● 待望のシモンビュッセ、新ヴィンテージが到着です!もう毎年お楽しみにされていらっしゃる方も多いかと思いますが、2012年ものはスムーズには出て来ず、2011年のリリースからかなり時間が過ぎてしまいました。noisyもお客様に忘れられやしないかと・・冷や冷やしたものです。
そして今回は2013年ものと2014年ものが一緒にリリース・・と言う事態です。これは、エージェントのヴォルテックスさんが2013年ものを仕舞い込んでいたから・・です。
仕舞い込んでいたというのは、
「まだ完全に仕上がっていない」
と言う判断から瓶での熟成期間を持った・・と言うことです。本来なら現地の造り手の下に熟成させるべきなのでしょうが、仕上がったら引き取らないと・・
「無くなってしまう」
つまり、他のエージェントが持っていってしまうらしいです。引く手数多で・・エージェントさんも大変のようです。
しかも2013年ものは、厳しいヴィンテージという背景が有り、本来なら数アイテム造る所を、「ロリジネルだけ」に集約しましたので、あの素晴らしい「ピュール・コ」の葡萄もロリジネルに使われています。
2014年は今回いつも通りの3アイテムです。2013年ほどではないにせよ、カオールは涼しいヴィンテージだったようです。仕上がりはエレガントですが、時間の経過でどんどん深い、濃密な味わいになって行くのが見えました。いつもながらにナチュラルでピュア、繊細さはそのままです。
価格もほとんど変わっていないので・・デイリーとしても超お奨めです。5年ほど寝かせると、その成長に驚かれると思います。必買アイテムかと思います。ぜひともご検討くださいませ。
■エージェントさんより
*今回ご案内の2014年ヴィンテージの3アイテムは今年1月に入港したばかりですが、味わい・状態ともに非常に安定しており、安心してお買い求め頂けます。前回販売の2012年は骨格のしっかりとしたスタイルでしたが、2014年は冷涼な天候だったこともあり、軽快さを感じさせる仕上がりとなっております。
● 何も言わずに・・ご信頼いただき、是非ともご購入いただきたいワインが久しぶりに見つかりました。・・それもデイリークラスのワインで、確実にグレートなクラスを脅かせる、真の実力、ポテンシャルを持つ凄いワインです。デュシュンのネゴスも、
「いや~・・旨いなぁ・・。確実にクラスを超越してるなぁ・・」
と感心しましたが、このシモン・ビュッセ、その上を遥かに越えて行ってしまいました。全く仰天の旨さです!
「でもカオールでしょ??黒くて渋くて平板で・・特徴は有るけど美味しいものに出会ったこと無いし!」
と言われるに違い無いです。
でもね~!noisy もこの世界で長きに渡りしぶとく生き残ってますが、その当たりの判断のブレは比較少ない方だと・・・いや、自画自賛でみっともないですが、有る意味、それっきゃ持ち合わせて無い!ってことでしょうかね。まあ、自分では愚直だと言われても良いかなとは思っています。
まあ、このワインを飲んだ時はびっくりしましたよ。そして時間を掛けても飲みましたが・・・何せ、安い方のポリチネールの第一印象は、
「あらら・・・樽香の無い、良いコンディションの、とても充分に休養させたCh.マルゴー??」
と言うものでした。その場にいらっしゃった方々・・周りにも公言してますんで隠しようが無い・・・(^^;;プライスを聞いてさらにぶっ飛びました。
「若いマルゴーなんぞ、とても美味しくは飲めたものじゃないが、この美しさ、凝縮感、ピュアさ・・・どれを取っても一級品だ!」
と感じたわけです。
早速押さえに掛かろうとしましたがそうは問屋は卸さない・・結構時間が掛かってしまいました。
若い生産者で、まだ始めて間もないのに、凄いワインを造ってしまって・・先が心配です・・いや、楽しみです。ご当地フランスでも大変な騒ぎになっているようですよ。まあ、そりゃあそうでしょうよ。飲めば判る・・・でしょう。
そんな訳で、旨いワインに能書きは要らず、ただ信頼可能なテイスターのお墨付きだけが有れば・・とおっしゃっていただけるお客様には、
「出来るだけ沢山買っておいてくださいね。」
と言わせていただきたいと思います。
少なくとも自身の舌と鼻・・・感覚を確かめてからじゃないとね・・カオールだしね・・・若造だし・・とおっしゃる方には、取りあえず1本ずつチェックのためのご購入をご検討ください。
「そんなこと言うけど、でもさ、好みもあるんじゃない??」
と思われるかもしれませんが、真に素晴らしいワインは、そんな垣根は大概簡単に乗り越えてしまうものです。マルベックのクセとか、南西部だから温かいニュアンスなんじゃないか、とか・・、そんなレベルのものでは無いです。
あ、因みに飲んだ後で知ったんですが、ポリチネールにはメルロが結構入っていたんですね。あながちnoisyの印象も遠くはなかったんだなと!・・再確認した次第です。超お奨めの2アイテムです。無くなるのは早いと思いますので、是非お早目にご購入ください。凄いワインです!

