【2012年ものが終わってしまいました・・が、2011年ものの「ルノメ・ルージュ」が入ってきました!・・中々に面白いです!今はほんのりシミジミ系!】

まさに飲み頃と感じられた非常にリーズナブルな2012年のルノメ・ルージュが在庫切れ、さて次はどうしようかと思っていたところ、ヴィンテージは進まずに「2011年」へと戻って再入荷しました。
まぁ、ルモワスネさんのようなメゾンは需要と供給バランスに敏感ですから、少なくとも、
「売れ筋のルノメはヴィンテージは変わったとしても切らせられない」
とお考えのようです。
それにある程度熟成し完成したと思われるロットを出して来ます・・まぁ、時に、
「・・あれ?・・」
と思わざるを得ないほど若く硬いことも無い訳ではないんですけど、それは「ワインの輸入・移動疲れ」を差し引いてもそう感じることも有ります。
しかし今回の入荷の仕方はちょっと面白かったです。noisy としましては評判の良かった・・と言うか、緩やかながらも確実に無くなって行く売れ方で、頼もしいアイテムだった訳ですが、中々それに代わるものが無いんですね。
さらには扱いのドメーヌものたちの2015年ものは中々美味しいんですが、何せ数が無い・・訳です。なので、
「やっぱりルノメの赤は欲しいなぁ・・」
と思っていたところ、エージェントさんからルノメの白のオファーをしつこい位何度もいただきました。
「・・いや、まだ白は少し残ってるんだよね。混ぜこぜにすると間違えるもんでね。赤はまだ入って無いの?」
と尋ねると、
「赤も入りましたよ。ヴィンテージは戻って2011年ですけど。」
との返事。・・でもイントネーションが少し変です。なので少し突っ込んでみました。
「ん?・・飲んだの?・・どうだった?」
と聞くと、聞かれたくなかったような声の調子で・・
「ん・・うや・・むや・・・・です・・」
とハッキリ言わないんですね~。
「だって、1年戻ってるんだろ?」
「はい・・」
「じゃぁ・・サンプルくれる?」
「・・良いですよ・・他のものも一緒に購入していただけるなら・・」
と言うことでしっかり買わされました・・はい。
で、飲んでみると・・まぁ、彼が言いたくなかった理由も判ります。ほんのりと硬さがまだ有るんですね。前に在庫していた2012年はかなり柔らかかったんですが、それとはやはり印象と言うか、方向性が違うように捉えられます。
あ、勘違いされないように・・一応、お断りしておきますが、noisy は誰にでもテイスティングしたワインの印象を尋ねて、それを受け入れる訳では有りません。取り合えず聞いてみるだけの場合、絶対聞かない場合、必ず聞いて情報として印象に残す場合が有ります。申し訳ないが信を置けない場合や余り宛てにできない方の場合も有りますからね。特に、自分の会社のワインしかまず飲まない方で頭が硬く、右から左に商品を流すことしか考えてない方は、宛てにならない場合が多いように思います。まぁ・・いずれにしても自分で確認するから良いんですけどね。
で、しっかり確認させていただきました。ほんのりと硬さの残るエキス系のシミジミした味わいです。ボーヌ系のややフラワリーでチャーミングなワインです。その硬さ故、そんな印象になるのかもしれません。
しかし!・・ それで終わったら面白くもなんともないですよね・・そうなんですよ・・。
これから気温が上がってくると段々良くなる法華の太鼓!・・と言う状態なんですね・・。それに、
「ほんのりとだけ硬さも有るのが、ある意味、シミジミとした美味しさをも持っている」
と感じられる酸の構成をしてるんですね~。
ルイ・ユエランの2015年~2016年のリリースが無いですから、ある意味、それに代わるかもしれない能力を持っているかもしれない・・と感じた訳です。
ジュヴレほど鉄っぽく無く、シャンボールほど石灰が強く無く、ヴォーヌ=ロマネほど暖かく弱い酸バランスでも無く、ニュイ=サン=ジョルジュほど土っぽく無く・・・、しかしながら、
わずかにジュヴレっぽさを残し、ベリーやチェリーの果実をやや弱めに感じさせつつ、旨味の有るエキスを全く甘く無く、ホロホロとそれらのミネラルの崩壊感を感じさせつつ収束してゆく・・
ようなニュアンスなので、そのミネラルの崩壊によって、これから徐々に表情が豊かになって行くのが判るんですね・・。
ですんで・・これから販売させていただくには持って来い!・・のルノメ・ルージュ2011年と言うことになります。
熟成感も有りつつ、どこかに若さも有りつつの、中途半端さがまた良いんですよ。直近に伸びる部分を持っているものですんで。これが逆に閉じて行く方向を見せるとすると、
「・・残念ながらしばらくは扱えないなぁ・・」
と言うような判断になってしまいます。
仮にnoisy が言うような、徐々に柔らかく成って行く、豊かな表情になって行くように感じられないようでしたら、
「飲む温度をほんのり上げてみる」
