
いや~・・思いもかけず面白い結果になったので、この際、全部晒してしまいましょう。2006年もののメゾン・ニコラ・ポテル、サヴィニー=レ=ボーヌ・ブランです。
到着したのは2022年の1月です。まぁ・・何カ月置いてるんだ・・って話しも有りますが、やはりちゃんとご案内したいと思ったので、そこそこに買えた収穫から17年目を迎えたシャルドネです。現在は2022年の8月最終ですから、足掛け8カ月のレポート?・・になってしまいました。
1枚目の写真をご覧ください。濃い目のゴールドで、ちょっと良さそうな感じに見えますよね。こちらは2022年の5月末まで箱に入ったまま横に寝ていたワインをそのまま自宅に持ち帰り、さっさと開けてグラスに注いでいます。写真のEXIFを見ますと5月30日の0:30ですね。若干、酸化のニュアンスが有り、杏子やオレンジっぽい果実が仄かに香り、味わいはちょっとお茶が入った感じです。まぁ、ちょっと硬いですが普通に美味しく飲めますし、少しずつ膨張しようと言う意思も感じましたが、ちょっと冴えない味わいでピンボケ気味でした。これなら再度購入して飲みたいとは思わないだろう・・と思える味わいです。

2枚目の写真は8月4日、0:31 の写真です。こちらは飲む前2週間弱ほどから冷暗所(店内セラーです)に立てて置き、そっと持って帰ってそっと開けた同じワインです。
「・・ありゃりゃ・・同じワインとは思えないぞ!」
と思われるかと・・。まぁ、個体差も当然ながら有りますが、コルクの状態はどちらも万全・・むしろ5月30日に開けたコルクの方が美しいですし、8月4日のコルクは接液部がやや濡れています。
こちらは10日以上も立てて置いた性も有るでしょうか、非常に健全な、照りの有る色合いをしています。5~10分もしますと、長く酸素に触れられずに還元状態に置かれていた状況から回復、美しい柑橘にナトリウムっぽい、ちょっとザラっと感さえ感じるミネラリティに、まだ若々しいニュアンスを感じさせてくれます。熟成による丸さと滑らかさに、これからも熟成しようとする意志みたいなものを感じさせてくれました。
また、グラスばかりに注目せず、ボトルの方も見ていただきたいんですが・・まぁ、湿度や部屋の温度も有りますので、1枚目の写真は少し汗をかいているのは異なるにせよ、
「ボトルの液体の透明度が全然違う!」
と言えます。
ですのでやはり10日以上も立てていたことにより、熟成で生まれた細かな澱を分離することに成功、その部分がそれなりに寄与したかな・・と思っています。
勿論ですが個体差は必ず有りますよ。コルクが如何に頑張っていたように見えたとしても、1枚目の色合いはやはりちょっと「色が付き過ぎ」です。このボトルの抜けて来ない色から、2枚目の写真の完全に抜けた色に変化していれば、
「澱下げは成功」
と言えます。
ただ一点、じゃぁ・・個体差はどう判断するの?・・と言うことになろうかと思うんですが、これはお客様だと中々に難しいですよね。なので、その辺はShopにお任せいただくしかない・・(^^;; 最初から色が「落ちている」と判断していれば、出荷しないと言う選択肢は有ります。ですが、色を見ない Shop は右から左ですので、個体差をどうこう・・の話しにはならないかな?・・と思います。
以前、もうだいぶ前になりますが、ルフレイヴの1980年代のバタールとか・・をリーズナブルに販売させていただいたことが有りますが、あれも、
「良いものはA品、ちょっと疑いのあるB品、駄目な可能性が高いC品、お話しにならないD品」
みたいな形で選択し、おのおのの価格を付けてオファーさせていただきました。今回はまぁまぁの数が有りますので最初から分別はせず、出荷の際にチェックしたいと思っています。ですので、遅い出荷日を選択されますと、お渡し出来なくなる可能性も有ります。その際はご相談させていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
2枚目の写真の状態ですと、まだまだ行けるのが誰にでも分かるかと思うんですね。ですが1枚目の状態で飲みますと、
「ん~・・何となくネガティヴ、背負ってるなぁ・・」
と言う部分は捨てきれないんじゃないでしょうか。
当方からは、
「抜けた色の、色の濃く無いボトル」
をお渡しします。充分に休ませてありますので・・良く見えますから判断しやすいです。ですが、お客様のところに届いた時には、細かな澱が舞い、1枚目のように抜けてない感じの透明度になっているかと思うんですね。
ですので飲まれる際はしばらく立てて置き、澱下げをして、「透明度をチェックして抜けているかどうか」を確かめていただき、澱を再び混ぜないようにしながらグラスに注いでお楽しみください。
あ、申し上げておきますが、レストランさんのソムリエさんが普段テーブルでグラスに注ぐような注ぎ方はダメです。最初の1杯目はちゃんと注げたとしても、2杯目は澱が舞い、それ以降は澱だらけになります。なのでそれをやったら失格・・(^^;
必ず面倒でも、グラスを持ち、グラスを45度以上(90度近くで大丈夫)に傾け、ボトルを静かに横に・・最低限度傾け、グラスの膨らみに溜まったら注ぎ終え、ボトルを静かに戻してください。実はブルゴーニュグラスは、その量でちょうど良い・・ピッタリになるようになってます・・。ご検討、どうぞよろしくお願いいたします。