ミケーレ・ロレンツェッティ / テッレ・ディ・ジオット
ミケーレ・ロレンツェッティ / テッレ・ディ・ジオット
イタリア Michele Lorenzetti / Terre di Giotto トスカーナ
● イタリアはトスカーナの自然派をご紹介します。なんと、あのヨスコ・グラヴネール(グラヴナー)もコンサルタントしていると言う凄腕、ミケーレ・ロレンツェッティです。
グラヴネールと言えば・・自称では有りますが、日本で最初にご紹介させていただいたのはnoisy だと思っています。勿論、「ネットで・・」ですけど・・ね。
そもそもはフリウーリの凄い生産者がいる・・と言うのを聞きつけ、色々と無い情報を集めていたところ、
「高いのに酷いシャルドネだ。木っ端を入れたマコンの方がマシだ!」
と、某Pxさんが言っているのを聞き、ブローカーから何とか入手して飲んでみると、滅茶苦茶旨いじゃ無いですか・・!それが、ヨスコ・グラヴネールの「ブレグ」と言うワインだったんですね・・。
で、ま~・・もともとがひねくれていますから、彼のような凄い評論家さんの言うことは話半分に聞くような性格がさらに進んでしまった訳です。
グラヴネールは1995年にそれまでの造りを止め、ビオディナミコに走っています。また、品種も地場品種のみにしましたんで、あの物凄いシャルドネはもう「幻」になってしまいました。noisy もマグナムを数本残していましたが、今はもう有りません。
グラヴネールさん・・あ、ミケーレさんと一緒に写っていますね・・も、そこから自然派の大家になられましたが、今だに模索中・・のようにも感じられます。
ですから・・興味あるでしょう?・・醸造家でもあり、生物学者でも有るミケーレさんが、グラヴネールさんのコンサルをやっているんですから。勿論、グラヴネールさんが1997年から始めたビオの造りに最初から参加している訳ではない・・としてもです。
なので、ものに寄っては非常に少ない数しか入手できなかったんですが、今回は仕入れられたキュヴェを全てテイスティングし、その方向性を見定めさせていただきました。いや・・想像以上に面白かったですよ。
なにせ、グラヴネールは地場品種のみ・・ですよ。それも北部のフリウーリです。なのにミケーレは中部のトスカーナ高地。そしてフランス品種なんですよ。
で、気になる「揮発酸由来のアロマ」ですが・・
「全く無し!」
です。・・面白いでしょう?・・グラヴネールも無いですけどね。
で、マセラシオンのキュヴェは僅かにですが・・色落ちはしています。・・でも、
「ほんの僅かな酸化のニュアンスから湧き出すフルーツ香!」
と言う、嘘みたいなフレーズが、全くの現実となって感じられたんですね。・・面白いでしょう?
栽培・醸造コンサルタントが造るピュアなワイン・・・イタリア北部に多く存在するビオディナミコの造り手のワインと比較することで大きな指標であることが判ります。
意外なほど・・綺麗なんですね~・・しかも価格も非常にリーズナブルです。
ガッタイアシリーズは上級キュヴェ・・と言う理解で良いです。しかもマセラシオンしている方だと思ってください。テッレ・ディ・ジオットは下級キュヴェでデイリー感覚の、さらにピュアに仕上げたシリーズと言う理解で・・今のところは良いと思います。是非とも飲んでいただきたい、興味深いワインです。
■エージェント情報

ミケーレ・ロレンツェッティは醸造家で生物学者です。1971年にローマ近郊のフラスカーティで生まれたミケーレは、ローマの大学で生物学を修めた後、さらに醸造学の学士号を取得しました。
しかし、その間に慣行農法のブドウ栽培ではいかに多くの化学薬品が使われているか、そして土壌が単なる根に栄養分を与えるための人工的媒体にしか見なされていないことに強い衝撃を受けたのです。
やがて、彼は土壌は生態系の一つであり、植物が健康に成長していくためには土壌が健康であれば十分であるという確信を持ち、そして、この考えを実践に移すための方法を探す中で、カルロ・ノロと出会い、ビオディナミを学びました。そして、2004年からビオディナミのブドウ栽培と醸造のコンサルタントとして活動を始め、現在ではグラヴネルやイル・マッキオーネ、ラ・ヴィショラなどイタリア全土の数多くのワイナリーでコンサルタントを行っています。ミケーレのビオディナミの師であるカルロ・ノロは、ローマの南にあるLabico ラビーコで農場を経営し、30年以上前からビオディナミのプレパラシオン(調剤)の販売とビオディナミの講座を開催している、フランスのピエール・マッソンのような、イタリアにおけるビオディナミの重鎮的存在です。
ミケーレ・ロレンツェッティはコンサルタント業とは別に、カルロ・ノロの協力者として、ビオディナミ調剤の生産やビオディナミの基礎講座などにも携わっています。

ミケーレはコンサルタントという職業の経験的背景を完成するためには実践的な仕事が不可欠と考え、自身でもワイン造りをしたいという想いを持っていました。
ある時、仕事でフィレンツェ北部のMugello ムジェッロ地区を訪れた彼は、その地のミクロクリマに強い感銘を受けたのです。ムジェッロは15 世紀にメディチ家がトスカーナ地方修めていた時代から、ワイン造りのために選ばれたテロワールでした。古文書によれば当時は29 ものドメーヌがあり、数多くの果物、そして特にブドウが栽培されていたと記述されています。
1867 年にブルゴーニュ出身の醸造家ヴィットリオ・デリ・アルビジが父から広大な土地を相続します。その土地にはブドウ畑がありましたが、当時はトレッビアーノが栽培されていました。彼はこのトスカーナの高貴なテロワールを表現する個性豊かなワインを造るために、トレッビアーノをピノ・ノワールなどのフランスの高貴品種に植え替えていったのです。しかし、それはフランスの模倣ではなく、高貴品種によってムジェッロのテロワールの個性を表現するための試みで、大きな成功を収めたのです。
しかし、フィロキセラによってブドウ畑は全滅してしまいました。過去のこの貴重な経験を現代に蘇らせるため、ミケーレは2006 年にMugello ムジェッロ地方のVicchio ヴィッキオのコミューンに土地を購入して、自身のワイナリーTerre di Giottoテッレ・ディ・ジオットを設立したのです。

ムジェッロ地区はフィレンツェの北東約25km、アペニン山脈の麓にある渓谷です。アペニン山脈からの冷たい風の通り道となっているため、トスカーナでも極めて冷涼な気候に恵まれています。加えて、昼夜の寒暖差が大きく風通しが良いため、湿気が畑にたまらないという好条件が備わっています。
また、霧が眼下に立ち込めるほど標高が高いため、霜の被害を受けることもありません。この独特のミクロクリマと、19 世紀にフランス系品種が栽培されていたという歴史から、ロレンツェッティはこの地には冷涼気候の品種が向くと考えました。そこで、Gattaia ガッタイアと呼ばれる標高500~600 メートルの斜面に位置する1.5ha の区画にピノ・ノワール、シュナン・ブラン、ソーヴィニョン・ブラン、リースリングといった品種を2006 年から2007 年にかけて植樹しました。
このうちシュナン・ブランは、2004 年に友人であるマルク・アンジェリの所に滞在した際に、マルクからフェルム・デ・サンソニエールでマッサル・セレクションした苗木、2000 本を譲り受けて植樹したものです。
また、2015 年には同じヴィッキオのコミューンにあるPesciola ペシオラと呼ばれる1.2ha の畑を購入しました。こちらは標高200 メートルの南向きの斜面の区画で、1972 年に植樹されたサンジョヴェーゼ、トレッビアーノ、マルヴァジアといった地場品種が栽培されています。ドメーヌの所有畑ですが、地元の小さなブドウ栽培家3 人と共同で栽培を行っていて、収穫ブドウを4 人で分配するため、ドメーヌの受け取り分は20%のみです。このため、1 つのワインの生産量は多くても1.000 本にしかなりません。どちらの畑もビオディナミで栽培を行っていますが、ペシオラの畑は認証は受けていません。
ミケーレ・ロレンツェッティのビオディナミへのアプローチは、現実的かつ合理的で、理論的・哲学的推測ではなく、直接の経験と科学的研究に焦点を当てています。彼はビオディナミについて以下のように述べています。
「ビオディナミはブドウ栽培家にとって大きなチャンスです。ビオディナミを実践することは、技術や方法を習得することだけでなく、専門的かつ人間的に豊かな感受性を発達させてくれます。ビオディナミは化学物質を除去し、土壌とブドウの健康を強化してくれます。ビオディナミは予防であり介入ではありません。慣行農法においては、植物の成?に有利な土壌中の窒素やリン、カリウムをベースとする肥料を用いることに慣れてしまっています。しかし、ビオロジックやビオディナミにおいては野菜や動物に由来する有機物質に限って使用をしています。有機物質とビオディナミ調剤によってもたらされるメカニズムにより、土中の腐植土が修復され、ブドウ木はより強くより表現力豊かになります。さらに、醸造添加物なして自発的に発酵できるブドウを収穫することが可能になります。その結果、テロワールの強い個性とアイデンティティーを備えた健康で消化しやすい真のナチュラルワインが生まれるのです。私は単なるワインメーカーになることには興味がありません。造り手の背後にある私の役目は、農業の最高のツールであるビオディナミを提供することです。まず何よりも大切なのはブドウです。10 年以上の醸造経験を通して、自発的な発酵だけが確実な結果を与えてくれるということが分かりました。外的な介入のないワインは、純粋にブドウが育ったテロワールと、そのヴィンテージの作柄の結晶であるのです。」
醸造について

