● 久しぶりにマルク・クライデンヴァイスをご案内させていただきます。アルザスの造り手だとばかり決め込んでいたら、いつの間にかローヌの方まで手を伸ばしていましてビックリです。
たまたまエージェントさんの特売に当たったので、数量限定で仕入れてみたものの、テイスティングが遅くなってしまいまして・・かなり良かったにも関わらず、数が無いと言う大失態で申し訳ありません。
今回はアルザスのみのご案内で、ピノ・ノワールは満足感の高い入り口、飲みやすい中盤、瑞々しい余韻で、ちょっと良く出来た日本ワインみたいな感じです。
白の方は結構にポテンシャルも高く、適度に熟しています。メディアも93ポイントと高い評価をしていました。これはめっけもんかなと・・早い者勝ちです。どうぞよろしくお願いいたします。
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◇アルザスを代表する歴史的造り手
300年以上の歴史を誇る古典的造り手だが、毎年変わるエチケット、ビオディナミの導入、ローヌへの進出等、前衛的。長期マセラシオンやアンフォラにも挑戦している。
◇バ・ランを代表する造り手
300年以上の歴史を持つアルザスを代表する造り手「マルク・クライデンヴァイス」。その歴史は修道院の畑をグレッセール家が購入した事から始まる。
『アンドロウ修道院の葡萄畑の一部を引継ぎ、葡萄栽培農家として始まり、1850年代にこの地域で初めてワイン醸造、瓶詰めを開始』
その後、1948年にデニス・グレッセールとルネ・クライデンヴァイス家が結婚したことでドメーヌ・クライデンヴァイスとなった。
本拠地はライン川下流、バ・ラン地区のアンドロウで13ha。バ・ランの優良畑はほぼ全てアンドロウ周辺に位置している。
『オー・ランはヴォージュ山脈の高い位置にあり、強固なワインを産む。バ・ランは標高が低いが、アンドロウ周辺は地形が入り組んでいて複雑』
アンドロウは丘が入り組んでいて地形が複雑。隆起した丘は土壌も複雑でテロワールがある。オー・ランに負けない繊細さ、複雑さを得ている。
『1999年にはコスティエール・ド・ニームに16haの畑を購入。アルザス同様にビオディナミを導入。収量も40hl/haに抑え、ニームとしては異例の上品さを感じさせるワインを造っている』
現当主は13代目「マルク・クライデンヴァイス」だが、1990年から加わった兄「マンフレッド」がローヌ。弟「アントワンヌ」がアルザスを担当している。
『マンフレッドは畑の専門家でビオディナミを担当。醸造は2004年から加わったアントワンヌが専門でアルザス、ニーム共に担当している』
90年代の彼等のワインはクライデンヴァイスらしい凛とした強さや上品さを失っていたが、アントワンヌの加入で「らしさ」を取り戻した。

◇89年よりビオディナミ
マルク・クライデンヴァイスの歴史で最も大きな変革は1971年、23歳の若さでドメーヌを引き継いだ「マルク」によってもたらされた。
1984年、より畑毎の個性を際立たせることを目的に有機栽培を導入。更に、収量を半分程度、40hl/ha以下にまで落としてしまう。
『1989年にはアルザスで初めてビオディナミを導入。以降、更に畑毎の個性がはっきり感じられるワインに変化していった』
畑ではビオディナミ調剤と独自のホメオパシーのみで病気、害虫に対応している。またできる限り森を残し、自然と葡萄樹を共存させている。
『グラン・クリュは特に森と接している。葡萄樹は他の植物の影響を受け、虫や動物にも影響されることで強くなる』
その年の個性は葡萄樹だけではなく、その他の植物や動物からの影響によっても変わってくる。それこそが本来の自然。
◇歴史的優良畑を所有
『土壌は複雑で14種類に分類できる。最も多いシストは色々な色がある。花崗岩が隆起する際に青色シストを熱で焦がしたのが黒色シスト』
基本的には酸性土壌で花崗岩は苦味やストラクチャーを与えるのでピノ・ブランやオーセロワを植える。シストにはリースリング、ピノ・グリを植えている。
■Grand Cru Kastelberg
典型的黒いシスト土壌。アンドロウで一番標高の高い入り組んだ丘の上の段々畑。モスト段階では苦く不味い位にミネラルが豊富。6人しか所有者がおらず、水分が少ない土壌。
■Grand Cru Wiebelsberg
カステルベルグに隣接する南東向き斜面で少し緩やか。珍しいピンク色(酸化)の砂岩で下層は粘土。砂岩は強固な酸を与えてくれる。
■Grand Cru Moenchberg
氷河期に由来する泥灰土と砂岩の混合土壌でアンドロウの町の下部に位置。ピノ・グリに力強さと構成力を与える。1097年からベネディクト派修道院がワインを造っていた歴史的畑。最も早い収穫。
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Clos du Val d'Eleon マルクが89年に開墾した畑でモーゼルと同じ青いシスト。3人しか所有していない珍しい区画。森に囲まれているので冷涼で果実ではなくミネラルのワイン。リースリングとピノ・グリを植樹。最も遅い収穫。
【まるで日本ワインのような飲み心地と、ピノ・ノワールならではのエロスをほんのり感じさせる「月夜」に美味しいドライなルージュです!特売です!】

