プティ・ボノーム
プティ・ボノーム
フランス Petit Bonhomme ローヌ
[ oisy wrote ]●ビオの造り手、「プティ・ボノーム」のご紹介です。この造り手さん・・・日本人の舌にはなかなか相性が良いのではないでしょうか。
とても「純」なワインを造ります。どのワインもピュアな果実を感じます。しかしただフレッシュな果実ジュースではなく、ワインとしてのクオリティが高く充実しており、味わいと価格を比較すればとてもリーズナブルだな、と思っていただけると思います。
そして注目はワインの中にある「旨味」の表現です。白、ロゼ、赤、どのワインにもブドウの旨味が表現されています。もしかしたら、ファビアンさんが行っているシュール・リーをしながらのマロラクティック発酵の影響もあるのかもしれませんが、まずブドウが良くないと表現することは難しいはずです。
非常に状態の良いブドウのエキスを、丁寧にワインに仕立てられていると感じます。さらに南仏のワインでありながら、どのワインにもキレイな酸が保持されています。なので暑苦しさなどはなく、高い熟度はキレイなコクみとして表現されています。まさに「秋」の食材に合いそうなワインたちです。ぜひご検討くださいませ。
[ noisy wrote ] 以下は以前のレヴューです。
-----
● 飲み心地が素晴らしいフランス南部のビオの造り手をご紹介させていただきます。新規に取り扱いさせていただくことになった「プティ・ボノーム」です。
ローヌのワインですが・・暑苦しく無く、強く無く、甘く無く、濃くは無い・・美しいエキスを感じさせてくれます。この地域では余り無いタイプだと思います。
また、ビオですが・・決してアヴァンギャルドでは無いのが良いです。臭くないし・・適度な重さと軽やかさ、フレッシュさを感じさせてくれます。これからも期待しています。
■ エージェント情報

■ 南仏リュベロンの新たなナチュラルワイン!
◇ 馬による耕作のプロフェッショナルからナチュラル・ヴィニュロンに転身
これまで南仏のエリアには、他の地域に比べてナチュールの造り手が少なかったのですが、いよいよこの地域にも新たなナチュールの造り手が現れました。馬によるブドウ畑の耕作のプロフェッショナルで、コルシカ島のビオディナミの巨匠、コンテ・アバトゥッチでもセラーマスターを務めていたファビアン・シャナヴァが、2018 年に南仏のリュベロンに設立したドメーヌ、「プティ・ボノーム」です。
◇ 南仏とは思えないフレッシュ&フルーティな味わい
ファビアンが目指しているのは、過度な重たさのない、ピュアで、フレッシュ感とフィネスを備えたジューシーな南仏のナチュラルワインです。初ヴィンテージは2018 年。フランスのナチュラルワインショップで引き合いが強く、毎年リリースと同時に完売するほどの人気で、1年待ちでやっと日本への割り当てを頂け、輸入を始めることができました。スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ベルギー、オーストリアなどに輸出されて好評を博しています。
◇ ドメーヌについて
プティ・ボノームはFabien Chanavas ファビアン・シャナヴァによって、南仏リュベロン地方のLa Motte d'Aigues ラ・モット・デーグに2018 年に設立
されたドメーヌです。ブドウ畑は隣接するPeypin d’Aigues ペパン・デーグと La Tour d’Aigues ラ・トゥール・デーグの村にあります。栽培面積は1.7ha で、グルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、セリーヌ(シラーの古代品種)を栽培しています。粘土石灰と粘土砂岩の土壌で、標高は325~390m に位置しています。ファビアンは1983 年生まれ。父がワイン関係の仕事をしていたため、学業を修めた後、レストランで数年間サービスとソムリエの仕事をしていました。
