そしてワインならではの余韻とはかなりかけ離れる」
場合が多いです。
こちらはヴィヴィットさんのセレクションですが、やはりバイヤーさん・・と言いますか、彼らの選択眼は中々に良いと感心しています。決して「変なの」は・・無いと言いますか、余り無い・・です。
余り無いと言うのは・・ヴィヴィットさんがそのつもりでいても、時に生産者さんが暴走することも有り得ますから、そんな時は Noisy wine のようなセレクトショップがちゃんとレヴューすれば良い訳ですよね。
価格も安く、残存So2 も滅茶少なく・・
「たったの18mg/L!」
心地良い飲み口なのもご理解いただけるでしょう・・そしてリーズナブルです。どうぞよろしくお願いいたします。お薦めします!
● 2022 l'Etrange Orange
レトランジュ・オランジュ
【これぞ・・オレンジワイン!!・・じゃない?・・オレンジワインと名乗るフレーヴァーが飛んで存在しないオレンジ色のワインとは、まったく異なる見事な味わいです!】

「 noisyさんは余りオレンジワインは扱わないですよね?」
と稀に聞かれることが有ります。なのでそんな時は、
「・・タイミングかなぁ・・。敢えてオレンジを探すと言うような行動はしないけど、美味しいのが有ればやってるよ。」
と返しています。
中々オレンジワインで美味しいの・・って・・無いですよね。ピノ・グリが本家かなぁ・・と思いますが、なんとこのワインは、
「ゲヴェルツトラミネール100%!」
で造ったオレンジワインなんですね・・。
ですから比較的おとなしいピノ・グリよりも、輪郭やアロマが活き活きしていて、ディテールがしっかり感じられます。
でも一般的なゲヴェが見せるような、
「ちょっと尖がって、スパイスがキツイ」
ようなスタイルにはなっておらず、滑らかでしっとりしつつ、硬軟、強弱をわきまえたかのような素晴らしい表情を持っています。

ドライで、ほんのり活き活きしたスパイス、フルーティーです。でもそれだけか?・・と言う訳では無く、お茶とか紅茶を香らせたかと思えば、
「ん?・・杏のドライフルーツまで・・出てくる?」
と言うような瞬間も有り、非常に楽しめます。
何より、酢酸系のドギツイ香りの邪魔が入らず、美しくて味わいそのもの、香りそのものを楽しめるんですね・・。
さらには、身体に優しいと言うのが・・飲み終えて30分~1時間後に感じられると思いますよ。基本、So2は「余り使いたくない人」のようです。
まぁ・・オレンジですから、物凄くポテンシャルが有るか?・・と言われましたら、
「・・いや、そこまではどうでしょ。」
と言わざるを得ませんが、
「アルザスのゲヴェルツトラミネール種としても楽しめる」
性格も有ると感じます。ぜひ飲んでみてください。意外にも骨太です。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【生きているオレンジワイン!?・・多種多彩な果実のニュアンスがたっぷりで華やか!・・造り手のセンスを感じさせる素晴らしいオレンジです!】
有りそうで余り見あたら無い・・でしょう?
「ナチュラル感が凄く載った美味しいオレンジワイン!」
って・・何か有るでしょうか?
仮に・・この言葉を3つに分けて、
「ナチュラル感が凄く載った」
「美味しい」
「オレンジワイン」
にした場合には、それぞれにそこそこに挙げられるかと思うんですよね。
ですがこの3つを繋げてしまいますと・・
「まず・・当たらない・・見当たらない」
でしょう?
もしくは、もう少し敷居を低くして、
「ナチュラル感のある美味しいオレンジワイン!」
にしたところで・・どうでしょう?・・

実は、オレンジワインを飲んでナチュラル感を感じる場合に・・は、
「美味しい!」
が抜けちゃうんですよ。
ナチュラル感は有っても美味しさが・・少ないんですね・・。なんか、枯れてしまったものばかりを集めたような感じだったり、ビオ的に攻めたは良いが、何を飲んでいるのか悩むような感じだったりしないでしょうか?
この「レトランジュ・オランジュ」は、
「まさにオレンジ感がバッチリ!」
です。
オレンジな果実やミント、ハーブが優しくふっくらと・・感じられます。ドライフルーツ的なニュアンスも有りますが、多くのオレンジワインがそうであるように、「お茶・ウーロン茶」的なニュアンスはほんの僅かで・・「その他大勢」です。
もし・・このワインを自身の設計通りに造れたのだとすると・・この方、相当半端無いと思います。色彩も生きています!
揮発酸は僅か・・です。しっかり要素の一つとして溶け込んでおり、揮発酸を意識することは無いに等しいでしょう。美味しいオレンジワイン!?・・です。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2022 Pinot Gris Duttenberg
ピノ・グリ・デュッテンベルグ
【ん?・・2021年ものとはだいぶ色調が異なる??・・でも、味わいはかなり似ているし・・でもミネラリティの出方がちょっと違うかも??】

