ドメーヌ・ピエール・ギユモ
ピエール・ギユモ
フランス Domaine Pierre Guillemot ブルゴーニュ
● このところサヴィニー付いている noisy では有りますが、いやまた将来性の高い有望なドメーヌをフィネスさんが探して来てくれました。
ご存じの通り、1年目から半端無い活躍を見せるギルベール・ジレとも共通点を何故か感じてしまう noisy では有りますが、ギルベール・ジレほど完成されていないものの、
「有望だ!」
と思わせるだけの下地を強く感じます。
グラン・クリュはコルトン・レ・ロニェ・エ・コルトン。あのメオ=カミュゼのクロ・ロニェとほぼ同じ畑です。これは現状で素晴らしい・・ですが、さっさと飲むのは止めましょう・・是非コラムをご覧ください。
そして、1級サヴィニーと村名レ・グラン・ピコタンは飲んでもOKです。村名VVは温度を上げ目にするならOKです。その他は少なくともこの夏の暑さが緩むまで待ちましょう。
と言いますのは、このピエール・ギユモ・・愚直なくらいにクラシカルです。そして、激エレガント系です!・・なので、非常にnoisy の好みでは有りますが、お客様もど真ん中!・・とは行かないと思うんですね。
昨今は「甘~~いピノ・ノワール」に慣れた方が多いですから、
「温度は低めで、セラーから出してすぐに飲み始める」
と言う飲み方は、このピエール・ギユモでしたら・・やや濃い目に出ているアイテムは大丈夫ですが、基本的には・・ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの最適温度、16度で飲むべきです。
甘さを残す造りでしたら13度~14度でも飲めてしまいますが、激エレガント系はそうは行きません。
そしてここだけの話し、2022年のシュヴィニー=ルソーが半端無い美味しさです!・・いや、ご案内はまだ先になりますが、なんでそんなことをここで言うのか?・・と言いますと・・
「フィネスさんの扱い始めたアイテムは、昨今・・3~4年ほどで激変する!」
と・・noisy は感じているんですね。
このピエール・ギユモもまた、もしこの愚直なまでのクラシカルさを残しつつ、
「何かに気付いたとしたら?」
凄いことになると思っているんですね。その辺りも含め、フィネスさんのファーストヴィンテージのピエール・ギユモ、ぜひとも飲んでみていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

1946年にピエール・ギユモ氏によって設立されたドメーヌでサヴィニー=レ=ボーヌの村の中に醸造所や地下蔵があります。1948年からメタヤージュで葡萄栽培を始め、1988年に2代目のジャン=ピエール氏がドメーヌを継ぎ、現在は3代目に当たるヴァンサン&フィリップ兄弟が2015年からドメーヌ運営を引き継いでいます。
兄のヴァンサン氏は Domaine Tollot-Beaut や Domaine Anne Gros などで修行を積み、主に畑や醸造を担当し、弟のフィリップ氏は事務関係を担当しています。
畑はビオロジックで1981年から除草剤は使っておらず、トラクターの使用も最小限で可能な限り手作業で葡萄栽培を行うように心掛けています。また、葡萄の木を抜いた際には再び植える葡萄の木の本数を半減させて別の植物を植えることで畑の中に自然な環境を意図的に作り、そこに小動物や昆虫などを生息させて畑をより自然に近い状態に近付けることでよりナチュラルな葡萄が出来るという信念で葡萄栽培を行っています。
収穫は手作業で行い、白葡萄は畑で2回選別した後に圧搾し、樫樽で最大20%の新樽で12ヵ月間醸造、毎週試飲をしながらバトナージュを行ってノンフィルターで瓶詰されます。ピノ・ノワールは畑と醸造所で2回ずつの計4回選別作業を行い、ヴィンテージにもよりますが0~50%除梗でコンクリートタンクやステンレスタンクで30日間アルコール醗酵を行い、新樽20%で12ヵ月間熟成させた後に瓶詰前にステンレスタンクで3ヵ月間落ち着かせます。櫂入れはせずに液循環のみを行ってノンフィルターで瓶詰されます。他の生産者のワインと比較すると色調が淡い傾向がありますが、これは熟成させるための酸味を保つために糖度を上げないように、フレッシュさがワインに残るように収穫日を決めているからで、過度に甘くフルーティにならないようにワインのバランスを重視している結果です。
また、このドメーヌのピノ・ノワールは Domaine Tollot-Beautの「Savigny-les-Beaune 1er Cru les Lavieres(サヴィニー=レ=ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・ラヴィエール)」のピノ・ノワールをセレクション・マサル(1区画に様々な株の穂木を植えること)で植えたものになります。
● 2022 Bourgogne Haute-Cote de Beaune Blanc le Mont et Foret
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ボーヌ・ブラン・ル・モン・エ・フォレ
【「サヴィニー・ブランのシャルドネのマサル・セレクション」と言うことは、こちらもD.R.C.と同じクローン主体・・なのでしょう!】