その後、オランジュの醸造学校で学び、地元のコーペラティヴで醸造責任者として、また馬による耕作の担当として10 年間働いていました。当時はナチュラルワインもビオディナミも実践していませんでしたが、ファビアンはこの間に、ビオディナミを実践する造り手やナチュラルワインの造り手を数多く訪問。ナチュラルワインの試飲会にも参加し、沢山のナチュラルワインを味わい、ビオディナミとナチュラルワインに魅了されていきました。2015 年、ファビアンはコルシカに家族と共に移住。地元のビオディナミの巨匠、Comte Abbatucci コンテ・アバトゥッチで、セラーマスターと馬による耕作担当として働き始めます。しかし、父の急逝に伴い、コルシカ島を離れ、地元リュベロンに戻ります。そして、2018 年の2 月に地元で小さなブドウ畑を購入。自分自身の理想のナチュラルワイン造りを始めたのです。フランス語で「faire petit bonhomme de chemin フェール・プティ・ボノーム・ド・シュマン」という格言があります。
これは「地道に一歩一歩自分の道を進んでいく」ことを意味する表現です。ファビアンはヴィニュロンの仕事とは一日にして成るものではなく、様々な経験を重ねて少しずつ完成されていくものであると考えています。また、初めて取得した小さなブドウ畑の区画のリューディの名前がプティ・ボノームであったことから、ドメーヌ名をプティ・ボノームとしました。
◇ 畑と醸造について
ドメーヌの畑はビオロジック/ビオディナミで栽培されています。畑の処方には、スギナやイラクサ、アルファルファなどのビオディナミのプレパレーシ
ョンを使用していますが、硫酸銅の使用は可能な限り少なくしています。ファビアンは特に畑を馬で耕作することをとても大切に考えています。馬で耕作することによって畑の土が踏み固められることがなくなり、地中の微生物の生命が自然に再生されるからです。
また、ファビアンは馬と一緒に働くことで、動物と触れ合い、親密になれるということもとても大事であると考えています。ブドウ木の畝の間は2 匹の馬で定期的に耕作しています。ブドウ木の周りには自然に下草を生やすか、もしくは豆類などを一緒に栽培したり、はちみつを作ってくれる花などを生やしています。
収穫は手摘みで行い、厳格に選果して、小さなケースで醸造所に運びます。ワインは野生酵母で自発的に発酵させ、醸造添加物やSO2 は一切加えずに醸造されます。熟成後、無清澄、ノンフィルターで瓶詰めされます。ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰め時に限り必要最小限のSO2 を添加します。ファビアンが目指しているのは、過度な重たさのない、ピュアで、フレッシュ感とフィネスを備えたジューシーなナチュラルワインです。初めてのヴィンテージは2018 年。フランスのナチュラルワインショップで引き合いが強く、毎年リリースと同時に完売するほどの人気で、1 年待ちでやっと日本への割り当てを確保し、輸入を始めることができました。スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ベルギー、オーストリアなどにも輸出されています。
● 2023 Incognito Blanc V.d.F.
アンコニト・ブラン V.d.F.
【 果実の「UMAMI」と「コクみ」がじんわ〜り広がる、白でも、ロゼでもオレンジでもない、言うなればピンクワイン!?】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 我々日本人にとって馴染み深い、旨味という成分。昆布や鰹節から出るその出汁は旨味成分のエキスであります。
日本人にとっての旨みといえば・・・出汁!ですが、欧米の方にとっては最も馴染み深い旨味成分はコンソメでしょうか。肉や野菜をじっくり煮込む過程でグルタミン酸やアミノ酸が抽出されるそうです。
実は昔に少しだけ和食をやっていた時期がありまして、その頃にとても興味深い話を聞きました。欧米の料理には「引くという概念がない」という話です。日本の出汁文化は「出汁を引く」という通り、素材が持っている旨味成分を文字通り「引き出す」。つまりマイナスの概念なんです。
しかし欧米の感覚は「煮出す」。つまりプラスの概念なんです。似ているようで感覚としては違うんですね。ソース文化もプラスの概念ですね。足し算や掛け算です。欧米の食文化にはマイナスよりもプラスの概念が浸透していたようなんですね。(あくまで聞いた話ですが)
今の時代は日本食の概念もずいぶんと海外にも浸透し、「旨味」は「UMAMI」として認知されてきていると言います。そしてこのアンコニトに感じるのはまさにその「UMAMI」・・・であります。
