
昨年は2013年のロッソ・ディ・モンタルチーノをご紹介させていただき、2014年ものよりも2013年の作柄や出来が良いと、記載していました。(下記参照)
ですが・・忘れてました。・・そう、皆さんも思い当たる節が有るかと思います。
「不作・天候不良の年はブルネッロ・ディ・モンタルチーノを造らないか減らし、ロッソ・ディ・モンタルチーノが多くなるのがモンタルチーノの良心!」
と言うことなんですね。
楽観的に美味しい2013年のサンタ・マリアのロッソ・ディ・モンタルチーノに対し、2014年のロッソは、
「マーベラスな仕上がり!」
いや、ちょっと目立ちそうな語を使いたかっただけですが、素晴らしい仕上がりです。おそらくですが、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノにしなかったキュヴェ、つまり、格落ちと思えるような高質な葡萄を使っていると思われ、まだ筋肉質ながらも非常にしなやかで厚みを感じるタンニンと、それと釣り合う量の見事なミネラリティが、豊かな表情を囲っています。
2013年が非常にイージーに思えるほど鉄仮面的、筋肉質では有りますが、出来としますと、ロッソの葡萄だけでは無い(はず)ので、少し若目のブルネッロ・ディ・モンタルチーノを開けた時のニュアンスに酷似しています。
今は2016年になったばかりで長期熟成を目指したはずの2014年もののキュヴェですから、2年ほどの瓶熟で、・・いや、エルヴァージュの仕方が違うとは言え、ほぼブルネッロ・ディ・モンタルチーノの同様な感じになるはずです。
また、今の筋肉質なニュアンスは徐々に解れて来ますので、2017年の春を迎え気温が20度を超えるようになれば、かなり美味しく飲めるんじゃないかと踏んでいます。
色合いも・・2013年の「あっけらかん」な色とは違う、深みのあるものです。高質高ポテンシャルのロッソ・ディ・モンタルチーノ、是非飲んで見てください。お勧めします!
以下は2013年ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのレヴューです。ロッソ・ディ・モンタルチーノについても書いてますのでご参考にされてください。
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【ロッソをさらにエレガントに、複雑性を沢山加えたエキス系です!旨い!】
こちらはロッソ・ディ・モンタルチーノです。2013年は2014年よりかなり良いようですね。もっとも2014年はロッソ・ディ・モンタルチーノはまだ届いていませんので、オルチャ・ロッソ2014年が比較対象です。
サンタ・マリアらしい、非常にピュアでソフトなテクスチュア、香りの昇るスピードは早く、中域もたっぷりしています。
優れたブルネッロ系ワインには付き物・・・、いや、noisy が勝手に思い込んでいるだけかもしれませんが、「メロン」のような果実のアロマがとても「ふっくら」と感じられます。
まぁ、メロンなどと言うと緑や青、黄緑を連想させますから、このような赤ワインには余り使用したくは無いところですが、本当に感じるんですよね・・実にピュアで、ちょっとノスタルジーな香りです。これは同時にご案内させていただいている「イル・マッロネート」のブルネッロ、及びセレツィオーネにも同様に感じるものです。
そして余韻が長く、収束が非常に美しいです。ビオ系で有りながらも危険な揮発酸のニュアンスは無く、ドライでエキスがきちんと出ている秀逸なロッソでした。
色調も濃く無く、淡く無く、照りが有って、グラデュエーションが見えるのが判るかと思います。
若くして飲める「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのセカンド」・・と思っていただいて良いでしょう。是非トライしてみてください!ピュアでバランス良く、今飲んで旨いです!お勧めです!
以下はニュアンスの近い以前のコメント(2002年ブルネッロ)を使用しています。
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【半端無いブルネッロのエレガンス!是非飲んでみてください!素晴らしい!】◆2002年 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 「素晴らしいって言ったって2002年ってオフヴィンじゃないの??」
「リアルでも確かにポイントは付いてるけど、大騒ぎするほどじゃあないんじゃない?」
まあ、そのように思われる方が多いんじゃないかな?と想像しています。事実2002年は、ブルネッロにせず、ロッソしか造らない生産者さえいたほど、ロケーションによっては厳しい年でした。しかし、ここで断言しておきましょう・・・。
「もしも良いヴィンテージだったら、今とんでもなく美味しい!とは絶対に言えない。2002年という年だから成し得た成功がある!」
ということです。
また、リアルでのポイントは、確かに高めでは有るものの、飛びぬけた評価とは言えないでしょう。でもnoisy的には、良くぞここまで評価していただいた・・・とさえ感じているんです。このようなエレガンス主体の滅茶苦茶きれいな、本当に微細な表情を映すワインは、ISOグラス& ブラインドによる短いテイスティング時間 というやり方では、拾い切れない場合も当然有るから・・・です。勿論のこと、拾える場合も有りますが、体調が常に万全でなくてはいけませんし、全ての神経を、とても小さなISOグラスに集中しなくてはいけません。真剣にやろうと思えば実際はかなりの重労働ということになります。
勿論ですが、このリアルの評価 = noisyの評価では有りません。最近はどうもこの辺がアヤフヤになっていて、リアル=> noisy 的に思われていらっしゃる方がほとんどのような感じがしています。
「あれ?違うんですか?」
なんて、真剣な顔で言われてしまって・・・結構ナーバスになっていたりします。あくまでリアルはリアル、noisyはnoisyですから、同様の感想の時も有れば、全く違う時さえもある訳です。
で、このサンタ・マリアのブルネッロ・ディ・モンタルチーノですが、素晴らしい質感を持っています。思いっきり乾いていて、茶色のニュアンスを色濃く出し、積み重ねられてきた不要な温度をさらけ出しているような、ごく一般的なブルネッロでは無いんです。そう、その正反対・・・敢えて言ってみれば、
「ぴっちりと濡れていてとても冷ややか。熟成による表情はとても複雑だが、その要素一つ一つが出しゃばることなく、表情の極一部分として存在している。」
すなわち、超高級ブルネッロとしての資質を持ち合わせているんですね。
もし、これが1997年のようなグレートな年であったとしたら、たかが5年ほどの時間で、ここまでは育まれなかったと思います。優しい仕上がりの葡萄を、きっちり選別して、温度や様々な管理を細かくしつつ、それでも余計なことは一切しない、というようなエルバージュが求められ、そして行うことが出来たからだと思います。
「ガッツリ」
とか、
「ガツン!」
と来る物は全く無く、物静かに訴えかけてくる・・・、テレパシーのような?味わいです。
カンティーナの名前はサンタ・マリアです。これはきっと聖母マリアからいただいたものでしょう。マリアから生誕したのは・・・、と考えると、コッレオーニとルイザのマリーノご夫妻が、どのような意思で、どんな畑仕事を、エルバージュをされているのかが、何となく判るような気がします。飲んでみればきっと・・・判ると思います。久々に超お奨めのブルネッロです。飲んでみて、色々と感じてみて欲しいと思います。