期待のドメーヌ、ピエール・ギユモのボーヌの高地のシャルドネです。ドゥスュ・レ・ゴヤルドと同じシャルドネを植え、それが主体になっているそうです。
で、オート=コート・ド・ボーヌの畑と言うことで、しかもサヴィニー=レ=ボーヌの南の丘の頂上にあると言うことなので、グーグルマップで調べてみましたら・・なるほど・・南で丘の頂上で、名前の見当たらない畑はここしかない!・・と言うことで、
「ここだろう」
と、勝手に決めさせていただきました。ル・モンは・・山?と・・フォレは森?・・いや、マジでそこでしか有り得ないので・・はい。
ほとんど「ボーヌ」です。ただし自然派の造り手たちが優れたシャルドネをリリースしているボーヌの丘では無く、そこのサヴィニー側にある丘で森に囲われた比較的大きめの畑でした。非常に良さそうなイメージを受けるロケーションです。
太い涙を見せるやや緑色が入った色彩がグラスの写真から見て取れます。滑らかな酸に僅かにフレッシュな酸が混じっている印象から、スパイスやハーブ、柑橘がノーズに抜けて来ます。現状は幾分ナーバスで、開くまでは中々行きません。ただし適度な中域の膨らみと、これから生まれて来るに違いない伸びの良さが感じられます。
非常にクラシカルな造りで、リリース直後の美味しさを何とか再現しよう・・とする昨今の造り手さんのような努力の跡は見当たらず、ただ実直に・・ワインがなりたい様に仕上げました!的な造りです。

そしてまた、熟度を上げようとか、補酸や補糖をしようとか・・そんな部分もまったく伺えず、愚直なまでの正直さ・・みたいなものが伝わって来ました。
いや、これ・・良いですね!・・ただし、今すぐ開けるのはお薦めしません。この夏の暑さがダレて来た10~11月位まで待ちましょう・・。何せ、若い酸と滑らかな酸が分離しているかのような状況で、まだ仕上がり切っていないようですから・・。
そして、森に囲まれた頂上にあるオート=コートの畑・・と言うことで、ギルベール・ジレの半端無いA.C.ブル、レ・ペリエールを思い出してしまいました。なんかかんか、結構にイメージが重なるんですね。このアロマもまた冷ややかさゆえのハーブの多様さ、頂上故のスパイス・・そしてボーヌの丘のシャルドネのようなしっかり目の石灰系ミネラリティ。
膨らみ始めたら相当良さそうです!・・是非トライしてみてください。お薦めします!・・あ、早飲み厳禁、秋~冬まで待ちましょう。

眼下にボーヌの町が見える畑(9月)
● 2022 Savigny-les-Beaune Dessus les Gollardes Blanc
サヴィニー=レ=ボーヌ・ドゥシュ・レ・ゴヤルド・ブラン
【ド・シャソルネイでお馴染みのレ・ゴラルドと(ほぼ)同じ畑の白ですが、なんとDRCモンラシェと同じクローンのシャルドネにアンリ・グージュのピノ・グージュをセパージュ!】