・・とても旨いです!・・ピノ・グリなんですが、むしろ2021年ものよりもクリスタルなミネラリティが多分に存在しているような感じがします。
何しろ2021年ものの時は、一瞬これもオレンジか?・・と思った位ですから・・オレンジ的なソフトさと、ちょっとした濁りと、収穫の遅さ??・・みたいなものは感覚的に持っていたと思います。
2022年ものはむしろ若々しく、透明なミネラリティが多分に有り、それこそ・・
「・・あれ?・・これってピノ・グリなの?」
と、品種を疑ってしまうような、素直なスパイスと、やや硬質な果実の風味を感じ、とてもスタイリッシュで完成度が高いと感じました。
アルザスワインって、結構に「熱」を感じるシュチュエーションが多いんですが、このピノ・グリも冷ややかです。ルイ・モーラーのワインは基本、結構にドライで冷ややか、エレガントで・・なので、そのアルザス風の熱風とか蒸し暑さとかは出て来ないんですね。

やや色落ちして見えるのは、おそらく、
「野生酵母を使用することと、発酵初期にSo2を使用しないこと」
に由来すると想像しています。
まぁ・・現在は野生酵母を使用してボラティル値を上げないためには様々な手法が有って、どのような手法を取っているのかは判りませんが、
「ルイ・モーラーはその辺り、かなり上手い!」
と言えます。
仕上がるワインは美しく、ドライでナチュラルで、でも危険性はほぼ無いんですね・・。ぜひ飲んでみてください。ピノ・グリがこれほどピュアで透明感が有るんだ?・・と驚かれるでしょう。お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【優しくナチュラルな果実感の高い、ほんのりスパイシーなピノ・グリ!これも滅茶旨いです!】
色彩だけ見れば・・オレンジワインにかなり近いですよね・・(^^;;
ですがこちらは、発酵時に果皮と種子を漬け込まないので、多分・・オレンジワインとは言わないはずです・・知りませんが。オレンジワインの発祥の地と言われているジョージアでは元々、白葡萄もマセラシオンしていたので・・オレンジ色の色素が出てオレンジワインと言われたんだと思いますが、
「こちらはオレンジワインでは無い」
としておきます。
「レトランジュ・オランジュ」の方はステンレスタンクでマセラシオンしますから、果皮と種子から色素やタンニンなどが出て、
「味わいに深みが出ている」
訳ですね。
ですが、非常に・・バランスが良く、果皮と種子からの抽出したものが出しゃばらないので、むしろ・・
「マセラシオンを意識せずに普通に美味しく飲める!」
ほどの味わいなんですね。まぁ・・あちらはゲヴェですが。

こちらはピノ・グリですから、ゲヴェほどはスパイシーさが無く、優しいスパイスのアロマが有ります。
マセラシオンしていない、普通の白ワインの造りですから・・レトランジュ・オランジュよりはスッキリしているはず・・なんですが、
「・・ん・・そこも余り意識しないで美味しく飲めてしまう!」
のが恐ろしいところです。いや・。・モーラーさん、非常にお上手!
こちらも僅かに揮発酸は出ています。少量So2 も使用したようです。ですが、飲み終えた後の身体の自然な酔い・・と言いますか、酔い自体が非常に軽いです。
残存So2は30mg/L ほどのようで・・これだと、
「ほぼ使用していない!」
に等しいです。
通常は醸造で10~20mg/L ほどは生成されてしまう訳ですね。なので、ボトル詰めの時に「大きなタンク(1000Lほど)に耳かきで一杯」みたいな感じなのでしょう。
丸っとしたリンゴや洋ナシ、花梨、ハーブなスパイス。中域も適度な膨らみでふんわりなミネラリティがノーズに還って来ます。余韻もふんわり・・優しい味わいが長く持続します。美味しいです。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2022 Riesling Lerchenberg
リースリング・レルシェンベルグ
【アルザス・リースリングとしますと、結構にスレンダーで縦延び!?少しドイツ風のリースリングがセパージュされているかと思えるほど、ファットでない質感の美味しさです!】