と良いです。ほんの0.5度~2度ほどまでです。上げ過ぎると失敗しますので・・ご注意ください。この初夏(このコラムを書いているのは2018年の4月18日です)には良い選択になると思います。また2012年のルノメ・ルージュとは違った美味しさをぜひご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。真下は2012年もののルノメ・ルージュのものです。
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【若目のチェリーやベリー、チラリと風になびくスカートのように滑らかな表情・要素を見せてくれます!】
久しぶりのルモワスネ、ACブルゴーニュクラスのご案内です。
一昨年~昨年にかけては、2000年のブルゴーニュ・キュヴェ・スペシャルを大いにご支持いただきまして有難うございました。3千円ちょっとであの素晴らしいバランスは、確実にクラスを大きく超えたものでしたが、さすがにお客様も飲まれてみてビックリされたようで、余りのリピートの多さに noisy も驚きました。有難うございました。
その後もちょくちょく・・ルモワスネのACブルをテイスティングしていました。・・そりゃぁ・・大受けが狙えれば頑張っちゃいますよね。
しかしながらこの1年以上・・・中々 noisy のメガネに適うものが見当たらない状況でした。結構テイスティングはしましたよ。悪くは無いけれど、今は硬さが目立って・・・あと半年~1年経ったら美味しくなるかも!・・とは思っても、その頃にはそのワインは残っているはずも無く、またずっと抱えているわけにも行かず、断念せざるを得ない・・そんな感じです。キュヴェ・スペシャルも有り、ルノメも有り、レゼルヴも有りで、ヴィンテージ違いを試した訳です。
そんな中で、さすがにキュヴェ・スペシャルのような大きな構造のワインでは無いとしても、
「ちょうど硬い時期を過ぎて綺麗なエキスを感じさせてくれる濃くないエレガントな味わいのルノメ・ルージュ」
が見つかりましたのでご紹介します。
言っておきますが、あのキュヴェ・スペシャル2000年のような豊満さや高ポテンシャルな複雑性は有りませんのでご注意ください。あくまで、
「とてもエレガント!・・チラリと要素をさり気なく見せる若い色っぽさ」
が特徴です。
ワインには、どうしても締まってしまう時期が有りますが、ちょうどそんな時期を過ぎて来たタイミングかと思います。ベリーやチェリーの小果実、ドライで非常にエキシーです。余分な果実の分厚い風味は無く、カルフォルニアのピノ・ノワールと間違えることは絶対に有りません。
中域は適度な膨らみを持ち、とても伸びやかです。冬に向けてのこの秋の時期、ワインの味わいも、人間のバイオリズムも大きく変化するタイミングです。その時期に、ようやくこのワイン、美味しさを開放してくれるようになったんだと思います。
価格も非常にリーズナブルです。是非飲んでみてください!お勧めします!
以下は以前のルモワスネ、ACブルゴーニュのコメントです。アイテムは色々有りますのでご注意ください。
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【結論!ルモワスネのACブルは太瓶を選ぶのが大正解の基本!?滅茶苦茶旨いです!!】
長年に渡ってルモワスネを飲んできましたが、特に数が沢山あるACブルゴーニュ・・・しかもキュヴェ名がやたらと多いので、
「実際に飲んでみないと良く判らない・・」
のが実態でした。
勿論、高いレベルでの話しですよ。まず外すことが無いのがルモワスネの良いところでもある訳です。「困ったときのルモワスネ」は業界では有名な話しでも有ったわけです。
今回、ルモワスネのACブルクラスを仕入れるに当たっては、昨年の1996年ブルゴーニュ・ルージュ・キュヴェ・スペスィヤルが余りに美味しかったのもあり、キュヴェ・スペスィヤルが入荷したということで、色々と策を考えてみました。
「キュヴェ・スペスィヤルの入荷は1993、1995、2000年かぁ・・・。ルノメは来月1995年が到着?・・今月は間に合わないなぁ・・。」
「1993年と1995年なら、やっぱりポテンシャルのより高い1995年かな?・・価格も変わらないし・・」
「1995年と2000年かぁ・・・。2000年はエレガントタイプで、少し弱いかな・・・そしたら、少し価格の安い2000年と、ポテンシャル的にもより美味しいと思われる1995年・・・で行こうか・・。1995年は3千円超えるけど、2000年は何とか2千円台を付けられるかな?・・・でも、美味しさじゃぁ1995年だろうなぁ・・・」
などと思っていたのですよ・・・。・・・だけど、予想は飽くまで机上の空論なんですね。まぁ・・実際のところ、テイスティングしてみたら・・ぶっ飛んじゃいました!