ドメーヌでは、収穫したブドウを野生酵?のみで自発的に発酵させ、培養酵?や酵素、その他のいかなる醸造添加物も加えず、温度管理も一切行わず、清澄も濾過も行わない、可能な限り外的介入のない醸造を行っています。マロ発酵もブドウ自身の力で自発的に自然発生的に行われています。白ワインの場合も100%のケースで行われています。SO2はマロ発酵の後、もしくは瓶詰め時にごく少量添加しています。
またドメーヌでは複数の品種のブレンドによるワインを醸造する場合、全ての品種を発酵前にブレンドして、一緒に発酵を行います。ブドウ果汁がワインへと変換する過程は、非常に繊細な工程であり、単なる糖分のアルコールへの変化でありません。この過程において、酵?は多くの生化学的側面で働き、最善の方法でワインを形成するからです。
ミケーレ・ロレンツェッティは、発酵の後に異なる品種をブレンドすることは、既に出来上がったワインを混ぜることであり、ワインとして統一感を得るには実践面で限界があると考えています。最も統一感のあるワインを得るためには、最初から全ての品種をブレンドして同時に発酵させることが理想であるということです。発酵後にブレンドをするという試みも行ってみましたが、収穫の段階から異なる品種をブレンドする方法と比べた場合、出来上がったワインは複雑性に欠けるとの治験を得たそうです。
このため、複数品種をブレンドするキュヴェに関しては、ブレンドする全ての品種を同じ日に同時に収穫して、同じ発酵層で一緒にアルコール発酵を行っています。これは、かってブドウの品種が特定されていなかった時代に普通に行われていたField Blend フィールド・ブレンドの手法と同じです。フィールド・ブレンドから生まれるワインには、現代的な計算してブレンドするワインにはない複雑な味わいや香りが備わると言われています。いずれにしてもミケーレ・ロレンツェッティは、ワインの発酵の成否はブドウの品質に完全に依存していると考えています。その意味で、ビオディナミでブドウ栽培をすることが何よりも重要であると考えています。
● 2021 Gattaia Bianco I.G.T. Toscana
ガッタイア・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【「面」で上がってくる芳香!濃密さと軽快さの両立。移り変わる表情の豊かさにビオディナミの表現力を感じます・・!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] I.G.T.トスカーナと言えばかなり柔軟な規定なため、トスカーナで革新的なワイン作りを可能にしている一因・・・なのかもしれませんが、いやまさかシュナン・ブラン主体、ロワールブレンドのワインがあるとは思いもしませんでした。
マルク・アンジェリからマッサル・セレクションで譲り受けた、シュナン・ブランだから・・・だけではないと思います。
この丸く、白い果実の豊かな香り、「面」で押上げてくる芳香は。
香りにも現れるほどの密度。白い果実に少しだけ黄色が混じるのはトスカーナのシュナン・ブランだからでしょうか。白いスパイスと穏やかなハーブが、ソーヴィニヨンの存在を感じさせます。
時間をかけて飲んでいくと、徐々にバターのように変化していき・・・風格を感じさせてくれます。
特に様々な香りの混じり合い方、上部だけで組み合わさってるのではなく、
「複雑な一つの香り」
として昇華されているのは明らかにミケーレのフィールドブランド的な哲学によるものが大きいと感じます。
オイリーでとろみがありながらも、ピュアで冷涼な酸があり、濃密さと軽快さが両立しています。
シュナン・ブランのミネラルの溜め込み方というのはもしかしたら共通してるのかもしれません。ガラスのような厚い膜を貼ったミネラリティは非常にロワール的だなと感じます。
・・・いやもしかしたらミケーレは土壌の特性を見抜いて品種を選択しているのか・・・土壌特性の把握に自信があるからこそこれだけ大胆な品種選択ができるのかもしれません。
表情が豊かで、繊細に移り変わっていく様はまさにミケーレの言うビオディナミによる表現力を感じさせますし、ミネラリティにも複雑性があるように感じるのは樹齢が上がってきているのかもしれません。
かなり熟成に耐えられるポテンシャルを感じます。そのポテンシャルはこの価格帯を凌駕していると思います。しかし、もし早めに抜栓され、一日で飲みきる場合には(多くがこのパターンだと思いますが)、ぜひデキャンタージュもご検討ください。恐らく瓶のままでは酸素供給量が足りず、変化し切る前に飲み切ってしまう可能性が高いです。
それほど酸素との絡みによって変化していきますし、なかなか底を見せないポテンシャルがあります。
そして全く不安定感のないナチュラルなワインです。きっとクラシックのワインがお好きと言う方にも受け入れていただけるほど、ネガティブさが皆無です。
トスカーナのロワールブレンドと言うオリジナリティですが、「土着のブレンドですよ?」と言われても全く疑問を抱かないほどの完成度でした。めちゃくちゃうまいです。ぜひご検討ください!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【是非、ビオ嫌いなワインファンにも挑戦してみて欲しいキュヴェです!滅茶深く優しい味わい!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。
美しい白ワインだと思います。優しいし、滋味深いし、非常にピュアで・・後からナチュラルさをジワジワ感じてくる・・そんなタイプです。
マルク・アンジェリもそうですが、まぁ・・滅多に揮発酸が乗ることは無いですよね・・いや、マルクのワインに全く無いとは言いませんけどね。でもミケーレのワインは「ゼロ」もしくは限りなく「ゼロに近い」です。noisyも検出限界です。
マルク・アンジェリから分けてもらったクローンのシュナンを主体にしているようです。確かにマルク・アンジェリっぽい柔らかさなのかもしれませんが、非常に良く熟れたシュナンを想像してしまう性でしょうか、余りロワールの・・特にマルク・アンジェリのシュナンだとは感じませんでした。
でも、トスカーナの風土に有った品種なんじゃないか?・・と思えるような、複雑さと深みを得ているように感じます。植樹が2006年頃だとするなら、トスカーナでもまだ若い樹のうちに入ると思います。(南部のイタリアでは、単純にフランスと樹齢を比較できないですが・・)
ある意味、ほとんどビオを感じさせないビオです・・(^^;; 綺麗でピュアです・・僅かに酸化を感じさせる部分がビオだとは言えるかもしれません。むしろ、アンフォラ仕込みのソーヴィニヨンの方がすでに重量感も得ていて、大きな感じさえします。
しかし・・これ、時間が経ってくると充分に立て構造と重量感が出てくるんですよね。マセラシオンにより僅かな渋みが有り、当初はさして気付かないんですが、どんどん巨大化して来ます。
「ん?・・どういうこと?」
と考えてしまいます。
まぁ、言ってしまえば・・安易では有りますが、
「やっぱりセンスが・・」
と言うことなのかもしれません。
今飲んでも美味しいですが、少し寝かせてみても良いと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2021 Massimo Riesling I.G.T.Toscana
マッシモ・リースリング I.G.T. トスカーナ
【金属とペトロールが織りなす「金」の果実・・!オイリーさと瑞々しさの共存は、激烈ピュアの証と見ました!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] ラベルを見たとき、何かの間違いかと思ってしまいました。だって・・・
「I.G.T.トスカーナのリースリング」なんですから・・!
一体どんなワインなんだ?
ちゃんとレビューできるのか?
多少なりとも不安はありました。
まるで「北海道で育ったマンゴー」とか「長野で取れたカツオ」のような違和感です。
ただ口に含めば、
「あ・・・」
と誰しもが気づいてしまうことでしょう。
ミケーレはきっと、「このテロワールにはリースリングを合わせてみたい!」と思ったのかもしれない・・・と。
マッシモのテロワールは・・・非常に鉱物的なんです。
しかもかなり「金属的」。
その金属感がペトロールと出会うことによって、清涼感を伴う複雑で個性的な独自のエレガンスを生み出していると感じます。
おそらくこのワインが持つ果実のタイプは、もともとは「黄色」だったと思うんですよ。
標高が高いとは言えトスカーナなので、冷涼感はありながらも(トスカーナの中では最高レベルに高いです!)、果実のニュアンスはそこまで緯度感が高くないんです。
ですが、その「黄色の果実」が「金属感&ペトロール」と合わせることによって、
「金の果実」
に昇華していきます。
さらに密度高く、しっかりと果実の積層感はありますが、同時に「めちゃくちゃ瑞々しい」ので飲み心地はものすごく良いんです。
オイリーで涙がゆっくりとつたう様子からは、グリセリンの存在も感じ取れますが、なぜここまで瑞々しいのかと考えると、やはり・・・
「激烈にピュア」
であるからという結論に行き着きます。
そして激烈にピュアなワインというのは、どうしても醸造上の不安がつきまといますがマッシモ・・・というかミケーレのワインには、その一抹の不安さえも見つからないんです・・!
そしてこのワインはペアリングの腕を問われます。
まず、トスカーナとリースリングと言うほぼ前例のない組み合わせなので、歴史からはヒントをもらえません。
このワインの味わい的に考えると、トスカーナワインと合わせると考えるよりは、「リースリング」と合わせるという切り口から考えた方がいいと思います。
例えば、スモークしたホタテやサーモンなど、魚介は魚介でもマスキングされ、少し乾いた、生臭さを感じづらいものがいいと思います。oisyはたまたま鯖を合わせてしまったんですが、青魚との相性は・・・避けたほうがいいと思います。
なんにしてもこの金属感がポイントになってきます。なので酸の強いものもあまり合わないかもしれませんね。チキンやチーズなどの白っぽい食材の方が相性が良いと思います。
アスパラのようなえぐみを含む野菜は、もしかしたら掛け算のマリアージュになるかもしれません。
そういった意味では、飲み手の力量を試されるワインかもしれませんが、ワイン自体の品質もめちゃくちゃ良いので、ネガティブな組み合わせにならないことだけ気をつけて、ワインに身を委ねてみるのも良いと思います。
イタリアでここまでのリースリングはおよそ経験したことがありません。心の底から素晴らしいと思いました。ぜひご検討下さいませ。
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【すみません・・!飲めていません。】 このキュヴェのテイスティングをどうしようかと悩んでいたら・・半年も経過していました。このままだと価格が合わなくなってしまうので、
「その時のレートのまま」
一旦ご案内させていただくことにしました。
何せ3~6本しか無いキュヴェが多く、これを全て開けるとロレンツェッティの入荷分、全て販売してもトントンにならないと言う・・厳しい状況で悩んじゃった訳ですね。
そこへブルゴーニュワインが「どかん」と続けて入って来たので、テイスティングすることもままならなくなってしまった訳です。
しかしながら、例えば「パム」を飲んでも・・とんでもなく美味しいですし、ソーヴィニヨン・ガッタイアもまた、
「・・なんで落ちた茶系の色に照りが有るの?」
「・・落ちた色彩から想像できるのが茶色では無いのは何故?」
と思わせるほどに、ロレンツェッティの天才ぶりを感じさせてくれました。
飲まないとほぼ売れないので・・いずれ飲ませていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
● 2021 Gattaia Pino Nero I.G.T. Toscana
ガッタイア・ピノ・ネーロ I.G.T. トスカーナ
【赤く、石灰質のエレガンス!繊細で上質、「旨み」の乗った、まるでブルゴーニュの延長線上のテロワールを感じさせるピノネロ・ ・いや、ピノ・ノワールです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] あんまりこういうレビューはしたくないんですが、過去のノイジーと全く同じ感想を持ってしまいました。それは・・・
「ピノ・ネロではなく、ピノ・ノワールだ・・!」
ということです。
大体のイタリアのピノ・ネロは、果実はより黒く、若干粗野であるが旨味を伴ったもの・・・ものによっては、そこにスパイシーさが加わってきたりもする。そんなイメージでした。
ですがこのガッタイアは香りが「完全にピノ・ノワール」なんです・・・
赤く、石灰質のミネラルと組み合わさったフラワリーなエレガンス。香りに関して言えば、かなりブルゴーニュ的。しかもシャンボールに相当近いものがあると見ています。
味わいは石灰系の赤い果実をベースに、若干黒い果実がジワリ行き渡っており、「旨味の乗り」ががあるので、キャラクターはまた違ってくるんですが、しかし実に繊細でたおやか、エキス的です。
これはシュナンブランのアンジェリやリースリングのマッシモを飲んだ時にも思ったんですが、ミケーレは土壌を見極めて品種を変えてるんじゃないかな・・・と思います。
その土壌がどういった構成で、その品種だったら、最もポテンシャルを開花させられるのか、そういった視点を非常に大事にされているように感じます。だからこそ一見大胆に見える品種選択をできるんじゃないかと。
ワインを飲む限り、その試みは非常に成功していると断言できます。
それほどにどれも品質が素晴らしいし、オールドワールドでの長年の試行錯誤に裏打ちされた土壌と品種の組み合わせのルールさえ守れば、どんな土地でも素晴らしいワインができるという好例を見せつけられているかのようです。
というかこれだけ多様な品種に呼応できるって・・・ムジェッロ地区のテロワールの多彩さには驚かされるばっかりです。
ポテンシャルも素晴らしいです。香りの仕上がりに対して、味わいのまとまりはまだ進行途中といった具合なので、できればあと1 〜2年待ちたいところではあります。
ノイジーが言うように、確かに最終形が想像しきれない部分があります。
おそらくこれは、ブルゴーニュのピノにはない類の「旨味」があり、それがポテンシャルを取りに行った際、普段測りに行く層を覆っている感じになっていて、どうにもそこを超えてミネラルの質とボリュームをキャッチしづらいんですよね・・・
しかし、抜栓から時間をかけて、酸素を含ませていくと、香りだけでなく、味わいも粗野感が取れ、どんどんブルゴーニュ的な美しさが出てきます。
そうなってくると、このワインには確かに村名以上のものがある・・!と感じます。そしてここまではっきり理解できて初めて、「コスパめっちゃいいじゃん・・・」と言えるようになってくるわけです。
トスカーナのピノ・ネーロですが、スタイル的にはブルゴーニュの延長線上のテロワールを感じる素晴らしい「ピノ・ノワール」です!ご検討くださいませ!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【ビオも何も忘れてください。イタリアで最上の見事なピノ・ノワールです!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。
素晴らしいピノ・ノワールでした。あえてピノ・ネーロとは言いません。そう言ってしまうと、
「・・ちょっと違うか?・・ピノ・ネロじゃ伝わらないかも・・」
と感じました。いや、見事なピノ・ノワールでした。
皆さんは素晴らしいピノ・ノワールを沢山お楽しみですから・・それはピノ・ネロでは無かったはずなんですね。クレジットは「ピノ・ネーロ」ですが、それだとどうしても、
「濃くて力強くてどこか鈍重さの有るワイン」
を想像させてしまうんじゃないか・・と危惧してしまった訳です。
この美しい赤紫の色合いを是非ご覧ください。一瞬、
「あれ?・・フランスワイン?」
と見えてしまうことも有るんじゃないかと・・(^^;;
そうなんですよ。今まで飲まれてきた「ピノ・ネーロ」は忘れてください。そしてついでに「ビオディナミコ」も忘れちゃってください。熱で熟れ切ったフランス南部のピノ・ノワールも、どこかに置いて来てください。敢えて言うなら、フランス南部の極上のピノ・ノワール・・・でしょうか?・・でもそれでもこのワインを正確には言い表せていないと思います。
非常に繊細です。しかし、ブルゴーニュのピノ・ノワールには近い感覚ですが、同じでは有りません。言ってしまえばもっと複雑です。色合い、色彩をもっと豊かにした繊細なピノです。粘土が主体ですが、どこかにサラリとした砂地も感じます。その性でしょうか、黒い果実も実にサラリと感じさせてくれます。
今まで飲んだイタリアンのピノ・ノワールの中ではトップ・クラスです。価格も実にリーズナブルです。ブルゴーニュの村名クラスのポテンシャルは充分に有ります。濃くて重いピノ・ノワール・・・ん~・・ちょっと違うかな~・・と感じてしまうのが常ですが、冷やかさにワンポイント、集中した熱量を受けた果実が有り、それを繊細に表現できていると思います。
また、これはある程度の熟を与えても非常に面白いと言えます。どうなって行くのか・・いや、ブルゴーニュだと想像できるんですけどね。もしくはもっと鈍重なピノ・ネロだと判りやすいですが、ここまでの出来だと・・
「最終形が想像しきれない・・」
と感じてしまいました。
まぁ、あのグラヴネールさんがコンサルタントに迎えるくらいですから・・やはり凄いセンスの方なのでしょう。是非トライしてみてください。新たなピノの世界を覗いてください。お勧めです!
● 2022 Nostrale Bianco I.G.T.Toscana Terre di Giotto
ノストラル・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【クヴェグリ使用の外交的で美しくナチュラルなビアンコです!・・しかも、めちゃ安いです!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