これは出来も良いです。グラスの淵を粘って落ちる涙の粘性が見て取れます。そして、グラン・クリュ・メンヒベルクに隣接と言うこの畑の素性の良さが、エレガンスに現れています。
アルザスのリースリングと言いますと、そもそもが遅熟ですし、熟させないと言うような造り手の意思も有るのか、結構にグラマラスでファットな味わいかと思います。グラン・クリュになりますとその辺りが少し変わって来て、ドライに仕上げさえしますと・・涼やかでミネラリティがバッチリ感じられる縦延び系になるんですが、そんな資質が出ているのかもしれません。
ドイツのモーゼル辺りの出来の良いものは、もっと酸が立っていて、ミネラリティも金属系のものを感じるんですが、どうでしょう・・少しドイツっぽさも感じられるかもしれませんね。
そしてメンヒベルクもそうですが、「砂」の存在がまた・・そのスタイリッシュさにも影響しているでしょうし、砂の組成がまたミネラリティにも影響するはずです。
砂の中には・・あ、川砂と海砂でも結構異なるかもしれませんし、人為的に崩して砂を作ったりもしているのでしょうが、あの・・
「キラキラとした透明、白色の小さな粒」
もあるはずです。

そして砂が有ると言うことは、元々は川だったり、海だったり・・と言う地形が多いと思われますが、
「その砂がリースリングの味わいをクッキリとしたものにしている」
のが、この「レルシェンベルグ」なのかもしれません。
マルセル・ダイスなら・・「準1級・自称1級」かも・・しれませんね。
先だってのギルベール・ジレのサヴィニー=レ=ボーヌのワインのご紹介には、結構な頻度で「砂質」を書かせていただきました。まぁ・・単純には「さらりとしたニュアンスが加わる」と思っていて良いかとも思います。それに加え、例えば・・あのフェルム36の矢野さんのところの畑もですね・・
「昔は川底!」
と言うことで、勿論・・川の上流とか中流とか・・下流とかでも変わると思いますが、矢野さんのところは「中流?」なのかなと・・比較大きめの角の取れた丸めの石が多くて大変だったとおっしゃっているようですので・・。
で、あの素晴らしいミネラリティですよ。日本のワイン生産者さんの中でも指折りのミネラリティの有るワインを造られると思いますが、砂とか、石とか・・それが地中に有ると言うことが、あの味わいになっているのが面白いなと思っている訳です。
そしてこのリースリングにはおそらく細かな砂・・そして、風化して崩れやすくなっているんじゃないかと思えるミネラリティが有ります。ぜひ飲んでみてください。めちゃお買い得なリースリングだと思います。お薦めです。
以下は以前のレヴューです。
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【So2無添加のグラン・クリュに接した畑のリースリング!・・滅茶ナチュールですが、滅茶美味しい!・・リースリングのソリッドさはSo2によるものなのか?と思ってしまいそうな美味しさです!】

思えば随分とビオ系の生産者さんには悩まされたような気がしています。今はだいぶ・・良くなったと思うんですが、例えばインポーターさんも・・
「臭い」
とは言ってくれなかった訳です。
臭い・・と言うのは色々有りますでしょう?・・自然派ワインの場合。豆っぽかったり・・お酢臭かったり・・。昔は「厩臭(うまやしゅう)」まで有りました。
noisy としましては、その辺がどうしても許せないので・・
「酢酸臭がする場合、許容範囲か範囲外か・・位は自分たちで判断して伝えましょうよ」
と・・散々、言って来た訳です。10数年も言い続けて来ましたが、ようやっとこの何年かで・・インポーターさんも、その辺りを伝えてくれるようになったと感じています。いまだに隠したい方々はいっぱいいらっしゃいますが。黙っていて販売出来てしまうのならその方が良い・・と考えているのかもしれないと、勘繰りたくなってしまいます。
で、このマーラーさんちのリースリングは何と・・
「So2無添加!」
です。それでこの色彩・・です。まっ茶っ茶じゃぁ・・有りません。美しい黄色です。もっとも・・抜栓して時間が経過しますと色は落ちて行きますが。

