
暖かくなって来まして、また生酒の美味しい季節です。桜を愛でながらの・・南部美人など、ちょっと乙な世界観じゃぁないかと思います。
2017BY(2017酒造年度もの)は前年同様の派手目なデザインで、「カルメン」をイメージされたようですね。noisy も飲んでみましたが、カルメンの情熱・・と言うか、フラメンコのエネルギーみたいなイメージを感じました。決して女性的なしなやかさを感じるものでは無く、とてもしっかりした、充実した味わいです。
吟香は口中香中心で穏やかながら確実に香る、実に心地良いリンゴ系のアロマです。味わいは・・これがまた、実に素晴らしい・・ダイナミックで劇的な起承転結が有ります。
若いお酒ですんで、今までの南部美人だと、やや甘味で若さをカバーする嫌いが有ったんですが、それを止め、完全発酵に近いところまで糖分を喰っています。なので、その若さがエッジを形成してはいるんですが、ワインで言うところの、
「上質なタンニン」
のようなイメージで取られるかと思うんですね。
日本酒の世界では当然のことなんですが、
「若いうちは渋さがみられるが、秋上がりすると丸くなる」
などと表現されます。
ただ、このやや渋いニュアンスが実に良いんです。誤魔化さずにきちんと!・・それが良いんですよ。
新玉ねぎとか、春キャベツとか、独特の渋みがあるでしょう?・・でも、それが新ものの甘さを引き出し、季節感を感じさせてくれますよね。
「春になったらxxを食べたいな・・」
と、例えば人によりアスパラだったり、菜の花だったり・・山菜が芽生える頃ならゼンマイやワラビだったりすると思いますが、そんな季節感を際立たせ、健康にも寄与する味わいだと思います。
とても美味しいです!・・前年の純米吟醸無濾過生原酒とは、使用米は同じでも、またかなり違うものになっています。是非飲んでみてください!お勧めします!
スペック表
原料米:ぎんおとめ/美山錦
精米歩合:50%/55%
使用酵母:M310
日本酒度:+5
酸度:1.5
アルコール度:17~18度
■蔵元さんより
ステージの上で情熱的に歌い、舞う。そして口元には真っ赤なバラ。
プロスペル・メリメの小説『カルメン』を基に、オペラ『カルメン』は誕生しました。真っ赤なドレスを身にまとい、口には同じく真っ赤なバラを一輪くわえ、意中の男性を誘惑せんと情熱的に歌い踊る…。
そんな美人の形をイメージしてラベルのデザインを行いました。前回のプリマのときはユリの花でしたが、今回はカルメンにちなみ、真っ赤なバラを箔押ししてもらいました。
酒質もイメージに負けず劣らず力強い味わいと抜群の吟醸香をたずさえており、フレッシュさも抜群! みずみずしさの奔流を是非ご堪能ください!
春の旬と言えば竹の旬と書いて筍(たけのこ)です。筍の水煮は一年中ありますが、生の筍はこの時期だけ。姫皮を梅干しでさっと和えたり、穂先の柔らかい部分を刺身にして、菜の花のおひたしなどをちょちょっと盛り付けて南部美人の『カルメン』で一杯やりたいものです。
以下は以前のもののレヴューです。
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無ろ過で仕上げた無加水の純米吟醸酒です。上立ち香(グラスから立つ香り)は控えめ、口中香(お酒を口に含んでから鼻に抜ける香り)は仄かでクリア..シビアに造られた良い吟醸のものです。しかも、しつこくない..。香りは穏やかながら、舌触りは柔らか、新酒なのに渋みや雑味は無く、程良い膨らみを見せながら綺麗な減衰をしてゆきます。ほんのりと甘く、ふくよかです。新潟系の辛いお酒とは全く違う、さりとて濃すぎて飽きがきてしまうこともない、昨今の南部美人らしい素晴らしい出来ですね。十四代っぽい柔らかさもありますが、香りは強くないです。さり気ない感じですね。
今回は火入れ(温度を60度以上に上げて菌を殺すこと)、濾過はしないで出荷していただいています。燗はせず、8~12度でお召し上がり下さい。この季節、赤ワインが美味しいですが、たまには趣向を変えてとっても「レア」な南部美人で一献..。まっこと素敵じゃないですか!
味筋的には、今までの南部美人よりドライで、それでもしっかりとした味わいが有ります。きれいに膨らみ、無くなってゆく山本さんのお酒に対し、味幅のある自己主張をしっかりする岩手の酒です。お奨めします!
原料米:ぎんおとめ/美山錦
精米歩合:50%/55%
使用酵母:M310
日本酒度:+5
酸度:1.5
アミノ酸度:1.2
アルコール度:17~ 18度
使用水: 折爪馬仙峡伏流水(中硬水)