DRCのモンラッシェと同じシャルドネだそうです・・それを70パーセントに、アンリ・グージュご自慢のピノ・グージュ、ピノ・ブランを30%セパージュしていると言う・・ちょっと気になる白ワインですよね。
なので、最初に言っておきます。
「DRCのモンラッシェとは、まったく似ていない」
です・・いや、もしかしたら1パーセントほどは似た部分が見つかるかもしれない・・そんな感覚です。
それともうひとつ・・アンリ・グージュのピノ・ブランを30%入った分ですが・・
「ピノ・ブラン的要素を拾い出すのは至難の業!」
です。シャルドネ100%だと思っていた方が判りやすいかなと思いますが、頭のどこかに、
「ピノ・ブランも入っている」
と言うことを残しておくだけで良いかと思います。
意外に思われるかもしれませんが、そもそもシャルドネ100%だと造り手さんが言っていたとしても、特に古木の場合は・・
「アリゴテだかピノ・ブランだかシャルドネだかピノ・グリだか・・造っている本人にも判らない!」
と言うことが往々にして有ります。信じ切ってしまっている場合も有りますが、知っていて言わない方も・・いらっしゃると思います。
で、ジャスパー・モリスさんも91ポイント付けているこのサヴィニーのドゥスユ・レ・ゴヤルドですが・・ゴヤルドは表し方の違いで、あのド・シャソルネイの濃密なピノ、サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・ゴラルドの「ゴラルド」と同じです。
実際には、レ・ゴヤルドはドゥスュ・レ・ゴヤルドの下部に接していて、区別されています。レ・ゴヤルドでド・シャソルネイはピノ・ノワールを造り、そのすぐ上のドゥスュ・レ・ゴヤルドでピエール・ギユモは白ワインを造っていることになります。

DRCモンラッシェと同じクローンのシャルドネだそうですが、多産では無いと言う以外に意味は余り無いように思います。
ですが繊細で筋肉質です。DRCモンラッシェはバタリーで豪奢、奥に筋肉を隆々とさせている感じですから、その豪奢な部分がほぼ無い・・です。
現状はやや閉じ気味ですが、何とも・・あのギルベール・ジレのアリゴテと相通じるアロマが有るんですよね・・。ジレのオ・ブティエールはアロース=コルトン側の東側ですが、このレ・ゴヤルドは全く反対側の、サヴィニーで最も西側に有りますから、流石に土壌的に似ているなどとは全く思えないんですね。
ですが、ジレのあの1940年代に植えられた80年超のアリゴテと、この60年を超えるDRCクローン+ピノ・グージュ・クローンに共通点を見つけて満足している自分がいるんですね~・・
味わいや表情は、現状・・果実感はやや閉じ気味ですが、複雑性は半端無く持っています。単純に今は飲み頃では無い・・そう思っていただくのが良いと思いますが、3年ほどでかなり出て来るんじゃないかと思います。まだ「くしゃっ」と凝縮した部分が多く有り、そこから漏れて来る表情がほぼ無いんですね。
なので、飲み始めるのは2026年になってからをお薦めいたしますし、もし早めに飲まれるのであれば、品温はやや高めの15度以上まで上げてください。3年ほど経過して果実感がしっかり出てきたら・・14度でも構わないと思います。何せ・・
「今となっては絶滅危惧のクラシカルな造りのドメーヌ!」
ですから・・。
そして noisy 的には、このピエール・ギユモの伸びしろに大いに期待しています。少なくともこのドゥスュ・レ・ゴヤルド、膨らみを見せたら相当素晴らしいと想像できますし・・何せフィネスさんの輸入ですから、
「・・いきなりとんでもないことになる可能性も大」
と思っています。素晴らしい原石だと理解しています。ご検討くださいませ。


シャルドネとピノ ブランが混在する畑(9月)とDomaine Henri Gougesからセレクション マサルされたピノ ブラン(9月)
● 2022 Corton Grand Cru le Rognet et Corton
コルトン・グラン・クリュ・ル・ロニェ・エ・コルトン
【流石のグラン・クリュ、ル・ロニェ・エ・コルトン、60年以上の古木!!微細なニュアンスを多く含む繊細な表情!・・ギユモのピノ・ノワールの中では最も濃密ながら、クラシカルなブルゴーニュの表情をエレガントに伝えて来ます!】