で、揮発酸ですが・・ハッキリ言いましょう。
「揮発酸は有ります!」
・・(^^;;
ですが、まったくこれ・・許容範囲内です・・と言いますか、
「このワインの表情にはむしろ必要不可欠で有り、必要な要素だと言えるし、揮発酸だけを取り出してああだこうだと言う必要が無い!」
と言えると感じます。
こんなことが出来るんですね・・いや、ちょっと驚きました!
シュレールにせよメイエにせよ・・「これは勘弁して欲しいなぁ・・」と思ったことは多く有ります。
「ぷんぷんと匂って・・飲んで行くうちに揮発酸値が増大して行く」
なんてことも有る訳です。
ですが・・・非常にノーブルです!尖がったカチコチのリースリングでは無く、ふくよかでふんわり優しく丸い、しかも果実感はしっかり、ミネラリティもしっかり、余韻まで美味しいリースリングです。
これは飲んでみて欲しいですね・・未来を担う味わいになるんじゃないか・・少なくとも、この方向性は間違い無いと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2021 Riesling Grand Cru Moenchberg
リースリング・グラン・クリュ・メンヒベルグ
【2022年11月時点でのSo2残存量はたったの16mg/L!・・すでに半年以上経過していますから・・実質ゼロでしょう!・・裸のGCリースリング!】----すみません、こちらは以前のレヴューを使用しています。

最近、近所に出来た地元系の野菜を美味しく食べさせてくれるレストランに、定休日にランチに行くのがマイブームになっていたりします。
もっとも・・定休日と言っても店のシャッターを開けないだけで、自宅か店かで必ず仕事をしていますから、年間休日は若干増えて7日か8日・・。どうあがいても超ブラックな店です・・と文句を言ってもど~にもならない訳ですが。
それに近所と言いましても車で15分ほど離れたところにそのレストランさんは有りますし、予約をしないと伺っても入れないこと、食材が不足して希望のものが食べられないことも有りますから、何日か前に予約を入れ忘れないようにしないといけません。
予約をネットで入れるんですが、車は乗り合わせでお願いしますと出ますし、20人も入ると一杯のお店ですからさほどは大きくは無い・・でも、いつも一杯で、女子率90パーセント超え・・間違い無し。先日も男性は2人だけでした。
このお店に伺ってみて、久しぶりに美味しい野菜を美味しく食べさせていただけたのに驚き、何度か通っている訳ですが・・やはり素材が良いだけでは無く、それをどう料理するか?・・みたいな部分がちゃんとしていないと、美味しくは食べられないですよね。ここのお店は、
「野菜の味がちゃんとする」
んですよ。歯ごたえも良い・・香りも良い・・五味もちゃんとするし、でも基本、味付けは優しい・・(^^;; まぁ、時に異なることも有るかもしれませんが。

で、このリースリング・グラン・クリュのメンヒベルクもまた・・
「葡萄の味がちゃんとする!」
んですね~・・。
それも・・尖がってもおらず、葡萄をちゃんと感じさせてくれる・・気付けばそれはリースリングだった!・・と言う感じです。
アルザスに良くある・・僅かに甘いリースリングでは無く、基本・・全くのドライです。ですが、余計なものは全く感じず・・柔らかでしっかり香りが立つのに嫌味が無い・・訳です。
ドギツい果実が有る訳では無く、やさしく丸い・・でも繊細で・・フレッシュな素材だと感じるんですね。美味しいです。
飲んだ後に、
「・・あぁ・・飲んじゃった・・」
みたいな罪悪感が全然浮かんでこないんですね・・あ、あのお店と同じだなぁ・・と思った次第です。
因みにモーラーさんちは、以前からワインを造っていたようです。ですが、評価が余り高く無かった・・(^^;;
親父さんたちや、お爺さんたちの時代とは全然違うスタンスでルイさんが継いだ・・もしくは分けて貰ってドメーヌを興した?のでしょう。
「野菜の味がちゃんとする美味しい料理」--->「葡萄の味がちゃんとする美味しいワイン」
です。揮発酸もほとんど感じません。全く無い・・もしくは存在しなかった・・とは言いませんけど!・・それよりまず飲んでみてください。そしてこのグラン・クリュの高質さを楽しんでみてください。お勧めです・・リーズナブルです!
● 2020 Pinot Gris Grand Cru Moenchberg
ピノ・グリ・グラン・クリュ・メンヒベルグ
【ギラギラしてない、優しくしっとりなG.C.メンヒベルクのピノ・グリ!普通に有るアルザスのちょっと尖った厳しい攻めが無い!・・けれどちゃんと硬質さが存在しています。】-----すみません、こちらは以前のレヴューを使用しています。