馬が大好き、土の匂いが好き!
カオールの新星☆シモン
オーナーであるシモン・ビュセーの父親は、既にビオロジック栽培をしていましたが、醸造設備を持たなかったため、収穫したぶどうは協同組合に販売していました。父が所有し賃貸するぶどう畑の内、一番古い樹齢(1970年)の一部3haのぶどう畑を引き継いで2007年よりワイン造りを開始した新しい蔵元です。
2007年の醸造は、近所でワイン造りをする知り合いの醸造設備を借りて仕込みました。それまでワイン作りを手伝ったことはあっても、醸造学校に行ったこともなく、ワイナリーで働いたこともないシモンにとっては、試験的な仕込みであり、どちらかというとちょっとした興味程度のことでした。知り合いである“近所のおじさん”のワイン作りを真似て作った初ビンテージは、SO2をあまり使わなかったという(SO2含有量は80mg/L)。今風のテクニックを駆使しないことが幸いしたのでしょう。その結果、ワイン作りとは、原料であるぶどう栽培と発酵という工程が必要な、奥が深く複雑で、内容の濃い点に興味がわいてワイナリーになる決心をしました。
夢は地中海の大平原「カマルグ」で乗馬をして暮らしたい、というほど馬が大好きなシモンは、どうせ農業をするのなら馬で耕そうと考えます。友人を通して、馬でぶどう栽培をする蔵元として有名なロワールのオリヴィエ・クザンに出会い、手綱さばきの研修を受けました。今ではボルドー液などの農薬散布以外は全て馬を使って栽培をするようになりました。「馬は、大地と私の大切な友達。」とシモンは言います。
栽培・醸造
そんな彼ゆえ、父から譲り受けたぶどう畑は当然ビオロジック栽培。現在では5haに拡大し、一部でビオディナミも実践している。2007年に「エコセール」の認証を取得しました。
「産地らしさ」その典型性をワインに表現するには、毎年異なる気候の違いに応じて最高のぶどうを育てること。ぶどうが最後まで熟成する力があるかどうか。そういう点も含めて収穫のタイミングがワイン作りにおいて一番重要だと考えています。
「ぶどうがワインになる秘密の通り道がある」のだそう。
収穫の際には、喜び、または歓喜に包まれた雰囲気でぶどうを収穫できると、そのエネルギーがワインの味に影響すると思っています。(J.M.ブリニョも同じ事を言っています。)これは言い換えると労を惜しまず仕事をするということであり、心をこめてぶどう作りをすることにつながります。当然、醸造所での仕事も同じライン上にあります。
シモンさんの気持ちが皆に伝わるせいか、週末にあわせた3~4日間の収穫には、家族や友人、その家族が集まって50人前後の人が手伝ってくれる。バックラベルには、感謝を込めて収穫者の名前を入れています。
蔵の中での仕事は、できるだけ人為的な介入をしないよう、またポンプを使わないように心がけます。酵母は天然酵母を使い、SO2はできるだけ控えたワイン作りをおこなっています。

ワイン名: 2009 VdT Polichinel ポリチネル 赤 辛口
品種: マルベック70% 、メルロー30%。樹齢約40年。
畑: 1.5haの区画は、ロット川の断崖に一部張り出したテラス状の地形となっている。 石灰質が地面に露出するため、砂利が少ない粘土石灰質の土壌。
栽培: 2007年にビオロジック栽培の「エコセール」を取得。
収穫量: 約15~20hl/ha。収穫は手摘み。
醸造・熟成: 100%除梗しグラスファーバー製のタンクに入れて、天然酵母による自然な発酵。メルローはぶどうの粒が潰れにくかったため、マセラシオンカルボニックのような状態で発酵した。マセラシオン中は空気に触れないように注意。発酵とマセラシオンの合計は20日間。古樽(平均6年)を使って9カ月の間、澱引きをせず熟成。清澄やろ過をせずにビン詰め。SO2は熟成用木樽の燻浄をする以外は一切使わない。
