【超本格派!・・ブラン・ド・ブランでこれほどの味わいの深み、構造の大きさを感じさせてくれるシャンパーニュは滅多に無い!?素晴らしい出来です!】

今回の入荷分は3アイテム中、2アイテムのテイスティングになりました。余り数が無いようですのでテイスティングし過ぎると利益が出ないパターンになってしまうので、この「オーサー」のテイスティングは随分と悩んだのですが、結局開けることにしました。2012年ものの素晴らしさも確認したので・・2013年ものはスルーで良いかな・・などとは思っていたんですが、
「スピリットも超絶に旨かったし・・でもやはり、ここのところのミシェル・ジュネの質感向上が半端無いのを確認しないといけないか・・」
と思い直したんですね。結果、開けて良かった・・この「オーサー2013年」凄いポテンシャルの持ち主でした!
noisy 的にはコート・デ・ブランのシャルドネによるブラン・ド・ブランには、ある種のイメージみたいなものが有りまして・・とことんまでドライで行く、リキュールを足さない・・もしくは足してもほんの少量・・みたいなシャープなものと、リキュールを足して多彩な味わいと大きな構造を持つもの・・、そしてそこにはマロラクティックを行うかどうか・・が微妙に絡んでくる感じです。
そして、非常にザックリ言いますと、コート・デ・ブランのアヴィーズを中心として北側と南側ですね・・南側はル・メニル・スュル・オジュで、豊かな果実の風味と比較的柔らかな酸の味わいでしょうか。北側はこのオーサーを産する「シュイィ」「オワリィ」でしょうか。そこに中央の「クラマン」「アヴィーズ」がその中庸な感じ・・もしくは微妙にどちらかに寄った感じをしている‥もちろん、細かなことを言いますと、
「そんなザックリな言い方をすると混乱を招くんじゃ?」
と言えるほど・・大きく丸めた個人の勝手な印象です。
因みに今回一緒にご案内している「スピリット」はこのオーサーと同じグラン・クリュのシュイィの葡萄とクラマンの葡萄のブレンドです。スピリットは滅茶バランスが良く、今飲んでも凄い旨いです。ですが・・
「オーサーは格が違う感じがしっかり有る!」
ほど、深~~い構造をしっかりと満たす素晴らしく冷ややかで分厚い酸バランスが有ります。
まぁ・・オーサーはミレジメで単一ヴィンテージですから、幾分の若さが有って、抜栓して飲み始めて少し経ってから
「うわっ・・出て来た!」
と思わず声にしてしまうほど。グーンと伸びて行く感じです。スピリットの方は最初から旨いです。ただしオーサーほどの質感と構造の大きさにはたどり着けないです。

また、スピリットのコラムでも書きましたが・・
「使用しているリキュールの質が半端無く凄い!」
んじゃないかな・・と思えるほど、リキュール感が滅茶自然なんですね。なので、
「入れているかどうかさえ・・ちょっと気付かない」
けれど、
「・・・ブラン・ド・ブランでこの味幅、構造の深さは無いだろ?」
と気付いて・・自然なリキュールの質の良さに気付く感じです。
2枚目の写真は、通常・・グラス全体を見せることと注いでから少し時間が経った泡質を見て貰っているんですが、今回は「色彩」を見ていただこうと・・。明らかに2012年ものとは色彩の傾向が違うように思われる訳です。
緑掛かった2012年に対しての黄色く、少し赤く感じる2013年です。非常に良く熟した感じに加え冷涼で大きなパレットを描く素晴らしい酸。その相反する要素、表情をしっかりひとつにまとめたのが、2013年のオーサーかな・・と思います。
2012年ものに比較しますと、現段階では僅かに若いですが、飲んで行くうちに全く問題無い状態になりますのでご安心ください。素晴らしい出来でした!コート・デ・ブラン・シュイィの凄いシャンパーニュでした。
「ミシェル・ジュネ..一体・・どうしてこんなに凄くなっちゃったの?」
その答えはまだ見つけられませんが凄い味わいにビックリしてください。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【・・・実に美しい色彩!泡も細やか!・・そして味わいも気品を損なわない濃厚なタイプ!】
しばらく放置してしまっていたミシェル・ジュネですが、調べてみると「MG BB Vintage」が、2012年もので94ポイント!・・2013年もので91~92ポイントと高い評価を得ているのを知り、
「・・あれ?・・もしかして・・出遅れてた?」
と・・(^^;;
実際のところ最近の noisy のテイスティングはブルゴーニュワインが非常に多く、時には30本近くブルゴーニュのテイスティングが続くことも有りまして、シャンパーニュもたまにはやっているものの、やはり美味しいのは今までの定番シャンパーニュ..と言う理解でした。
この「オーサー」はミシェル・ジュネの限定キュヴェのようで・・また、以前の「ビオグラフィ」から名称変更になっていることも有り、メディア評価は見当たりませんでした。
しかしながら折に触れ、担当のK君の・・「お取り引き先のどこどこで飲んだオーサーが余りに美味しくて・・」みたいなフレーズが、結果的にこだまのように脳内リフレインしてしまいまして、
「これはミシェル・ジュネ、やらないといかんかな?」
と・・(^^。
で、ようやく飲めた2012年のオーサーB.Bです。・・いや・・素晴らしい色合いをしていますよね~・・この写真だけ見ても、見事なブラン・デ・ブランだと想像付くんじゃないでしょうか。

オーサーはドザージュ6gほどのようです。ですので多くは無いですね。この位でもエクストラ・ブリュットを名乗っている場合も有ります。
美味しいのはもう間違いなく、泡質の肌理も細やかで、アロマがま~・・高質なグラン・クリュ・シャルドネのニュアンスをそのままに伝えてくれますが、その線は通常・・もう少し細いニュアンスかな?・・と思います。結構に太さを感じさせてくれまして・・アロマも味わいも、誤解を恐れずに言ってみるならば、ボランジェ寄り・・です。
タイトで細やかな線を撚り集めた、静寂の中のバランスをお求めでしたら、ミシェル・ジュネの他のB.B.が良いかと思うんですが、
「味付きの良さが素晴らしい!」
のがこのオーサーなんですね。膨らみとか、味乗り、押し・・これはピカイチです。ドザージュの成功例って言ってしまえばそれっきりなのかもしれませんが、例えばルイ・ロデレールのクリスタルなどは、noisy 的には結構にドザージュの味わいがキツイと感じる時もあるんですが、世の中ではもの凄くウケていますよね・・。
また、飲み方も有ると思います。飲んでいただく方としましては「飲ませ方」でしょうか・・(^^;; ソムリエさんですと、そのシャンパーニュの特性とその時のお料理を考え併せてグラスと品温を調整..なんてしてくれたら、最高のサービスだと思います・・中々できないでしょうけど。
また、noisy は余り休養させられないでテイスティングしてしまいましたが、もっと休ませてあげられると、泡も綺麗に揃って来てテクスチュアはさらにアップすると思います。こちらも造り手さんとしましては、
「9~13度で」
と記載されています。12~13度位が美味しいと思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めします。