クヴェグリ使用の白です。それでいて・・色がこれほどまに自然なゴールド!・・美しいです。
やはり2017年ものとは相当に異なります。2018年ものとの比較で言ってしまえば2017年ものは「普通」に思えてしまいます。
So2 も2020年5月で27m/lですから、普通、So2を添加しなくても30m/l程度は出てしまうことを考えれば、入れていないのとさして変わらないと言えます。
で、それでいて、このハツラツとした色合いですよ。
2017年ものはもう少し硬めに感じられたはずですが、2018年ものは中心をしっかり感じさせたまま、柔らかですし、香りの上りも非常にスピード感のあるものに仕上がっています。
揮発酸は、検出できるかできないか・・と言うレベルですので、判らない方が多いでしょう。So2 を出来るだけ使用しないと言う意思でのクヴェグリ使用で、ここまで少ないのは特記すべきことでしょうし、クヴェグリ使用により相当な複雑なニュアンスを、良いベクトルの向きで得ていると感じます。
とてもナチュラルですし、果実もピュア果実に乾燥させたもの、煮詰めたようなニュアンスが出て来ています。
そうそう・・何しろ、
「クヴェグリ使用で2000円台!」
って・・フランスワインじゃ考えられないでしょう?
手間もコストも相当に掛かるやり方です。でも、それをやった結果は・・
「2017年ものはクヴェグリを使っていない」
訳ですから、2017年ものを飲んだ時のことを思い出していただけますと、モロに比較可能なんですね。
複雑で、より外交的で、より包容力のある、より自然な味わいの白です。
しかも、異なる品種を同日に収穫して醸造しています。なので、「混植」とはまた違った「一体感」のある味わいになっていると思いますが・・そこまで見つけることも、もしかしたら可能かもしれません。
多くの情報を含んだとてもリーズナブルなビオの白です。是非飲んでみましょう!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【余りにピュアなビオディナミコのブラン!美しいディテールでアヴァンギャルドさはゼロ!・・・ん~・・やっぱりこうじゃないのは失敗なんじゃない?】
非常にピュアでナチュラルな、デイリー的白ワインです。トスカーナの比較的高くない高度の畑で造っているようです。
グラヴネールの深遠さや、ミケーレの上級キュヴェのような深みは有りませんが、
「ビオの白はこうやって造るの・・かな?」
みたいなニュアンスがビシビシ伝わって来ます。
柑橘系の果実が穏やかさ、柔らかさを持って感じられます。和田少し若いにしても適度な膨らみを持った中域が有り、何のバリアも感じさせずにアロマが漂ってきます。それこそが自然でストレスフリーです。
余りに呆気ないほど・・ピュアです。アヴァンギャルドなワインがお好きな方は物足りないに違い無いですが、お酢臭いワインが嫌いなビオファンには持ってこいでしょう。
今回は余りに少なく・・ワイン屋の皆さんも期待している性かとは思いますが、合計数ではそこそこいただけました。色々と飲んでみてください。
● 2022 Pam Bianco I.G.T. Toscana
パム・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【ロレンツェッティの天才ぶりが発揮された・・チープなはずのトスカーナのトレッビアーノで、「滅茶旨」な泡です!!】-----以前のレヴューを掲載しています。

いや、半端無いです・・このお方・・(^^;;
流石、あのヨスコ・グラヴネールも認めた・・エノロゴです。ヨスコ自身でも造れるはずですが、わざわざエノロゴとして招いてビオの造りを指導してもらったのかと思いますが、それだけのことは有ると言うことなのでしょう。
トスカーナのトレッビアーノと言いますと、もはや・・安ワインの代名詞だった訳です。暖かいだけに酸も少ない・・それで、
「瓶内二次発酵の泡を造る」
と言うことが、どれだけ大変かと・・思うんですが、
「激エレガントで凄い酸バランスを持った、見事なペティアン風!」
なクレマン?・・いや、フリッツァンテです。
黄色いフルーツが見事です。この手はもっと・・二次発酵タイプだとしてもキャンディっぽいのが多いです。そのエレガントなバランスをぜひご確認いただきたく・・深いですね~・・。

