[ Oisy wrote ]● イタリア、マルケからの自然派の生産者のご紹介です。
実はOisyは若かりし頃、銀座、麻布のゴリゴリのイタリアンレストランで働いていたことがあります。ですので当時イタリアワインはまさに浴びるほど飲んでいたんですね。ですので少し知った気になっていたのかもしれません。しかしまさかこのマルケの地からこれほど秀逸なミネラリティに満たされたワインが産み出されているなんて・・・全く知りませんでした!
仲の良い4人が副業としてやっているカンティーナのようですが、好きなワインを造りたい!という素直な欲求に従い、造っているからでしょうか・・ワインは激ピュアで自然体、とても飲み心地の良い出来に仕上がっています。しかし前述したように、非常にミネラルに溢れた味わいをしているものなので、ポテンシャルもばっちり、特に安定感のある白はブルゴーニュファンにも受け入れられるのではないかと思うほどです。
また今回はロゼ、少し攻めたオレンジワインもございます。ワイン毎に好みは分かれるとは思いますが、どれも安定感のある造りで「本当はこっちが本業なんでしょ?」でと言いたくなる造りです。ぜひお手に取ってみてくださいませ!
[ Noisy wrote ]以下は以前のご紹介文です。
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● 期待の新人のご紹介です。なんと一人ではなく、
「4人でやっているカンティーナ」
です。
しかもそれぞれがお医者さんとか銀行員とか・・だそうです。
さらにはそれぞれの祖父の代には、自然なワインを造っていたそうで、それを再現したいと・・言うことのようです。
noisy も飲んでみましたが、非常に判りやすく美味しい・・しかも複雑性のある、綺麗なエキスの出たワインで、当初はとてもイタリア中部のワインとは思えませんでした。白ですとこの地域は、カステッリ・ディ・イエージと言うワインが有りますが、高級ワイン的にしようとして・・今ひとつ上手く行っていなかったように思います。そこへ祖父の時代からの自然な造りの再現をしたところ、こんなワインが生まれたんですね。
期待しかない・・素晴らしい味わいでした。是非飲んでみてください。

■『祖父の時代の自然なワインを!』
という情熱から誕生したアーティザナルなワイナリー
イタリアの有名な土着品種の一つと言えばヴェルディッキオ。日本にはかなり昔から輸入されていますが、その産地マルケでは、クラシックワインを造る大規模なワイナリーが多く、小規模、ましてやナチュラルワインの造り手はこれまで殆ど見られませんでした。しかし、ここにもいよいよナチュラルワインを造る蔵元が現れました。ソムリエである4 人の友人が、祖父や父が昔ながらのやり方で造っていた自然なワインを現代に適合させたナチュラルワインを造りたいとの情熱から設立された小さなアーティザナルなワイナリー、オッペデントロです。
◇ VINNATUR ヴィンナトゥールに加盟する厳格なナチュラリスト
オッペデントロは、栽培面積僅か1.8ha で、2017 年に3 千本のワインを造ってデビューしました。イエージ地区から少し内陸に入った海抜450m の場所で、固有のフレッッシュ感と塩味を備えた個性的なナチュラルワインを造っています。厳格な基準でナチュラルワイン造りをしていることを消費者に示したいとの想いから、アンジョリーノ・マウレが結成したナチュラルワインのグループ、VINNATUR ヴィンナトゥールに加盟しています。まだ5 ヴィンテージ目ですが、既にイギリス、スイス、カナダなどに輸出されています。
◇ ワイナリーについて

Oppeddentro オッペデントロは2017 年、ワインへの大きな情熱によって結びついた4人の友人が、小規模なアーティザナルなワイン造りをするという夢の実現のために設立されたマルケの小さなワイナリーです。現在34歳の Andrea Sbaffi アンドレア・スバフィと彼の3 人の友人は、それぞれ歯科医、銀行員、エンジニア、医者などの仕事をしています。しかし、4 人とも古いワイン造りの伝統を残るマルケの田舎で生まれ育ちました。4人には、皆ワインを造っていた祖父や父がいて、毎年収穫時には彼らを手助けていました。
