トーマ・モレ
トーマ・モレ
フランス Thomas Morey ブルゴーニュ
● 2021年ものの化け具合が半端無かったトーマ・モレですが、2022年ものも滅茶素晴らしい!・・また「過去最高を更新」と言わなくてはならなくなってしまいました。
メディアもその辺りを拾っていると思われ、1級モルジョは上値96ポイントと・・信じられないほどの高評価ですが、もっともリーズナブルな1級シュヌヴォットも上値95ポイント・・凄いですね・・。
まぁ・・それなりに言いたいことも有りますが、とりあえず読んでみていただけましたら幸いです。なお、
「今飲んで最高に美味しいA.C.ブル2022年!」
と、
「村名シャサーニュに過ぎないのに上値 93ポイント!」
と言うメディア評価からも、2022年のトーマ・モレの凄さが見えるかと思います。ご検討くださいませ。
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圧巻の2021年トーマ・モレをご紹介させていただきます!・・いや~・・驚きました。どえりゃ~・・旨いです~~!・・まぁ、しばらく扱っていなかった時期が有りますので正確では有りませんが、
「トーマ・モレ史上最高の仕上がり!」
だと・・思います。
ちょっとですね・・シャサーニュ村名のグラスの写真の一部分を引き延ばしたので、ご覧いただけますでしょうか。

これですよ・・この太~~い涙!・・涙自身としては重力通りに縦方向に落ちたいけれど、ついつい・・粘性が強くて・・どうしても真下には向かえずに留まってしまうものの、
「上の方にいるお仲間が何とか脱出して来たのに押されてしまう」
ので・・それでもその粘性ゆえに、グラスの膨らみがゆえに、横斜め方向に向かってしまう・・そんな風に見えます。
飲んでみますと・・もはやシャサーニュ村名的な「緩み」など全く見えず、「私は1級だったのかも?」と・・複雑性とその大きな構造を埋め尽くす粘性を気品高く精緻に、でもボリュームを持って素晴らしい表情を感じさせてくれますから・・トーマ・モレ史上最高!・・と言いたくなるのも判っていただけると思います。
A.C.ブルは、その村名シャサーニュには及ばないものの、並み居る村名シャサーニュを蹴散らすような仕上がりでして、リアルワインガイド誌も、90+~91ポイントと、半端無い高評価をしています。
ですので、1級以上はもう間違いの無い仕上がりを想像させますから、
「2021年だからおのおの3本以下しか入荷しない1級のどれかを飲まないといけない・・」
と言う気持ちを捨てることが出来ました・・(^^
とにかく、入荷が滅茶少ないです。テイスティングしている場合じゃ無いほどです。でも、このA.C.ブルや村名シャサーニュの、
「ブルゴーニュ・シャルドネ王道の見事な味わい!」
を見れば、価格は高く無いと断言できます。是非飲んでみていただきたい、素晴らしい2021年です。超お勧めします!
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久しぶりのトーマ・モレです。ベルナール・モレの素晴らしいザンブラゼが5千円以下で販売出来た時代は随分とお勧めさせていただいてました。ですが価格も7千円、8千円と上昇して行って・・ちょっと手が出せないようになっていたところにドメーヌの世代交代・継承が有り、ヴァンサン・モレとトーマ・モレに別れました。
2009年までは扱わせていただいてたんですがものの見事に売れなくてね・・。トリュッフィエールで8千円位だったでしょうか。noisy 的にはめげてしまった造り手さんです。
しかしながらリアルワインガイドの第58号で2年ぶりに掲載され、大激賞されたところ・・いや、エージェントさんからのお話しですよ・・リアル発売直後から電話が鳴り続けたそうで、即日完売だったそうです。
「・・なんだかな~・・」
まぁ、仕方が無いですよね。個人的には良いとは思っていても、心のどこかに「・・少し高いかも・・」みたいな気持ちも有り、また、どかんと仕入れてテイスティングをバッチリやってお客様にキッチリプレゼンして・・みたいなコースは取れなかった事情も有りますからね。
そんなこんなで2009年以降、余り手を出さなかった(・・全くでは無いですよ)トマ・モレのバックヴィンテージの・・しかも、リアルワインガイドもテイスティングしていない(評価を出していない)ピノ・ノワールの2014年をご紹介することになりました。
これ・・かなり旨いんですよ。プライスもACブル並み・・ですよね。シャサーニュの村名でこの位、しかもドライで品格も有ると来れば気に入っていただけると思います。

■エージェント情報
ベルナール・モレの息子であるヴァンサン(兄)とトーマス(弟)は偉大なる父と共にこれまでドメーヌの運営に携わってきました。
弟のトーマスは以前、カリフォルニアのワイナリー"Sonoma-Cutrer"で修行を積み、その間ヴァンサンは父の下でシャサーニュに残り、互いに研鑽を積んでいました。そして2007年産からベルナール所有の畑を息子達に分割し、それぞれのラベルでリリースする事となりました。
父のベルナール氏はこれまで通りワイン造りに携わり、息子たちの手本として、また良きライバルとしてその手腕を振るいます。同銘柄で異なるラベルは相続した区画が異なるからです。共にモダンでスタイリッシュなラベルもさることながら、互いの方向性に関しても今後の動向が注目されています。
地区名ブルゴーニュ
村名 CHASSAGNE MONTRACHET
オーナー名 トーマス・モレ氏
創業年 2006年
醸造責任者 トーマス・モレ氏
所有する畑 CHASSAGNE MONTRACHET
CHASSAGNE MONTRACHET 1ER CRU DENIS DE CHIEN
CHASSAGNE MONTRACHET 1ER CRU VIDE BOURSE
CHASSAGNE MONTRACHET 1ER CRU BAUDINES
CHASSAGNE MONTRACHET 1ER CRU LES EMBRAZEES
CHASSAGNE MONTRACHET 1ER CRU MORGEOT
PULIGNY MONTRACHET
農法 リュットレゾネ
WebサイトURL http://www.thomasmorey-vins.com/
● 2022 Puligny-Montrachet 1er Cru la Truffiere
ピュリニー=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ラ・トリュフィエール
【ジャスパー・モリス氏はプルミエ・クリュの上限とも言える上値94ポイント!・・2本のみの入荷でした。】
久しぶりだから飲んでしまおうかとも思ったのですが、
「2020年ものをさっさと消費してしまうのはアホ」
と誰かに言われていたので・・(^^;; 取りあえず残るようなら飲む・・と言うスタンスにしました。そうでなくてもこのトマ・モレ2020年のテイスティングではすでに全部販売しても赤字・・とは言わなくても収支はトントンでしか在りません。
このピュリニーのレ・トリュッフィエールは・・まぁ、大きく丸めて言ってしまえば・・「ガレンヌ」なんでしょう。勿論ですが細かいことを言うと、
「そんなアバウトなことを言うなんて!」
と怒られそうですが、シャン=カネやシャン=ガン等のピュリニーの各畑とブラニー村との境、そしてサン=トーバン村との境がせめぎ合うロケーションですので、そのテロワールの違いを楽しめるのもピュリニー1級ならでは・・かと思います。因みにニーロンさんも「クロ・ド・ラ・トリュッフィエール」をリリースしておりますからご存じの方も多いでしょうが、こちらは「シャサーニュの1級レ・ショーメ」でして、もしこれに同格として比較すべきは、ユベール・ラミーの素晴らしいレ・ショーメでしょう。
いずれにしましてもこの名前、「トリュッフィエール」から連想される高級キノコのニュアンスを、このワインの中から分別して嗅ぎ分けたい・・みたいな飲み方をしてしまうのがブルゴーニュ・シャルドネ・ファンかと思います。まぁ・・noisy は飲めていないので何とも申し上げられません。
ジャスパー・モリス氏は、2018、2019、2020年と続けて91~94ポイントと評価されていらっしゃいます。2017年の92ポイントから上値で2ポイント、ジャンプアップしてからずっと同じです。是非ご検討くださいませ。
● 2022 Chassagne-Montrachet
シャサーニュ=モンラッシェ
【確実に親父さんを超えたと思える2023年もの!・・ビオ的アプローチにより樹の耐性が上がり、収量が安定(減ったとしても)して養分をしっかり取り入れられるようになったことで・・心地良い柔らかさと複雑性に寄与!・・旨いです!】

親父さん(ベルナール)の頃は、美味しかったんですがどこか「つっけんどん」に感じる部分が有って、
「近寄りたいんだけど寄せ付けない」
と思わせるようなスタイルだったと思い返しています。もちろん、キュヴェにより印象は異なる訳ですが、それがトーマさんの時代になって徐々に畑仕事が変わり、安定し、さらにはグングン伸びて行き始めた・・とも感じているんですね。
ワインのタイプは造り手それぞれによって相当異なります。今や飛ぶ鳥を落とす勢いで noisy もビックリしているギルベール・ジレの場合は、もし比較するのであれば、「コシュ=デュリ」を引き合いに出して来たくなります。彼の場合、造りは相当に緻密で、コリュ=デュリ以外には・・とてもじゃないが「似ている」と言えないと思います。やはり、栽培もさることながら、醸造におけるギルベール・ジレの繊細な感性を大きく生かした造り・・
「造り手の個性」
を強く感じる造り手さんです。
トーマ・モレの場合も、それが無いと言う訳では無いですが、比較するとするならば「コシュ=デュリ」では有り得ないでしょう。ユベール・ラミーも違うし、ましてやバシュレ=モノも違う。
似ているとするならソゼさんとか、ニーロンさんでしょうか。トーマ・モレの場合、ナチュールが生きて来ましたので、伸びやかだしふんわり感も有る・・しかし、ナチュールナチュールはしていない・・し、ルフレイヴさんちのようにバッキバキになることも無いと思います。