でも、どうなんでしょうね・・グラヴネール的では無いんですね。このフリッツィアンテにしても・・色落ちは有りません。
そして色落ちのあったソーヴィニヨンは、やや茶色が入って来ているのに・・めちゃ「照り」が有って美しいんです。そして味わいも見事!・・
「茶が活き活きとしている!」
んですね。
グラヴネールも1995年で通常の造りを止めてしまいまして、新樽も使わない・・ビオに転向しました。そしてこのロレンツェッティも参画したんだと思います。
グラヴネールの初期の白ワインは・・中々に noisy も理解できずにいましたが、ロレンツェッティ自身のビオワインは・・良い部分ばかりが感じられ、ネガティヴな部分が無いんですね・・。
このフリッツィアンテも出来は同様です・・相当素晴らしいです!・・ドライで果実も、そして複雑性も高い・・どうやって造ったのか!・・と全く分かりませんが・・是非驚きのフリッツァンテ、飲んでみてください!・・旨いです!
● 2022 Sauvignon Gattaia I.G.T. Toscana
ソーヴィニョン・ガッタイア I.G.T.トスカーナ
【どうです!?・・この・・美しいゴールド!・・何と、So2無添加で・・これです!・・滅茶美味しい!!激少ですが、激賞しかないです!圧巻!】-----以前のレヴューを掲載しています。

多くのイタリアの生産者さんが、
「So2 を使用せずに白ワインをマセレーションして仕上げている」
と思います。
ですが、
「まるで干からびてしまっていて、まさに焙じたお茶」
としか思えないような・・まぁ、確かに長く置いておきますと、
「少しずつ若々しいフレーヴァーも出てくる」
ことも有るんですが、それにしても・・
「それじゃぁ・・そこに意味は余り無いんじゃ?」
と言いたくなってしまいます。
ですが!・・
流石、ビオの先生が造る、このクヴェグリで仕上げたソーヴィニヨンは・・まったく違います。

まぁ・・この辺りを深く掘っていらっしゃる方向けでは有るんですが、いや、こんなのが出来るんなら・・
「クヴェグリ、しかもマセラシオンの白も大歓迎!」
と誰もが思うんじゃないでしょうか。
活き活きとした柑橘果実・・少し熟し気味ですが、レモンまで・・有ります。オレンジの風味さえ・・感じるんですね。
まぁ・・中域もしっかりと在りつつ、勿論余韻も長く、美しいんです。
「・・そんなビオのクヴェグリ、So2無添加のイタリアワイン、有ります?」
飲んでみてください。少ないのを無理やり開けてしまいましたが、
「開けて良かった!」
と思えた素晴らしいソーヴィニヨンでした!・・ビオの白を掘り下げていらっしゃる方向け・・とは書きましたが、
「多分、誰が飲んでもOKを出す出来」
です。お薦めします!
● 2020 Gattaia Bianco I.G.T. Toscana
ガッタイア・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【是非、ビオ嫌いなワインファンにも挑戦してみて欲しいキュヴェです!滅茶深く優しい味わい!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

美しい白ワインだと思います。優しいし、滋味深いし、非常にピュアで・・後からナチュラルさをジワジワ感じてくる・・そんなタイプです。
マルク・アンジェリもそうですが、まぁ・・滅多に揮発酸が乗ることは無いですよね・・いや、マルクのワインに全く無いとは言いませんけどね。でもミケーレのワインは「ゼロ」もしくは限りなく「ゼロに近い」です。noisyも検出限界です。
マルク・アンジェリから分けてもらったクローンのシュナンを主体にしているようです。確かにマルク・アンジェリっぽい柔らかさなのかもしれませんが、非常に良く熟れたシュナンを想像してしまう性でしょうか、余りロワールの・・特にマルク・アンジェリのシュナンだとは感じませんでした。
でも、トスカーナの風土に有った品種なんじゃないか?・・と思えるような、複雑さと深みを得ているように感じます。植樹が2006年頃だとするなら、トスカーナでもまだ若い樹のうちに入ると思います。(南部のイタリアでは、単純にフランスと樹齢を比較できないですが・・)
ある意味、ほとんどビオを感じさせないビオです・・(^^;; 綺麗でピュアです・・僅かに酸化を感じさせる部分がビオだとは言えるかもしれません。むしろ、アンフォラ仕込みのソーヴィニヨンの方がすでに重量感も得ていて、大きな感じさえします。
しかし・・これ、時間が経ってくると充分に立て構造と重量感が出てくるんですよね。マセラシオンにより僅かな渋みが有り、当初はさして気付かないんですが、どんどん巨大化して来ます。
「ん?・・どういうこと?」
と考えてしまいます。
まぁ、言ってしまえば・・安易では有りますが、
「やっぱりセンスが・・」
と言うことなのかもしれません。
今飲んでも美味しいですが、少し寝かせてみても良いと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2020 Massimo Riesling I.G.T.Toscana
マッシモ・リースリング I.G.T. トスカーナ
【すみません・・!飲めていません。】
このキュヴェのテイスティングをどうしようかと悩んでいたら・・半年も経過していました。このままだと価格が合わなくなってしまうので、
「その時のレートのまま」
一旦ご案内させていただくことにしました。
何せ3~6本しか無いキュヴェが多く、これを全て開けるとロレンツェッティの入荷分、全て販売してもトントンにならないと言う・・厳しい状況で悩んじゃった訳ですね。
そこへブルゴーニュワインが「どかん」と続けて入って来たので、テイスティングすることもままならなくなってしまった訳です。
しかしながら、例えば「パム」を飲んでも・・とんでもなく美味しいですし、ソーヴィニヨン・ガッタイアもまた、
「・・なんで落ちた茶系の色に照りが有るの?」
「・・落ちた色彩から想像できるのが茶色では無いのは何故?」
と思わせるほどに、ロレンツェッティの天才ぶりを感じさせてくれました。
飲まないとほぼ売れないので・・いずれ飲ませていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
● 2017 Angeli Bianco I.G.T. Toscana
アンジェリ・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【ロレンツェッティ・ワールド全開のスーパー濃密&スーパードライな「マルク・アンジェリ由来のシュナン・ブラン」!「・・こんなの・・飲んだこと無い!!」と驚かれるでしょう!・・ロレンツェッティの頭の中が透けて見えるような気配が!!】

何でしょう・・・もう、頭の中がバグってしまいそうな、とんでもない「シュナン・ブラン」です。因みにこのワインはロワールで造られた訳では有りませんで・・トスカーナです。
このシュナン・ブランの樹は・・あの・・シュナン・ブランの天才ファーマー、
「ラ・フェルム・ド・ラ・サンソニエールのマルク・アンジェリの葡萄の樹を分けてもらったもの」
です。友人同士だそうですよ・・。
そもそもロレンツェッティは、
「ビオディナミコの大御所のコンサルタント」
として活動しつつ、この「テッレ・ディ・ジオット」で自身のカンティーナをやっていますが、フランスはロワールのマルク・アンジェリで分けてもらったシュナン・ブランを、
「トスカーナの標高500メートルと言う、かなり高い畑に植えて・・やっとリリースしたワインがこの・・アンジェリ!」
なんですね・・これはもう・・サンソニエールファンなら、とても興味を惹かれるワインに違いありません。
・・・がしかし!・・ちょっと待った・・
マルク・アンジェリの・・あのふんわりとした・・まるで仕上がったばかりの食パン(表現がぶっ飛んでてすみません・・)のようなシュナン・ブランを想像されると、
「とてもじゃないが重なる部分が全く無い!」

と感じられると思いますので注意が必要です。
しかしだからこそ、
「このアンジェリを飲むと、同じビオディナミを志しつつ目指す方向性の違いや、本人の頭の中が透けて見えて来るものが有る!」
んじゃないかと・・実際、
「(・・なんじゃこりゃ~~!!)」
と、ナチュールな感性に支配されたバージョンの noisy の脳さえ、バグらせるほどの衝撃でした。
劇的に美しい光を反射する琥珀の色彩はアルコール分14度のシュナン・ブランです。まったく甘く無く、エキセントリックなアロマは柔らかさの中にソリッドなニュアンスを含み、高い芳香を持っています。
当初は穏やかな紅茶とハーブに優しいドライフルーツなニュアンスですが、徐々に温まって来ると・・こりゃぁもう・・化け物級の有機物オン・パレードです。果実はもちろん、フラワリーでも有り、先端が尖っていないスパイス。完全にエキス化された液体感から、優しいがエッジ感がしっかりあるパレットを描きつつ、その空間をのんびりと埋め尽くして来る表情・・エンディングは非常に長くたなびき、その有機物がさらに昇華されたような高貴なニュアンスが高域に伸びて行くイメージです。
なんだろう・・これはワインなんだろうか・・と一瞬思いつつも、・・あ、そうか・・ロッレンツェッティの理想像は・・ここなんだ!・・と理解したような気になりました。
まぁ・・アルコール分は14度ですから、さほどは高く無いんですが、どこか上質なフィーヌやマールが織りなす表情も感じられ、それがまた一般的なワインが発することのできる範囲を大きく超えている・・んだと思うんですね。
そしてこの・・ある意味、ワインとしての経験値を超えた味わいは、超絶にドライで有りながら、しなやかさや優しさ、そして懐の深さを物凄く感じさせるんです。
飲んだことの無い凄い白ワイン・・それでも良いですが、
「マルク・アンジェリからのホダギで造られたシュナン・ブランと言うことで、サンソニエールとの比較した場合の、余りにもかけ離れた感が有りながらの超絶な味わい!」
がまた・・ワインファン、ナチュールワインファンの心をくすぐってくれると感じます。言っちゃうと怒られるかもしれませんが、
「大成功したグラヴナー!」
がイメージ的に近いかも・・!少ないですが・・是非飲んでみてください。お薦めします!
● 2022 Nostrale Rosso I.G.T. Toscana
ノストラル・ロッソ I.G.T. トスカーナ
【2018年ものはついに本領発揮!?ビオの先生ならではの、「ビオワインはこれが正当なスタイル」的教えを美味しくリーズナブルに伝えてくれます!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

