
どうでしょう?・・ニコラ・アルターレを飲んで直ぐにイタリアを感じられるとするなら、相当の猛者か・・余り飲んで来てないか・・すみません・・(^^;;
まぁ・・noisy なら・・ちょっと時間を掛けてイタリア北部と答えられるかもしれませんが、瞬間で判断してしまうと・・フランスのどこどこ・・と言いだしかねないかもしれません。
イタリアワインの多くはそれなりに抽出が強いし・・葡萄も良く熟しますから、フレーヴァーもそれなりに濃密になります。その頭でいますと・・フランスと言い兼ねない訳ですね。
そもそもエレガント系とか、エキス系とかを言い始めたのは noisy ですから・・いや、濃ゆ~いワインも嫌いじゃ無いんですが、それよりも「美しい系」が好きなので、「何とか系」の体系を言い始めた訳です。そしていつの間にか時代が noisy に追い付いたのか、ブルゴーニュワインは全世界で大人気になるわ、濃くて甘いワインは不人気の方向へ進み始めるわ・・、海外メディアさえエレガント系に高い評価を付けるようになるわ・・いや、
「追い付いたのではなく・・完全に追い抜かれた」
のかもしれませんが・・。
ただしこれは日本人的な感性が長きに渡って輸出され、それが海外の人々に受け入れられた証拠だと・・思うんですね。昨今の日本のインバウンド人気は本物で、日本人になりたい外国人が大挙して来日しています。食べ物は美味しいし水はタダだし人間は優しいし危険は危なく無いし・・(^^;; 、しかも円は弱いから大金持ちになったような気持ちになるのかもしれません・・もっともそのうちの幾つかは勘違い・・と言うこともあるかもしれませんが。

で、イタリアでこのようなワインが生まれるのも、結局必然だったと・・思うんですね。
決して無理に濃くはせず、自然と仲良く、ちょうど良い「塩梅」にして、その元も味わいを大事にする・・和食の味わいですね。
で、このドルチェットによるドリアーニですが、ま~・・我々が良く知る「ドルチェット・なんとか」とはもう・・圧倒的に異なります。一言でいえば・・
「美しいエキス!」
です。
もちろん、テクスチュアも美しいです。ざらつく・・なんてことはありません。非常に滑らかです。言ってしまえば・・これも和食です。美しい味わいの出汁を引いたお料理そのものです。
ですから、様々なお料理にもバッチリ合うと思います。お寿司でも・・良いんじゃないかと・・
「イタリアワインでお寿司?・・マジすか?」
と思われるかもしれませんが、新鮮なネタでマリアージュさせたら、とても美味しいと思いますよ・・よっぽど匂いが特徴の食材で無い限り。
ですから・・このところのユーロ高がうらめしいんですね。これ、1年半前だったら2600~2800円で仕上がったはずです。為替も天井を付けた感じがしますので、これ以上は弱くはならないと想像していますが・・。
鈍重ではなく、軽やかで、エキスが綺麗に出た、美しい系、エレガント系のドルチェットです。どうぞよろしくお願いいたします。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【かなり本格派!?・・スパイシーで縦伸び系・・これから膨らみを得てどんどん美味しくなってくるはずです!】
ドリアーニです。一般にはドルチェット・ディ・ドリアーニと言うD.O.C.G.ワインになります。
このニコラさん、ちゃんとD.O.C.G.を申請してクリアしているんですね。昨今の自然派の方々は、
「そんなの関係ね~」(注:古っ)
とばかりに、余り縛られたくない・・自由・・を言いたいのかもしれませんが、ニコラさんのお父さんも農薬で病気になったのを見ているだけに、
「農薬は使わないナチュールで仕上げる。でもやるべきことはちゃんとやる。SO2 も出来る限り減らす。」
と言うような意志が感じられますね。結構、ちゃんとした方なのかなぁ・・と思っています。
造り手紹介のコラムの一番下の写真・・・良いですね・・ちゃんと基本をやる方なんですね・・。この後、草花をすき込むんですね・・。
飲ませていただきました。結構に男っぽくごつさも在る感じ・・でも外向さはちゃんと有って、ナチュールらしい柔らかさも感じます。

スパイシーで・・これは土壌由来のアロマかな?・・と思えるような複雑なミネラリティ構成による味わい、アロマを感じます。
透明なミネラリティがかなりしっかり有って・・例えばあの六角形の水晶原石をイメージさせるような縦伸び系です。
ただし、入荷は2021年11月初旬、テイスティングも同時期に行っていますので、そろそろ飲み始めて良い頃だと思います。縦伸びだけでなく、横にも膨らみ始めると思います。
味わいは完全にエキスになっている感じで、非常に好ましいです。エリオ・アルターレ風の濃密な感じにはなっていないですね・・。
「全く異なる」
とも言えると思います。
以前、エリオ・アルターレさんの御子息が造られた、ビオ系の白・・をご案内したことが有りました。ラシーヌさんから仕入れたものでした。
届いた当初は・・
「。。・・なんだ・・ごりゃ?」
とバッキバキでバランスが滅茶苦茶、まるで正体不明で何も判断できなかったんですが、半年ほど置いて再テイスティングしてみましたら・・偉い美味しくなっていました。
「エリオの息子さんも自然派で頑張るのか・・」
と安心していましたところ、ラシーヌさんとの折り合いが悪く成ってしまい・・他のインポーターさんに移ってしまったんですね。残念でしたが仕方が有りません。難しいですね・・
ですが、アルターレ家の本家筋の若者が、また新しいトライをしてくれています。是非飲んでみて下さい。結構に複雑性を持った縦伸び系ドリアーニです。お勧めします。