マルケージ・ディ・バローロ
マルケージ・ディ・バローロ
イタリア Marchesi di Barolo ピエモンテ
● そろそろ半世紀も経とうかと言う60年代、70年代前期の状態の良い古酒が入ってきました。noisyたちも昔はずいぶんと古酒のお勉強にお世話になったマルケージ・ディ・バローロです。その頃は4~6千円ほどだったかと思いますが、コンディションの良いものは余り無く、醤油か味噌か?と思うような状態のものに、何本か異常に美味しいボトルが混じる・・そんな状況でしたが、古酒を開けることによって、ワインの熟成、その品種の熟成と個性、造り手の個性とポテンシャル、ワインのポテンシャル、その年のその村近辺の気候など、ありとあらゆる情報がワインの中に詰まっているんだと言うことを認識させてくれました。とても懐かしい姿です。
「マルケージ・ディ・バローロ」は、バローロの中でも特に伝統ある歴史を 誇る、老舗中の老舗とでも言うべき生産者です。
「カンヌービ」「コスティ・ディ・ローゼ」などの単一畑を所有しており、現在バローロ新世代の旗手として注目を浴びているルチアーノ・サンドローネ氏も、このマルケージ・ディ・バローロで研鑽を積んだそうです。
バローロと言えばその長熟性が身上ですが、今回ご案内する4ヴィンテージは、まさにそんなバローロの真価が発揮されているであろうオールドものです!
まずは価格をご覧下さい!40年以上の熟成を重ねた古酒が、この納価で手に入ってしまって良いのでしょうか…?
金の霧と呼ばれるネッビオーロ種が、長い年月を経てどんなワインに変化を遂げているか…。古酒マニアのお客様なら試さずにはいられない、魅力たっぷりのアイテムです!
● 1969 Baloro
バローロ
● 1971 Baloro
バローロ
【半世紀近い熟成のバローロです!!】
エチケッタに汚れや小さな穴など有りますが、光を透かしてみた液体の色合いは健全で、照りが有り、官能的な色合いをしています。真っ白になって澱と完全に分離しているようなこともなく(赤ですよ)、意外や意外・・・結構良いコンディションのボトルに当たりました。良い感じです!
1971年、1967年はピエモンテのグレートイヤーと言われた年で、とても強い色合いをしています。むしろ今回は67年の色合いがより強いように見えますので、最も古いこのボトルは、熟成の極致に有ると思われます。当然ながら1971年も今までとても素晴らしいバローロを魅せてくれた年ですので期待値が高いでしょう。
1969年はまあまあ、1968年はガッカリ・・のヴィンテージですが、こちらも意外でした!結構綺麗でしっかり目な色が出ています。1968年の美味しいワイン・・・などと言うのは、超希少なイケムか、ウニコ位しか思いつきませんが、それでもとんでもない価格が付いてしまうでしょうから、このようなワインはとても希少かと思います。
半世紀も経てば、ある意味、「飲めたらラッキー」な部分も有ります。
「ん?・・・そんなものに大枚はたけないよ!」
と、感じる方も多いでしょう。日本でもアメリカ型の割り切り主義、現実主義が浸透してますから・・判りますよ。
でも、40~50年・・・人間の働き盛りと同じです。
「・・・そんな者に大枚はたけないよ!」
と、・・・どこかの真っ黒な企業さんのみならず、人を「ないがしろ」にするのが当たり前になってしまったことと共通するような気もします。それで良いのだろうかと・・。
このワインも40~50年生きてきて、個別の状態はさておき、飲まれるのを待っている訳です。まだ30歳くらいの、人生真っ盛りのものもあるかもしれませんし、
「あれ?・・どっか悪くした?」
みたいなのもあるかもしれません。出来る限りそのようなものは出さない努力をしていますが、それでも、人の感覚はそれぞれですし、そのワインが訴えてくるものが必ず有るんですね。
突き詰めれば200年前のワインが出てきた・・・開けた・・
「・・あっ!・・生きてたんだ・・今の今まで!」
と言うことが感じられたら・・・どんなに美味しいワインよりも大きな感動が得られるかも・・しれません。
人は何のために働くのか?・・・人のために働くんです。人は何のために生きるのか・・人のためです。人のために働くのに会社はお金のためだけ・・・そんな風潮になってしまった日本の将来、とても不安ですね。古酒を飲むと、何が正しいのかを教えてくれるような気がします。是非ご検討ください。
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