当時、彼らの祖父母や父が造っていたのは、化学製品を使わずに自然な方法で醸造したワインでした。ソムリエでもある4人は、現代のナチュラルワインを知り、味わうことが大好きでした。そして、彼らの祖父や父が昔ながらのやり方で造っていた自然なワインを、現代に適合させたナチュラルワインを造りたいと自然に思い始めたのです。また、農業と地球の未来はサステイナブルとグリーンファーミングでなければならない、そしてそれに貢献したいとの強い想いから、4人でナチュラルワインを造るワイナリーを設立したのです。
畑は歴史的に特にヴェルディッキオの栽培に適しているといわれるCupramontana クプラモンターナにあります。砂岩土壌で平均樹齢は40 年。西/南西向きの海抜450m の場所にあるため、固有のフレッッシュ感と塩味を備えた個性的なワインが生まれます。
◇ 栽培と醸造について

栽培面積は当初は1.8haでしたが、2022年秋に幾つかの区画を借り、2023年現在、トータルで5ha となっています。ヴェルディッキオ(3.4ha)、トレッビアーノ(0.8ha)、サンジョヴェーゼ(0.4ha)、モンテプルチャーノ(0.35ha)、ヴェルナッチャ・ディ・セッラペトローナ(0.05ha)を栽培しています。
畑は全て借りている畑で、過去すっと農薬不使用のビオロジックで栽培されていた畑です。このため、肥料や堆肥は一切使用していません。前の栽培家は栽培したブドウを全て他のナチュラルワインの造り手に売っていました。オッペデントロでも栽培はビオロジックで、段階的にビオディナミを導入しています。剪定法はギヨ式で、春先に畑の表土を耕耘し、ブドウの成⾧期には畝の間にカバークロップを自然に生やしています。
醸造所は、マルケ州アンコーナ県の中世からの歴史的な村、Maiolati Spontini マイオラーティ・スポンティーニにあります。15世紀にさかのぼる石造りの城の中にある凝灰岩の洞窟でワインの醸造・熟成を行っています。ワイナリー名のオッペンデントロとは、地元の方言で『城の内部』を意味する言葉です。醸造所が古い中世の城の中にあるため、このように命名されました。オッペデントロでは、必要最小限のSO2以外には何も加えない、ナチュラルな醸造を行っています。
厳格な基準でナチュラルワイン造りをしていることを消費者に示したいとの想いから、アンジョリーノ・マウレが結成したナチュラルワインのグループ、VINNATUR ヴィンナトゥールに加盟しています。初ヴィンテージは2017年で3千本のワインでデビューしました。現在は年間1 万4 千本前後のワインを造っています。まだ5 ヴィンテージ目ですが、既にイギリス、スイス、カナダなどに輸出されています。
【まるでボーヌのような鉱質なミネラルにまみれた、旨さに直結するオイリーさを持った素晴らしいマルケ・ビアンコです!】[ Oisy wrote ]
[ Oisy wrote ] ミネラル含有量の多いワインはフルーツの表現は当てはまりづらくなってくるのではないか・・? 最近そんな風に思うんですね。要はミネラルが多いと香りにもミネラルの立ち上がりが混ざり、フルーツの香りが、花や、香水、エレガンスのある香りに進化するのではないかと思ってきております。
このヴァルデがまさにそのような雰囲気でありまして、ニュアンスとしては、グレープフルーツ、りんご、レモン、青リンゴ的な、黄色主体の果実の風味を持っています。しかし、ここにミネラルが混じり込み、フルーツ単体の表現では表しきれない・・・まさに「石」や「蜜」などの表現を使わないと伝えきれないと感じております。
味わいもまず、「オイリー」さを感じます。これは十分な量のミネラルの行き渡りが液体に現れているものだと思います。そしてオイリーさにも「ガラスのようなツヤ」があります。イタリアワインのこの価格帯のワインにはなかなか感じない質感ですよね・・・
ミネラリティの構成なんですが、まるでボーヌのシャルドネのような鉱質なミネラリティが充満しているんですよ・・! このミネラリティの質感はブルゴーニュの専売特許だと思っていたのですが、イタリアの・・・しかもマルケで出会えるの?と驚きです。
さらにヴェルディッキオのごく僅かに苦味を含んだコクのある旨みと果実味があり、果実がミネラリティに負けていないんです・・!ですので全体的なバランスが非常に良いです。
また残糖がほぼない、ドライな味筋なので余計にオイリーさが際立ち、「グリップ」の効いたメリハリのある味わいです。やはりヴィヴィットさんのセレクションなだけあってピュアでエキス感があるので、「ドライでキツイ」ということはなく、むしろ「ドライなのに飲みやすい」と言えます。