エレガントブルゴーニュの醍醐味を伝えてくれるコルトン・グラン・クリュです。
ここはアロース=コルトンの白眉、ル・コルトン、レ・ルナルドと秀逸なレ・ブレッサンドと地続きの北側に有るル・ロニェ・エ・コルトンです。メオ=カミュゼの至高のコルトン・クロ・ロニェとほとんど同じです。
「ほとんど同じ・・」と中途半端に言うのは、まぁ・・noisy も完全に理解している訳では無いんですが・・
「コルトンの丘のアロース側の最上部にあるル・コルトンが境界を挟んでラドワ側にも相当出っ張っている」
「そのラドワ側のル・コルトンの下部にル・ロニェ(クロ・ロニェ)が有り、アロース側のレ・ルナルドと接している」
・・・まぁ・・アロースとラドワが同じ村だとしたなら、
「単純にル・コルトンが上部の南北に拡がり、その下部の南側がレ・ルナルド、下部北側がル・ロニェ(クロ・ロニェ)」
と言うことになろうかと思います。
で、ラドワ側の上部は、下部にル・ロニェが有り・・上部に(ル・)コルトンがあるので、ル・ロニェ・エ・コルトンと言う呼称にしているのかと言うのがnoisy 的な理解です。
なおコルトンのアペラシオンについては、相当に昔からルイ・ラトゥールやフェヴレなどのネゴス系のごり押しが強かったのも関係していると思いますが、フェヴレの「コルトン・クロ・デ・コルトン」と言う曖昧な呼称は、メオ=カミュゼのコルトン・クロ・ロニェ同様に「ル・ロニェ」に有ります。
まぁ・・フェヴレはラドワ村のル・ロニェに有りながらも「クロ・デ・コルトン」、ルイ・ラトゥールに至ってはあれこれブレンドしているのに、「コルトン=グランセ」を名乗っている・・ある意味、
「パワハラが生んだ呼称」
なのかと思います。

このギユモのル・ロニェ・エ・コルトンですが、ギユモのピノ・ノワールのラインナップでは最も「濃密」です。
しかしながら広く周りを見渡して比較するならば、
「充実しているが濃密・・と言うほどでは無い」
と言えるでしょう。非常にエレガントな仕上がりです。
そもそもル・コルトンと言うコルトンの丘最上部の畑は、石灰が強く白ワイン(コルトン=シャルルマーニュを名乗れる)もリリースされている畑ですから、
「痩せて色付きは良く無く、伸びやかだが超エレガント系」
です。
アロース側、南側のレ・ルナルドにつきましては状況は少し変わって、色付きはル・コルトンとほぼ同様に良く無いものの、熟すと金属系のミネラリティの表情や、動物的なワイルドアロマが出て来ます。
で、このル・ロニェ・エ・コルトンもまた、そんなル・コルトンやレ・ルナルドを混ぜ込んだようなニュアンスが有り、そこに幾分かの強目の粘土を足したニュアンスが入って来ます。
冷ややかなニュアンスと上記のニュアンスが交じり合い、何とも複雑でエレガント、素晴らしいピノ・ノワールだと感じました。
なお、仕上がりとしましてはクラシカルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールですので、
「セラーから出した温度で飲み始めず、16度ほどになるのを待って飲み進める!」
と言う、ブルゴーニュワインの基本に戻るべきです。
また、現状はやや閉じ気味ですので、出来ることなら3~4年ほど寝かせることをお薦めします。
メオ=カミュゼやフェヴレなど、またマリウス・ドラルシェなどのコルトンG.C.系と比較しますと・・面白いと思います。ぜひご検討くださいませ。お薦めします!

収穫直前のコルトン 特級のピノ・ノワール(9月)
● 2022 Savigny-les-Beaune 1er Cru aux Serpentieres Rouge
サヴィニー=レ=ボーヌ・プルミエ・クリュ・オー・セルパンティエール・ルージュ
【こりゃぁ旨い!・・アドヴォケイトが1947年ものを2021年に評価して96ポイントを付けたのも頷けるポテンシャル!・・そして、あのワインにもちょっと似ていて・・心に刺さりました!】