ニーロンさんは時にとっつきにくいヴィンテージも有ったかと思いますが、2021年、2022年の昨今のトーマ・モレを見る限りにおいては、
「ビオ的アプローチが目に見えて良い方向に向いていると実感できるようになった」
と思います。
それはもちろん、メディアの評点にも表れて来ていまして、昨年の2021年ものにリアルワインガイド第82号は92~93ポイントとしていましたのを、皆さんはどのようにお感じになられたでしょうか。
海外メディアはおそらくそこまでは付けておらず、
「・・93ポイント?・・ま、リアルワインガイドは少し甘いかな?」
などと思われていたのではないでしょうか。
ですが2022年のジャスパーさんの評価も上値は93ポイントです。昨年のご紹介時には判らなかったのかなと思いますが、2021年もののジャスパーさんのシャサーニュ村名の評点は89~91ポイントでした。
もしジャスパーさんの評価が正当で在って、その2022年で上がった分の2ポイントを・・今回、評点が出ていないリアルワインガイドの2021年評点に載せるならば、もはやグラン・クリュ並みの評価になってしまいますから、やはりちょっと調整するべきなんだろうと思うんですね。
確かにジャスパーさんの2022年の上値93ポイントは良いところを付いている・・しかし、2021年ものの評価が低過ぎるとも言えますし、リアルワインガイドの2021年ものの評価の上値93ポイントはもしかしたら、ほんのりと高かった・・とも言えるのかもしれません・・あ、決して他心は有りませんので・・はい。
A.C.ブルの、まさに王道の味わい、それも有る程度膨らんでくれる見事な美味しさから言いますと、
「ほんのり早い」
とは言えます。
しかしながら15分~20分もしますと、それまでやや閉じ気味・・と言いますか、蕾のようだった果実感がふんわりと膨らんで来ます。そうしますとそこからは・・さらに凝縮してややチリチリと口内で花火のように感じていた部分が膨らみ、分解し始めると・・素晴らしい複雑性として感じられます。
火打石っぽいニュアンスが・・当初は無かったのに出て来たり、オイリーなニュアンスさえも増大、重厚さを見せて来ます。そこまで来ますと・・美味しかったA.C.ブルのポテンシャルを超えて来るのが判るかな・・と感じました。
まぁ・・上値93ポイント、その位かな・・(^^;; もしくは0.5ポイントほど上を言っても良いかもしれません。
ですので、
「この村名シャサーニュ、相当素晴らしい!」
と言っておきたいと思います。ムルソーっぽいのはA.C.ブル、こちらは開いて来るとシャサーニュ1級に近い・・レ・シュヌヴォットとかのニュアンスに近いと感じます。モルジョじゃぁないとは思います。白っぽくてやや黄色い、そして相当にミネラリティもたっぷりしています。美しいバランスです。ぜひ飲んでみて下さい。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【爆旨です!・・史上最高、間違い無し!格上としか感じられない凄いエキスです!】
2020年ものも圧巻の美味しさだった、凄い村名シャサーニュでしたが・・
「2021年ものは涼しい顔をして2020年ものの脇を通り過ぎて行った」
と言いたくなるような・・「爆旨な」出来でした・・。・・いや・・「べらぼうに旨い」と「激旨」は使い古したし・・何か上手い言葉は無いかと・・ふと思った時に、
「激の上は・・爆?・・そんな訳はないよな・・ん?爆旨?・・」
みたいな軽い感じで使用してみました。だって・・すっごい美味いんですから・・造語でもしないと読んでもらえないかと・。
そもそも、なんで上級キュヴェは下級よりも美味しいか?・・と言いますと・・結構簡単です。
「畑の格で収穫量の制限があるから」
です。
広域A.C.ブルは緩く、村名はそれよりも厳しく、1級畑は厳しく、グラン・クリュは滅茶厳しい・・つまり、格が上昇すると収量を抑えなくてはいけないんですね。
ですが通常は・・ブルゴーニュの畑のヒエラルキーのトップは、ほぼ・・そのような制限をしなくても、畑が勝手にやってくれる・・と言うことになっていまして、グラン・クリュは特に何もしなくても30hL/h以下にしてくれるそうです。最も、そうならない畑も当然あるでしょうから、その畑の個性を知っていれば、芽掻きやグリーンハーヴェストなどで対応する訳です。

トーマ・モレは基本、1級畑の葡萄を格落ちで対応しているようですが、
「2021年は、さらに収穫制限をしたのと同様の結果になって・・しまった!」
ことこそが、この・・
「不滅の2021年村名シャサーニュ=モンラッシェを生んだ!」
と言えるかもしれません。
もはや・・このワインはシャサーニュなのだろうか?・・と思えるようなゴージャスさを含み、しかもその表情は精緻さと上品さを持っています。非常に複雑でもあり、上級クラスのシャルドネが見せる姿の「模倣」をも感じさせてくれるんですね。
ですから・・このような半端無い出来のシャルドネに出会えば、どんなに
「ピノ・ノワールにしか興味が無い!」
と豪語していたとしても・・前言撤回せずにはいられなくなってしまうはずです。
A.C.ブルのコラムにも書かせていただきましたが、2021年のトーマ・モレは凄い仕上がりです。どのワインでも良いと思います。飲んでみてください。「爆」お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【べらぼうに旨いです!ブルゴーニュ・シャルドネの究極の未来の姿のひとつ・・かもしれません!】
素晴らしいと思いました!・・こりゃぁ・・美味い!・・と素直に思える見事な味わいです。
このフレッシュさを残した滑らかなオイリーさの中に、シャサーニュらしいしっとりさとクラスを超えて来ているような質感の高さを実現しています。
おそらくとてもナチュラルな味わいなんですが、クラシックなシャルドネ好きが飲み手でも、このソフトでスムースな美味しさを肌で感じると、そのナチュラルさが好きになってしまう・・そんな気になってしまうと思うんですね。
なので、柑橘が仄かにかおり、果実もしっかり・・そこからしなやかで緻密なミネラリティからの表情がたまらないと思うんですよ。
あの・・あのジャスパー・モリスさんがですよ!・・
「なんと上値93ポイント!」
と・・おそらく彼の村名ワインに対する最高のポイントじゃないかと思うんですが、そんなに高い評価をしているんですね・・。

色合いも最高です。透明感が有って、硬質そうに見える中に柔らかささえ見えて来るような外観です。
村名ですが・・1級の格落ちとして、ヴィデ・ブルスをブレンドしているようですが・・これが相当効いているんじゃないかと。ヴィデ・ブルスはそれなりの価格ですが質も良く・・反対に言えば、
「ヴィデ・ブルスの質を高めるためにしたことが村名シャサーニュの品質を大きく上げる結果に!」
なっているのかな?・・と想像しています。
これ、最高に旨いです・・でもまぁ・・
「飲みたいけど・・そこまでは出せないよ」
とおっしゃる方には、A.C.ブルも似たようなニュアンスで、トマ・モレのスタイルをしっかり感じられますので・・飲んでみて下さい。価格も頑張っていますので是非よろしくお願いします!超お勧めです!
● 2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chenevottes
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・シュヌヴォット
【1級群の中でもっともリーズナブルな「シュヌヴォット」が上値94ポイントと大躍進!・・飲めなくてすみません・・】
今回の入荷数量ですと、A.C.ブル、村名、1級各1本がテイスティングできる限界でしたので、1級は何を飲むか・・だいぶ迷いました。
noisyも大好きなピュリニーのトリュフィエールは2本しかないし、貴重なヴィド・ブルズは高いし数が無いし、そうなるとシュヌヴォットかモルジョか・・マシュレルは来てないから・・などと考えつつ、結局、
「昨年飲まなかったモルジョ」
を選択したんですね。2021年もののシュヌヴォットは昨年飲めていますし・・。
で、メディアの評点を探し始めたところ、
「・・・あれ?」
と。
何と、1級モルジョは上値96ポイント、リーズナブルなシュヌヴォットも上値95ポイント・・
「マジ?」
と・・。
確かに1級モルジョは、昨年の2021年もののは飲んでいないものの2020年ものを美味しくいただいていましたので、96まで付けられるかな~・・などと思ってはいますが、
「シュヌヴォットが上値95ポイント!?」
と・・ビックリした訳です。
まぁ・・黄色い感覚はモルジョに及びませんが、白さが際立ち、そこに黄色が入り、繊細さ、可憐さ、美しさが魅力のシュヌヴォットは、言ってみれば、
「目立たないけれど美しい」
そう・・眼鏡を取ったら滅茶美しい・・女性のようだった・・そんなタイプだと思います。飲んでみてください。2022年ものトーマ・モレ、超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【昨年の2020年ものを仕入れたアイテムのみ、オファーをいただきました・・本当に少ないです!・・3本だけ。】 リアルワインガイド第82号は93+~94+です。凄い評価ですね・・もはや、これ以下のグラン・クリュさえ存在していることになる評点のゾーンです。
因みに厳しいので有名なバーガウンドのアレン・メドゥズさんは92ポイントにハートマークが付いています。ジャスパー・モリスさんは91~93ポイントでした。例によって・・ジャスパーさんは、村名とA.C.ブルの評価もしていましたが、余りに何も見えていない感じの評価だったので、敢えて掲載しませんでした。
2020年も美味しかったですけどね・・2021年ものは間違いなく、超えて来るでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【数あるトマ・モレの1級群で、もっとも早くから美味しく、トマ・モレらしさを感じられるのがこれです!】
これは実に良いです!・・トマ・モレらしい若々しくフレッシュなノーズに、ほんのりとマッタリしたオイリーな深いニュアンスが混じり、ふくよかで柔らかな適度な肉厚を感じる中域から、しなやかで非常に長い・・実に良い感じの余韻に流れて行きます。
還ってくるノーズもまた新鮮さと適度な熟を得たフルーツとソフトで緻密なミネラリティ・・溜まりませんね・・。A.C.ブルも、村名シャサーニュも同様なニュアンスなんですが、
「やはり流石は1級!」
と思わせる質感が見事です。
このレ・シュヌヴォットは本当にあの「ル・モンラッシェ」のすぐ近く・・毎日その偉大な畑の様子を目の前で拝むことが可能なロケーションです。
さりとてあの偉大な「ル・モンラッシェ」同様のニュアンスを感じるか?・・と聞かれたとしたら・・
「・・残念ながら・・例え有ったとしても微細・・」
と答えるしかない・・んですね。