ぶどうにも多くはないですが旨味成分は含まれているようです。それは熟すことによって増加します。そしてシュール・リーによって果皮に含まれる旨味成分も引き出すことができます。このアンコニトは「高い熟度」と「果皮浸漬」によって旨味がワインに引き出されていることを・・・液体の持つ情報から、しかと感じ取ることができるんですね。もしかしたら、シュール・リー中のマロラクティック発酵という手法が旨味の引き出しにも良い影響を与えているかもしれません。そしてマロによる乳酸もまた旨味の寄与にプラスに働いています。
色合いは輝きのある、ややピンクがかった白。(写真は何度も撮り直したのですがどうしても赤みが出ず、黄色が強く出てしまっていて本来の色味と若干ニュアンスが違うかもしれません・・・すみません。)ドメーヌは白とロゼの中間のようなワインと言っていますが、まさにそのような色彩です。オレンジワインとはまた違った色合いですね。香りにも果実のあまやかさがダイレクトに上がってきます。ピンクグレープフルーツ、桃、アンズ、アセロラ、オレンジの皮。少し色のついた様々な果実のニュアンスです。
そして味わいには旨味のほかに「果実のコクみ」です。よく熟した果実からの味わいを失うことなく表現しているように感じます。熟度のおかげで、ドライな味筋ながら果実のあまやかさを感じます。非常にピュアな果実が粘性を持って、口内で広がっていきます。角がなく、丸っとした酸がダレることなく充足しています。プティ・ボノームのワインは高い熟度でありながら酸が失われていないのがすばらしいですね。そして濃度と相まって少し照りのあるミネラリティに包まれているような感覚です。恐らく粘性による錯覚もありますが、ミネラルはよく充足しています。
いや〜「旨い」ですね〜。じんわりとぶどうが本来持つ「旨味」を感じられます。マリアージュは和食も良いかもしれませんね。意外と天ぷらとか合うかもしれません。油のコーティングに負けない味の強さがあると思います。鼻を抜ける果実の風味は抹茶塩の抹茶のように、天ぷらにアクセントを与えてくれそうです。
ピンクの果実の「旨味」と「コクみ」がよ〜く引き出されたワインです。高い熟度ながらダレを感じません。ぜひご検討ください!
● 2023 Rafinel Blanc V.d.F.
ラフィネル・ブラン V.d.F.
【果実の「旨み」と「コク味」の相乗効果で高い充足感。フルーツのビタミンを感じるほどの激ピュアワインです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 純な果実⋯それを最大限引き出すにはやはりSO2の量は極限まで減らさねばねばならないのかもしれません。
ワインを多く飲み込んでいくと、このSO2というのが果実のピュア感をマスキングしているように感じることがあります。
それを如実に感じるのはやはりこのラフィネル・ブランのように大きく「純なフルーツ」の表現にチャレンジしているワインを飲んだ時ではないでしょうか・・?
白を含んだ黄色の果実。そこに極々わずかに茶が入ります。
レモン、リンゴ、グレープフルーツ、和梨のニュアンス。それぞれの果実がとてもピュア、まさに「純なフルーツ」です。そこに少量のハーブ的なグリーンのニュアンスも含まれています。
まさにピュアな果実の味わい・・!もさることながら、熟度と酸のバランスが素晴らしいですね。
トロっと感を感じるほどに果実はよく熟しており、それが冒頭の香りの表現につながってくるかと思いますが、同時にピュアな「フルーツに含まれているビタミン」をダイレクトに感じるような酸があります。これまさにSO2の少なさゆえの表現だと思います。このフルーツの酸が失われていないこととシュール・リーの効能によって、「果実酸の旨み」がワインに表現されています。
そして高い熟度による「果実のコク味」をPRしないわけには・・・いきませんね。この果実の「旨み」と「コク味」の相乗効果でワインとして非常に高い充実度になっています。もちろん果実だけではただの果実ジュースになってしまいますから、ミネラルの存在感もワインとしてのクオリティを担保するには十分です。
SO2を減らしたことによる大きなリスクの一つが揮発酸でしょうが、全くのゼロではありません。揮発酸の「k」の第一画目の縦棒くらいはあるかもしれませんが、全く問題ないレベルです。
しかし敏感な方は避けていただくのが無難かと思います。また状態如何によっては悪くなりやすいかと思いますので、しっかりと温度管理のできる環境での保管は必須かと思います。温度管理がされていればその分このダイレクトな果実感を楽しむことが可能です!
果実の「旨み」と「コク味」の相乗効果で高い充足感とフルーツのビタミンを感じるほどの激ピュアワインです。ぜひご検討くださいませ!