ベーシックなクラスのノストラル・ロッソですが、このノストラル・シリーズが凄く良いです。特にこの2018年ものになって、
「ビオ系コンサルタント」
としての素顔をさらけ出してくれました。
まぁ、正直なところを言ってしまえば、
「2017年ものは少し綺麗過ぎた?」
と・・。
ビオ系としては勿論、自然派系としても、安全パイ的な仕上がりを目指したのが2017年ものだったと感じます・・この2018年ものを飲めば。
2018年もののノストラル・ロッソは、開放的で充実、エレガントさを多分に感じさせつつ、「ビオ」と言う部分もしっかり感じさせつつ、とても安全で美しいディテールをも持っている・・・ある意味、
「ビオワインの鏡」
的な完成度を持っています。
そこには、「クヴェグリの使用」が大きく影響していると思われます。ですので、ベクトルの向きが外向きになり、開放感あふれる表現になっています。ほんの僅かに揮発酸が動いた形跡を香りの中に見つけることは、きっと可能だと・・思える程度の僅かなアヴァンギャルドレベルに収まっています。ですので、ここを一生懸命に探ったとしても、多くの方は見つけられず、複雑な味わいの中のワンポイントになっているだけです。
果実のニュアンスも実にナチュラル、リアルなもので、ふんわりと感じられるアロマに、きっと心地良さだけを感じさせてくれるでしょう。
美味しいデイリー?・・しかもビオです。その栽培由来のビオと、醸造に使用されるSo2の極端な少なさ・・必要最低限の量のみの添加・・サンズ・ナチュールに近い要素(5月で10mgは残存しているにしても)もしっかり感じさせてくれます。是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【トスカーナの個性を持った滅茶精緻でピュアな赤は、どこかフレンチさえ感じさせる?・・そう、時に煩わしい陽気さを隠しているのかもしれません!】
こんなサンジョ、飲んだこと無い・・です・・(^^;; 滅茶苦茶繊細です。精緻さもかなり有ります。・・まぁ、サンジョだけじゃないですけど・・でも、トスカーナブレンドですから・・はい・・。
それをミケーレは、
「フィールド・ブレンドにより複雑な味わいや香りが備わる」
と言ってるんですから・・実に面白いです。
フィールド・ブレンドは究極に持って行くと「混植」になるでしょう。そう、マルセル・ダイスや、ユッタ・アンブロジッチのゲミシュターサッツです。北の大地では、混植は避けられない方法でしょう。より寒いですから収穫時期もかなりのズレが生じます。
南のトスカーナでは、そこまで「必須にはならない」と言うことなのかもしれません。
マルセル・ダイスの超複雑性+一体感、アンブロジッチのシームレス感と似たものが、ここに存在するんです。そう、立て構造の深さと言うか、高さ?・・と言うか・・です。
なので、滅茶「スッキリ」しています。なのに複雑性も感じ、滅茶ピュアなんですね。ナチュラル感はむしろ「遅れて気付く」と言って良いかもしれません。
これ、面白いです!・・まぁ、そのまんまクイクイのんで、
「・・あ~・・美味しかった!」
で済ませても良い・・と言うか、それこそが造り手の狙いだと思います。
しかし気付けば、・・気づいてみて気付くこと?は、
「これ、トスカーナ・ブレンドだよね?・・しかもデイリーだし・・」
ビオの終着点はもしかしたら・・この辺に有るんじゃないか・・などと思い始めました。是非飲んでみてください。お勧めです!
● 2022 Gamey I.G.T. Toscana
ガメイ I.G.T. トスカーナ
【モルゴンの生産者も驚くに違いない、精緻でしっとりスパイシー、ドライだが旨味が載った、複雑な果実味のスーパーガメイです!】

「フランス人よ・・このガメイを飲んでみよ!」
・・とはハッキリは言わないでしょうが、ま~・・
「挑戦状!」
と言いますか、果し合い状を突き付けたかのような凄いガメイです。(因みにエチケッタですが1枚目は表、2枚目は裏です)
モルゴンのクローンを使用し2017年に植樹した畑由来だそうですが、
「・・たったの5年で・・こんなのが出来るのか!?」
と、ちょっと愕然とするような気にもなります。
noisy もDR* クローンのピノ・ノワールをほぼ同時期に植樹して育てていますが、余り世話が出来ない(しない?)のも有ってか、
「たった5年でこの素晴らしい濃度と質感が実現できることに驚きを感じる」
しか有りません。
モルゴンのクローンと言うことで、まぁ・・たしかにモルゴンっぽいです。と言いますか、
「クリュ・ボージョレの質感」
は間違い無く有ります。
ただし実際のモルゴンほどはチリチリとしたニュアンスは無く、むしろお隣の村の「レーニエ」風の花崗岩・砂質なニュアンスが80%ほどを占めるようなニュアンスに、モルゴン的なマンガンが多い土壌を20%...みたいな感覚に感じます。

飲んだイメージは・・
「まったくフランスワイン!」
なニュアンスです。これ・・正しく・・
「これはトスカーナ産!」
と言える人はいらっしゃるんでしょうか・・。多分・・いないと思います・・(^^
非常に精緻で緻密です。むしろフレンチ的な淡いガメなニュアンスは無いです。モルゴン的な一点集中した密度の高さを持ち、果実の美味しさ、スパイシーさが有ります。
完全エキスのワインで、しっとりと滑らか・・適度に膨らんで適度に締まりが有ります・・ここはイタリアワインにはまず無い表情です・・余韻もエキスのたなびきからのテロワールをしっとりと感じさせるものでして・・
「・・トスカーナ産・・なの~~!?」
と、素っ頓狂な声を上げるのは、ワインを良く知っている人ほど・・そうなってしまうと思います。
そして、たった5年でこれを造り上げるミケーレ・ロレンツェッティと言うたまげたテクニシャンの手腕に驚かれるでしょう!
あ、そうですね・・あのド・ヴェルニュスの上級のレーニエにも引けを取らない出来に近いですが、樽はほぼ無く、アンフォラ的なピュアさ主体なのでその部分はちょっと違うかな?素晴らしい出来です!・・ピノ的でも有ります。飲んでみてください。滅茶美味しいですが数は無いです!よろしくお願いいたします。
● 2020 Gattaia Pino Nero I.G.T. Toscana
ガッタイア・ピノ・ネーロ I.G.T. トスカーナ
【ビオも何も忘れてください。イタリアで最上の見事なピノ・ノワールです!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

素晴らしいピノ・ノワールでした。あえてピノ・ネーロとは言いません。そう言ってしまうと、
「・・ちょっと違うか?・・ピノ・ネロじゃ伝わらないかも・・」
と感じました。いや、見事なピノ・ノワールでした。
皆さんは素晴らしいピノ・ノワールを沢山お楽しみですから・・それはピノ・ネロでは無かったはずなんですね。クレジットは「ピノ・ネーロ」ですが、それだとどうしても、
「濃くて力強くてどこか鈍重さの有るワイン」
を想像させてしまうんじゃないか・・と危惧してしまった訳です。
この美しい赤紫の色合いを是非ご覧ください。一瞬、
「あれ?・・フランスワイン?」
と見えてしまうことも有るんじゃないかと・・(^^;;
そうなんですよ。今まで飲まれてきた「ピノ・ネーロ」は忘れてください。そしてついでに「ビオディナミコ」も忘れちゃってください。熱で熟れ切ったフランス南部のピノ・ノワールも、どこかに置いて来てください。敢えて言うなら、フランス南部の極上のピノ・ノワール・・・でしょうか?・・でもそれでもこのワインを正確には言い表せていないと思います。
非常に繊細です。しかし、ブルゴーニュのピノ・ノワールには近い感覚ですが、同じでは有りません。言ってしまえばもっと複雑です。色合い、色彩をもっと豊かにした繊細なピノです。粘土が主体ですが、どこかにサラリとした砂地も感じます。その性でしょうか、黒い果実も実にサラリと感じさせてくれます。
今まで飲んだイタリアンのピノ・ノワールの中ではトップ・クラスです。価格も実にリーズナブルです。ブルゴーニュの村名クラスのポテンシャルは充分に有ります。濃くて重いピノ・ノワール・・・ん~・・ちょっと違うかな~・・と感じてしまうのが常ですが、冷やかさにワンポイント、集中した熱量を受けた果実が有り、それを繊細に表現できていると思います。
また、これはある程度の熟を与えても非常に面白いと言えます。どうなって行くのか・・いや、ブルゴーニュだと想像できるんですけどね。もしくはもっと鈍重なピノ・ネロだと判りやすいですが、ここまでの出来だと・・
「最終形が想像しきれない・・」
と感じてしまいました。
まぁ、あのグラヴネールさんがコンサルタントに迎えるくらいですから・・やはり凄いセンスの方なのでしょう。是非トライしてみてください。新たなピノの世界を覗いてください。お勧めです!
● 2021 Nostrale Bianco I.G.T.Toscana
ノストラル・ビアンコ I.G.T. トスカーナ テッレ・ディ・ジオット
【クヴェグリ使用の外交的で美しくナチュラルなビアンコです!・・しかも、めちゃ安いです!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

クヴェグリ使用の白です。それでいて・・色がこれほどまに自然なゴールド!・・美しいです。
やはり2017年ものとは相当に異なります。2018年ものとの比較で言ってしまえば2017年ものは「普通」に思えてしまいます。
So2 も2020年5月で27m/lですから、普通、So2を添加しなくても30m/l程度は出てしまうことを考えれば、入れていないのとさして変わらないと言えます。
で、それでいて、このハツラツとした色合いですよ。
2017年ものはもう少し硬めに感じられたはずですが、2018年ものは中心をしっかり感じさせたまま、柔らかですし、香りの上りも非常にスピード感のあるものに仕上がっています。
揮発酸は、検出できるかできないか・・と言うレベルですので、判らない方が多いでしょう。So2 を出来るだけ使用しないと言う意思でのクヴェグリ使用で、ここまで少ないのは特記すべきことでしょうし、クヴェグリ使用により相当な複雑なニュアンスを、良いベクトルの向きで得ていると感じます。
とてもナチュラルですし、果実もピュア果実に乾燥させたもの、煮詰めたようなニュアンスが出て来ています。
そうそう・・何しろ、
「クヴェグリ使用で2000円台!」
って・・フランスワインじゃ考えられないでしょう?
手間もコストも相当に掛かるやり方です。でも、それをやった結果は・・
「2017年ものはクヴェグリを使っていない」
訳ですから、2017年ものを飲んだ時のことを思い出していただけますと、モロに比較可能なんですね。
複雑で、より外交的で、より包容力のある、より自然な味わいの白です。
しかも、異なる品種を同日に収穫して醸造しています。なので、「混植」とはまた違った「一体感」のある味わいになっていると思いますが・・そこまで見つけることも、もしかしたら可能かもしれません。
多くの情報を含んだとてもリーズナブルなビオの白です。是非飲んでみましょう!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【余りにピュアなビオディナミコのブラン!美しいディテールでアヴァンギャルドさはゼロ!・・・ん~・・やっぱりこうじゃないのは失敗なんじゃない?】
非常にピュアでナチュラルな、デイリー的白ワインです。トスカーナの比較的高くない高度の畑で造っているようです。
グラヴネールの深遠さや、ミケーレの上級キュヴェのような深みは有りませんが、
「ビオの白はこうやって造るの・・かな?」
みたいなニュアンスがビシビシ伝わって来ます。
柑橘系の果実が穏やかさ、柔らかさを持って感じられます。和田少し若いにしても適度な膨らみを持った中域が有り、何のバリアも感じさせずにアロマが漂ってきます。それこそが自然でストレスフリーです。
余りに呆気ないほど・・ピュアです。アヴァンギャルドなワインがお好きな方は物足りないに違い無いですが、お酢臭いワインが嫌いなビオファンには持ってこいでしょう。
今回は余りに少なく・・ワイン屋の皆さんも期待している性かとは思いますが、合計数ではそこそこいただけました。色々と飲んでみてください。
● 2021 Pam Bianco I.G.T. Toscana
パム・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【ロレンツェッティの天才ぶりが発揮された・・チープなはずのトスカーナのトレッビアーノで、「滅茶旨」な泡です!!】