特徴: 濃厚でボリューム感が強いのに、驚くほどきめが細かく、丸みのある滑らかなタンニンが特徴。カシスのような黒い果実が熟したリッチで力強い味わい。とりわけ繊細さが際立っている。ラベルの「ポリチネル」とはイタリアの喜劇の道化師のことで、2008年に初めてSO2無しのワインを作って官能検査に出した所、合格しなかったためそれを揶揄して名づけ、絵をさかさまに使用した。「ピュール・コ」よりもフルーティさを現すために熟成期間を少し短めにしている。そうすることで果実のフレッシュさも残す。
ワイン名: 2009 AOC Cahor Pur Cot カオール ピュールコ 赤 辛口

品種: マルベック100% 。樹齢約40年。
畑: 蔵があるレ・ルージュ地区にある1.2Haの区画。南北に開けるテラス状の粘土石灰質土壌(シレックス含む)
栽培: 2007年にビオロジック栽培の「エコセール」を取得。
収穫量 約25hl/ha。収穫は手摘み。 収穫したぶどうは選果後、35Kgのプラスティックケースに積めて、荷馬車で運搬。
醸造・熟成: 70%除梗し、セメント製のタンクに入れて、天然酵母による自然な発酵。マセラシオン中は空気に触れないように注意して、ルモンタージュとデレスタージュを丁寧に行う。発酵とマセラシオンを含めると30日間。 アルコール発酵後にSO2をごく少量使用。 古樽(平均6年)を使って10カ月の間、澱引きをせず熟成。 清澄やろ過をせずにビン詰め。
特徴: カオールの伝統品種を用い、リッチで力強い味わいながら、余韻が長くフィネスを感じさせる。一般的なカオールの「ブラックワイン」とはかけ離れた繊細な風味が魅力で、口当たりがとても良い。地区名の「レ・ルージュ」とは「コー(マルベック)に適した土地」と昔から認められて付けられた。 ラベルには、生まれ育ったこの土地に育つ樹齢の古いコーの区画を、大好きな馬で耕す場面を挿絵にした愛着のあるデザイン。
【・・・ご紹介忘れです・・滅茶ピュアで美味しいのに何故か、前のヴィンテージの足が遅くなったのも有って・・飲み頃だと思います!・・価格も安いはず!】

もう、世の中は2020年もののロリジネルが完売していると言うのに、Noisy wine はようやっと2016年ものをご案内すると言うんですから・・のんきなものです。
でも、価格も4千円を超えているのをみますと、
「いかに政治が・・」
とも言いたくなります。
非常にピュアなロリジネルですが、ここまで来ますと良い感じに熟成していると思いますよ。
仕入れは2019年ですから・・4~5年前になります。テイスティングもしていまして・・その分はしっかり減っていますが・・すみません、写真を探し出す時間が無い・・し、そもそも4~5年前のレヴューを今、思い出しながら書いたとしても、
「・・なんだかなぁ・・」
な文章にしかならないでしょうから・・止めておきます。
なので申し訳ないですが、以前のレヴューをご覧くださいませ。どうぞよろしくお願いします。
P.S. と書いたのですが、写真が見つかっちゃいましたので掲載させていただきました。昔の撮り方ですね・・2020年1月8日のテイスティングでした。
以下は以前のレヴューです。
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【思いっきりピュアです!!徐々に表情が付いて来たタイミング?】
2013年ロリジネル 2013年のシモン・ビュッセは、何と・・・残念ながら、ポリチネールとピュール・コの生産を諦め、ロリジネルに集約することになってしまいました。厳しいヴィンテージだったのでしょう。コットという葡萄は非常に天候に左右されやすい性質と聞いています。
しかしそのお陰で・・非常に楽しい比較テイスティングが出来ることになっちゃったんですね・・。何せ、シモン・ビュッセのトップワインであるピュール・コの葡萄も、2013年にはロリジネルに使われたんですから・・。
だって・・普通に考えればですよ。2013年と2014年じゃ、どっちのワインの色が濃いと予想されますか?・・普通なら
「2014年」
と答えるはずですよね?