● 2023 Pipelettes Rose V.d.F
ピプレット・ロゼ V.d.F.
【キラキラミネラリティに高い密度の果実のエキスがめちゃうまいです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] ツヤツヤとかキラキラとか・・良いですよね。ワイン以外でも、ダイヤモンドなどの宝石の輝きには引き込まれるような魔性の魅力があるような気がします。ガラスの加工品も良いけど、やはり本物の宝石が持つ輝きには敵わない・・・だからこそ価値があるんでしょうね。
ワインにもありますよね。キラキラしたワイン。オイジーも好きです。ワインのキラキラはミネラルの性質を多いに反映しているものだと思いますから。
しかし、なんとなくキラキラのワインって北部のワインが多いですよね。キラキラを表現するにはミネラルだけでなく酸も重要だったりするのかな・・・そんなことを思っています。
このピプレットは良い輝きを持っているんですよね〜。ロゼなんですが、赤が薄くなっていったロゼというより、淡い色のついた白ワインを重ねて深い色味が出てきたような、そう、ちょうどアンコニトの色を二重に重ねたような色合いです。昨年のヴィンテージの写真を見ると結構に赤が強いですから、抽出感も若干変わっているのかな、と思います。そして輝きが増している・・・そんな印象を受けます。
果実のあまやかな香りが立ち上がります。アプリコット、アンズ、アセロラ、チェリーなどピンクやオレンジのピュアな果実のニュアンスです。香りから既にエキス的ですね。そしてプティ・ボノームのワインに共通しているのはマロによる乳酸の要素が良い具合に混じり合っている、ということです。香りに複雑性と、丸みを与えています。
ドライです。が味わいはとてもエキス的で、エキスの積み重なりによるあまやかさがあります。丸みのある純なフルーツの充足感。果実のコクみも感じます。密度感が高いんですよね。おかげでハリがあって、膨張感を感じるほど。残糖による甘さはほぼないですが、エキスのあまやかさがあります。
そして冒頭のキラキラミネラリティです。液体に充足していて密度が高い・・・これがエキスの質感高さに大きく寄与しています。さらにとてもクリーンなんですよね。
SO2が激少ない飲み心地ながらこれだけクリーンなのはちょっと驚きです。プティ・ボノームの中でもイチオシのポテンシャルです。ロゼでこれだけ質感高いのは、なかなかないぞと思います。飲み心地の良さは・・・言うまでもないですね。素晴らしいです。
キラキラミネラリティに高い密度の果実のエキスがめちゃうまいです。ぜひご検討ください!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレヴューです。
-----

良い色でしょう?・・ビオ系で白ワインの造りですので、もう少し色が落ちるのが普通かな・・と思ったら・・ショッキング・ピンクまでは行かないにせよ、美しい色彩を感じさせてくれています。
何せ飲み心地が素晴らしいです。そしてナチュラルでピュア、全く甘く無いですが酸の組成バランスで美味しさを感じさせてくれるタイプです。この辺りでは良くある、
「果実味がたっぷりでジューシーだけど甘くてダレ気味でキレ悪し」
では無く、
「ブルゴーニュの白ワイン的にエキス系で超ドライ、軽やかさが中心だけど中域からちゃんと膨れてくれ、キレが良く・・余韻は伸びる」
と言う、ローヌではほぼ無いスタイルです。
そして、甘い果実味では無くエキスの旨味が果実感を生んでいますから、プラムやほんのりチェリーのニュアンスが非常に心地良く、甘く無くビオ系なので、
「刺身などの魚介にも合わせられそう!」
な仕上がりです。

で、
「何でこんなに飲み心地が良いのか?・・」
と言いますと、
「・・たぶん・・So2 の少なさ」
です。
添加するSo2 は・・多分ゼロに近いと思いますし、生成されたSo2 も信じられないほど低いと思います。
飲み心地が良くて・・結構飲んでしまいまして、あまり残っていないので確認出来ませんでしたが、
「飲み残しておくと色は落ちて行くはず」
ですが、その場合はフレッシュさは失っても旨味が倍増して行くと思いますよ。良く出来たローヌワインです。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2022 Pitre Rouge V.d.F.
ピトル・ルージュ V.d.F.