呆れたアルザス・グラン・クリュのピノ・グリです。まぁ・・イタリアだとピノ・グリージョですが、イタリアにはグラン・クリュ格付けはありませんしね。
アルザスではグラン・クリュの畑で、グラン・クリュを名乗れる品種で有れば、申請・官能検査を経て晴れてグラン・クリュを名乗れる訳です。
ですが、フランスでは時に・・検査で落とされる場合も場合も多く有ります。
もし・・30年前に、この色彩で審査に出したら・・通ったのかな?・・とちょっと疑問に思ってしまいました。何せ、色彩がね・・オレンジ系ですから・・。So2 がもう少し多ければ・・と言いますか、自然酵母で無ければ圧搾時にSo2を使用出来ますから、もっと黄色いはずなんですね。
マセラシオンしないまでもゆっくりと時間を掛けてプレスする・・と、どうしても酸化してしまいますから、昨今はその際に色々やったりする訳です。でもその際に失敗すると、せっかくの自然酵母が動いてくれなかったり・・するはずなんですね。
でも、
「わたし・・失敗しないので・・」
みたいに・・見事なグラン・クリュ・ピノ・グリを造っています。エチケットの真ん中の色とほとんど同じですよね・・。

G.C.リースリングよりもよりふくよかで、ほんのりと蜜、花梨、洋ナシ、各種ピール、ハーブの複雑な構成・・です。暑苦しく無く・・あ、そうそう・・揮発酸もほぼ無いです・・と言いますか、全く気にする必要が無いです。
滑らかで柔らか、ミネラリティもふんわり・・奥に潜むニュアンスは優雅なのでむしろブルゴーニュに近いと思いますが、現状の表面はロワール中流でしょうか。これからもっと細かな部分が出てくると思います。とても高質です。
中域は適度な膨らみが有り、余韻も穏やかな酸がたなびき、有機物のアロマや石灰系のミネラリティがノーズに戻って来ます。そして身体に優しく浸透していき、最後に非常に穏やかなスパイスを感じさせます。
いや・・良いですね~・・アルザスワインはもっと、ドギツイ(すみません)感じに攻め立ててくるのがほとんどでしょう?
優しく丸いんですよ・・スパイシーだが全然キツクないんです。だから飲んでいる人自身も自然体でいられる・・そんな感じです。飲んでみてください。ピノ・グリ・メンヒベルグ・・美味しいです!お勧めします。
● 2019 Pinot Gris Grand Cru Moenchberg
ピノ・グリ・グラン・クリュ・メンヒベルグ
【ギラギラしてない、優しくしっとりなG.C.メンヒベルクのピノ・グリ!普通に有るアルザスのちょっと尖った厳しい攻めが無い!・・けれどちゃんと硬質さが存在しています。】

呆れたアルザス・グラン・クリュのピノ・グリです。まぁ・・イタリアだとピノ・グリージョですが、イタリアにはグラン・クリュ格付けはありませんしね。
アルザスではグラン・クリュの畑で、グラン・クリュを名乗れる品種で有れば、申請・官能検査を経て晴れてグラン・クリュを名乗れる訳です。
ですが、フランスでは時に・・検査で落とされる場合も場合も多く有ります。
もし・・30年前に、この色彩で審査に出したら・・通ったのかな?・・とちょっと疑問に思ってしまいました。何せ、色彩がね・・オレンジ系ですから・・。So2 がもう少し多ければ・・と言いますか、自然酵母で無ければ圧搾時にSo2を使用出来ますから、もっと黄色いはずなんですね。
マセラシオンしないまでもゆっくりと時間を掛けてプレスする・・と、どうしても酸化してしまいますから、昨今はその際に色々やったりする訳です。でもその際に失敗すると、せっかくの自然酵母が動いてくれなかったり・・するはずなんですね。
でも、
「わたし・・失敗しないので・・」
みたいに・・見事なグラン・クリュ・ピノ・グリを造っています。エチケットの真ん中の色とほとんど同じですよね・・。