いや、半端無いです・・このお方・・(^^;;
流石、あのヨスコ・グラヴネールも認めた・・エノロゴです。ヨスコ自身でも造れるはずですが、わざわざエノロゴとして招いてビオの造りを指導してもらったのかと思いますが、それだけのことは有ると言うことなのでしょう。
トスカーナのトレッビアーノと言いますと、もはや・・安ワインの代名詞だった訳です。暖かいだけに酸も少ない・・それで、
「瓶内二次発酵の泡を造る」
と言うことが、どれだけ大変かと・・思うんですが、
「激エレガントで凄い酸バランスを持った、見事なペティアン風!」
なクレマン?・・いや、フリッツァンテです。
黄色いフルーツが見事です。この手はもっと・・二次発酵タイプだとしてもキャンディっぽいのが多いです。そのエレガントなバランスをぜひご確認いただきたく・・深いですね~・・。

でも、どうなんでしょうね・・グラヴネール的では無いんですね。このフリッツィアンテにしても・・色落ちは有りません。
そして色落ちのあったソーヴィニヨンは、やや茶色が入って来ているのに・・めちゃ「照り」が有って美しいんです。そして味わいも見事!・・
「茶が活き活きとしている!」
んですね。
グラヴネールも1995年で通常の造りを止めてしまいまして、新樽も使わない・・ビオに転向しました。そしてこのロレンツェッティも参画したんだと思います。
グラヴネールの初期の白ワインは・・中々に noisy も理解できずにいましたが、ロレンツェッティ自身のビオワインは・・良い部分ばかりが感じられ、ネガティヴな部分が無いんですね・・。
このフリッツィアンテも出来は同様です・・相当素晴らしいです!・・ドライで果実も、そして複雑性も高い・・どうやって造ったのか!・・と全く分かりませんが・・是非驚きのフリッツァンテ、飲んでみてください!・・旨いです!
● 2021 Sauvignon Gattaia I.G.T. Toscana
ソーヴィニョン・ガッタイア I.G.T. トスカーナ
【どうです!?・・この・・美しいゴールド!・・何と、So2無添加で・・これです!・・滅茶美味しい!!激少ですが、激賞しかないです!圧巻!】

多くのイタリアの生産者さんが、
「So2 を使用せずに白ワインをマセレーションして仕上げている」
と思います。
ですが、
「まるで干からびてしまっていて、まさに焙じたお茶」
としか思えないような・・まぁ、確かに長く置いておきますと、
「少しずつ若々しいフレーヴァーも出てくる」
ことも有るんですが、それにしても・・
「それじゃぁ・・そこに意味は余り無いんじゃ?」
と言いたくなってしまいます。
ですが!・・
流石、ビオの先生が造る、このクヴェグリで仕上げたソーヴィニヨンは・・まったく違います。

まぁ・・この辺りを深く掘っていらっしゃる方向けでは有るんですが、いや、こんなのが出来るんなら・・
「クヴェグリ、しかもマセラシオンの白も大歓迎!」
と誰もが思うんじゃないでしょうか。
活き活きとした柑橘果実・・少し熟し気味ですが、レモンまで・・有ります。オレンジの風味さえ・・感じるんですね。
まぁ・・中域もしっかりと在りつつ、勿論余韻も長く、美しいんです。
「・・そんなビオのクヴェグリ、So2無添加のイタリアワイン、有ります?」
飲んでみてください。少ないのを無理やり開けてしまいましたが、
「開けて良かった!」
と思えた素晴らしいソーヴィニヨンでした!・・ビオの白を掘り下げていらっしゃる方向け・・とは書きましたが、
「多分、誰が飲んでもOKを出す出来」
です。お薦めします!
● 2021 Nostrale Rosso I.G.T. Toscana
ノストラル・ロッソ I.G.T. トスカーナ
【2018年ものはついに本領発揮!?ビオの先生ならではの、「ビオワインはこれが正当なスタイル」的教えを美味しくリーズナブルに伝えてくれます!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

ベーシックなクラスのノストラル・ロッソですが、このノストラル・シリーズが凄く良いです。特にこの2018年ものになって、
「ビオ系コンサルタント」
としての素顔をさらけ出してくれました。
まぁ、正直なところを言ってしまえば、
「2017年ものは少し綺麗過ぎた?」
と・・。
ビオ系としては勿論、自然派系としても、安全パイ的な仕上がりを目指したのが2017年ものだったと感じます・・この2018年ものを飲めば。
2018年もののノストラル・ロッソは、開放的で充実、エレガントさを多分に感じさせつつ、「ビオ」と言う部分もしっかり感じさせつつ、とても安全で美しいディテールをも持っている・・・ある意味、
「ビオワインの鏡」
的な完成度を持っています。
そこには、「クヴェグリの使用」が大きく影響していると思われます。ですので、ベクトルの向きが外向きになり、開放感あふれる表現になっています。ほんの僅かに揮発酸が動いた形跡を香りの中に見つけることは、きっと可能だと・・思える程度の僅かなアヴァンギャルドレベルに収まっています。ですので、ここを一生懸命に探ったとしても、多くの方は見つけられず、複雑な味わいの中のワンポイントになっているだけです。
果実のニュアンスも実にナチュラル、リアルなもので、ふんわりと感じられるアロマに、きっと心地良さだけを感じさせてくれるでしょう。
美味しいデイリー?・・しかもビオです。その栽培由来のビオと、醸造に使用されるSo2の極端な少なさ・・必要最低限の量のみの添加・・サンズ・ナチュールに近い要素(5月で10mgは残存しているにしても)もしっかり感じさせてくれます。是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【トスカーナの個性を持った滅茶精緻でピュアな赤は、どこかフレンチさえ感じさせる?・・そう、時に煩わしい陽気さを隠しているのかもしれません!】
こんなサンジョ、飲んだこと無い・・です・・(^^;; 滅茶苦茶繊細です。精緻さもかなり有ります。・・まぁ、サンジョだけじゃないですけど・・でも、トスカーナブレンドですから・・はい・・。
それをミケーレは、
「フィールド・ブレンドにより複雑な味わいや香りが備わる」
と言ってるんですから・・実に面白いです。
フィールド・ブレンドは究極に持って行くと「混植」になるでしょう。そう、マルセル・ダイスや、ユッタ・アンブロジッチのゲミシュターサッツです。北の大地では、混植は避けられない方法でしょう。より寒いですから収穫時期もかなりのズレが生じます。
南のトスカーナでは、そこまで「必須にはならない」と言うことなのかもしれません。
マルセル・ダイスの超複雑性+一体感、アンブロジッチのシームレス感と似たものが、ここに存在するんです。そう、立て構造の深さと言うか、高さ?・・と言うか・・です。
なので、滅茶「スッキリ」しています。なのに複雑性も感じ、滅茶ピュアなんですね。ナチュラル感はむしろ「遅れて気付く」と言って良いかもしれません。
これ、面白いです!・・まぁ、そのまんまクイクイのんで、
「・・あ~・・美味しかった!」
で済ませても良い・・と言うか、それこそが造り手の狙いだと思います。
しかし気付けば、・・気づいてみて気付くこと?は、
「これ、トスカーナ・ブレンドだよね?・・しかもデイリーだし・・」
ビオの終着点はもしかしたら・・この辺に有るんじゃないか・・などと思い始めました。是非飲んでみてください。お勧めです!
● 2019 Gattaia Pino Nero I.G.T. Toscana
ガッタイア・ピノ・ネーロ I.G.T. トスカーナ
【ビオも何も忘れてください。イタリアで最上の見事なピノ・ノワールです!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

素晴らしいピノ・ノワールでした。あえてピノ・ネーロとは言いません。そう言ってしまうと、
「・・ちょっと違うか?・・ピノ・ネロじゃ伝わらないかも・・」
と感じました。いや、見事なピノ・ノワールでした。
皆さんは素晴らしいピノ・ノワールを沢山お楽しみですから・・それはピノ・ネロでは無かったはずなんですね。クレジットは「ピノ・ネーロ」ですが、それだとどうしても、
「濃くて力強くてどこか鈍重さの有るワイン」
を想像させてしまうんじゃないか・・と危惧してしまった訳です。
この美しい赤紫の色合いを是非ご覧ください。一瞬、
「あれ?・・フランスワイン?」
と見えてしまうことも有るんじゃないかと・・(^^;;
そうなんですよ。今まで飲まれてきた「ピノ・ネーロ」は忘れてください。そしてついでに「ビオディナミコ」も忘れちゃってください。熱で熟れ切ったフランス南部のピノ・ノワールも、どこかに置いて来てください。敢えて言うなら、フランス南部の極上のピノ・ノワール・・・でしょうか?・・でもそれでもこのワインを正確には言い表せていないと思います。
非常に繊細です。しかし、ブルゴーニュのピノ・ノワールには近い感覚ですが、同じでは有りません。言ってしまえばもっと複雑です。色合い、色彩をもっと豊かにした繊細なピノです。粘土が主体ですが、どこかにサラリとした砂地も感じます。その性でしょうか、黒い果実も実にサラリと感じさせてくれます。
今まで飲んだイタリアンのピノ・ノワールの中ではトップ・クラスです。価格も実にリーズナブルです。ブルゴーニュの村名クラスのポテンシャルは充分に有ります。濃くて重いピノ・ノワール・・・ん~・・ちょっと違うかな~・・と感じてしまうのが常ですが、冷やかさにワンポイント、集中した熱量を受けた果実が有り、それを繊細に表現できていると思います。
また、これはある程度の熟を与えても非常に面白いと言えます。どうなって行くのか・・いや、ブルゴーニュだと想像できるんですけどね。もしくはもっと鈍重なピノ・ネロだと判りやすいですが、ここまでの出来だと・・
「最終形が想像しきれない・・」
と感じてしまいました。
まぁ、あのグラヴネールさんがコンサルタントに迎えるくらいですから・・やはり凄いセンスの方なのでしょう。是非トライしてみてください。新たなピノの世界を覗いてください。お勧めです!
● 2019 Gattaia Bianco I.G.T. Toscana
ガッタイア・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【是非、ビオ嫌いなワインファンにも挑戦してみて欲しいキュヴェです!滅茶深く優しい味わい!】----少な過ぎて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