【カジュアルワインを作るはずが思わずエレガンスが出てしまったようです・・!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] セリーヌというシラーの古代品種です。気軽に飲めるワインを作ったとのことですが・・・いやいやいやいや・・・その割にはずいぶんエレガンスがありますやん!
初日は還元的ではありましたが、二日目の朝にはかなり出てきます。ですのでちょっと若い部分はあるかもしれませんが、今飲まれる場合は少し早めに開けておいた方が良いのかもしれません。
色合いは紫を含んだ赤、これは確かにシラーにも似ている部分もあります。ただ味わいがもっと軽やかなんですよね!そしてエレガント系の方に触れている感じがします。近い味わいとしては良い生産者のボジョレーでしょうか。質の良いガメイのように身体に染み込むような、しっとりしなやかな黒紫を含んだ赤果実。
やはり秀逸なのは湧き上がってくるような赤い果実のエレガンス。恐らく気軽に飲めるワインを造ったのだけど、ぶどうのポテンシャルがよく、造りも良かったので「出てきてしまった」のでしょうか・・・
それと感覚的な話ですが、プティ・ボノームはマロの扱いが上手いな・・・と思います。乳酸とリンゴ酸の塩梅が抜群で、乳酸のニュアンスも自然にワインに溶け込み、エレガンスの発露につながっているように感じます。
エキスも質感高いですね〜!非常にシルキーな赤い果実のエキスです。目が詰まっていて酸の質感も高くとてもピュアだな、と感じます。透明感もあるので石灰系ミネラリティも感じますが、鉄分を含んだような印象も受けます。印象としてはジュヴレっぽさも感じますね。おっと、自然とブルゴーニュのピノと比較してしまうくらいですからやはり完成度高いですね。
亜硫酸もごく少量のため、飲み心地の良さはピカイチですが、状態管理は繊細です。また還元的ではありますので今飲まれるなら、ピリッとくるな、とか出てこないな、とか思われたら一日置いてみてください。激変すると思います。
カジュアルワインを作るはずが思わずエレガンスが出てしまった素敵な一本です。ぜひご検討くださいませ。
● 2023 Rafinel Rouge V.d.F.
ラフィネル・ルージュ V.d.F.
【全く化粧っけがないのに漂う色気・・!新鮮でピュアな赤紫フルーツのエレガンスがたっぷりです!】 [ oisy wrote ]
[ oisy wrote ]
色気の創出には多少の化粧は必要・・・と思っていましたが、どうやらそうでもないようですね。このワインは、「どスッピン美人」とでも評したくなります。
透明感のある明るい赤、グラデーションのある「紫」を僅かに含んだ赤です。
そして、すんごいピュア。
ピュアなので、ジューシーとか、フルーツの・・・とか言ってしまいたくなるんですが、いやいや待て待てと。それを言ってしまうとこの色気のニュアンスが伝わらないではないかと躊躇ってしまいました。
香水感のある赤紫の果実香。フルーツとしてはアメリカンチェリーや、旬のサクランボに少し、野いちご的な野のニュアンスや、極々僅かにアニマルチックな野趣味を感じます。この辺はシラーやカリニャンの特性でしょうか。
しかしこの赤果実は恐らくグルナッシュからくる要素が多いですが、実にピノ・ノワール的ですね。まれにこういうエレガント系グルナッシュと出逢いますが、つい「当たり」を引いたな・・・と思ってしまいます。土壌の詳細はわかりませんが、石灰系のミネラリティを感じますね。
そういえば、これローヌのワインなんですよね・・暑苦しさが全くなく、酸にハリがあってめちゃ綺麗です。地理的要素が持つ特徴を超越してくるのは良い造り手ではないかと、最近は思っており、プティ・ボノームはまさにそのような造り手ですね・・
ナチュールの造り手の飲みごごちの良さは、決してSO2の少なさだけでは成し得ないと思っております。エグ味、雑味のない綺麗な酸とエキスの抽出があってこそ初めてこの飲み心地の良さを表現できるのではないかと。そうではないナチュールのワインも散見されますが弊店では恐らくそのようなワインはラインナップされないでしょう。その点も、プティ・ボノームは傑出していると思います。
念の為申し上げますが、極々僅かに、全く問題がない程度に揮発酸のニュアンスはありますので、苦手な方はお気をつけください。ただしポジティブな揮発酸によって出てくるエレガンスという部分もあります。また、温度管理にはお気をつけください。亜硫酸のガードがない分、温度変化による状態変化も敏感です。しかしその分ピュア感の表現は秀逸です。
全く化粧っけがないのに漂う色気と、赤紫の新鮮なフルーツのエレガンスが素晴らしいワインです。ぜひご検討ください!