しかしこのレ・シュヌヴォット、跪いて飲まずに良いので・・(^^;; その真逆とも言うべき、
「おおらかさ」
の中の素晴らしい質感こそが、このワインの魅力なんですね。
言ってしまえば、あの素晴らしい「アン=ルミイィ」も、サン=トーバンとシャサーニュの「ダン・ド・シアン」もすぐ目の前・・と言うロケーションで、全く異なる「近しく高い質感」を見せる訳ですから、実に面白い存在の1級だと思うんですね。しかも、ちゃんと「トマ・モレ」を感じさせてくれます。
ジャスパー・モリスさんも上値93ポイントで、しっかり評価されています。まぁ・・村名シャサーニュの評価は滅茶高いのに、A.C.ブルがイマイチなのが全く判りませんが!
飲んでみていただきましたら、
「トマ・モレが受ける訳」
を知ることが出来ると思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!
● 2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Embrazees
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ザンブラゼ
【ベルナール・モレと言ったら1級レ・ザンブラゼ!・・と思っていた noisy です。】
まぁ・・ベルナール・モレの時代に、彼のワインを飲んで・・いつも美味しかった白眉な1級がこの「レ・ザンブラゼ」だったんですね。豊満さと、中に隠れている厳しささえあるミネラリティ、抑揚のある味わいが好きでした。5千円ほどで販売できる感じだったと思いますが、ブルゴーニュワインって毎年のように上がるんですよね。それに、まだ駆け出しに近いワイン屋としては、
「在庫が重荷になって同じ銘柄を毎年ずっと買い続けるのは・・中々難しい」
時代でした。
でも気付けば残っていなかったので、まぁまぁ・・売れたのかな・・(^^;;
で、リアルワインガイド第86号には掲載されるかと思っていたんですが、ブルゴーニュがバッサリと切られていまして・・結構ショックでした。
なので、テイスティング出来ない部分は海外メディアに頼らざるを得なくなってしまった訳でして、その海外メディアも・・こんな状況ですから、良く判らないんですね。
トーマ・モレの1級アイテムの中では、最もホットなキュヴェです。しかし海外メディアは1級の中では上値93ポイントと今一つでは有ります。まぁ・・それはたぶん間違いなんじゃないかと思ってはいるんですが、売れないようなら開けるしかないか・・でも数は無いからきっと放置せざるを得ないか・・などと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイド第82号はこちらもモルジョ同様、今飲んで94 ポテンシャル95 今~2048 と、1級畑の最上、グラン・クリュに匹敵するような評価です!】
2020年ものはテイスティングで山ほど開けているトーマ・モレですが、2021年で飲めたのはたった2本・・まぁそれでも2021年のトーマ・モレの出来が半端無かったことによって、それで済みましたが・・もし・・もしですよ?・・
「もしA.C.ブルと村名シャサーニュのテイスティングで今ひとつ納得出来なかったら・・どうしただろうか?」
と考えると・・寒気がして来ます・・。
まぁ・・インポーターさんも様々なスタイルが有って、また昨今は新たなスタイルに取り組んで変化している会社も有ります。noisy としますと、やはりnoisy のスタイルを理解していただいていらっしゃるインポーターさんとは上手く行っていると思うんですが、口先だけ・・その時の重要な話しの内容とは関係なく、理解しているフリだけだな・・と感じてしまうと・・ね。
2021年はとんでもなく少ないですが、2022年は量も出来も相当良さそうでして、近年稀に見る出来とのことですから・・色々な意味で楽しみではあります。
こちらはリアルワインガイド第82号では、全くモルジョ同様の評価でした。モルジョは比較的柔らかで、早く美味しくなるスタイルですが、こちらのレ・ザンブラゼは幾分硬質なスタイルで、リリース直後は大抵・・ちょっとスレンダーです。ですが2021年はおそらく、早いうちから美味しいんじゃないかと想像しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【内に秘めたパワーとナチュラルな味わいの共存。心を惹かれる見事な味わいです。】
本当に久しぶりの「レ・ザンブラゼ」です。ちょっと昔を思い出してしまって・・シンミリしてしまいました。
noisy もベルナール・モレさんのレ・ザンブラゼが大好きで、事あるごとに仕入れていました。まぁ・・今のように、
「一人の造り手のワインのほぼすべてのアイテムを一挙にご紹介!」
なんてできない時代・・と言いますか、もっとずっと「のんびり」していた時代です。勿論、ワイン一筋で行きたいけれど、まだとてもそんな余裕を持てない頃から扱わせていただいて、飲んで・・美味しいなぁ・・と思っていた訳でして、久しぶりにザンブラゼを飲むと・・
「確かにその頃のレ・ザンブラゼの印象は無くも無いが・・相当にナチュラルな味わいに変化している」
のを感じつつ、その中に昔のベルナールさんのレ・ザンブラゼの面影が「ふっ」と姿を現すものですから・・そんなおセンチな感傷的な自分になってしまったのでしょう。
まず、トマ・モレらしく、ナチュールなニュアンスで残存So2もとても少ないです。その上で危険なニュアンスはゼロ、ふんわりと優しくもスピードあるアロマがナチュラルさを感じさせるにふさわしいですし、柔らかな肉感、フレッシュさを残したマッタリさ、余韻の美しさ・・からの「ふんわりと戻ってくるアロマ」が印象的です。これは基本的に・・トマ・モレには共通しています。

黄色い果実と白い果実がふんわりナチュラルな中でせめぎ合い、石灰石や小石のニュアンス、その要素の中に「熱い熱のカプセル」を沢山持っている感じがこのワインの特徴かな・・と思います。身体全体で「熱」を見せるのではなく、カプセルに包まれた中に熱が存在する・・と言うようなイメージです。
果実感も充分・・ミネラル感も優しい表情ですがしっかり有ります。全てにおいて表情は優しい・・親父さんの頃よりもずっと優しいですが、その分、内側に漲るものを秘めている感じです。
なので、完全に飲み頃になるには少し時間が必要なのでしょうが、今飲んで、飲めなくない・・飲んでも良いタイミングかな・・と思います。
ジャスパー・モリスさんは上値94ポイント、下値91ポイントで、「なるほど・・」と言う感じですね。余り意見が一致することは無いんですが、noisyも比較的近い評価です。きっとジャスパー・モリスさん・・ご機嫌が麗しい時の評価なのかな・・と。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Morgeot
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・モルジョ
【アイテム数は有るものの数が無い1級のテイスティングで選択したのはこのモルジョ!・・何とジャスパー・モリスさんはリアル82号超えの「上値96ポイント」!・・衝撃です!】

いや~・・ビックリしました・・。飲んでビックリ、メディアの評価を見てさらにビックリ!・・です。
noisy 的には、王道系のモルジョでここまで素晴らしいものは、
「久々に飲んだ!」
と・・思っていますし、そもそもリリース直後でここまでポテンシャルが高いとなりますと・・余り記憶に無いな・・と思います。ラモネさんのはもっと硬くて・・時間が掛かるタイプですし、デュック・ド・マジェンタ(クロ・ド・ラ・シャペル)は味わい的には近いけれどもっと大らかでここまで緻密では無い・・ん~・・近いのは誰だろうと思うとやはりデュックかな・・と。あの大らかさをやや緻密に持って行き、ふんわり感とオイリーさを増大するとこんな感じかもしれない・・などと思いながらテイスティングしていました。
開けたては・・「おっ!」と思わせる気品のあるアロマ・・やや閉じ気味です。グラスを振りながら待つこと15分~20分・・
「・・来た!」
そう・・素晴らしいシャルドネを飲んでいる時って・・そうじゃ無いですが。最初から美味しいと後で閉じるのが怖いし、少し閉じ気味で「じらされて」待ちながら、その瞬間が訪れるのを待つ・・それが結構、ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味だったりします。もっとも、
「・・2時間待ってたと・・」
と五番街のマリーのようになってしまうと・・残念な気持ちにもなってしまいますが・・。