美しい白ワインだと思います。優しいし、滋味深いし、非常にピュアで・・後からナチュラルさをジワジワ感じてくる・・そんなタイプです。
マルク・アンジェリもそうですが、まぁ・・滅多に揮発酸が乗ることは無いですよね・・いや、マルクのワインに全く無いとは言いませんけどね。でもミケーレのワインは「ゼロ」もしくは限りなく「ゼロに近い」です。noisyも検出限界です。
マルク・アンジェリから分けてもらったクローンのシュナンを主体にしているようです。確かにマルク・アンジェリっぽい柔らかさなのかもしれませんが、非常に良く熟れたシュナンを想像してしまう性でしょうか、余りロワールの・・特にマルク・アンジェリのシュナンだとは感じませんでした。
でも、トスカーナの風土に有った品種なんじゃないか?・・と思えるような、複雑さと深みを得ているように感じます。植樹が2006年頃だとするなら、トスカーナでもまだ若い樹のうちに入ると思います。(南部のイタリアでは、単純にフランスと樹齢を比較できないですが・・)
ある意味、ほとんどビオを感じさせないビオです・・(^^;; 綺麗でピュアです・・僅かに酸化を感じさせる部分がビオだとは言えるかもしれません。むしろ、アンフォラ仕込みのソーヴィニヨンの方がすでに重量感も得ていて、大きな感じさえします。
しかし・・これ、時間が経ってくると充分に立て構造と重量感が出てくるんですよね。マセラシオンにより僅かな渋みが有り、当初はさして気付かないんですが、どんどん巨大化して来ます。
「ん?・・どういうこと?」
と考えてしまいます。
まぁ、言ってしまえば・・安易では有りますが、
「やっぱりセンスが・・」
と言うことなのかもしれません。
今飲んでも美味しいですが、少し寝かせてみても良いと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2019 Massimo Riesling I.G.T.Toscana
マッシモ・リースリング I.G.T. トスカーナ
【すみません・・!飲めていません。】
このキュヴェのテイスティングをどうしようかと悩んでいたら・・半年も経過していました。このままだと価格が合わなくなってしまうので、
「その時のレートのまま」
一旦ご案内させていただくことにしました。
何せ3~6本しか無いキュヴェが多く、これを全て開けるとロレンツェッティの入荷分、全て販売してもトントンにならないと言う・・厳しい状況で悩んじゃった訳ですね。
そこへブルゴーニュワインが「どかん」と続けて入って来たので、テイスティングすることもままならなくなってしまった訳です。
しかしながら、例えば「パム」を飲んでも・・とんでもなく美味しいですし、ソーヴィニヨン・ガッタイアもまた、
「・・なんで落ちた茶系の色に照りが有るの?」
「・・落ちた色彩から想像できるのが茶色では無いのは何故?」
と思わせるほどに、ロレンツェッティの天才ぶりを感じさせてくれました。
飲まないとほぼ売れないので・・いずれ飲ませていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
● 2018 Nostrale Bianco I.G.T.Toscana
ノストラル・ビアンコ I.G.T. トスカーナ テッレ・ディ・ジオット
【クヴェグリ使用の外交的で美しくナチュラルなビアンコです!・・しかも、めちゃ安いです!】

クヴェグリ使用の白です。それでいて・・色がこれほどまに自然なゴールド!・・美しいです。
やはり2017年ものとは相当に異なります。2018年ものとの比較で言ってしまえば2017年ものは「普通」に思えてしまいます。
So2 も2020年5月で27m/lですから、普通、So2を添加しなくても30m/l程度は出てしまうことを考えれば、入れていないのとさして変わらないと言えます。
で、それでいて、このハツラツとした色合いですよ。
2017年ものはもう少し硬めに感じられたはずですが、2018年ものは中心をしっかり感じさせたまま、柔らかですし、香りの上りも非常にスピード感のあるものに仕上がっています。
揮発酸は、検出できるかできないか・・と言うレベルですので、判らない方が多いでしょう。So2 を出来るだけ使用しないと言う意思でのクヴェグリ使用で、ここまで少ないのは特記すべきことでしょうし、クヴェグリ使用により相当な複雑なニュアンスを、良いベクトルの向きで得ていると感じます。
とてもナチュラルですし、果実もピュア果実に乾燥させたもの、煮詰めたようなニュアンスが出て来ています。
そうそう・・何しろ、
「クヴェグリ使用で2000円台!」
って・・フランスワインじゃ考えられないでしょう?
手間もコストも相当に掛かるやり方です。でも、それをやった結果は・・
「2017年ものはクヴェグリを使っていない」
訳ですから、2017年ものを飲んだ時のことを思い出していただけますと、モロに比較可能なんですね。
複雑で、より外交的で、より包容力のある、より自然な味わいの白です。
しかも、異なる品種を同日に収穫して醸造しています。なので、「混植」とはまた違った「一体感」のある味わいになっていると思いますが・・そこまで見つけることも、もしかしたら可能かもしれません。
多くの情報を含んだとてもリーズナブルなビオの白です。是非飲んでみましょう!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【余りにピュアなビオディナミコのブラン!美しいディテールでアヴァンギャルドさはゼロ!・・・ん~・・やっぱりこうじゃないのは失敗なんじゃない?】
非常にピュアでナチュラルな、デイリー的白ワインです。トスカーナの比較的高くない高度の畑で造っているようです。
グラヴネールの深遠さや、ミケーレの上級キュヴェのような深みは有りませんが、
「ビオの白はこうやって造るの・・かな?」
みたいなニュアンスがビシビシ伝わって来ます。
柑橘系の果実が穏やかさ、柔らかさを持って感じられます。和田少し若いにしても適度な膨らみを持った中域が有り、何のバリアも感じさせずにアロマが漂ってきます。それこそが自然でストレスフリーです。
余りに呆気ないほど・・ピュアです。アヴァンギャルドなワインがお好きな方は物足りないに違い無いですが、お酢臭いワインが嫌いなビオファンには持ってこいでしょう。
今回は余りに少なく・・ワイン屋の皆さんも期待している性かとは思いますが、合計数ではそこそこいただけました。色々と飲んでみてください。
● 2018 Nostrale Rosso I.G.T. Toscana
ノストラル・ロッソ I.G.T. トスカーナ
【2018年ものはついに本領発揮!?ビオの先生ならではの、「ビオワインはこれが正当なスタイル」的教えを美味しくリーズナブルに伝えてくれます!】

ベーシックなクラスのノストラル・ロッソですが、このノストラル・シリーズが凄く良いです。特にこの2018年ものになって、
「ビオ系コンサルタント」
としての素顔をさらけ出してくれました。
まぁ、正直なところを言ってしまえば、
「2017年ものは少し綺麗過ぎた?」
と・・。
ビオ系としては勿論、自然派系としても、安全パイ的な仕上がりを目指したのが2017年ものだったと感じます・・この2018年ものを飲めば。
2018年もののノストラル・ロッソは、開放的で充実、エレガントさを多分に感じさせつつ、「ビオ」と言う部分もしっかり感じさせつつ、とても安全で美しいディテールをも持っている・・・ある意味、
「ビオワインの鏡」
的な完成度を持っています。
そこには、「クヴェグリの使用」が大きく影響していると思われます。ですので、ベクトルの向きが外向きになり、開放感あふれる表現になっています。ほんの僅かに揮発酸が動いた形跡を香りの中に見つけることは、きっと可能だと・・思える程度の僅かなアヴァンギャルドレベルに収まっています。ですので、ここを一生懸命に探ったとしても、多くの方は見つけられず、複雑な味わいの中のワンポイントになっているだけです。
果実のニュアンスも実にナチュラル、リアルなもので、ふんわりと感じられるアロマに、きっと心地良さだけを感じさせてくれるでしょう。
美味しいデイリー?・・しかもビオです。その栽培由来のビオと、醸造に使用されるSo2の極端な少なさ・・必要最低限の量のみの添加・・サンズ・ナチュールに近い要素(5月で10mgは残存しているにしても)もしっかり感じさせてくれます。是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【トスカーナの個性を持った滅茶精緻でピュアな赤は、どこかフレンチさえ感じさせる?・・そう、時に煩わしい陽気さを隠しているのかもしれません!】
こんなサンジョ、飲んだこと無い・・です・・(^^;; 滅茶苦茶繊細です。精緻さもかなり有ります。・・まぁ、サンジョだけじゃないですけど・・でも、トスカーナブレンドですから・・はい・・。
それをミケーレは、
「フィールド・ブレンドにより複雑な味わいや香りが備わる」
と言ってるんですから・・実に面白いです。
フィールド・ブレンドは究極に持って行くと「混植」になるでしょう。そう、マルセル・ダイスや、ユッタ・アンブロジッチのゲミシュターサッツです。北の大地では、混植は避けられない方法でしょう。より寒いですから収穫時期もかなりのズレが生じます。
南のトスカーナでは、そこまで「必須にはならない」と言うことなのかもしれません。
マルセル・ダイスの超複雑性+一体感、アンブロジッチのシームレス感と似たものが、ここに存在するんです。そう、立て構造の深さと言うか、高さ?・・と言うか・・です。
なので、滅茶「スッキリ」しています。なのに複雑性も感じ、滅茶ピュアなんですね。ナチュラル感はむしろ「遅れて気付く」と言って良いかもしれません。
これ、面白いです!・・まぁ、そのまんまクイクイのんで、
「・・あ~・・美味しかった!」
で済ませても良い・・と言うか、それこそが造り手の狙いだと思います。
しかし気付けば、・・気づいてみて気付くこと?は、
「これ、トスカーナ・ブレンドだよね?・・しかもデイリーだし・・」
ビオの終着点はもしかしたら・・この辺に有るんじゃないか・・などと思い始めました。是非飲んでみてください。お勧めです!
● 2015 Gattaia Pino Nero I.G.T. Toscana
ガッタイア・ピノ・ネーロ I.G.T. トスカーナ
【ビオも何も忘れてください。イタリアで最上の見事なピノ・ノワールです!】