● 2023 VireVolte Grenache Blanc
ヴィレヴォルテ・グルナッシュ・ブラン
【素晴らしく飲み口の良い、膨らみのある果実・柑橘!・・スイスイ、クイクイ飲めて心地良いです・・が、滅茶冷えてもその美味しさは変わらず・・ビックリです!】

夏ですからね~・・暑いですし・・ね・・ビールでも口にしたいところでしょう。
でも・・ビールは飲んだ後がね・・夜中にトイレに起きたり、あれだけ飲んだのに喉が渇いて水分を取りに起きたりで、結局起こされる訳ですね。
まぁ・・ワイン屋と言うことも有りますので、noisy はまず・・ビールは飲まないですし、何よりも・・
「世の中の方々はワインを冷やし過ぎ!・・シャンパンも冷たくし過ぎで味も香りもしないのを飲んで何が旨いの?!」
と常々言ってるくらくらいですから、高級白ワインは14度以上で・・まぁ・・どんなに冷やしても13度が限界!・・みたいに思っている訳です。
で、このワインも当然ながら14度以上で飲み始めています。美味しいですよ・・柑橘が綺麗にあり、果実感もピュアで繊細、美しくバランスの良い酸が心地良くやや軽めの飲み口で・・
「・・お~・・さすがプティ・ボノーム!・・順子さんも目の付け所が素晴らしい!」
と思っていた訳ですね。お薦めです!
ところが!
何せ・・飲みかけのワインが食卓のかなりの部分を占有している noisy家です。夏だからと言って冷やしもしなければ、当然ながら飲み掛けのボトルをセラーにも入れませんし、当然冷蔵庫にも入れない訳ですね。
するとどうでしょう・・飲み掛けで置いていたこの「ヴィレヴォルテ・グルナッシュ・ブラン」・・留守中の気温上昇で拗ねてしまったのか、何と・・
「noisy が深夜に帰宅して・・気付いたら、逆刺ししていたコルクがすっ飛んでいた!」
んですね~・・
「(・・やっちまったなぁ・・)」

2023年と言う若いワインですから、アルコール発酵・・つまり基本、糖分をアルコールと炭酸ガスに変える訳ですが、
「ワイン中に残存していた炭酸ガスが、軽くしか差し込まなかったコルクを飛ばしていた!」
訳ですね。
「あら・・コルクが無い!」
と散々探しても無い訳です。カミさんに聞いてみると、
「朝からコルク、刺さって無かったよ・・」
と言う訳ですね。
「・・そう言えば、テーブルの脚のところに有ったかな?」
と言うので探してみますと・・有りました。しっかり1メートルは飛んで。。。転がってました。
仕方が無いので再度逆刺しし、一日以上、栓が無い状態のそのボトルを冷蔵庫に入れ、翌々日に飲んでみたんですね。しっかりキンキンに冷えた状態です。
「・・どうせ例のごとく、ペッタンコなボディで・・そっけない味になっちゃってるだろう」
と思っていたんですが、香りもメロンやほんのりパイン、洋梨などが軽やかなミネラリティと一緒に綺麗に上がって来ます。期待できる!・・と思って口にしてみますと・・意外や意外・・
「(旨いじゃないすか!)」
そうなんですね・・冷蔵庫から出してグラスに注いだだけですから、どんなに上がったとしても7度くらいなのでしょう。口にしますと冷ややかですが、アロマはもちろんのこと、味わいも果実感がしっかりあり、細やかな表情が繊細に感じられる訳です。
「・・あらまぁ・・」
順子さんは、
「雑味の無いピュアな白ワイン」
と言ってますが、ある意味それも間違い無く、ただそれ以上に、
「葡萄自体の質が良いのがワインにそのまま現れている!」
と言えます。
ですので、キンキンに冷やしても美味しい・・冷やし目にして飲んで良い白ワインなんですね。ぜひやってみてください!・・ウケるはずです!