G.C.リースリングよりもよりふくよかで、ほんのりと蜜、花梨、洋ナシ、各種ピール、ハーブの複雑な構成・・です。暑苦しく無く・・あ、そうそう・・揮発酸もほぼ無いです・・と言いますか、全く気にする必要が無いです。
滑らかで柔らか、ミネラリティもふんわり・・奥に潜むニュアンスは優雅なのでむしろブルゴーニュに近いと思いますが、現状の表面はロワール中流でしょうか。これからもっと細かな部分が出てくると思います。とても高質です。
中域は適度な膨らみが有り、余韻も穏やかな酸がたなびき、有機物のアロマや石灰系のミネラリティがノーズに戻って来ます。そして身体に優しく浸透していき、最後に非常に穏やかなスパイスを感じさせます。
いや・・良いですね~・・アルザスワインはもっと、ドギツイ(すみません)感じに攻め立ててくるのがほとんどでしょう?
優しく丸いんですよ・・スパイシーだが全然キツクないんです。だから飲んでいる人自身も自然体でいられる・・そんな感じです。飲んでみてください。ピノ・グリ・メンヒベルグ・・美味しいです!お勧めします。
● 2019 Riesling Grand Cru Moenchberg
リースリング・グラン・クリュ・メンヒベルグ
【2022年11月時点でのSo2残存量はたったの16mg/L!・・すでに半年以上経過していますから・・実質ゼロでしょう!・・裸のGCリースリング!】

最近、近所に出来た地元系の野菜を美味しく食べさせてくれるレストランに、定休日にランチに行くのがマイブームになっていたりします。
もっとも・・定休日と言っても店のシャッターを開けないだけで、自宅か店かで必ず仕事をしていますから、年間休日は若干増えて7日か8日・・。どうあがいても超ブラックな店です・・と文句を言ってもど~にもならない訳ですが。
それに近所と言いましても車で15分ほど離れたところにそのレストランさんは有りますし、予約をしないと伺っても入れないこと、食材が不足して希望のものが食べられないことも有りますから、何日か前に予約を入れ忘れないようにしないといけません。
予約をネットで入れるんですが、車は乗り合わせでお願いしますと出ますし、20人も入ると一杯のお店ですからさほどは大きくは無い・・でも、いつも一杯で、女子率90パーセント超え・・間違い無し。先日も男性は2人だけでした。
このお店に伺ってみて、久しぶりに美味しい野菜を美味しく食べさせていただけたのに驚き、何度か通っている訳ですが・・やはり素材が良いだけでは無く、それをどう料理するか?・・みたいな部分がちゃんとしていないと、美味しくは食べられないですよね。ここのお店は、
「野菜の味がちゃんとする」
んですよ。歯ごたえも良い・・香りも良い・・五味もちゃんとするし、でも基本、味付けは優しい・・(^^;; まぁ、時に異なることも有るかもしれませんが。

で、このリースリング・グラン・クリュのメンヒベルクもまた・・
「葡萄の味がちゃんとする!」
んですね~・・。
それも・・尖がってもおらず、葡萄をちゃんと感じさせてくれる・・気付けばそれはリースリングだった!・・と言う感じです。
アルザスに良くある・・僅かに甘いリースリングでは無く、基本・・全くのドライです。ですが、余計なものは全く感じず・・柔らかでしっかり香りが立つのに嫌味が無い・・訳です。
ドギツい果実が有る訳では無く、やさしく丸い・・でも繊細で・・フレッシュな素材だと感じるんですね。美味しいです。
飲んだ後に、
「・・あぁ・・飲んじゃった・・」
みたいな罪悪感が全然浮かんでこないんですね・・あ、あのお店と同じだなぁ・・と思った次第です。
因みにモーラーさんちは、以前からワインを造っていたようです。ですが、評価が余り高く無かった・・(^^;;
親父さんたちや、お爺さんたちの時代とは全然違うスタンスでルイさんが継いだ・・もしくは分けて貰ってドメーヌを興した?のでしょう。
「野菜の味がちゃんとする美味しい料理」--->「葡萄の味がちゃんとする美味しいワイン」
です。揮発酸もほとんど感じません。全く無い・・もしくは存在しなかった・・とは言いませんけど!・・それよりまず飲んでみてください。そしてこのグラン・クリュの高質さを楽しんでみてください。お勧めです・・リーズナブルです!
● 2021 Pinot Gris Duttenberg
ピノ・グリ・デュッテンベルグ
【優しくナチュラルな果実感の高い、ほんのりスパイシーなピノ・グリ!これも滅茶旨いです!】