ギユモのシャルドネは樽の使い方と果実の風味の量の関係で、若いうちはやや大人しい感じに思いますが、それでもどこか・・あの造り手のアリゴテに似ている風味が有って、ちょっとゾクッとしました。
が、この1級オ・セルパンティエールはすでに滅茶美味しく飲めてしまいまして・・しかも、あの造り手・・そう、ギルベール・ジレですね・・noisy もド肝を抜かれた・・このオ・セルパンティエールの真上の方に、まるで森に守られているようなA.C.ブルの畑、「レ・ペリエール」と同様のニュアンスも受けまして・・
「・・これも超旨い!」
と感激させていただきました!
いや~・・サヴィニー=レ=ボーヌ、最高ですよね・・飲み慣れて来られたお客様も増えていらっしゃるかと思いますが、畑の位置がちょっと変わっただけで、全然違う味わいになると言う・・
「多様性」
も有りますし、何よりも・・まだ知らない畑、そしてその表情やポテンシャルを知る楽しみが有ります。
因みに・・ギユモのワインについては、多くのクラシカルなブルゴーニュワインの飲み方、
「高めの品温で楽しむこと!」
を推奨しますが、この1級オ・セルパンティエールや、Noisy wine には割り当てが無かった「1級オー・グラヴァン」は、やや低めでも美味しく飲めるのを確認しています。
まぁ・・テイスティングは出来ても販売出来ないキュヴェが結構あるのは、
「フィネスさんの扱いがファーストヴィンテージで、数が非常に少ない」
と言うのが一番の原因です。このオ・セルパンティエール1級も販売可能なのは3本だけ・・です・・し、割り当てが有ったショップも多くは無いんじゃないかと予想しています。

1級オ・セルパンティエールは、ボーヌ側では無く、アロース・コルトン側の丘の中腹に有ります。基本的に、非常に秀逸な・・比較的濃度の出易い東南を向いた「1級オ・ヴェルジュレス」のように果実味がビシバシ載るタイプでは無いと思います。ここは南向きです。因みにギルベール・ジレのレ・ペリエールも南を向き、最上部に有ります。違いとしますとレ・ペリエールは半端無いほどの大理石的ミネラリティを多分に含むことでしょう。オ・セルパンティエールはそこまでのハードな石灰系ミネラリティは無く、しかし、
「涼やかで粘土由来の豊かさと石灰系ミネラリティがせめぎ合う感じ」
がします。
香りの上がりも良く、ドライで果実もたっぷり有り、しかも・・
「クラシカルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールのエレガンスと、1級格に見合うポテンシャル!」
を見事に見せてくれます。
そして・・面白いのを発見しました!・・なんとアドヴォケイトが・・
「1947年ものを2021年のテイスティングして96ポイントと評価!・・しかも飲み頃予想が1947年~2027年!!」
・・・どう思われます?・・今だと収穫から74年も経過したギユモもサヴィニー1級オ・セルパンティエールですよ・・これこそ、
「クラシカルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールが見せる長命さ!」
なんですね・・。こればかりは、実物が存在しないと確かめようが無い訳です。リリースされたものをさっさと飲むのも良いんですが、やはり・・古酒ならではの物凄い芳香に出会ったことが有るのと無いのとでは・・ね・・。
グラスの写真も凄いでしょう?・・めちゃ美味しいと思います。お早めにご検討くださいませ!

南向きの aux Serpentieresの区画(9月)
● 2022 Savigny-les-Beaune les Grand Picotins Rouge
サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・グラン・ピコタン・ルージュ
【サヴィニー最東、ショレ=レ=ボーヌ・レ・ボーモンと接した、冷ややかでエレガントながらも濃密なサヴィニーを表現した、滅茶美味しい村名です!!】

ここも南に向けて緩やかな傾斜のある開けた畑です。ちょうどショレ=レ=ボーヌの村名、「レ・ボーモン」がサヴィニー側に出っ張っていまして隣り合わせています。
面白いのはレ・ボーモンがすっきり・さらり系なのにレ・グラン・ピコタンは・・
「粘土由来の粘りと赤さ」
が有り、より複雑でバランスが取れているんですね。
皆さんもギルベール・ジレを何本かはゲット出来たと思いますが、ジレのドメーヌものの・・
「レ・プランショ・デュ・ノール」
は激レアでしたので飲めなかったかな・・
ジレのレ・プランショ・デュ・ノールは、このレ・グラン・ピコタンの下方に有り、より低地・・と言いますか・・
「すぐそこにロワン川がある」
と言う・・ロケーションなんですね。
「・・なんでこんな緩い傾斜の・・川のすぐ傍の畑で・・こんなに凄いワインが出来るのか?」
と思ってしまいますが、ここは砂が若干粘土に混じり、水捌けの良さを粘土に与えていて・・それが良い方向に出ているんだろうと・・今のところはそう思っています。
このレ・グラン・ピコタンは砂の影響はあまり感じないものの、
「抜けの良い味わい!」
がします。

