【昨今注目されつつあるシャロネーズの・・と言うよりも、モンタニーのフイヤ・ジュイヨから北に6キロ向かった「モン・タヴリル」台地のキュヴェ!・・中々の傾斜地で、「モンタニーの赤」みたいな感覚です!】

こちらは本格派です。フイヤ・ジュイヨの素晴らしいモンタニー(白)を飲まれた方は、きっとファンになられた方も多いはずですが、
「リーズナブルなのに超高質!」
と思っていただいたはずです。
何せ昔は・・モンターニは、
「(シャルドネは)熟した年は村のどこでとれても1級を名乗って良し!」
と言う・・とんでもない条件を持っていた畑なんですね。
裏を返せば、
「(残念ながら)10年に一度程度しか熟さない」
と言う、厳しい土地柄でも有った訳です。
ところが近年の温暖化の影響でしょうか、毎年しっかり熟すようになった訳ですが、そうなってくると・・以前のような放置は出来ず、しっかりと畑に格付けされています。
そしてシャルドネがほとんど、ピノ・ノワールは村名にはならず、A.C.ブルゴーニュになり、おそらく、
「ブルゴーニュ・コート・シャロネーズ」
と言うアペラシオンになると思われます。
実はフイヤ・ジュイヨでも若干のA.C.ブルゴーニュ赤を造っているようですが、余りの若干さなので分けてはいただけないようです。ほとんど現地直売だけで完売だと言う話しです。
フイヤ・ジュイヨの話しになってしまって申し訳ないのですが、フイヤ・ジュイヨを訪れた方の評判は滅茶凄いですよ。ぜひGoogle map で「Feuillat-Juillot」と入れてみてください。ドンピシャでドメーヌを映し出してくれますし、物凄い傾斜の畑と、訪れた方々の評判まで出て来ます。

で、フイヤ・ジュイヨのA.C.ブル赤を・・
「何とかして飲めないかなぁ・・」
とインポーターさんにお願いしたんですが無理の様で・・あ、因みに、Google でフイヤ・ジュイヨを検索すると Noisy wine がトップで出て来ます。昔はRoumier と検索するとトップでしたが・・横文字は4ページ目でようやっとヒット。「ジョルジュ・ルーミエ」と日本語で入れるとトップです・・意味不明です。
で、まずこの2022年のブルゴーニュ・コート・シャロネーズ・レ・シャン・ペルナンをテイスティングさせていただいた訳ですが・・
「・・あれ?・・何だっけこれ・・ん~~・・なんだ?・・判らん・・なんだっけ?」
と。
散々に記憶の扉を開けようと頑張ったんですが・・出て来ない訳です。最近は、「あれ、これ、それ・・何だっけ?」が多くなったnoisy では有りますが、知っているはずなのに思い出せないのは、ノーズや味わい関連では余り無かったんですね。
で、相当長い時間は過ぎて・・
「・・あっ!」
そうなんですよ。フイヤ・ジュイヨのシャルドネです。そのミネラリティに非常に良く似たニュアンスを、このレ・シャン・ペルナンに感じたことに気付いた訳です。
なので早速Google Map を開いて・・色々と調べてみましたら・・
「6キロか・・同じような急傾斜の丘が連続した土地柄!」
と判ったんですね。
なので、ま~・・ミネラリティが凄いです。色彩を見ましても、黒葡萄の色素を淡く見せてしまうような、透明~白のミネラリティがギシギシしているように見えます。
味わいもそう。チェリーが可愛らしく出て来ますが、ミネラルの存在が凄いですね・・。
あ、また道を少し外れますが、ヨーロッパの方々・・日本にいらっしゃいますと、
「水が旨い!・・それも水道からの水でもめちゃ美味しい!」
と言われるようです。日本人はボルヴィックなどの硬水のボトルを買ってますが!
で、彼らに言わせますと、
「もうずっとヨーロッパの水で生きて来たから、髪さえギシギシになってボサボサになっていたけど、日本に何年か住んだら髪の色も変わり、髪質も指通りが良くなったので嬉しい!」
そうです。
いきなり戻りますが・・おそらく、とんでもないほどのミネラリティを持った、しかしエレガントで超伸びやかなA.C.ブルです。今飲んでも行けますが、
「2~3年寝かしたら化けるかも!」
とも思っています。
ポテンシャルはそのミネラリティのお陰で、
「思う以上に高い」
と感じました。ぜひ飲んでみてください。造り手はヴァン・ド・ソワフだと言ってますが・・これ、ちょっと・・凄いかもしれません。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・ルージュよりもややエレガントで果実のアロマの伸びの良さが特徴です。少し高級な・・ピノで仕上げたルイ・ジュリアン?】
こちらは1000MLで、25%増量タイプです。シャロネーズの最北のA.C.ブルゴーニュの畑になるようです。ここは、コート=ドールの最南端(南西の端)のマランジュとシャロネーズのブーズロンやリュリーとの境になります。
リュリーっぽいと言えばその通りなんですが、軽過ぎることは無く、むしろ750ML ブティーユのブルゴーニュ・ルージュよりも存在感自体、大きく感じます。果実の付き方もやや多めで、意外や意外、ビッグボトルにつきものの、
「割安感=よりチープ」
と言うような図式は、そのまんまは当てはめられません。むしろ飲み応えも充分で、少しの冷ややかさと伸びの良さは上のようにも感じられます。
シャロネーズと聞きますと、相当に軽くて、やや酸っぱくて、少し平板なイメージが浮かぶと思いますが、野生酵母由来のナチュラルさなのでしょうか、シャロネーズっぽいと言うよりは、シャンボールのワインをシミジミ系の味わいに持って行ったかのようなニュアンスが、むしろ心地良い感じに取れますので、かなり異なる印象です。もし近い感じがするとするなら、やはり「白っぽい石灰感」だと思います。
そうそうたるワインを飲んでいるようですし、そんな中で自身が造るワインをイメージし、他人からの供給に頼った葡萄をどのようにワインにして行くのか・・を考えながら醸造する・・そしてこのようなエレガント系のソワフに仕上げる・・
今までで有りそうで、実は無いワインだと思います。まぁ、言ってみれば・・
「ちょっと高級なルイ・ジュリアン!」
でしょうか。
それにルイ・ジュリアンだとするなら、ピノ・ノワール単一は無理ですから・・やはり今まで存在しなかったと考えるべきかな?・・と思っています。ご検討くださいませ。