色彩だけ見れば・・オレンジワインにかなり近いですよね・・(^^;;
ですがこちらは、発酵時に果皮と種子を漬け込まないので、多分・・オレンジワインとは言わないはずです・・知りませんが。オレンジワインの発祥の地と言われているジョージアでは元々、白葡萄もマセラシオンしていたので・・オレンジ色の色素が出てオレンジワインと言われたんだと思いますが、
「こちらはオレンジワインでは無い」
としておきます。
「レトランジュ・オランジュ」の方はステンレスタンクでマセラシオンしますから、果皮と種子から色素やタンニンなどが出て、
「味わいに深みが出ている」
訳ですね。
ですが、非常に・・バランスが良く、果皮と種子からの抽出したものが出しゃばらないので、むしろ・・
「マセラシオンを意識せずに普通に美味しく飲める!」
ほどの味わいなんですね。まぁ・・あちらはゲヴェですが。

こちらはピノ・グリですから、ゲヴェほどはスパイシーさが無く、優しいスパイスのアロマが有ります。
マセラシオンしていない、普通の白ワインの造りですから・・レトランジュ・オランジュよりはスッキリしているはず・・なんですが、
「・・ん・・そこも余り意識しないで美味しく飲めてしまう!」
のが恐ろしいところです。いや・。・モーラーさん、非常にお上手!
こちらも僅かに揮発酸は出ています。少量So2 も使用したようです。ですが、飲み終えた後の身体の自然な酔い・・と言いますか、酔い自体が非常に軽いです。
残存So2は30mg/L ほどのようで・・これだと、
「ほぼ使用していない!」
に等しいです。
通常は醸造で10~20mg/L ほどは生成されてしまう訳ですね。なので、ボトル詰めの時に「大きなタンク(1000Lほど)に耳かきで一杯」みたいな感じなのでしょう。
丸っとしたリンゴや洋ナシ、花梨、ハーブなスパイス。中域も適度な膨らみでふんわりなミネラリティがノーズに還って来ます。余韻もふんわり・・優しい味わいが長く持続します。美味しいです。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2021 Riesling Lerchenberg
リースリング・レルシェンベルグ
【So2無添加のグラン・クリュに接した畑のリースリング!・・滅茶ナチュールですが、滅茶美味しい!・・リースリングのソリッドさはSo2によるものなのか?と思ってしまいそうな美味しさです!】

思えば随分とビオ系の生産者さんには悩まされたような気がしています。今はだいぶ・・良くなったと思うんですが、例えばインポーターさんも・・
「臭い」
とは言ってくれなかった訳です。
臭い・・と言うのは色々有りますでしょう?・・自然派ワインの場合。豆っぽかったり・・お酢臭かったり・・。昔は「厩臭(うまやしゅう)」まで有りました。
noisy としましては、その辺がどうしても許せないので・・
「酢酸臭がする場合、許容範囲か範囲外か・・位は自分たちで判断して伝えましょうよ」
と・・散々、言って来た訳です。10数年も言い続けて来ましたが、ようやっとこの何年かで・・インポーターさんも、その辺りを伝えてくれるようになったと感じています。いまだに隠したい方々はいっぱいいらっしゃいますが。黙っていて販売出来てしまうのならその方が良い・・と考えているのかもしれないと、勘繰りたくなってしまいます。
で、このマーラーさんちのリースリングは何と・・
「So2無添加!」
です。それでこの色彩・・です。まっ茶っ茶じゃぁ・・有りません。美しい黄色です。もっとも・・抜栓して時間が経過しますと色は落ちて行きますが。