● 2023 Mariole Grenache Noir
マリオーレ・グルナッシュ・ノワール
【凄く凝った造りで、激エレガントに・・ジューシーに・・まるでピノやガメの飲み口と、さらりといなくなりつつも美しい残像を見せる飲み心地最高の赤です!】

この淡~~い色彩、良いですね~~・・この辺の選択眼は順子さん、ピカイチで素晴らしいんですよね・・
このグルナッシュ・ノワールを使用した単独セパージュの赤ですが、普通にそっくり仕込んだら少なくとも・・
「もっと重くなる」
か、
「滅茶濃くなる」
でしょう。
ところがこの「マリオーレ」は、
「70%はブラン・ド・ノワール風に圧搾!」
しているんですよ。
ですので果皮から若干、色も出ますが、種からのタンニンを余り出さない具合の絞り方をしているようでして、
「ローヌの赤ワインとは思えない軽めの心地良さと質感!」
を出すことに成功しているようです。

ですから、それもグラスの写真から伺えると思うんですね。まるで葡萄を軽く圧搾だけした感じに見えますし、
「まるでピノ・ノワールのようにも見える」
と思いませんか?
まぁ・・そうは言っても深淵さまでは投影していないように見えると思いますが、軽やかで純粋、ベリーやチェリーにほんのりと軽~~いスパイス、ベリーのちょっとした毛の部分から香るようなスパイス感がリアリティを感じさせてくれます。
流石にこちらのボトルから栓は飛んでいなかった・・いや、飛んだけれどすぐに気付いてコルクを深く押し込んだ・・ので、
「冷蔵庫に入れてまでは確認していない!」
んですが、
「こちらも若干冷やし目にして飲んでも充分旨いはず!」
と思います。
もし今晩確認出来たら、冷蔵庫に入れてテイスティングしてみますので、この下の方に追伸が有ったらご覧ください。
なんでしょうねこの人・・順子さんは「ファビアン・シャナベさん」と言っていますが、ヴィヴィットさんは「ファビアン・シャナヴァさん」と言ってます。まぁ・・「 Fabien Chanavas 」と綴りますんで、古い人はシャナベ、若い人はシャナヴァと読むかもしれませんが、
「・・おそらく感性でワインを仕込む人!」
だと noisy は感じました。なかなか出来ないですよ・・70%を圧搾して残りはそのまま仕込むなんて・・。まぁ、
「そのようにするしか方法が無かった!」
と言う場合がほとんどなのでしょうが、
「軽いだけじゃない、芯がしっかりした味わいは、葡萄の出来に由来!」
すると感じさせます。ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!
● 2022 Carrousel Rouge V.d.f.
カルーゼル・ルージュ V.d.F.
【濃密だが滅茶サラリ!・・エキスの濃さに甘みが無い!・・フラワリーさと果実の美味しさをエキスで表現した、So2の存在しない凄い飲み口です!】

美味しいです!グルナッシュの黒い奴・・です。でも・・
「これ、本当にグルナッシュ・ノワールなの?」
と思ってしまう位にグルナッシュしてない・・んですよね。
と言いますか、noisy の持っているグルナッシュのイメージとは、かなりかけ離れているのかもしれません。どちらかと言いますと・・
「・・シラーっぽい?」
んですね。
若いグルナッシュって、もっと横に拡がって低重心・・みたいなイメージなんですね。ところがシラーのように幾分締まってタイトなニュアンスで、シガーっぽいニュアンスは無いにせよ・・引き締まった美味しさを感じさせてくれます。
もっと言ってみれば幾分柔らかくしたカベルネっぽいでしょうか・・。
まぁ・・ここはリュベロンですが、余りこのようなスタイルの、エキスの美味しいワインに出会ったことが無かったからかもしれません。
で、ファーストノーズですが・・

「幾分、還元している」
感じでした。
今はもう・・この位の軽い「還元香」はほぼスルーしてしまうのが常なんですが、苦手な方もいらっしゃるかと思いますので・・一応。
ですがこれもいずれ飛んで感じなくなってしまいます。
ほんのりと「スミレ」っぽいニュアンスに引き締まったチェリー。中域はボチボチ広がりますが、ややタイトに締まった感じです。徐々に膨れてくる感じ。ノーズのフレッシュでピュアな果実感が優しく再帰してくる感じで、飲んでいて楽しいです。
そして・・やはりこのワインも・・
「滅茶飲み心地が良い」
「酔い覚め・・・と言うか、酔いを余り意識しない感覚!」
がするんですね・・。
やはりこれもSo2が入っていないような感じで、非常に飲み口が良く、そしていつの間にか酔い覚めしていまして・・
「・・あれ?・・ワイン、飲んだよね?」
みたいな・・(^^;;
そんな心地良さを感じていただけると思います。素晴らしいワインでした!是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2022 Acrobate Blanc V.d.F.