で、そこからは一気に!・・と言いたいところですが、そうは行かないんですね。徐々に・・です。
何せ・・
「ジャスパー・モリス氏、上値96ポイント!」
ですからね。1級モルジョの点数じゃない・・って言ってしまえばそれっきりでは有りますが、リアル82号の2021年ものの上値に1ポイント積み上げただけでもあります。
クシャっと凝縮していた、少しビターでテクスチュアがザラっとしていた酸やミネラルの集合体がバラけ始めたようです。それまではまだ凝縮していて、蜜っぽくて、果実はオイリーさに隠れていたものが膨らみ始めます。黄色や白、ほんのり赤とか橙とかに色付いた花や果実、細い糸を撚り合わせたようなイメージが脳裏に浮かんできます。やや筋肉質のようでもあり、植生物の細い緑の糸のようでも有ります。完全には開き切らないものの、その多大なポテンシャルの一画だけを膨らませて感じさせてくれたのでしょう・・。
色合いも2021年ものとはだいぶ異なります。黄色みが強く、非常に詰まっているように・・見えないでしょうか。
まぁ・・96ポイント有るかどうかまでは言わないにせよ、少なくとも95ポイント分有るのは意外にも簡単に感じられるんじゃないでしょうか。
ジャスパーさんがここまで付けるとは思っていませんでしたが、それにしてはバタールとそこまでポイントが変わらないと言うのが・・ジャスパーさんらしいっちゃらしいですよね。
余計なことでは有りますが面白さ、楽しさを増してくれたんじゃないかと思っています。リーズナブルな価格で96ポイント!・・100ポイント満点が余り出ないのが白ワインですが、ここまで評価が高い1級シャルドネも珍しいんじゃないかと思います。ご検討くださいませ!
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【リアルワインガイド第82号は、今飲んで94 ポテンシャル95 飲み頃予想 今~2048 と史上最高です!】
入荷は3本です。因みにバーガウンドは92ポイントと低調ですが、これもハートマークが付いています。ジャスパーさんは2020年の92~94ポイントから91~94ポイントと・・やっぱり良く判らない感じです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【この1級モルジョだけは結構にナチュールを感じさせます!】
ジャスパー・モリスさんの評価を見て、ちょっと驚きました・・まぁ、以前も同じようなことを書いた記憶が有りますが、この2020年の1級モルジョは、
「結構にナチュールしてる仕上がり!」
だったんですね。
まぁ、葡萄の造りがナチュール・・と言うよりもSo2の少なさ故の仕上がり感が、現時点でそれなりに感じられるからです。
そもそもモルジョは沢山のリューディがありますが、そこそこに粘土系の味わいが深く入って来ますから、ムルソーの粘土のしっかりしたヴォルネイよりのニュアンスを含みつつも、シャサーニュらしい質感の良い、心地良い軽さを感じさせてくれるものです。
その上でこのワインに92~94と結構な評価をされているので、
「・・ジャスパーさん、この手もOKなんだ・・」
と言うような驚きが有った訳です。

黄色いフルーツとしなやかな自然なアロマ、石と粘土のなせる深めのアロマがします。
口に含むと鈍重さのない、わずかにフレッシュなノーズと、少しマッタリしたオイリーさを感じます。中域も適度に膨らんでくれ、ちょっとサンズ・ナチュールっぽい仕上げで、でも僅かに揮発酸が出た感じがします。・・ここはほんの少しなので、おそらく気付かれる方は非常に少ない・・そんなレベルです。
むしろこの揮発酸、揮発菌が動いた感じがこのワインをそれなりに複雑な味わいの構成にしていまして、今回テイスティングさせていただいた2020年のトマ・モレのアイテムの中では「異質」に感じました。
まぁ・・でもここは余り問題にはならないと思いますが、念のため・・
「ナチュールに違和感を持たれている方はこのワインは外すべき」
で有って、
「ナチュール感のしっかり有る上質なブルゴーニュ・シャルドネを求めている方は絶対に飲んでみるべき」
なワインだと言えます。
黄色いフルーツには、非常にフレッシュな部分と、新鮮ながら熟した部分がほとんどですが、僅かにドライフルーツ的要素も入って来ています。様々な見方のできる面白い高質なブルゴーニュ・シャルドネです。ご検討くださいませ。
● 2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru Vide Bourse
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ヴィド・ブルス
【プティ・バタール=モンラッシェだとジャスパーさんが言うヴィド・ブルス!入荷量は昨年2021年ものの2倍!・・2本ですが・・】
バタール=モンラッシェの真下、クリオ=バタール=モンラッシェのはす向かいの小さな区画、1級ヴィド・ブルス・・滅茶貴重なワインです。
収穫が多い年で5樽、少ないと2~3樽でしょう。
下にも書いてあると思いますが、昔はここは・・バタール=モンラッシェでした。そして昔はバタール=モンラッシェと言っても、とてもじゃないが1級格にも認定したくない・・そうINAO が思うようなワインが一杯だったそうです。
なので、今のバタール=モンラッシェの下の部分は軒並みグラン・クリュから外されたんですね・・
あ、正確に書いておきましょうか。1860年の格付けでは、今のヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェの上のラインまでが・・その頃の最高格である第1級、ヴィアンヴニュ以下(東、下)は第2級。
1939年の原産地呼称決定前までは、バタール=モンラッシェを名乗れたのは、
・バタール
・レ・クリオ
・ビアンヴニュ
・ブランショ・ドス
・レ・アンスニエール
・ヴィド・ブルス
ですが、ヴィド・ブルスは1級に格下げ、ブランショ・ドスとレ・アンスニエールは村名に格下げ・・バタール=モンラッシェを名乗れなくなりました。
なので、1級に留められた貴重な区画がヴィド・ブルスです。因みにブランショ・ドスュと言うル・モンラッシェ真横の区画は1級です。
なので・・ここは収量に気を付け、丁寧な耕作と醸造を行えれば・・
「バタール並み!」
と言える区画です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【なんと・・日本向けアロケーションは60本だけ?・・Noisy wine 向けは1本だけ・・(T.T)】 希少な1/60です。まぁ・・仕方が無いですね。それだけ収穫量が無かったと言うことなのでしょう・・でもその分、A.C.ブルや村名シャサーニュのテイスティングで判ったように、
「トーマ・モレの栽培方法では、2021年のヴィンテージ背景はプラスに作用する」
訳ですから、この・・元バタール=モンラッシェの区画のワインは、相当に凄いことになっているはずだと想像出来ます。
何故か?・・と言いますと、ちょっと面白いんですが・・結構横に拾いバタール=モンラッシェの畑・・ピュリニーとシャサーニュの村に跨っています。
ですが・・そのバタール=モンラッシェの東側下部には・・
「このヴィデ・ブルス(ヴィド・ブルス)以外に1級畑は無い!」
んですね~・・面白いでしょ?・・大したことは無い?・・知ってた?・・あ、そう・・すみません。
まあ・・バタール=モンラッシェのグラン・クリュ格が決まった時に、下部の多くの畑が村名格になった訳です。
ですが・・その時かどうかは知りませんが、ヴィデ・ブルスは1級に格付けされたんですね。
それに、リアルワインガイドの徳丸さんも、
「この畑は自分の中ではグラン・クリュ」
と言っていますから、2021年の収穫減がまた、このワインのポテンシャルを上げていると想像しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【落ちこぼれのバタール=モンラッシェ!・・すぐ飲んでも非常に旨いです!】
なるほど~・・な・・落ちこぼれのバタール=モンラッシェです。
ブルゴーニュのこの辺り、その昔はピュリニーとシャサーニュにまたがる「モンラッシェ」が頂点のテート・ド・キュヴェ、バタール=モンラッシェはプルミエール・キュヴェ(今で言うところの第1級)でした。現在は当然ですが、モンラッシェもバタール=モンラッシェもグラン・クリュです。
まぁ、モンラッシェと優れたバタールは「庶子」と言えるほどのポテンシャルだったので「イコール」で良かった訳ですが、問題は「バタール」でして・・今のバタールの周りの畑もバタールを名乗ったり、腕の良くない造り手もいたことも有って、玉石混交だったんですね。
で、INAO もアペラシオン制定の折、グラン・クリュに「引き上げる部分」と「据え置く部分」に分けた・・そんな感じです。
この「ヴィド・ブルス」がバタールとして出回っていたか・・は今となっては確かめようが有りませんが、一説によると100年前のバタールは巨大な範囲だったようですので・・想像の域は出ませんが、おそらく・・だったのでしょう。
で、飲んでみますと・・トマ・モレらしいナチュラルなニュアンスに、若々しいフレッシュで伸びやかなアロマと、バタールっぽいグイッと押してくるようなパワーのニュアンスがせめぎ合ったアロマ、そして何ともバランスの良い中庸感を持ったボディからの、静かに身体に浸透してくる優しい余韻が非常に心地良かったです。

言ってみれば、
「まさに・・グラン・クリュとは絶対に言いたく無いが、とんでもなく素晴らしい1級!」
で有って、
「イメージ通りのバタールをもっと身近に感じさせてくれるタイプ」
のシャルドネです。
その意味で、95点と言うジャスパー・モリス氏の評価には全く同感・・まぁ、余り一緒の評価になることは無いんですが・・、
「押し込んで来すぎないバタール!」
「ケバく無いバタール!」
「飲み易いバタール!」
「疲れないバタール!」
みたいな・・(^^;; 決して孤高の「モンラッシェ」を引き合いに出してこないで済むが、それでもなお、
「ん~・・でもここから離れたくは・・無いなぁ・・」
と思わせる魅力に満ちているワインでした。
その昔ラシーヌさんでやっていた「ダルヴィオ・ペラン」のシャサーニュ1級ブランショ・ドゥーも似たようなニュアンスを持ったワインでした。もっともダルヴィオ・ペランの方がもっと金属的でしたから、バタールと言うよりはモンラッシェをイメージする感じだったと記憶しています。まぁ、バタールでも金属的な部分を押してくるタイプがあるので、一概には言えないんですけどね。
素晴らしい味わいでした!ナチュール過ぎず、でもSo2の残存も少なく・・美味かったです。飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2022 Bourgogne Chardonnay
ブルゴーニュ・シャルドネ
【トーマ・モレの2022年シャルドネは素晴らしい出来!まさに王道のブルゴーニュ・シャルドネの味わいにナチュラルなアプローチ由来のふんわり感と伸びやかさが特徴。今でもめちゃ楽しめます!】