でも、実際は2013年の方がより「濃く」「黒い」のが見えるかと・・思うんですが・・いかがでしょうか?
理由は、やはり良い畑のコット、ピュール・コの葡萄が入ったから・・でしょう。それしか思い当たりません。それも、かなり減産したはずで、貴重な葡萄だったはずです。
それにしても美しい色ですよね。こんな透明感は中々出てこないです。また、2013年ものはヴォルテックスさんの倉庫に入っていたので。

2014年ロリジネル それも1年以上ですよ?・・なので、ボトルの肩の部分に澱が付着しているのが見えるかと思いますし、コルクも少し濡れているのが判るかと思います。
味わい、味筋はほぼ一緒ですが、2013年ものは実に複雑性が高いです。ピュアさ、ナチュラルさは同程度、重さ・・というよりも軽快感も同程度ですが、2014年がわずかに軽やかかもしれません。
メルロのやや多いポリチネールよりも濃密で、格上感が有ります。また同様に非常にエレガントで、
「コットって・・こんなんだったっけか?」
と思うに違い無いです。非常に精緻です。
価格差は僅かですが、軽く飲むならポリチネール、複雑な表情を楽しむならロリジネルでしょう。
そして、ロリジネルのヴィンテージ違いも良いと思います。濃密だった2011年・・バランスの良かった2012年に、今回の2013年と2014年が有りますから、もしまだお持ちの方は、一気に比較テイスティングも可能じゃ無いでしょうか?
面白いシチュエーションを用意してくれました!・・ぜひポリチネールと共にご注文いただければと思います。
こんなに安いのに!・・素晴らしいです!お奨めします!
【マルベック主体にメルロとガメ!?・・だから「カオス」・・なのかな?・・でも味わいは相当にビューティフルです(・・でした)!】

テイスティング日は写真の exif 情報に寄りますと、2021年9月9日だったようです。でも美味しかったんですよ・・。何度もご案内しようと思っていたのは確かなんです。
でも、愚息がワイン本体の写真を撮っておらず、また・・ブルゴーニュのご紹介文作成に相当時間が掛かる・・何せ多い生産者さんは20アイテム近くも有りますから、ほとんど挫けそうな気持ちで書き上げて、
「・・あ、そうそう・・カオ(ス)も書かなきゃ・・」
と書き始めますとワイン本体の写真が無いことに気付いてしまう訳です。そうなるともう・・心が折れてしまい、
「・・次にしよ・・」
となってしまうんですね。
まぁ・・ちょうどその頃は親父が亡くなったばかりで、相続やら承継やらで滅茶大変な時期でも有ったのも言い訳のひとつになりましょうか。いまだに承継の終わっていない・・と言いますか、
「親の親の隠し子がいないかどうか?」
とかがその承継に関係するらしく・・つまり noisy のお爺ちゃんですね。彼の最終の本籍地とか、生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本をそろえなくてはいけないとか・・
「・・そんなもん、判るか~!」
と・・必死になって仕事をしていても、そんな戯言のような・・冗談のような・・悪夢のような要請の沈黙のプレッシャーが・・このカオ(ス)のご紹介を遅れさせた一因でも有るのかもしれません。
まあ・・ある意味、権利の承継になりますから、「隠し子がいないか」を証明しろってことなんでしょうね。もし居た場合はその人の承認が必要になると・・そんな訳でしょう。
「まさにそれこそが・・カオス!」
・・お時間がよろしいようで・・

と言う訳には行かないのが noisy のお仕事なんですね。ほとんど「キーボードを打つのが仕事」となり果てています。
で、この「カオ」ですが・・いや~・・旨かったんですよ・・実は。なので、さっさとご案内したかったが、いつも写真が無いし、サーバー上に基礎登録が無いので出せなかった訳です。ようやっと今になって noisy自身が全てやって・・のご案内です。
美しいやや濃い目の色彩は、「赤」をしっかり内包しています。マルベックが主体ですから、基本的にはもっと黒っぽくなるはずですが、メルロとガメで深みと飲みやすさを出しています。