実は昔イタリアンで働いていた時期に、ヴェルディッキオはかなり扱っていたんですね。なぜなら果実のコクがあり、わかりやすく「美味しい!」と言ってもらえたから。しかしヴェルディッキオという品種が優秀なため大したミネラリティを持っていなくても、「しっかりしたワインだ」と思えてしまいました。ですのでオッペデントロほどミネラリティに溢れ、表情が繊細で多彩なヴェルディッキオは・・・初めて出会いました。素晴らしいセンスだと思います。
もしこれがイタリアンレストランで出てきたら、フランスワインファンでもちょっとびっくりすると思います。イタリアワインらしさがあるのに、フランス的なミネラリティの構成だぞ・・?と。もしイタリアンの方がこのコラムを見ておられましたら、そのようなシチュエーション用に隠し持っておくのもおすすめです。熟成のポテンシャルも十分にありますし、価格もボーヌのシャルドネと比較したら全然安いです。フランスワインファンだって、イタリアンに来たらイタリアワインを飲んでみようかな、という気になると思います。その時にフランスワインではなく、このようなフランスワイン的要素を持つイタリアワインが出てきたら「センス良いな!」と思っていただけるんじゃないか・・・と思います!
オイジー的にはラベルのマルケの山脈のイラストも、日本人にはなかなかできないイタリア的な色使いで、センス良いな〜!と思います。まるでボーヌのような鉱質なミネラルにまみれた、旨さに直結するオイリーさを持った素晴らしいマルケ・ビアンコです!
[ Noisy wrote ]以下は以前のレビューです。
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【変幻自在なポテンシャルの高さを思わせる表情!・・ちょっとどこぞの高級ワインと勘違いする可能性もあるほど素晴らしい姿を見せてくれるリーズナブルワインです!】
まずはこのワイン、取りあえずイタリアのマルケの白ワインだと言う事実を忘れちゃいましょう。その前提が無いと興味が沸かないんじゃないかと・・そしてこのオッペデントロ知らないことが結果的にかなりの「損」になってしまうからなんですね。
マルケの白ワインと言いますと、昔はさっぱりしている割にはコクが有るかな・・特に良く出来たワインはそんな感じだったと思います。でも多くのマルケワインは、甘みに頼るか・・シャバシャバか・・と言った風情。
ちょっと良いワインを造ろうと頑張ると・・過熟気味にさせて、その結果として糖分が増え、新樽に入れて高級感は出るものの・・甘みの強さがちょっと鼻に付く・・そんなところだったと思います。
ですがこのヴァルデ、良く香りますしミネラリティもバッチリで、基本・・ドライです。
一瞬・・
「・・ん?適度に熟した飲み頃のフランスのシャルドネ?」
みたいな感覚に陥るほどですから、気品も持ち合わせています・・2千円代で購入できるワインが・・です。
しかもナチュール感がしっかり有るものの危険性は無く、そしてSo2の量も非常に少ないと感じます。葡萄は良く熟していますが甘く無く、しかもアルコール感は高く無いんですね。このアルコール感の低さも、ちょっとフレンチを彷彿させるしなやかさ、エレガンスにつながっているかと。

そして複雑性が高いです。シンプルでは無い・オイリーさもあり、果実感は元より・・ですが、その果実もシンプルじゃ無いんですね。白や黄色の果実に加え、良く熟した感じの加わった橙色とか、ほんの僅かにドライフルーツ感も入り込んで来ます。
どうやらラ・ビアンカーラのアンジョリーノさんのグループに入っているそうでして・・でも、アンジョリーノが造るガンベッラーラのような、直線的な味わいでは無いので・・かなり違います。むしろアンジョリーノのワインよりももっとナチュール感自体は高く、より変幻自在な表情を時間の経過で見せてくれます。
これ、相当旨いです。それに冷やし気味でも味わいは沈まないでしょうから、夏~秋の暑い時期にもバッチリ行けるでしょう。飲んでみてください。相当良いですよ。
【4ヶ月のマセラシオンから産まれる深い果実エキスを、ツヤツヤミネラルでガラスコーティングした激ピュア・白(オレンジ)ワインです!】[ Oisy wrote ]
[ Oisy wrote ] 激ピュア!そして果実の旨みの乗った「白ワイン」です。
一応「I.G.T.マルケ・ビアンコ」ですからね。しかし色味は完全にオレンジ、色味の中に白い要素を探そうとしても・・・無いですね。そうなるとこれはやはり現代の「オレンジワイン」でいいんじゃないかと思います。