素晴らしかった2021年ものをしっかり上書きして来た2022年もののトーマ・モレのA.C.ブルです。
2021年ものは涼やかな中にもしっかりとした果実の風味、エキスの充実した味わいが有り、
「2021年はけっしてオフでは無い!」
と、飲む者に強い印象を与えたと思います。
2022年ものは、ある種の「完璧さ」を感じさせる見事な出来栄えで、ポイント付けをするならば2021年ものを上回ることは間違い在りません。ただし、ジャスパー・モリスさんは2022年ものの一連のトーマ・モレのキュヴェに対し、非常に高い評価をしていますが、A.C.ブルに関しては例のごとく「87 Points」・・だったか・・まるで見る気を感じさせない評点でしたので、彼のこのワインに対する評点は敢えて載せていません。
この2022年ものA.C.ブルですが、総合評価で2021年ものを上回るのは間違いなく、2021年ものの・・どこかシャサーニュっぽいニュアンス・・いや、シャサーニュ村のA.C.ブルの畑がほとんどであることは間違いないとしても、涼やかでややリッチでゴージャス感さえ有った味わいから、
「むしろムルソー的なハードなミネラリティを加えたかのような、さらに本格的なブルゴーニュ・シャルドネの姿!」
になっているのが印象的です。
とは言え、ムルソー風のニュアンスも、ムルソーバリバリな姿と言うのではなく、あの硬さが特徴のムルソー中央西の畑のニュアンスを30~40%ほど含んでいる感じで、そこにシャサーニュ3~4割、ピュリニー2~3割と言うようなバランスに思います。

甘く無く、ドライですが果実感もしっかり、柑橘のフルーツを感じさせてくれます。中盤以降には、ビターな味わいを含んだ拡がりの大きいパレットを感じさせつつ、やや粘り、蜜っぽさもほんのりと感じさせながら、ややグラマラスに膨らみつつ、口蓋、舌の感覚器官を優しく刺激、膨張しながらマッタリとした長い余韻で消えて行きます。
存在感のあるボリューミーな味わいですが、野暮ったく無く、またこれ見よがしな部分も無く、しっとりとしています。
まぁ・・noisyですと、87点とかと言う評点は全く脳裏にも浮かびもしない見事な出来栄えに感じますし、
「これぞブルゴーニュ・シャルドネ、コート・ド・ボーヌのシャルドネの醍醐味だろう!」
と言いたくなります。
2022年もののトーマ・モレのキュヴェは、今回3アイテムのテイスティングに留まりました。しかしテイスティング出来たどのキュヴェも、
「過去最高・・だろう!」
と言って間違いなく、そこから・・飲めなかったキュヴェを想像した場合にも、同様に相当素晴らしいだろうと思っています。
何せ、そのA.C.ブル87点のジャスパーさんは、ワンランク上の村名シャサーニュに「90~93 Points」としている位ですから・・その上値の93ポイントと87ポイントの差の大きさが、まったく理解不能・・なんですね。
2022年のトーマ・モレのA.C.ブル、今飲んで良し、5~8年寝かせても良しです。めっちゃ美味しいです!過去最高間違い無し!・・是非飲んでみてください。価格も頑張っています。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【2021年トーマ・モレはA.C.ブルで充分!・・ブルゴーニュ・シャルドネの王道の美味しさを、感激を持って味わえるでしょう!】
はっきり言ってしまえば、2020年もののトーマ・モレのこのワインのコラムの文章と・・余りに「熱の入りよう」が違うのは・・隠しようがありませんので・・隠しません・・(^^;;
noisy的な意識を簡単に言うなら・・
「トーマ・モレがここまで出来るとは・・」
と・・ビックリしている訳です。
もう、何の文句も無いほど、ブルゴーニュ・シャルドネの王道の味わいです。ピュリニー的でもあり、シャサーニュ的でも・・あり、ブルゴーニュの高質シャルドネに必要不可欠とも言える緊張感さえ・・感じさせてくれます。かと思えば、ゴージャスだよなぁ・・と思えるようなブリッブリの果実が有りつつも、決して雑な姿をさらけ出しもしません。
格的にはまったく村名並みの仕上がりでして、1級やグラン・クリュのように、キッチリ洗練されている訳では無い・・その表情が幾分おおらかである・・と言うだけです。
いや・・これが毎年出来るなら、トーマ・モレはトップ・スターになったと言えるほどなのですが、2021年と言う収穫量がどうにもならなかったヴィンテージが、葡萄の実の一粒一粒を濃密にさせた・・もしくは、その余りの実の少なさに葡萄の樹自身の自己防衛本能が目覚め、その少ない実を異常に充実させたのかもしれません。

もしそうだとしますと、あの・・もはや時代の寵児となったユベール・ラミーが膨大な努力の元に行っている、
「超密植!」
と同様の効果を、ヴィンテージの特色と言う協力のもとに・・行ってしまったのかもしれません。
ですから、トーマ・モレがトップ・スターになったかどうかはまだ未定としか言うしかなく、ただ2022年と言うグレートイヤー予測の凄い年と、今年の2023年ヴィンテージがどうなるか判りませんが、この先2年の結果においては、そんな予想が当たるかもしれない事態になるかもしれません。
そもそもユベール・ラミーにしても、noisy としては素晴らしいワインを造るようになったし、この先もそのシャルドネワインの密度は上がって行くだろうから将来も楽しみ・・と言うことで、扱わせていただいていた訳でして、でも決して、100ポイントを連発するような凄いドメーヌになると思っていた訳じゃないんですね。
この2021年ヴィンテージの恩恵をトーマ・モレがこの先に生かせるかどうか・・占うためには、この「きっかけとなった2021年のトーマ・モレ」を知っておいて損は無いでしょう。
今飲んでも充分旨いです。リアルワインガイド第82号では、
「ドメーヌを訪問して以来、おそらく最高の仕上がり」
と編集長もそのようなことを書かれていますし、トーマ・モレ自身も、
「19年や16年は完熟感が有ってリッチだが、個人的には21年が上手く行ったと思っている」
との言葉で締めくくっています。
飲んでみるべきでしょう?・・素晴らしい仕上がりです。激!・・お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【旨いです!・・取り合えずトマ・モレを知るには良い1本!ブルゴーニュ・シャルドネの新機軸の一人でしょうか!】
色々有りましてしばらくやってなかったので・・でも、流石に見過ごせなくなって来たかなぁ・・と思って飲んでみたら・・滅茶美味しかった!
しかも、やはり最近の流れなんでしょう・・とてもしなやかで柔らか・・優しくてふんわり・・ミネラリティも「ガツン」と来るんじゃなくて、しっかり存在しているのに、
「それをそうは見せない」
つまり、ビオの流れに乗っている高貴なブルゴーニュ・シャルドネなんですね。
色合いも実に健全。美しいでしょう?・・
でもね・・結構に「自然派」してます。でも・・滅茶苦茶健全で健康的、高級シャルドネの深い味わいを持っていながら、余分な味わい・・例えば樽の要素ですね・・そのようなものは出来る限り排除しているように感じます。