素晴らしいピノ・ノワールでした。あえてピノ・ネーロとは言いません。そう言ってしまうと、
「・・ちょっと違うか?・・ピノ・ネロじゃ伝わらないかも・・」
と感じました。いや、見事なピノ・ノワールでした。
皆さんは素晴らしいピノ・ノワールを沢山お楽しみですから・・それはピノ・ネロでは無かったはずなんですね。クレジットは「ピノ・ネーロ」ですが、それだとどうしても、
「濃くて力強くてどこか鈍重さの有るワイン」
を想像させてしまうんじゃないか・・と危惧してしまった訳です。
この美しい赤紫の色合いを是非ご覧ください。一瞬、
「あれ?・・フランスワイン?」
と見えてしまうことも有るんじゃないかと・・(^^;;
そうなんですよ。今まで飲まれてきた「ピノ・ネーロ」は忘れてください。そしてついでに「ビオディナミコ」も忘れちゃってください。熱で熟れ切ったフランス南部のピノ・ノワールも、どこかに置いて来てください。敢えて言うなら、フランス南部の極上のピノ・ノワール・・・でしょうか?・・でもそれでもこのワインを正確には言い表せていないと思います。
非常に繊細です。しかし、ブルゴーニュのピノ・ノワールには近い感覚ですが、同じでは有りません。言ってしまえばもっと複雑です。色合い、色彩をもっと豊かにした繊細なピノです。粘土が主体ですが、どこかにサラリとした砂地も感じます。その性でしょうか、黒い果実も実にサラリと感じさせてくれます。
今まで飲んだイタリアンのピノ・ノワールの中ではトップ・クラスです。価格も実にリーズナブルです。ブルゴーニュの村名クラスのポテンシャルは充分に有ります。濃くて重いピノ・ノワール・・・ん~・・ちょっと違うかな~・・と感じてしまうのが常ですが、冷やかさにワンポイント、集中した熱量を受けた果実が有り、それを繊細に表現できていると思います。
また、これはある程度の熟を与えても非常に面白いと言えます。どうなって行くのか・・いや、ブルゴーニュだと想像できるんですけどね。もしくはもっと鈍重なピノ・ネロだと判りやすいですが、ここまでの出来だと・・
「最終形が想像しきれない・・」
と感じてしまいました。
まぁ、あのグラヴネールさんがコンサルタントに迎えるくらいですから・・やはり凄いセンスの方なのでしょう。是非トライしてみてください。新たなピノの世界を覗いてください。お勧めです!
● 2017 Nostrale Rosso I.G.T. Toscana
ノストラル・ロッソ I.G.T. トスカーナ
【トスカーナの個性を持った滅茶精緻でピュアな赤は、どこかフレンチさえ感じさせる?・・そう、時に煩わしい陽気さを隠しているのかもしれません!】

こんなサンジョ、飲んだこと無い・・です・・(^^;; 滅茶苦茶繊細です。精緻さもかなり有ります。・・まぁ、サンジョだけじゃないですけど・・でも、トスカーナブレンドですから・・はい・・。
それをミケーレは、
「フィールド・ブレンドにより複雑な味わいや香りが備わる」
と言ってるんですから・・実に面白いです。
フィールド・ブレンドは究極に持って行くと「混植」になるでしょう。そう、マルセル・ダイスや、ユッタ・アンブロジッチのゲミシュターサッツです。北の大地では、混植は避けられない方法でしょう。より寒いですから収穫時期もかなりのズレが生じます。
南のトスカーナでは、そこまで「必須にはならない」と言うことなのかもしれません。
マルセル・ダイスの超複雑性+一体感、アンブロジッチのシームレス感と似たものが、ここに存在するんです。そう、立て構造の深さと言うか、高さ?・・と言うか・・です。
なので、滅茶「スッキリ」しています。なのに複雑性も感じ、滅茶ピュアなんですね。ナチュラル感はむしろ「遅れて気付く」と言って良いかもしれません。
これ、面白いです!・・まぁ、そのまんまクイクイのんで、
「・・あ~・・美味しかった!」
で済ませても良い・・と言うか、それこそが造り手の狙いだと思います。
しかし気付けば、・・気づいてみて気付くこと?は、
「これ、トスカーナ・ブレンドだよね?・・しかもデイリーだし・・」
ビオの終着点はもしかしたら・・この辺に有るんじゃないか・・などと思い始めました。是非飲んでみてください。お勧めです!
● 2015 Gattaia Bianco I.G.T. Toscana
ガッタイア・ビアンコ I.G.T. トスカーナ
【是非、ビオ嫌いなワインファンにも挑戦してみて欲しいキュヴェです!滅茶深く優しい味わい!】

美しい白ワインだと思います。優しいし、滋味深いし、非常にピュアで・・後からナチュラルさをジワジワ感じてくる・・そんなタイプです。
マルク・アンジェリもそうですが、まぁ・・滅多に揮発酸が乗ることは無いですよね・・いや、マルクのワインに全く無いとは言いませんけどね。でもミケーレのワインは「ゼロ」もしくは限りなく「ゼロに近い」です。noisyも検出限界です。
マルク・アンジェリから分けてもらったクローンのシュナンを主体にしているようです。確かにマルク・アンジェリっぽい柔らかさなのかもしれませんが、非常に良く熟れたシュナンを想像してしまう性でしょうか、余りロワールの・・特にマルク・アンジェリのシュナンだとは感じませんでした。
でも、トスカーナの風土に有った品種なんじゃないか?・・と思えるような、複雑さと深みを得ているように感じます。植樹が2006年頃だとするなら、トスカーナでもまだ若い樹のうちに入ると思います。(南部のイタリアでは、単純にフランスと樹齢を比較できないですが・・)
ある意味、ほとんどビオを感じさせないビオです・・(^^;; 綺麗でピュアです・・僅かに酸化を感じさせる部分がビオだとは言えるかもしれません。むしろ、アンフォラ仕込みのソーヴィニヨンの方がすでに重量感も得ていて、大きな感じさえします。
しかし・・これ、時間が経ってくると充分に立て構造と重量感が出てくるんですよね。マセラシオンにより僅かな渋みが有り、当初はさして気付かないんですが、どんどん巨大化して来ます。
「ん?・・どういうこと?」
と考えてしまいます。
まぁ、言ってしまえば・・安易では有りますが、
「やっぱりセンスが・・」
と言うことなのかもしれません。
今飲んでも美味しいですが、少し寝かせてみても良いと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2017 Sauvignon Gattaia Bianco I.G.T. Toscana
ソーヴィニョン・ガッタイア・ビアンコ I.G.T. トスカーナ テッレ・ディ・ジオット
【グググっと入ってくるのに滋味深い・・強くエグられない優しいエナジー。ん・・グラヴネールに共通する見事な味わいでした!】

色合いはそれなり濃いですよ。写真より僅かに濃いかもしれません・・お客様の環境にもよりますが・・。
非常に興味深い味わいでした。しかも非常に優しいし、何より酔い覚めが軽い・・。
ちょっとわき道にそれますが、
「ビオでSo2も使用しないワインでとても柔らかい味わい・・なのに、なぜか悪酔いする・・とか妙にSo2っぽいとか・・」
と言うような経験は無いでしょうか?
noisy の場合は、まぁ、開けてる数が数有る・・のも関係しているにせよ、結構に有ります。本当に使ってないのかな?・・とか、生成されるSo2が多いのか・・とか、ではそれはなぜなのか?・・など、考えていると眠れなくなっちゃいます。
このワインが皆さんにも同じように作用する、感じられるとは限りませんが、そこも含めて非常に優しいと感じる味わいです。
色も非常に・・照りが有って美しいですよね。深いです。アンフォラ・・・使ってますね?・・と言う感じで、エネルギーの向き・・と言うか、ベクトル変換?がキッチリ出来ています。内側に向かわず、外部に向かってきています。
しかし、その外部に向かうエネルギーが優しいんですよ。そしてワインとして、ちゃんとしているんです。ソーヴィニヨンの、ある種「臭いと感じる」部分は無い・・と言えるかと思います。そこさえ「変換」できている感触です。
そして、アンフォラっぽく感じさせる部分も優しいので、一瞬、
「・・アンフォラだよ・・な?」
と再確認したくなります。
そこから、非常に美しいフルーツのニュアンスが飛び出してくるんですね・・ま、ちょっと若いので、品温にもよりますが、5~10分位掛かるかも・・です。
グラヴネールさんがミケーレさんを受け入れたのはこんな部分なのかも・・などと感じました。素晴らしい仕上がりのリーズナブル高級ビオだと思います。是非飲んでみてください。お勧めします・・数は無いです。
● 2017 Nostrale Bianco I.G.T.Toscana
ノストラル・ビアンコ I.G.T. トスカーナ テッレ・ディ・ジオット
【余りにピュアなビオディナミコのブラン!美しいディテールでアヴァンギャルドさはゼロ!・・・ん~・・やっぱりこうじゃないのは失敗なんじゃない?】

非常にピュアでナチュラルな、デイリー的白ワインです。トスカーナの比較的高くない高度の畑で造っているようです。
グラヴネールの深遠さや、ミケーレの上級キュヴェのような深みは有りませんが、
「ビオの白はこうやって造るの・・かな?」
みたいなニュアンスがビシビシ伝わって来ます。
柑橘系の果実が穏やかさ、柔らかさを持って感じられます。和田少し若いにしても適度な膨らみを持った中域が有り、何のバリアも感じさせずにアロマが漂ってきます。それこそが自然でストレスフリーです。
余りに呆気ないほど・・ピュアです。アヴァンギャルドなワインがお好きな方は物足りないに違い無いですが、お酢臭いワインが嫌いなビオファンには持ってこいでしょう。
今回は余りに少なく・・ワイン屋の皆さんも期待している性かとは思いますが、合計数ではそこそこいただけました。色々と飲んでみてください。
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