● リーズナブルですが美味しいクレマンが入ってきました。シャンパーニュに比べ泡の質は適いませんが、ガス圧が弱い分、しっかりしたボディを確かめられるドライな白ワイン的味わいになっています。

MURE - CLOS ST LANDELIN / ミューレ - クロ・サン=ランドラン
ルネ・ミューレと彼の子供であるヴェロニクとトーマスは1648年から現在11代目と12 代目となるアルザス、ローファの生産者です。1935年にルネの祖父であるアルフレッド・ミューレが0.35エーカーのクロ・サン・ラ ンドランの畑を家族で単独所有しました。
ドメーヌの他にルネ・ミューレはローファ地区のワインメーカーとの提携を確立しました。
これらのブドウで生産されるワインは、クレマン・ダルザス、コート・ド・ローファ とジェネリックワインです。アルザス南部に位置するローファ地区は、ヴォージュ山脈によって非常に低い降水量 (年間平均598ml)と日照が守られている地域です。
赤:6ha (クロ・サン・ランドラン:3ha) ピノ・ノワール100%
白:45ha (クロ・サン・ランドラン:19ha)ピノ・ブラン28%、ゲヴェルツトラミ ネール26%、リースリング25%、 ピノ・グリ12%、シルヴァーナ8%、ミュスカ1%
年間生産量:約300.000本(内 クロ・サン・ランドラン:95000本)
●ルネ・ミューレの葡萄について
葡萄が最も優れたテロワールを表現するのは地中の最も深いところであるとの考えか ら1haあたり10000本という高い植密度で葡萄を植えたり、除草剤の使用をやめて有機栽培を行うなどブドウ 樹の根を地中に誘導し、生きた土壌を造るため畑仕事に主眼を置いています。
仕立てはギヨー・サンプルもしくはドゥーブル。収穫は手摘みで行い、収穫量は低く 25~45hl/ha程度と非常に低く(アルザスの特級の最大収穫量は70hlまで許可されています)、20kgの小さな 箱で醸造所まで運ばれます。
●ワイン造り
発酵は低温でゆっくりと行います。天然酵母によりゆっくりとやさしくワインは醸さ れます。
発酵後は澱と長期間、接触させる(シュール・リー)ことによりテロワールに由来す るきわだつアロマを生み出します。
出来る限りの最高の品質を保つために、熟成後にごく軽くフィルター濾過を行いま す。
●哲学
『私たちは1ヘクタールあたり約10,000本という植密度で葡萄を植えていま す。
確かに、現在のアルザスでは1ヘクタールあたり4,000本程度の植密度が一般的 です。
しかし、150年前のアルザスではどの畑も私たちのような植密度の高さだったので す。
植密度が下がった一番の大きな理由は大戦後のことだと思います。
株を均等に植えてコントロールするキャノピーマネージメントの浸透、それによりト ラクターでの土壌の耕作が主流となりました。
トラクターを畑に入れるには植密度を下げなくてはなりません。
現在、私たちのクロ・サン・ランドランの畑は畝と畝の幅が約1.3メートル。そし て80センチ間隔で葡萄樹が植えられています。植密度があがれば表土では葡萄樹同士の生存競争が起こり、葡萄は深 く深く根を下ろします。
クロ・サン・ランドランの畑は日照が強く、非常に石灰質が強い土壌です。
葡萄が根を深く張ることによって、地上での日照が強くても水分不足になることはな く、葡萄が健全に成熟してくれるのです。真の意味でのテロワールを表現することが出来るのです。
私たちはこの10年間、ビオディナミ栽培を選択しています。これも健全な土壌を造 り、葡萄樹の根を地中深く下ろすためです。
そして収穫量を低く抑えることで葡萄は健全に成熟し、テロワールの個性を 反映してくれるのです。』
(2010年3月 Thomas Mure談)
【滑らかでソフトなテクスチュア!エクストラ・ブリュットに近いドライさ、ボディ太く、気品も備わっています!】

久しぶりのルネ・ミューレです。価格が上がってしまったので、しばらく遠ざかっていましたが、現況はむしろ相対的に・・
「・・あれ?・・むしろ・・安く無いか?」
と言うことに気付きまして・・エクストラ・ブリュットに近いドライさの中に、きちんと旨みと輪郭の良い酸を持つキュヴェ・プレスティージュをまた扱うことにしました。二千円台前半で購入できるクレマン、ムスーの中では最強と言って良い味わいです。
今回はブティーユのみならず、ドゥミ、マグナムもご用意しました。マグナムのみ化粧箱が付いていますので、有る程度大勢の乾杯の席で、ドでかく重心の低い迫力の有るマグナムボトルが映えるんじゃないかと・・思います。
ピノ・ブラン、オーセロワ、リースリング、ピノ・グリ、ピノ・ノワールをセパージュしています。かなり味わい深いです。
ボディはかなり分厚く、甘みをほぼ感じさせないエクストラなドライ、テクスチュア滑らかに膨らみを感じさせる設計です。ソレラ・システムの一種を使用し、熟成したキュヴェを上手に使うことで、滑らかさと複雑性を両立させています。ドライながらもビネールさんのクレマンような、ソリッドな刃ではなく、どちらかというとビネールさんならぺティアン的な柔らかさの中にドライな旨さを閉じ込めたような感じです。
泡質は程好い目の細やかさが有ります。ガス圧も強過ぎないし弱くない・・ちょうど良い感じです。もう少し置くとさらにクリーミーさが出てくるかな?・・と思います。デゴルジュはブティーユで2015年の8月です。
これからの蒸し暑い季節、今までのようにスティルワインから飲み始めるのは厳しい時が有ります。そんな時はやはり泡もの・・シャンパーニュまでは予算が無いけれど美味しい泡が欲しい・・そんな時にピッタリでしょう。お勧めします!旨いです!