1995年は通常の細目の瓶に入っていますが、2000年のキュヴェ・スペスィヤルは、ACブルゴーニュには不釣合いな異常に太い瓶に入っています。そうそう・・・1996年も同じ太い瓶に入っていました。予断ですが、一応グラン・クリュなどは太い瓶で、さらにはクリスタルっぽい輝きのある瓶に入っているのが普通では有りますが、稀に・・
「・・・あら・・随分、ちゃっちいボトルね~」
と感じることもあるほど、有る意味、余り規則性が無いように思っていました。
「キュヴェ・スペスィヤルは村名(以上の上級キュヴェ)の格落ち」
と聞いていましたが、どうやら・・・、その法則以外にも、販売上の理由からの別の法則が有るようです。
すなわち、あるヴィンテージのACブル・ルノメやACブル・キュヴェ・スペスィヤルが底を付くと、売れ残っていたか、予備で置いてあった上級キュヴェに、その無くなったキュヴェのラベルを貼って出荷する・・・可能性のことです。ある意味、ドメーヌでは出来が悪いと格落ちさせて下のキュヴェにしますが、大手のネゴスさんとすれば、レストランさん向けに切らせないクラスのACブルを、余りに新しいヴィンテージだけにしてしまうことを由としないのかな?・・・と思うんですね。
なので、ルモワスネのような古酒中心のネゴスさんの場合には今回のようなことが起きるのかと・・思います。・・・え?・・今回のようなことって??
実は収穫から14年、価格の安い2000年のキュヴェ・スペスィヤルが異常に旨いんですよ!・・・まるで最高の状態で熟したジュヴレ=シャンベルタンのような、しっかりと重量感を表ししつつもコクが備わり、黒味と赤味の小果実、やや鉄っぽいニュアンスと美しい土やスパイスが香り、熟成によるキノコっぽいブケに濡れたニュアンス、充分な膨らみと長い余韻・・・そして、熟したワインならではの、見事な甘みが有って素晴らしいです!まさにピークを迎えたピノ・ノワールと言えます。
幾らかですが高い1995年のキュヴェ・スペスィヤルは、2000年とは違ってシャンボール=ミュジニー風なんです。酸は穏やかでやや硬めのカッチリとした風情・・・。エレガント系のワインで、派手なアピールはしてこないが、フラワリーなエステル香がシャンボールらしさをそれとなく教えてくれ、複雑性を奥に潜めつつ、時間の経過で膨らんでくる・・・そんな感じなんです。ポテンシャル的には1995年です。しかし、飲んでいる時間・・・2~3時間のうちに完全開放にはならない現状です。・・・しかし、このクラスのワインとしては不釣合いなエレガンスと、テロワールの具現化・・・つまり、誤解されるかもしれませんが、熟成期間が不足したボンヌ=マールのような風情を感じさせてくれるんです。開きそうで開かない、辿りつけそうでいて中々到達しないもどかしさも、ワインの味わいのひとつかもしれません。
ワインは、飲み頃が非常に大事である・・ということを再認識させてくれるワインでした。そして、ほぼ確実な「再格落ち」を経た2000年キュヴェ・スペスィヤルの、「現状での勝利」もほぼ確実です。
もっとも、この夏を迎えて以降は、状況も変わってくるでしょうし、ロットによっては味わいも大きく変化することでしょう。ですので、今回の2000年、1995年のどちらを選ぶかは、お客様の好み・・です。
ややカッチリめ、色合いの淡いシャンボールタイプで複雑性が奥にある、よりポテンシャルの高い1995年、そして、現在絶好調の2000年です。比較していただくと・・・
「へ~・・!こんなに違うんだ~!」
と、ビックリされるかもしれません。是非このキュヴェ・スペスィヤルを飲んでみて欲しいと思います。超お勧めです!
■新米ソムリエ oisy の熱血テイスティングコメント
Bourgogne cuvee speciale 2000 Remoissenet「今の飲みたいベストバイなワイン! by Oisy」
水々しく新鮮、なめらかな液体に驚きです。こいつはまさしく「絹」です。ツルーッとしている液体。
Oisyの浅い経験ではあまり感じた事のないツルツルさ。そして厚みのある旨みとエキス感。なんというか…小学校の登下校時につまんで吸ったツツジの蜜に通じるもんがあります。
キュッとしたエキス感がたまんないです。
香りもいい!全開じゃないか?フラワリーで苺やカシスの香りスーッと立ち上がってきます。上質なカシスリキュールみたいでもあります。2000年はブルゴーニュ的にはあまり良くない年と言われているそうですが恥ずかしながらまだまだ経験が浅く2000年のイメージも沸かないし今いちピンと来ないんですが、しかしこの2000年のワインはめっちゃウマイ!