ショレ=レ=ボーヌ・レ・ボーモンのさらりとしたニュアンスは引っ掛かりが少ないように思いますが、ギユモのレ・グラン・ピコタンは、
「粘土を感じさせながらも抜けが良い」
ので、適度な引っ掛かりが有るのが良いのでしょうか・・。
ジャスパー・モリスさんも・・サヴィニー村名には珍しく、上値92ポイントも付けています。通常の彼だと80点台が良いところじゃないか?・・などと想像してしまいますが、
「美しく、ほんのり粘り、チェリーな風味と低域からの優しい押し上げが有る」
からこその評価かな・・と思っています。
これは今飲んでも美味しいです。低めの温度でも何とか行けちゃいますが、やはり15~16度ほどに品温を上げた方が、このエレガンスと複雑性は釣り合うでしょう。飲んでみてください。サヴィニー・レ・グラン・ピコタン!・・旨いです!

収穫直前のピノ ノワール(9月)
● 2022 Savigny-les-Beaune Vieilles Vignes Rouge
サヴィニー=レ=ボーヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・ルージュ
【サヴィニー=レ=ボーヌの最西と最東の低地の村名畑をブレンド!・・ある意味、エレガントなサヴィニーらしさをクラシカルに表現した佳酒です!】

noisy がワインをお勉強し始めた頃のブルゴーニュ・ピノ・ノワールと言えば、このようなクラシカルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールばかり・・だったと思い出します。
そしてそこにアンリ・ジャイエ的な低温発酵系濃密果実・・(今じゃ濃密とは言えないレベルですが)や、D.R.C.などの高温発酵系が見せるエキスの美味しさに触れ、
「・・こんなブルゴーニュ・ピノ・ノワールも有るんだ!」
と知ってからはもう・・心のどこかにいつも「ブルゴーニュ」が居座っている状態になってしまったと思うんですね。
そしてそんな素晴らしいピノ・ノワールをアレコレ試すようになった訳でして・・そのたびに、
「・・ん~・・ジャイエと比較するとルジェは・・」
とか、
「D.R.C.とミュヌレ=ジブールは似てるよな~・・」
などと勝手なことを言うようになった訳です。
ピノ・ノワールとなりますとどうしてもコート・ド・ニュイ中心になってしまいがちですが、余り経験値が無いコート・ド・ボーヌのピノ・ノワールの中にも、時に滅茶美味しいものが有り・・やはりそこも突いてみたくなる訳ですね。
そりゃぁ・・ドクトル・バロレの超絶に古いボーヌ村名などを飲んだ日にゃ・・
「・・なんじゃこりゃ~!」
と唖然とする訳です。ただのシャサーニュが50年も経過したら・・こんなになるのか!・・とか、ヴォルネイ村名に過ぎないのに・・とか・・もう、目から鱗が剥がれて落ちる思いでした。