え~・・すみません、少ないですが特売です。
エージェントさんのテクニカルにもあるように、
「偉大なピノ・ノワールを目指していない」
「極上の飲み心地を目指した」
と言うことのようです。
noisy も、大きく拡がってからのマルク・クライデンヴァイスは初めてですし、何より久しぶりなので・・少しずつ入れて確認してから・・と思っていたら、
「特売期間が終了してしまった」
んですね・・すみません。なので1cs限定特価です。
飲み口は涼やかで適度な膨らみが有り、実に良い感じです。口入直後にはピノ・ノワール的な少し穏やかなアタックとふんわりと柔らかなナチュール的な感覚、そしてほんのりと官能さが感じられます。
そして非常にドライです。アルザスの蒸し暑い感じは無いですね。冷ややかです。

中域は一瞬膨らむんですが、そこを埋め尽くしている感覚は少し希薄です。
ですから、
「良く出来た日本の赤ワイン」
的な中域を形成しているように感じます。なので、
「詰まってはいないがクドくは無い」
と言う感じで、人により評価は変わるかな・・と思います。
涼やかでちょっとエロス、良いピノ・ノワールの質感が有り、ふっと膨らむものの・・言葉が悪いと、すっと逃げる?・・(^^;;
でもそれが後の瑞々しく綺麗な余韻に繋がっていきます。良いと思います。飲んでみてください。人によるかとは思いますが、最近はこのような感じのワイン、とてもウケますのでお薦めです。
【適度に熟したドライアルザスの魅力がたっぷり伝わって来る佳品!・・Noisy wine の推しだけでもなく、ワインアンスージャストとR.V.F.も93ポイントと高評価!・・特売です!】

これもエージェントさんの特売期間が過ぎてしまって、余り買えなかったんですが、もっと買っておけば良かったと後悔したワインです。
リースリングとピノ・グリのアッサンブラージュ版でして、まさにアルザス風なセパージュでは有るんですが、
「もしブラインドだと、アルザスだと言い切れないかもしれない・・」
そんなミネラリティがしっかり感じられます。
アルザスのワインってどこか温かみが有って、ミネラリティが豊富だとしても、そこに「切れ」みたいなものは・・少ないじゃないですか・・まぁ、稀には有りますが。
ちょっと硬質なミネラリティと言いますか、ギラっと一瞬光るような・・刃のような感じのミネラリティが感じられるんですね。
そして、エージェント情報では、
「果実では無くミネラル・・」
と書いてありますが、いやいや・・味わいには冷徹な果実・柑橘が結構に有りますし、ノーズはもうアロマにあふれてますよ。グラスを伝う涙も太いですよね。

そしてリースリングとピノ・グリのパーセンテージは判りませんが、ピノ・グリが少し熟した時の、何とも心地良い・・す~っとしたニュアンス・・シトラスとか・・そんな感じが入り、僅かにゲヴュルツのようなパッションフルーツ的なニュアンス、スパイスがほんのりと感じられ、硬質さを持ったミネラリティがボディをサポート、余韻まで美しく飾ってくれます。
いや・・これは買っておきたかったなぁと・・ましてやこの価格なら、
「ちょっと無双」
だと・・思いました。
消費税を入れても2千円代で購入できるメディア評価93ポイントって・・有りますかね。中々無いと思いますよ。そして、徐々に暑くなって来ましたから、この冷ややかなニュアンスを多分に含んだ、そして適度に熟した味わいが滑らかさとコクを持っていますから、きっと気に入っていただけるんじゃないかと思います。ぜひ飲んでみてください。超限定になりますので、在庫数がゼロになったら終わりです。どうぞよろしくお願いいたします。