それもそのはずで、なんと4ヶ月もトレッビアーノを果皮浸漬させています。かなり長い・・・ですよね。ワイン名も4ヶ月間1人寂しくマセラシオンされることから「孤独」とつけられたそうです・・・「イル・ソーレ(太陽)」のような見た目ということでもあるようですが・・・
とは言え、ポテンシャルがないから果皮由来の旨みで誤魔化そうとしたワインではありません。やはりオッペデントロのワインに共通する、「全体に張り巡らされたミネラル」が、ツヤツヤでグリップの良さとして表面に現れます。見た目にもミネラル含有量の高さは現れており、輝度の高い輝きを放っているのが見た目からも感じ取れるかと思います。オレンジの色味と相まって光があたると黄金・・のようにも見えます。
香りはアンズ、アプリコット、ライチ、オレンジの皮などにミネラリティの混じり気があり、清涼感を伴ってきます。少し蜜っぽくもあり、ハーブのようなスパイスのような香味もあります。
味わいには果実エキスのコク、高い密度感、ドライフルーツのような凝縮した果実の旨みに溢れています。不思議なことに完全にドライなんですが、甘口ワインのような「満たされ感」があるんですよね。最終的に口内に残る「あまやかさのある果実の集まり」がそのまま余韻となって流れていきます。これはやはり長いシュール・リーによる果実の抽出を極限まで行っていることに起因する・・・と思います。
確かに僅かな苦味も感じ得るんですが、「旨みの範疇」に収まるレベルで、これだけ長いシュール・リーでも「エグ味に発展しない」のは素晴らしいと思います。ただしほんの僅かに揮発酸のニュアンスはありますので、ご注意ください。極微量で、追い追い他の要素が上がってくれば隠れるレベルのため、ワインとしては全く問題ないと判断しています。むしろこの「極僅かな揮発酸がないと上がってこない要素もある」、という風に捉えています。
4ヶ月のマセラシオンから産まれる深い果実エキスをツヤツヤミネラルでガラスコーティングした激ピュア・白(オレンジ)ワインです!
その辺のオレンジワインとは一線を画す、ナチュールファンの方にはぜひ一度お試しいただきたいワインです!ご検討くださいませ。
【赤ワインのエレガンスを持つツヤツヤミネラリティのロゼワインです!赤とロゼの中間地点にしかない良さがあります!】[ Oisy wrote ]
[ Oisy wrote ] ロゼですが・・・「非常に赤い」です! 薄い赤ワインといっても良いくらいかもしれません。そしてなんと香りには・・「赤ワインのエレガンス」があります!
まだ極々僅かに還元的ですが(2〜3ヶ月で落ち着きそうです。)エレガンスを含んだあまやかでエアリーな赤果実香が、立ち上がってきます。 チェリー、赤スグリ、クランベリーなどの小さな赤果実にアセロラ、ピンクグレープフルーツ、バラ的な花の要素も含まれます。まさにロゼと赤ワインの中間のような印象です。赤ワインのエレガンスとロゼのフラワリーなニュアンスが同居し、この中間にしかない良さがあります。
味筋はドライでエキス的です。そこに積層した赤果実のあまやかさがあります。ロゼ・・・というより「タンニンを抜いた赤ワイン」といった方が適切でしょうか。一般的なロゼよりも黒ぶどう由来の果実のコクが豊かで、充実しています。これには、サンジョヴェーゼにブレンドされたモンテプルチアーノとヴェルナッチャ・ネーラの効能もありそうです。両方とも果実のコクがある品種ですからね。しかしやはりこの充実した味わいの秘密はコーレの持つミネラリティにありそうです。
というのも。液体の表面がツヤツヤでオイリー、ガラスコーティングで撥水させたかのようなグリップを持っています。これは白ワインのヴェルデに感じたミネラリティの組成にも近いのですが、オッペデントロのワインからは総じてこの「ツヤツヤでグリップの良い」秀逸なミネラリティを感じます。このオイリーさはミネラルが全体に行き渡っているからこそ、表に出てくるもの・・・でしょう。
マルケは緯度的にはトスカーナと同緯度で、長靴の右側、アドリア海に面しています。オッペデントロが位置するのは海岸からイタリアの中央を縦断するアペニン山脈に向かって30kmほど行ったところにです。畑の場所はわかりませんが、ワイナリーの標高は約400mですので、ワインにも暑苦しい感じはなく、少し冷ややかな酸を持った飲み心地の良さもあります。なかなかマルケのテロワールは・・・面白いですね!