アドヴォケイトがギユモも1級オ・セルパンティエールの1947年ものに「96ポイント」も付けています。これは2021年に評価したもので、2027年まで美味しく飲めると言っています。ワインの寿命は想像するよりも全く長いものであることは明白ですが、それでもワインの保存状態に大きく左右されますが、造り手の醸造スタイルにも寄ることも間違いないでしょう。
ギユモのスタイルは、ハッキリ言って・・クラシカルです。葡萄の実を過熟させることなく、伝統的な手法から大きく離れずに醸造していると感じます。
ですので、noisy的には非常に心地の良いものに感じますが、昨今の・・
「濃くて甘いピノ・ノワールに慣れた方にはどうか?」
と言いますと・・1級のオ・セルパンティエールや、村名のレ・グラン・ピコタンなら良いですが、このサヴィニー村名V.V.だと・・甘み不足だと・・そうは思わなくても「不足気味」だと感じるに違い無いでしょう。
ですから、やはりここは基本に戻るべきで、
「品温は16度で」
とするのが良いと思います。もう、13~14度で飲むのと16度では雲泥の差なんですね・・。エレガント系のクラシカルなピノ・ノワールは16~17度が基本です。それらよりも甘いようであれば締める「冷やす」のが良い訳でして、そこは決して間違えないようにお願いいたします。
このサヴィニーの西と東をブレンドしたサヴィニーV.V.は、まさにエレガントなサヴィニーそのものを感じさせてくれる味わいです。非常に繊細な味わいをしていますが、繊細なアロマで有るのも当然です。細やかなアロマには、ほんのりとスパイスやボタニカル、皮革、果実が混じります。細やかな接触感の後にもそれらはほんのりとノーズに還って来ます。大きな抑揚の表情では無く、さざ波のように「じわ~っ」と・・です。まったく甘みは無い・・です。綺麗なエキスです。余韻も同様でじわっと・・長く居続けます。
おそらくですが3年ほどしますと仕上がるかな?・・と思います。今よりもかなり饒舌になっているはずです。
因みにジャスパー・モリスさんはこの村名V.V.と村名レ・グラン・ピコタンを全く同じ評点にしていますが・・noisy 的には解せません。まぁ・・最終的な上値と言うことでしたら近いかもしれませんが・・。レ・グラン・ピコタンが上、サヴィニーV.V.は僅かに届かない・・と思います。
それでもこのサヴィニーV.V.には心を惹かれるものが有ります。もし可能なら今年中に飲んで、また3年後の姿を見る・・いかがでしょうか。ワインのポテンシャルを理解するのには、そのような飲み方が良いと思いますが・・ちょっと難しいかな?・・でもぜひ飲んでみてください。お薦めします!
● 2022 Bourgogne Cote-d'Or Rouge
ブルゴーニュ・コート=ドール・ルージュ
【レ・プランショ・デュ・ノールの西に接したレ・プレヴォー。村名とレジョナルのブレンドです。】

A.C.ブルゴーニュ格を超えた質感の高いワインです。
あのギルベール・ジレ所有のドメーヌもの、レ・プランショ・デュ・ノールの東に接しているのがここ、レ・プレヴォーなんですが、ロアン川に近い半分はA.C.ブル、離れた半分は村名・・と言うリューディです。
ん~・・なんだろう・・余りにもギルベール・ジレと重なる部分が有るような気がするので、もしかしたら・・いや、止めておきましょう。何か解ったら・・そしてそれが公表できるものならお知らせします。今のところは、レ・プランショ・デュ・ノールのお隣の畑で、村名とレジョナルが半々の区画です。
ロアン川が近いので・・でも、サヴィニーの辺りは本当に小川なんですね。時々流れが有るかどうか・・みたいな感じです。なので、石と言うより砂・・かなと・・
ワインの色彩を見ても、色合いはしっかり出てはいますが、抜けの良い感じに見えます。石灰が物凄く強い感じには見えないですが、グラデュエーションがしっかり有りますので、充分以上には存在しているようです。実際に飲んでみますと、
「シミジミと細やかさが伝わって来る」
感じがします。

全く甘く無く、非常にドライです。完全発酵系のエレガントなエキス系です。思わずグラスをスワリングしたくなる感じで、若干閉じ気味ですが、グラスを振るとチェリーの果実がふんわりと香って来ます。穏やかで優しく、ふんわりとした感じです。
ナチュールを強く感じさせる部分は無く、やはりクラシカルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールです。近いのは・・シモン・ビズでしょうか。最近のシモン・ビズは余り飲んでいないんですが、もう少しふんわり感が有り、その分タイト感は弱めかな・・と思います。
やはりこのワインは品温高めが良いです。16度ほどをお薦めします。しなやかで優しく、でもその実は、結構に複雑性を持っていますから、
「2~3年ほどでチェリーな果実と有機物の表情が多彩になる!」
と感じます。ピエール・ギユモを理解するのには最高のアイテムでしょう。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!

les Prevauxの区画(9月)
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