アクロバット・ブラン V.d.F.
【エージェントさんはオレンジワインだと言っているようですが、普通に・・滅茶美味しい、滅茶飲み心地の良い、スイスイ入ってフルーツの良い残像を感じられる白のナチュールです!】

どうなんでしょう・・これってオレンジワインなんでしょうか。ゴールドな色彩が色濃く出た、ごく普通に白ワインかな・・と思います。
ですが綺麗なエキス系の味わいで、色彩のゴールド色で感じられるような・・例えばバナナとか・・マンゴーのようなフルーツ感が、飲み始めには感じられます。この時点でもスムーズでさっぱりとした感じで、粘るニュアンスはほぼ有りません。
そこから柑橘系のアロマが仄かに出はじめまして・・ふかふかとした柔らかさは感じられるものの、甘いとか、ジューシーだとかでは無く、ただ滑らかに・・ややフレッシュ気味に、その味わいやアロマが変貌して行きます。
特筆すべきはやはり、
「飲み口」
でして、これはもう・・このプティ・ボノームのワインの特徴と言って良いんじゃないでしょうか。
やはりSo2の少なさは驚異的で、
「10mg/L」
だそうです。

言ってみれば、この数値は・・
「So2は存在しない」
とほぼ同義なんですね。
ですからSo2添加云々では無く、
「So2 を生成しない造り」
と言うことだと思います。
これはおそらく・・土壌の良さと、葡萄の出来が影響して来ますし、良い葡萄だけを選別している証拠でもあろうかと思います。
この・・一見、ちょっと鈍重そうにも見えるのに、
「この軽やかでフレッシュでさらっと飲めるのって・・何?」
と感じていただけると思います。是非飲んでみてください。超お勧めします!
● 2022 Pipelettes Rose V.d.F
ピプレット・ロゼ V.d.F.
【ブラン・ド・ノワール系の..一体感が有り、フレッシュさと滑らかさがせめぎ合う、ちょうど美味しいポイントを狙った良い出来のロゼです!】

良い色でしょう?・・ビオ系で白ワインの造りですので、もう少し色が落ちるのが普通かな・・と思ったら・・ショッキング・ピンクまでは行かないにせよ、美しい色彩を感じさせてくれています。
何せ飲み心地が素晴らしいです。そしてナチュラルでピュア、全く甘く無いですが酸の組成バランスで美味しさを感じさせてくれるタイプです。この辺りでは良くある、
「果実味がたっぷりでジューシーだけど甘くてダレ気味でキレ悪し」
では無く、
「ブルゴーニュの白ワイン的にエキス系で超ドライ、軽やかさが中心だけど中域からちゃんと膨れてくれ、キレが良く・・余韻は伸びる」
と言う、ローヌではほぼ無いスタイルです。
そして、甘い果実味では無くエキスの旨味が果実感を生んでいますから、プラムやほんのりチェリーのニュアンスが非常に心地良く、甘く無くビオ系なので、
「刺身などの魚介にも合わせられそう!」
な仕上がりです。

で、
「何でこんなに飲み心地が良いのか?・・」
と言いますと、
「・・たぶん・・So2 の少なさ」
です。
添加するSo2 は・・多分ゼロに近いと思いますし、生成されたSo2 も信じられないほど低いと思います。
飲み心地が良くて・・結構飲んでしまいまして、あまり残っていないので確認出来ませんでしたが、
「飲み残しておくと色は落ちて行くはず」
ですが、その場合はフレッシュさは失っても旨味が倍増して行くと思いますよ。良く出来たローヌワインです。是非飲んでみてください。お勧めします!
Copyright(C) 1998-2023 Noisy Wine [ Noisy's Wine Selects ] Reserved