まぁ・・ガメと言う品種も非常に面白い・・と言いますか、魔術のような品種でして、ブルゴーニュに行ってしまうと・・
「ガメでしょ?」
と・・ちょっと下げられてしまう訳ですが、ガメを本当に良く知る人ならお分かりのように、
「熟したガメほど素晴らしい芳香を出してくれる品種は無い!」
みたいな感触が有ります。
そしてその水分が適度に濃度を和らげてくれる感触も有りますよね。
そしてメルロです。粘土の土壌が大好きで、茶や黒、そして赤をそれぞれ持っている品種で、その土壌によって表情を大きく変えて来ます。ボルドーのメルロと言いますと右岸地域で、最ももてはやされているのが「ポムロル」ですが、イタリア人に言わせると・・
「あそこの粘土は・・イタリアじゃ砂だ」
と蔑む訳ですね。
確かにイタリアのメルロの素晴らしいものは甘美な味わいを早々に出してくれますが、ポムロルも気品が有って・・良いですよね・・良い具合に砂が粘土に混じっている・・そう考えるべきなのでしょう。
本来マルベックは結構に個性的で、noisy的には「蝋」みたいなニュアンスをまず受け取ります。でもこのワインを飲んだ時はけっしてそんなネガティヴさを感じず、ただただバランスの良い味わいで、
「シモン・ビュッセらしいピュアな味わいとマルベックの明るさを引き出した!」
そう感じられる素晴らしい味わいでした。
ただし、その頃からはすでに1年半ほど経過していますから、さらに丸みも出て来ているでしょう。熟成感はまだそこまで行っていないはずでして、ピュアさに丸みが加わった位で、
「おそらく今頃がちょうど良い?」
んじゃないかと想像しています。甘みはほとんど感じませんでしたが、時間の経過で甘美さが出始めているかもしれません。
まぁ・・もう1本開けろよと言われてしまいそうですが、いや・・もうテイスティングしなくてはならないワインが行列を作っていますので・・すみません。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
【生の果実そのもの!ピュアです!】

ここまでピュアで化粧っ気が無いと・・びっくりしますよ。・・だってね・・1年振りに遭った女性がもし、まるで化粧もせず、すっぴんなまんまで急に目の前に現れたら・・まぁ、いつもそんな感じだとしてもどう感じます?
「(・・う、うぉっ・・!)」
って・・なっちゃいませんか?・・たぶんいつものように化粧もせずに来るんだろうな・・と思っていたとしてもです。
このピュール・コは、やはりいつものピュール・コでした。化粧っ気ゼロなのもいつも通り。
しかし、色合いはむしろ余り黒過ぎず、良い感じの濃い紫でした。まぁ・・これでガングロだとね~・・というのは冗談です。
滅茶苦茶ピュアな、まさに「ピュール・コ(ピュア・コット)」と言う名に相応しい、美しい仕上がりです。2012年以前のような濃密なニュアンスはやや影を潜め、
「・・まだ仕上がったばかりなのよ・・」
と言いたげです。
でもそれにしては純な美味しさが堪らないです。甘みはゼロ・・完全にエキスです。そして、コットの持つ「蝋」のようなニュアンスも無いです。これが嫌だと言う方はいらっしゃるかと思うんですが、そんなのは無いんですね。
そして、紫の小果実が群生しています。いつもの年よりも少しまだ若い小果実です。中域もいい感じで膨らみ、余韻もドライながら長く続きます。エージェントさんは「甘み・・」と書いてますが、甘くないと・・いや、止めときますか。
しかし、そんなめちゃドライでありながらもピュア&ナチュラルですから、す~っと身体に吸い込まれるように・・無くなっちゃうんですね。そして軽やかなミネラリティのニュアンスの残り香・・紫の小果実も同様です。実に素晴らしいと思います。
でも、このワインはまだ成長中です。半年たったらかなり濃密さも出て来ますし、丸さに磨きが掛かるでしょう。2~3年経過したらさらに素晴らしいでしょうし、純な味わいが少し妖艶さを持つようになると思います。何せ、本来は色白だけどガングロだった女性ですから・・!・・2009年から扱ってますが、今回の2014年の今の姿が一番「純」だと思います。ぜひ、この2014年のピュール・コの本当の姿に触れて欲しいと思います。今も美味しいですけどね。超お奨めです!