「これ絶対良い年じゃないの?」
というOisyの疑問はその日飲んだ同じルモワスネの95年を飲んだ時にどうゆうことか理解できました。
Bourgogne cuvee speciale 1995 Remoissenet2000年は難しい年であった事に対して1995年は良い年であったという評価が多いようです。
僕は2000年のこのワインを飲んで非常に美味しいとおもいました。それと比較して95年を飲みました。その感想です。
まず95年はまだ開いてないように思います。2000年はあんなに開いているのに95は閉じている。これがブドウの良くできた年といまいちだった年のポテンシャルの違いではないかと思います。当たり前ですがつまり良い年ほどワインの熟成期間は長い。
かと言って悪い年も腕のある生産者はそのブドウでできる範囲内で美味しく仕上げてくるのだと思います。95の方には2000年にはなかった香水のようなエレガントな香りがあります。逆に2000年に感じた新鮮さは感じません。エキスの熟度が違うように感じます。(95の方が厚みがあると思います)
しかし味わいはまだミネラルや酸といった要素が壁を造っているようで、チラッ、チラッと果実味が顔をのぞかせています。エキスも表面をなぞるようなもんでなかなか心を開いてくれません。しかしもうちょっと待ってみたら香りも味わいもすごいかもと思う可能性を感じます。押さえつけられているように思えます。
いつ頃か想像が難しいですがもしかしたら2?3年後くらいには開き始めるような気が(香りはちょっとずつ開き始めているように思いますから。)するし10年後がベストのような気もします。2000年を今飲んで95の方はもう少し我慢することをお勧めします。
今飲んじゃうと目の前に人参をぶら下げられた馬の気持ちになりますよ、きっと。でも今飲んで、ジレッたい気持ちになりたいマゾッ気のある方は飲んでみても良いと思います。僕はこの飲み比べは非常~に勉強になりました。それにしてもルモワスネのワインは水々しく疲れない、絹のような舌触りが魅力的ですね!色っぽいワイン達です!
以下は昨年1995ルノメ、1996キュヴェ・スペスィヤル、1997ルノメをご紹介した時の案内文です。
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【ルモワスネを新着トップにしちゃいました~!でも旨いので・・!・・有りだと思います!】 久しぶりのルノメ、キュヴェ・スペスィヤルです。かなり昔に1995、1996をやってますので、古いコードが付いてます・・・。でも中身は大幅に違うようです。
1995年のルノメはグラン・クリュに使用するようなド太い瓶に入っています。おそらく何かの格落ちでしょう・・。そのアペラシオンにそぐわないとしたものの可能性が高いです。
1996年のキュヴェ・スペスィヤルは、村名の格落ちです。これは96年のルノメの在庫が無くなったので、わざわざエチケットをACブルにしたものだそうです。
1997年は通常の瓶、普通のルノメです。・・で、この3種の飲み比べが実に面白い!・・みなさんもやってみたいでしょ?
1995年は、グレートイヤーと言われましたが、翌96年がさらなるグレートイヤーと言われてしまって、陰が少し薄くなったヴィンテージです。味わいは、実に複雑性が高い!・・何だろう・・少しゴツゴツした感じは有るものの、旨みがタップリで、ジュヴレっぽさも有って・・とにかくかなり素晴らしいです。少し休め気味にしてあげてください。瓶の太さだけ見たらグラン・クリュです。味わいは1級に近いものが有ります。
1996年は・・まぁ、笑っちゃう位に美味しいです!実に伸びやかで豊満で艶っぽく、ブルゴーニュらしい健康なピノの姿がそこに感じられます。これを飲んで不味いと言うブルゴーニュファンはいないだろうと確信してます。それで・・3千円から・・かなりリーズナブルです。1級並。
1997年は不作と言われた年ですが、その後、やっぱりブルゴーニュらしい普通の年だと言われてきました。実にシームレスで、伸びやかさが有り、侘び寂びを心得た達人の域に入っています。個人的にはとても好きな味わいですが、若い人は95か96の方を好きだと仰るでしょう。自分で開けて飲むならこのヴィンテージだなぁ・・・。突出せず、さりとてさしての不足は無く、その風情が、さらに探究心をくすぐってくれちゃうので、より真剣に・・・でもリラックスして飲めるんですよ。
今飲んで、本当に美味しい1995~1997年のACブルゴーニュ・・いや、それ以上も入ってますが、超お奨めです。何より安い!美味しい!言う事無し!是非ご検討ください。超お奨めします!。