そして冒頭に申し上げたエレガンスの主役はやはりサンジョヴェーゼでしょう!良いロッソ・ディ・モンタルチーノにも通じるような伸びやかな、赤い果実のアロマです。このアロマの雰囲気と味わいの充実感を考えるとマリアージュはやはり「肉」に手が伸びてしまう・・・のが自然ですね。(ロゼなのに!)相性としては鴨や鶏肉などが抜群だと思いますが、豚肉や牛肉までカバーできてしまうと思います。しかし、魚介系には普通のロゼよりも合わせるには工夫が要りそうで、パン粉や軽いクリームソースのような「一枚隔てるなにか」があった方がベターかと思います。
赤ワインのエレガンスを持つ、ツヤツヤミネラリティのロザートです!赤とロゼの中間地点にしかない良さがある!意外と他にないスタイルだと思っています。ぜひご検討くださいませ。
【熟度の高い、軽やかなエキスという相反する要素を兼ね備えためちゃピュアワインです!サンジョヴェーゼとモンテプルチアーノの両方の特徴がいかんなく発揮されています!】[ Oisy wrote ]
[ Oisy wrote ] 比較的濃度が高いのに、妙に軽やかで・・・非常に柔らかいワインです!
香りは紫の果実、チェリーやぶどうそのものアロマに僅かな皮革のニュアンスを含みます。ちょっとメルローっぽい・・・ですかね。これはサンジョヴェーゼにブレンドされた、モンテプルチアーノの力が発揮されていると感じます。
ドライですが、果実の積み重なりによるあまやかさがあるエキスです。このニュアンスは期待値が・・・上がります!味わいは香りよりも黒みのある果実に満たされており、カシス感、アメリカンチェリー感があります。ややこってりとした奥行きのある果実エキスで、充足感が高く、柔らかく、「果実の旨み」に溢れています。
オッペデントロのワインはSO2フリーでありながら、非常に安定しています。作りの素晴らしさもさることながら、この安定感をもたらしているのはどのキュヴェにも感じる「ツヤツヤミネラル」でしょう。高いミネラル含有量はそれだけでワインに安定感をもたらしていると感じます。イタリアワインは割とよく知っている方だと思っていましたが、恥ずかしながらマルケにこのようなテロワールがあることは全く知りませんでした・・・
またこの「クールな果実味」というのもオッペデントロに共通するニュアンスです。熟度はそれなりに高いのですが、冷ややかな風にさらされて育ったような、「冷たい風」を感じるんですよね。その風がもたらす「密度がありながら重くなりすぎない」オッペデントロのキャラクターがなんとも染み入るんです。
サンジョヴェーゼとモンテプルチアーノのブレンドの塩梅も素晴らしいです。まずサンジョヴェーゼにない果実の深みをモンテプルチアーノが補完・・そしてモンテプルチアーノ単体だと重くなってしまう部分をサンジョヴェーゼの酸で軽快さを補う・・シーソーでちょうど両端が浮いて異いるのような均衡したバランスを保っています。これはサンジョヴェーゼが60%と僅かに多い比率であることが効いていると思います。
サンジョヴェーゼとモンテプルチアーノの両方の特徴がいかんなく発揮された、「熟度
【お爺さんの時代にこんなワインを造っていたとはとても思えませんが、エキス系のエレガントで重くない・・ブルゴーニュチックな味わいです!・・】

マルケと言えば・・そう、皆さんが良く知っていらっしゃるトスカーナを起点にして、東側の・・アドリア海に面しているのがマルケです。
Noisy wine でもド定番の非常にリーズナブルな・・リアルワインガイドでも高く評価されました「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ/サンジョルジョ」のアブルッツオはマルケの南・・南東でしょうか、同じアドリア海に面していまして、このワインにも使用されている「モンテプルチアーノ」のワインです。
サンジョルジョのワインも非常にコストパフォ-マンスとポテンシャルのバランスが良いですが、そちらはやはり比較的沢山、一度に造るワインですし、もっと黒味の強い・・酸化のニュアンスもそれなりに入ってくるワインです。