以下は以前のコメントです。
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【もの凄い濃度!しかし物凄く美しい!完全球体、完全エキス化、So2ゼロの逸品です!】 いや~・・・上記でも書きましたが・・引っくり返りました~!とてもデイリー価格のワインじゃ有り得ません。どんなに低く見積もっても、倍の価格のポテンシャルは有ると刀Eんでいます。飲めば飲むほどに、それは実感として理解できるでしょう。フランス国内でも引っ張りだこになっているようで、エージェントさんも、タイミングがバッチリ合って取引が出来たと・・おっしゃっていました。
ポチリネールはカオールのマルベック(コ、コット)70%にメルロ30%をセパージュ。全くピュアで体に染み入る自然な味わいなんですが、エキスが滅茶苦茶濃厚で、歯が凄いことに成ります・・。通常、マルベックはちょっとクセが有るように思われているように思いますが、全くそんなことは無いんですよね。パワフルだが余分な出っ張りが全くゼロ。甘みは、僅かには存在するんですが、この甘みの質の良さに絶句します!しかも、それは甘い成分が遊離しておらず、完全にエキス化しています。そして、タンニンの極上の質が、その甘みを助長しているんです!まあ、凄いワインです!
先日、再度少し冷えた状態で飲みましたが、メルロが少々沈んでいました。時間と共に主張してくると思いますが、メルロが黙っていても、かなり旨いんですよね。メルロが出てくると・・・まるで極上左岸ワイン!に近いと思います。収穫量を見てくださいよ・・・15~20hlって、これが本当ならボルドー1級シャトーの1/3ですよ。この項目は名目だけの場合も多く有りますが、味わいを見れば本当だとご理解されるでしょう。これは超お奨め!是非ともご購入ください。
カオール・ピュール・コは、まあ・・・呆れるほど凄く美しいです。それも、滅茶苦茶濃度が高い・・つまり、高いレベルで、高度なバランスで実現しています。
黒いワイン・・と称されるカオールですが、一般には余り美味しいアイテムには出会いません。ボルドー的に仕上げますんで、収穫量が多く、タイトで平板、タンニンは苦く、マルベックの良さを引き出せないものがほとんどです。
ところがこのピュール・コ!フィネスたっぷり、そして噛める様なエキス濃度を持ちながらも、とてもスッキリしているんです。体に馴染むSo2無しのピュアな液体は、スパイシーで紫・黒の極小果実がたっぷり、縦長の大きな構造を持ちつつ、そのスッキリさも持ち合わせているという・・凄いワインです。ポリチネール同様、極上のタンニンとエキスの旨み・甘みが素晴らしいです。
で、この構造が3~5日経っても崩れないんですよ・・・。と言うことは??So2無しでそんなこと可能なの??と思えるほど・・です。
「ぶどうがワインになる秘密の通り道がある」・・というシモンの言葉・・・どうやらここに秘訣が有りそうです。・・まあ、
「カオールじゃぁなあ・・タイプじゃないし・・・。おいらはブルゴーニュ命さ!」
と、さっさとフィルターを掛けてしまうと、このような煌きを持つワインに出会う機会を逸してしまいます。是非飲んでみてください。凄いです!