そして、トマ・モレらしいのは・・
「フレッシュな・・ある種の爽快感のある高級シャルドネのフレーヴァー」
が、良く熟した果実の美味しさと共に存在していことです。
安易な言い方ですが、例えばシャンパーニュのコート・デ・ブランの高質なブラン・デ・ブランのアロマって、ある種独特で、凄く心地良いじゃないですか。
「あんな香りのようなアロマが出るブルゴーニュ・シャルドネって飲んだこと有ります?」 そうですね・・言ってみれば「ルーロ」かな・・(^^;; まぁ、全体のタッチはだいぶ違うんですが、アロマの種から言うと近いと思います。しかもルーロと違って柔らかで優しい・・それがトマ・モレの2020年のA.C.ブル!・・旨いです!是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
● 2022 Batard-Montrachet Grand Cru
バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ
【なんと、モルジョよりも幾分低い評価の・・バタール=モンラッシェ!・・そりゃいくら何でも無いでしょう。】
今まで何度も言っているので耳タコだと思うんですが、シャルドネの狸寝入りはホント..キツイです。ダンマリを決め込んでしまうと1日や2日、何も出て来ない・・下手をすると硬いだけ・・まだ塩を舐めている方が楽しいんじゃないかとさえ思えるほど、
「ウンともスンとも言わない」
訳ですね。
なのでそんな時に当たってしまって評価するテイスターは気の毒では有ります。きっと、
「モルジョはポテンシャルを漏れさせていて、バタールは貝になっていた」
と・・そう思います。
特にモンラッシェとの境を接する部分のバタールは、まさに「バタール(私生児・・モンラッシェの)」であり、緊張感を持ちつつも豪奢なスタイルを見せてくれます。
まぁ・・飲めないのであくまで想像です。希少なワイン・・ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイドは過去最高点?・・10年寝かせましょうとのことです。】
バタールとか、モンラッシェとか・・ずいぶん飲みましたが・・いや・・難しいワインです。飲み方を間違えると、何も出て来ない・・。でも品格だけは感じることが出来る・・そんな感じでしょうか。
シャルドネの狸寝入りには、noisy も随分と悩まされたものです。若いうちはそれでも・・6時間とか・・酷い時は10時間以上も飲み続けていましたから、早い段階で開けたシャルドネが眠り込んでいたとしても、
「・・おっ?・・・何かのボトルから物凄い香りがし始めたぞ!」
なんて・・ね。
そんなシュチュエーションは何度も有った訳です。今じゃぁ・・そんな体力は元より、その頃は平気で開けていたワインでさえ、価格を考えると渋ってしまう・・そんなケチな心象になってしまっています・・と言うか、それでもテイスティングで5万円以上のワインを開けたりすると、決まって後で・・
「・・本当に開けちゃうんだもんな~・・」
と、仲間から言われますが、そこは虚勢を張って、
「・・いや~・・飲まなきゃ判らないでしょ!」
と、決して取り返すことが出来ないマイナスの大きさにビビリ始める訳ですね。
リアルワインガイド第82号は上値で97+ポイントです。飲み頃は10年後から・・と言っています。
まぁ、何度も名前を出して申し訳ありませんが、ユベール・ラミーもこの位の海外メディア評価が続いた後、
「・・今年もまた98点止まりか・・」
と残念に思った・・後で、100ポイントに修正された情報が入って喜んだものの・・余りの価格と人気の暴騰に辟易するようになってしまいましたが・・でも、
「オリヴィエ!・・良かったね・・!」
と、きっとお会い出来たら・・伝えるでしょう。
この先2年・・トーマ・モレの真価が問われるヴィンテージが続きます。もしかしたら・・今の内なのかもしれませんし、この2021年のバタール=モンラッシェが彼の代表作になるのかも、エポックな作品になるのかもしれません。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【あのD.R.C.のモンラッシェの元栽培担当が造るバタール=モンラッシェです!】
誰かが飲ませてくれない限り・・もう飲めないでしょう。トマさん、D.R.C.在籍時はモンラッシェの栽培担当と言うことで、相当貴重な経験をされたと思います。
まぁ、だからと言って、D.R.C.のモンラッシェと同等、もしくは相当に近い品質でバタール=モンラッシェを造り上げるのは簡単ではないでしょう。
でも、「バタール」と言うのは「庶子」と言う意味でして、言ってみれば・・「そっくり」に近い意味でしょう?
noisy も、半端無い「バタール=モンラッシェ」を飲んだことも多くあります。反対にちょっとがっかり・・まで行くかどうかは微妙な場合が多いとしても、
「これ・・モンラッシェなの?」
と言いたくなるようなモンラッシェにも何度も出会いました。そのたびに・・飲み頃じゃなかったことを祈ろう・・と言う気持ちになったものです。結果として、モンラッシェは早々飲めませんので回数が少ないのも影響してか、バタールやシュヴァリエの方が感動する機会が多い・・となってしまっているのでしょう。
ジャスパー・モリス氏はこの2020年ものに「上値98ポイント」を付けています。2018年ものには同じように上値「98ポイント」を付けていますが、下値は94ポイントなdので、ジャスパー・モリスさん的には、2020年ものは2018年や2019年ものを凌ぐ最高の出来・・と言う判断かと思います。
まぁ・・この位の評価になりますと、本当に微妙な判断かな・・と思います。是非ご検討くださいませ。希少なワインです。
Jasper Morris - Inside Burgundy
2020年 95~98 Points
2019年 95~97 Points
2018年 94~98 Points
2017年 96 Points
≪歴史≫
シャルドネは、 理想的な状態にあります。シャサーニュ=モンラッシェのコミューンにある2つの区画のうち、 2/3は1950 年に、残りの1/3は1964年に植えられたものが、このキュヴェの原点です。
≪テロワール≫
ここの土壌は茶色の石灰岩で、山頂から降りてきた粘土やシルトが豊富に含まれており、小石がかなりの割合で混じっています。これらの露出した土壌は、十分に多孔質で、水はけがよく、水の流れを促進し、暑くて乾燥した気候で、ブドウの木にとって非常に好ましいものです。
≪テイスティング≫
プルミエ・クリュよりも豊かでしっかりとした味わいの「バタール=モンラッシェ」は、若いうちからその力を発揮します。しかし、寝かせるための代表的なワインであることは間違いありません。太く、肉厚で、ワインらしい、フルボディの Bâtard Montrachet は 、 ハチミツやトースト 、 アーモンドのアロマを噛みしめているかのように感じるほどしっかりしています。 長い年月をかけて初めて花を咲かせることができます。
Domaine HP より抜粋
● 2021 Bourgogne Chardonnay
ブルゴーニュ・シャルドネ
【2021年トーマ・モレはA.C.ブルで充分!・・ブルゴーニュ・シャルドネの王道の美味しさを、感激を持って味わえるでしょう!】

はっきり言ってしまえば、2020年もののトーマ・モレのこのワインのコラムの文章と・・余りに「熱の入りよう」が違うのは・・隠しようがありませんので・・隠しません・・(^^;;
noisy的な意識を簡単に言うなら・・
「トーマ・モレがここまで出来るとは・・」
と・・ビックリしている訳です。
もう、何の文句も無いほど、ブルゴーニュ・シャルドネの王道の味わいです。ピュリニー的でもあり、シャサーニュ的でも・・あり、ブルゴーニュの高質シャルドネに必要不可欠とも言える緊張感さえ・・感じさせてくれます。かと思えば、ゴージャスだよなぁ・・と思えるようなブリッブリの果実が有りつつも、決して雑な姿をさらけ出しもしません。
格的にはまったく村名並みの仕上がりでして、1級やグラン・クリュのように、キッチリ洗練されている訳では無い・・その表情が幾分おおらかである・・と言うだけです。
いや・・これが毎年出来るなら、トーマ・モレはトップ・スターになったと言えるほどなですが、2021年と言う収穫量がどうにもならなかったヴィンテージが、葡萄の実の一粒一粒を濃密にさせた・・もしくは、その余りの実の少なさに葡萄の樹自身の自己防衛本能が目覚め、その少ない実を異常に充実させたのかもしれません。

もしそうだとしますと、あの・・もはや時代の寵児となったユベール・ラミーが膨大な努力の元に行っている、
「超密植!」
と同様の効果を、ヴィンテージの特色と言う協力のもとに・・行ってしまったのかもしれません。
ですから、トーマ・モレがトップ・スターになったかどうかはまだ未定としか言うしかなく、ただ2022年と言うグレートイヤー予測の凄い年と、今年の2023年ヴィンテージがどうなるか判りませんが、この先2年の結果においては、そんな予想が当たるかもしれない事態になるかもしれません。
そもそもユベール・ラミーにしても、noisy としては素晴らしいワインを造るようになったし、この先もそのシャルドネワインの密度は上がって行くだろうから将来も楽しみ・・と言うことで、扱わせていただいていた訳でして、でも決して、100ポイントを連発するような凄いドメーヌになると思っていた訳じゃないんですね。
この2021年ヴィンテージの恩恵をトーマ・モレがこの先に生かせるかどうか・・占うためには、この「きっかけとなった2021年のトーマ・モレ」を知っておいて損は無いでしょう。
今飲んでも充分旨いです。リアルワインガイド第82号では、
「ドメーヌを訪問して以来、おそらく最高の仕上がり」
と編集長もそのようなことを書かれていますし、トーマ・モレ自身も、
「19年や16年は完熟感が有ってリッチだが、個人的には21年が上手く行ったと思っている」
との言葉で締めくくっています。
飲んでみるべきでしょう?・・素晴らしい仕上がりです。激!・・お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【旨いです!・・取り合えずトマ・モレを知るには良い1本!ブルゴーニュ・シャルドネの新機軸の一人でしょうか!】
色々有りましてしばらくやってなかったので・・でも、流石に見過ごせなくなって来たかなぁ・・と思って飲んでみたら・・滅茶美味しかった!
しかも、やはり最近の流れなんでしょう・・とてもしなやかで柔らか・・優しくてふんわり・・ミネラリティも「ガツン」と来るんじゃなくて、しっかり存在しているのに、
「それをそうは見せない」
つまり、ビオの流れに乗っている高貴なブルゴーニュ・シャルドネなんですね。
色合いも実に健全。美しいでしょう?・・
でもね・・結構に「自然派」してます。でも・・滅茶苦茶健全で健康的、高級シャルドネの深い味わいを持っていながら、余分な味わい・・例えば樽の要素ですね・・そのようなものは出来る限り排除しているように感じます。

そして、トマ・モレらしいのは・・
「フレッシュな・・ある種の爽快感のある高級シャルドネのフレーヴァー」
が、良く熟した果実の美味しさと共に存在していことです。
安易な言い方ですが、例えばシャンパーニュのコート・デ・ブランの高質なブラン・デ・ブランのアロマって、ある種独特で、凄く心地良いじゃないですか。
「あんな香りのようなアロマが出るブルゴーニュ・シャルドネって飲んだこと有ります?」 そうですね・・言ってみれば「ルーロ」かな・・(^^;; まぁ、全体のタッチはだいぶ違うんですが、アロマの種から言うと近いと思います。しかもルーロと違って柔らかで優しい・・それがトマ・モレの2020年のA.C.ブル!・・旨いです!是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
● 2021 Chassagne-Montrachet
シャサーニュ=モンラッシェ
【爆旨です!・・史上最高、間違い無し!格上としか感じられない凄いエキスです!】