で、揮発酸ですが・・ハッキリ言いましょう。
「揮発酸は有ります!」
・・(^^;;
ですが、まったくこれ・・許容範囲内です・・と言いますか、
「このワインの表情にはむしろ必要不可欠で有り、必要な要素だと言えるし、揮発酸だけを取り出してああだこうだと言う必要が無い!」
と言えると感じます。
こんなことが出来るんですね・・いや、ちょっと驚きました!
シュレールにせよメイエにせよ・・「これは勘弁して欲しいなぁ・・」と思ったことは多く有ります。
「ぷんぷんと匂って・・飲んで行くうちに揮発酸値が増大して行く」
なんてことも有る訳です。
ですが・・・非常にノーブルです!尖がったカチコチのリースリングでは無く、ふくよかでふんわり優しく丸い、しかも果実感はしっかり、ミネラリティもしっかり、余韻まで美味しいリースリングです。
これは飲んでみて欲しいですね・・未来を担う味わいになるんじゃないか・・少なくとも、この方向性は間違い無いと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2021 l'Etrange Orange
レトランジュ・オランジュ
【生きているオレンジワイン!?・・多種多彩な果実のニュアンスがたっぷりで華やか!・・造り手のセンスを感じさせる素晴らしいオレンジです!】

有りそうで余り見あたら無い・・でしょう?
「ナチュラル感が凄く載った美味しいオレンジワイン!」
って・・何か有るでしょうか?
仮に・・この言葉を3つに分けて、
「ナチュラル感が凄く載った」
「美味しい」
「オレンジワイン」
にした場合には、それぞれにそこそこに挙げられるかと思うんですよね。
ですがこの3つを繋げてしまいますと・・
「まず・・当たらない・・見当たらない」
でしょう?
もしくは、もう少し敷居を低くして、
「ナチュラル感のある美味しいオレンジワイン!」
にしたところで・・どうでしょう?・・

実は、オレンジワインを飲んでナチュラル感を感じる場合に・・は、
「美味しい!」
が抜けちゃうんですよ。
ナチュラル感は有っても美味しさが・・少ないんですね・・。なんか、枯れてしまったものばかりを集めたような感じだったり、ビオ的に攻めたは良いが、何を飲んでいるのか悩むような感じだったりしないでしょうか?
この「レトランジュ・オランジュ」は、
「まさにオレンジ感がバッチリ!」
です。
オレンジな果実やミント、ハーブが優しくふっくらと・・感じられます。ドライフルーツ的なニュアンスも有りますが、多くのオレンジワインがそうであるように、「お茶・ウーロン茶」的なニュアンスはほんの僅かで・・「その他大勢」です。
もし・・このワインを自身の設計通りに造れたのだとすると・・この方、相当半端無いと思います。色彩も生きています!
揮発酸は僅か・・です。しっかり要素の一つとして溶け込んでおり、揮発酸を意識することは無いに等しいでしょう。美味しいオレンジワイン!?・・です。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2021 Pinot Noir
ピノ・ノワール
【このSo2無添加のピノ・ノワールのアロマは正にピノ・ファン的!・・薬品無しのピノ・ノワールは、シュレールのシャン・デ・ゾワゾーにも重なります。ピノ・ノワール裸の姿に驚いてください!】

素晴らしいアロマです!・・スピードも速くノーズにふんわり・・しかしスムーズにピノの美しい香りを運んでくれます。
フラワリーでもあり果実的でもあり香水的でもあり、しっとりしたスパイスがエレガントに香ります。
アルザスは夏場、そこそこに暑いので・・もっと真っ黒で粘土のニュアンスが全面を覆っているような、
「どちらかと言うと暑苦しい感じがするピノ・ノワール」
が多いでしょう?
ジェラール・シュレールのピノのトップ・キュヴェ、グラン・クリュなのに名乗れないシャン・デ・ゾワゾーも、淡い色彩に多分な石灰のニュアンスを持った味わいで滅茶エレガント・・でもエキスはそれなりに濃密ですが、このピノ・ノワールも・・かなり似たニュアンスを持っていると感じました。
まぁ・・シャン・デ・ゾワゾーの方が繊細さが際立っているかと思いますが、このピノ・ノワールはなんせ、
「So2無添加!」
です。

残存量もかなり少ないですから・・言ってみれば、
「素っ裸のピノ・ノワール!」
なんですね。
初めてシュレールのシャン・デ・ゾワゾーを飲んだ時はおったまげましたが、惜しくも届かないまでも・・
「かなり近いんじゃない?」
と言えるんじゃないでしょうか。
白ワインよりは無添加で造りやすい赤ワインだとは言え、このレベルでワインを仕上げられることに驚きを感じます。しかもこちらは酢酸的ニュアンスはほぼ無いんですよね・・。
複雑性は届かないにせよ、シャンボールの・・ミュジニーにも近い部分にも似た素晴らしいワインでした。是非飲んでみてください。超お勧めします!
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