ですがこちらはより北に有る産地と言うことも有るかもしれませんし、地形なども影響しているのかもしれませんが、より活き活きとしたナチュール感を見せつつも、ピュアで・・言い方は悪く思わないで欲しいんですが、
「より軽やかに、よりピュアに」
仕上がっている出来の良い自然派ワインです。
このオッペデントロの白が滅茶素晴らしいので、まず飲んでいただきたいですね。相当複雑性が高いですが、価格もリーズナブルですし・・旨いです。
この「グラナ・デリア」は、活き活きとした果実酸を感じさせる・・通常よりもより冷ややかなニュアンスを感じさせてくれます。トスカーナのキャンティでも、相当に温かさ、場合によっては蒸し暑さまで感じることが有りますが、こちらは良く熟しているのに冷ややかで、エキスの味わいがしっかり出ています。

トスカーナでも使用される「サンジョヴェーゼ」主体、そこにモンテプルチアーノを混ぜていますが、一般的に想像されるような可憐なサンジョヴェーゼの粒々とした感のあるテクスチュアでは無いですね。もっとずっと伸びやかです。
その分、押し出しは強くは無く、エレガントで軽やかです。色彩を見ていただいても・・黒くないですよね・・。赤が中心で積層している感じ・・。マルケのワインとしますと余り無い・・と言いますか、noisy が経験していないだけかもしれませんし、ナチュールですから・・とても伸びやかさを感じさせてくれます。
まぁ・・ナチュールだからと言って全てが伸びやかでは有りませんが、アロマも、果実感も、戻り香も、アフターも伸びやかで瑞々しいです。
価格もこなれていますし、夏場の赤ワインとしても「しつこさ」は無いですから、暑い盛りにも気に入って飲んでいただけると思います。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
【変幻自在なポテンシャルの高さを思わせる表情!・・ちょっとどこぞの高級ワインと勘違いする可能性もあるほど素晴らしい姿を見せてくれるリーズナブルワインです!】

まずはこのワイン、取りあえずイタリアのマルケの白ワインだと言う事実を忘れちゃいましょう。その前提が無いと興味が沸かないんじゃないかと・・そしてこのオッペデントロ知らないことが結果的にかなりの「損」になってしまうからなんですね。
マルケの白ワインと言いますと、昔はさっぱりしている割にはコクが有るかな・・特に良く出来たワインはそんな感じだったと思います。でも多くのマルケワインは、甘みに頼るか・・シャバシャバか・・と言った風情。
ちょっと良いワインを造ろうと頑張ると・・過熟気味にさせて、その結果として糖分が増え、新樽に入れて高級感は出るものの・・甘みの強さがちょっと鼻に付く・・そんなところだったと思います。
ですがこのヴァルデ、良く香りますしミネラリティもバッチリで、基本・・ドライです。
一瞬・・
「・・ん?適度に熟した飲み頃のフランスのシャルドネ?」
みたいな感覚に陥るほどですから、気品も持ち合わせています・・2千円代で購入できるワインが・・です。
しかもナチュール感がしっかり有るものの危険性は無く、そしてSo2の量も非常に少ないと感じます。葡萄は良く熟していますが甘く無く、しかもアルコール感は高く無いんですね。このアルコール感の低さも、ちょっとフレンチを彷彿させるしなやかさ、エレガンスにつながっているかと。

そして複雑性が高いです。シンプルでは無い・オイリーさもあり、果実感は元より・・ですが、その果実もシンプルじゃ無いんですね。白や黄色の果実に加え、良く熟した感じの加わった橙色とか、ほんの僅かにドライフルーツ感も入り込んで来ます。
どうやらラ・ビアンカーラのアンジョリーノさんのグループに入っているそうでして・・でも、アンジョリーノが造るガンベッラーラのような、直線的な味わいでは無いので・・かなり違います。むしろアンジョリーノのワインよりももっとナチュール感自体は高く、より変幻自在な表情を時間の経過で見せてくれます。
これ、相当旨いです。それに冷やし気味でも味わいは沈まないでしょうから、夏~秋の暑い時期にもバッチリ行けるでしょう。飲んでみてください。相当良いですよ。