2020年ものも圧巻の美味しさだった、凄い村名シャサーニュでしたが・・
「2021年ものは涼しい顔をして2020年ものの脇を通り過ぎて行った」
と言いたくなるような・・「爆旨な」出来でした・・。・・いや・・「べらぼうに旨い」と「激旨」は使い古したし・・何か上手い言葉は無いかと・・ふと思った時に、
「激の上は・・爆?・・そんな訳はないよな・・ん?爆旨?・・」
みたいな軽い感じで使用してみました。だって・・すっごい美味いんですから・・造語でもしないと読んでもらえないかと・。
そもそも、なんで上級キュヴェは下級よりも美味しいか?・・と言いますと・・結構簡単です。
「畑の格で収穫量の制限があるから」
です。
広域A.C.ブルは緩く、村名はそれよりも厳しく、1級畑は厳しく、グラン・クリュは滅茶厳しい・・つまり、格が上昇すると収量を抑えなくてはいけないんですね。
ですが通常は・・ブルゴーニュの畑のヒエラルキーのトップは、ほぼ・・そのような制限をしなくても、畑が勝手にやってくれる・・と言うことになっていまして、グラン・クリュは特に何もしなくても30hL/h以下にしてくれるそうです。最も、そうならない畑も当然あるでしょうから、その畑の個性を知っていれば、芽掻きやグリーンハーヴェストなどで対応する訳です。

トーマ・モレは基本、1級畑の葡萄を格落ちで対応しているようですが、
「2021年は、さらに収穫制限をしたのと同様の結果になって・・しまった!」
ことこそが、この・・
「不滅の2021年村名シャサーニュ=モンラッシェを生んだ!」
と言えるかもしれません。
もはや・・このワインはシャサーニュなのだろうか?・・と思えるようなゴージャスさを含み、しかもその表情は精緻さと上品さを持っています。非常に複雑でもあり、上級クラスのシャルドネが見せる姿の「模倣」をも感じさせてくれるんですね。
ですから・・このような半端無い出来のシャルドネに出会えば、どんなに
「ピノ・ノワールにしか興味が無い!」
と豪語していたとしても・・前言撤回せずにはいられなくなってしまうはずです。
A.C.ブルのコラムにも書かせていただきましたが、2021年のトーマ・モレは凄い仕上がりです。どのワインでも良いと思います。飲んでみてください。「爆」お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【べらぼうに旨いです!ブルゴーニュ・シャルドネの究極の未来の姿のひとつ・・かもしれません!】
素晴らしいと思いました!・・こりゃぁ・・美味い!・・と素直に思える見事な味わいです。
このフレッシュさを残した滑らかなオイリーさの中に、シャサーニュらしいしっとりさとクラスを超えて来ているような質感の高さを実現しています。
おそらくとてもナチュラルな味わいなんですが、クラシックなシャルドネ好きが飲み手でも、このソフトでスムースな美味しさを肌で感じると、そのナチュラルさが好きになってしまう・・そんな気になってしまうと思うんですね。
なので、柑橘が仄かにかおり、果実もしっかり・・そこからしなやかで緻密なミネラリティからの表情がたまらないと思うんですよ。
あの・・あのジャスパー・モリスさんがですよ!・・
「なんと上値93ポイント!」
と・・おそらく彼の村名ワインに対する最高のポイントじゃないかと思うんですが、そんなに高い評価をしているんですね・・。

色合いも最高です。透明感が有って、硬質そうに見える中に柔らかささえ見えて来るような外観です。
村名ですが・・1級の格落ちとして、ヴィデ・ブルスをブレンドしているようですが・・これが相当効いているんじゃないかと。ヴィデ・ブルスはそれなりの価格ですが質も良く・・反対に言えば、
「ヴィデ・ブルスの質を高めるためにしたことが村名シャサーニュの品質を大きく上げる結果に!」
なっているのかな?・・と想像しています。
これ、最高に旨いです・・でもまぁ・・
「飲みたいけど・・そこまでは出せないよ」
とおっしゃる方には、A.C.ブルも似たようなニュアンスで、トマ・モレのスタイルをしっかり感じられますので・・飲んでみて下さい。価格も頑張っていますので是非よろしくお願いします!超お勧めです!
● 2021 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chenevottes
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・シュヌヴォット
【昨年の2020年ものを仕入れたアイテムのみ、オファーをいただきました・・本当に少ないです!・・3本だけ。】
リアルワインガイド第82号は93+~94+です。凄い評価ですね・・もはや、これ以下のグラン・クリュさえ存在していることになる評点のゾーンです。
因みに厳しいので有名なバーガウンドのアレン・メドゥズさんは92ポイントにハートマークが付いています。ジャスパー・モリスさんは91~93ポイントでした。例によって・・ジャスパーさんは、村名とA.C.ブルの評価もしていましたが、余りに何も見えていない感じの評価だったので、敢えて掲載しませんでした。
2020年も美味しかったですけどね・・2021年ものは間違いなく、超えて来るでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【数あるトマ・モレの1級群で、もっとも早くから美味しく、トマ・モレらしさを感じられるのがこれです!】
これは実に良いです!・・トマ・モレらしい若々しくフレッシュなノーズに、ほんのりとマッタリしたオイリーな深いニュアンスが混じり、ふくよかで柔らかな適度な肉厚を感じる中域から、しなやかで非常に長い・・実に良い感じの余韻に流れて行きます。
還ってくるノーズもまた新鮮さと適度な熟を得たフルーツとソフトで緻密なミネラリティ・・溜まりませんね・・。A.C.ブルも、村名シャサーニュも同様なニュアンスなんですが、
「やはり流石は1級!」
と思わせる質感が見事です。
このレ・シュヌヴォットは本当にあの「ル・モンラッシェ」のすぐ近く・・毎日その偉大な畑の様子を目の前で拝むことが可能なロケーションです。
さりとてあの偉大な「ル・モンラッシェ」同様のニュアンスを感じるか?・・と聞かれたとしたら・・
「・・残念ながら・・例え有ったとしても微細・・」
と答えるしかない・・んですね。

しかしこのレ・シュヌヴォット、跪いて飲まずに良いので・・(^^;; その真逆とも言うべき、
「おおらかさ」
の中の素晴らしい質感こそが、このワインの魅力なんですね。
言ってしまえば、あの素晴らしい「アン=ルミイィ」も、サン=トーバンとシャサーニュの「ダン・ド・シアン」もすぐ目の前・・と言うロケーションで、全く異なる「近しく高い質感」を見せる訳ですから、実に面白い存在の1級だと思うんですね。しかも、ちゃんと「トマ・モレ」を感じさせてくれます。
ジャスパー・モリスさんも上値93ポイントで、しっかり評価されています。まぁ・・村名シャサーニュの評価は滅茶高いのに、A.C.ブルがイマイチなのが全く判りませんが!
飲んでみていただきましたら、
「トマ・モレが受ける訳」
を知ることが出来ると思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!
● 2021 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Morgeot
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・モルジョ
【リアルワインガイド第82号は、今飲んで94 ポテンシャル95 飲み頃予想 今~2048 と史上最高です!】
入荷は3本です。因みにバーガウンドは92ポイントと低調ですが、これもハートマークが付いています。ジャスパーさんは2020年の92~94ポイントから91~94ポイントと・・やっぱり良く判らない感じです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【この1級モルジョだけは結構にナチュールを感じさせます!】
ジャスパー・モリスさんの評価を見て、ちょっと驚きました・・まぁ、以前も同じようなことを書いた記憶が有りますが、この2020年の1級モルジョは、
「結構にナチュールしてる仕上がり!」
だったんですね。
まぁ、葡萄の造りがナチュール・・と言うよりもSo2の少なさ故の仕上がり感が、現時点でそれなりに感じられるからです。
そもそもモルジョは沢山のリューディがありますが、そこそこに粘土系の味わいが深く入って来ますから、ムルソーの粘土のしっかりしたヴォルネイよりのニュアンスを含みつつも、シャサーニュらしい質感の良い、心地良い軽さを感じさせてくれるものです。
その上でこのワインに92~94と結構な評価をされているので、
「・・ジャスパーさん、この手もOKなんだ・・」
と言うような驚きが有った訳です。

黄色いフルーツとしなやかな自然なアロマ、石と粘土のなせる深めのアロマがします。
口に含むと鈍重さのない、わずかにフレッシュなノーズと、少しマッタリしたオイリーさを感じます。中域も適度に膨らんでくれ、ちょっとサンズ・ナチュールっぽい仕上げで、でも僅かに揮発酸が出た感じがします。・・ここはほんの少しなので、おそらく気付かれる方は非常に少ない・・そんなレベルです。
むしろこの揮発酸、揮発菌が動いた感じがこのワインをそれなりに複雑な味わいの構成にしていまして、今回テイスティングさせていただいた2020年のトマ・モレのアイテムの中では「異質」に感じました。
まぁ・・でもここは余り問題にはならないと思いますが、念のため・・
「ナチュールに違和感を持たれている方はこのワインは外すべき」
で有って、
「ナチュール感のしっかり有る上質なブルゴーニュ・シャルドネを求めている方は絶対に飲んでみるべき」
なワインだと言えます。
黄色いフルーツには、非常にフレッシュな部分と、新鮮ながら熟した部分がほとんどですが、僅かにドライフルーツ的要素も入って来ています。様々な見方のできる面白い高質なブルゴーニュ・シャルドネです。ご検討くださいませ。
● 2021 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Embrazees
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ザンブラゼ
【リアルワインガイド第82号はこちらもモルジョ同様、今飲んで94 ポテンシャル95 今~2048 と、1級畑の最上、グラン・クリュに匹敵するような評価です!】
2020年ものはテイスティングで山ほど開けているトーマ・モレですが、2021年で飲めたのはたった2本・・まぁそれでも2021年のトーマ・モレの出来が半端無かったことによって、それで済みましたが・・もし・・もしですよ?・・
「もしA.C.ブルと村名シャサーニュのテイスティングで今ひとつ納得出来なかったら・・どうしただろうか?」
と考えると・・寒気がして来ます・・。
まぁ・・インポーターさんも様々なスタイルが有って、また昨今は新たなスタイルに取り組んで変化している会社も有ります。noisy としますと、やはりnoisy のスタイルを理解していただいていらっしゃるインポーターさんとは上手く行っていると思うんですが、口先だけ・・その時の重要な話しの内容とは関係なく、理解しているフリだけだな・・と感じてしまうと・・ね。
2021年はとんでもなく少ないですが、2022年は量も出来も相当良さそうでして、近年稀に見る出来とのことですから・・色々な意味で楽しみではあります。
こちらはリアルワインガイド第82号では、全くモルジョ同様の評価でした。モルジョは比較的柔らかで、早く美味しくなるスタイルですが、こちらのレ・ザンブラゼは幾分硬質なスタイルで、リリース直後は大抵・・ちょっとスレンダーです。ですが2021年はおそらく、早いうちから美味しいんじゃないかと想像しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【内に秘めたパワーとナチュラルな味わいの共存。心を惹かれる見事な味わいです。】
本当に久しぶりの「レ・ザンブラゼ」です。ちょっと昔を思い出してしまって・・シンミリしてしまいました。
noisy もベルナール・モレさんのレ・ザンブラゼが大好きで、事あるごとに仕入れていました。まぁ・・今のように、
「一人の造り手のワインのほぼすべてのアイテムを一挙にご紹介!」
なんてできない時代・・と言いますか、もっとずっと「のんびり」していた時代です。勿論、ワイン一筋で行きたいけれど、まだとてもそんな余裕を持てない頃から扱わせていただいて、飲んで・・美味しいなぁ・・と思っていた訳でして、久しぶりにザンブラゼを飲むと・・
「確かにその頃のレ・ザンブラゼの印象は無くも無いが・・相当にナチュラルな味わいに変化している」
のを感じつつ、その中に昔のベルナールさんのレ・ザンブラゼの面影が「ふっ」と姿を現すものですから・・そんなおセンチな感傷的な自分になってしまったのでしょう。
まず、トマ・モレらしく、ナチュールなニュアンスで残存So2もとても少ないです。その上で危険なニュアンスはゼロ、ふんわりと優しくもスピードあるアロマがナチュラルさを感じさせるにふさわしいですし、柔らかな肉感、フレッシュさを残したマッタリさ、余韻の美しさ・・からの「ふんわりと戻ってくるアロマ」が印象的です。これは基本的に・・トマ・モレには共通しています。

黄色い果実と白い果実がふんわりナチュラルな中でせめぎ合い、石灰石や小石のニュアンス、その要素の中に「熱い熱のカプセル」を沢山持っている感じがこのワインの特徴かな・・と思います。身体全体で「熱」を見せるのではなく、カプセルに包まれた中に熱が存在する・・と言うようなイメージです。
果実感も充分・・ミネラル感も優しい表情ですがしっかり有ります。全てにおいて表情は優しい・・親父さんの頃よりもずっと優しいですが、その分、内側に漲るものを秘めている感じです。
なので、完全に飲み頃になるには少し時間が必要なのでしょうが、今飲んで、飲めなくない・・飲んでも良いタイミングかな・・と思います。
ジャスパー・モリスさんは上値94ポイント、下値91ポイントで、「なるほど・・」と言う感じですね。余り意見が一致することは無いんですが、noisyも比較的近い評価です。きっとジャスパー・モリスさん・・ご機嫌が麗しい時の評価なのかな・・と。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2021 Chassagne-Montrachet 1er Cru Vide Bourse
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ヴィド・ブルス
【なんと・・日本向けアロケーションは60本だけ?・・Noisy wine 向けは1本だけ・・(T.T)】
希少な1/60です。まぁ・・仕方が無いですね。それだけ収穫量が無かったと言うことなのでしょう・・でもその分、A.C.ブルや村名シャサーニュのテイスティングで判ったように、
「トーマ・モレの栽培方法では、2021年のヴィンテージ背景はプラスに作用する」
訳ですから、この・・元バタール=モンラッシェの区画のワインは、相当に凄いことになっているはずだと想像出来ます。
何故か?・・と言いますと、ちょっと面白いんですが・・結構横に拾いバタール=モンラッシェの畑・・ピュリニーとシャサーニュの村に跨っています。
ですが・・そのバタール=モンラッシェの東側下部には・・
「このヴィデ・ブルス(ヴィド・ブルス)以外に1級畑は無い!」
んですね~・・面白いでしょ?・・大したことは無い?・・知ってた?・・あ、そう・・すみません。
まあ・・バタール=モンラッシェのグラン・クリュ格が決まった時に、下部の多くの畑が村名格になった訳です。
ですが・・その時かどうかは知りませんが、ヴィデ・ブルスは1級に格付けされたんですね。
それに、リアルワインガイドの徳丸さんも、
「この畑は自分の中ではグラン・クリュ」
と言っていますから、2021年の収穫減がまた、このワインのポテンシャルを上げていると想像しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【落ちこぼれのバタール=モンラッシェ!・・すぐ飲んでも非常に旨いです!】
なるほど~・・な・・落ちこぼれのバタール=モンラッシェです。
ブルゴーニュのこの辺り、その昔はピュリニーとシャサーニュにまたがる「モンラッシェ」が頂点のテート・ド・キュヴェ、バタール=モンラッシェはプルミエール・キュヴェ(今で言うところの第1級)でした。現在は当然ですが、モンラッシェもバタール=モンラッシェもグラン・クリュです。
まぁ、モンラッシェと優れたバタールは「庶子」と言えるほどのポテンシャルだったので「イコール」で良かった訳ですが、問題は「バタール」でして・・今のバタールの周りの畑もバタールを名乗ったり、腕の良くない造り手もいたことも有って、玉石混交だったんですね。
で、INAO もアペラシオン制定の折、グラン・クリュに「引き上げる部分」と「据え置く部分」に分けた・・そんな感じです。
この「ヴィド・ブルス」がバタールとして出回っていたか・・は今となっては確かめようが有りませんが、一説によると100年前のバタールは巨大な範囲だったようですので・・想像の域は出ませんが、おそらく・・だったのでしょう。
で、飲んでみますと・・トマ・モレらしいナチュラルなニュアンスに、若々しいフレッシュで伸びやかなアロマと、バタールっぽいグイッと押してくるようなパワーのニュアンスがせめぎ合ったアロマ、そして何ともバランスの良い中庸感を持ったボディからの、静かに身体に浸透してくる優しい余韻が非常に心地良かったです。

言ってみれば、
「まさに・・グラン・クリュとは絶対に言いたく無いが、とんでもなく素晴らしい1級!」
で有って、
「イメージ通りのバタールをもっと身近に感じさせてくれるタイプ」
のシャルドネです。
その意味で、95点と言うジャスパー・モリス氏の評価には全く同感・・まぁ、余り一緒の評価になることは無いんですが・・、
「押し込んで来すぎないバタール!」
「ケバく無いバタール!」
「飲み易いバタール!」
「疲れないバタール!」
みたいな・・(^^;; 決して孤高の「モンラッシェ」を引き合いに出してこないで済むが、それでもなお、
「ん~・・でもここから離れたくは・・無いなぁ・・」
と思わせる魅力に満ちているワインでした。
その昔ラシーヌさんでやっていた「ダルヴィオ・ペラン」のシャサーニュ1級ブランショ・ドゥーも似たようなニュアンスを持ったワインでした。もっともダルヴィオ・ペランの方がもっと金属的でしたから、バタールと言うよりはモンラッシェをイメージする感じだったと記憶しています。まぁ、バタールでも金属的な部分を押してくるタイプがあるので、一概には言えないんですけどね。
素晴らしい味わいでした!ナチュール過ぎず、でもSo2の残存も少なく・・美味かったです。飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2021 Batard-Montrachet Grand Cru
バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ
【リアルワインガイドは過去最高点?・・10年寝かせましょうとのことです。】
バタールとか、モンラッシェとか・・ずいぶん飲みましたが・・いや・・難しいワインです。飲み方を間違えると、何も出て来ない・・。でも品格だけは感じることが出来る・・そんな感じでしょうか。
シャルドネの狸寝入りには、noisy も随分と悩まされたものです。若いうちはそれでも・・6時間とか・・酷い時は10時間以上も飲み続けていましたから、早い段階で開けたシャルドネが眠り込んでいたとしても、
「・・おっ?・・・何かのボトルから物凄い香りがし始めたぞ!」
なんて・・ね。
そんなシュチュエーションは何度も有った訳です。今じゃぁ・・そんな体力は元より、その頃は平気で開けていたワインでさえ、価格を考えると渋ってしまう・・そんなケチな心象になってしまっています・・と言うか、それでもテイスティングで5万円以上のワインを開けたりすると、決まって後で・・
「・・本当に開けちゃうんだもんな~・・」
と、仲間から言われますが、そこは虚勢を張って、
「・・いや~・・飲まなきゃ判らないでしょ!」
と、決して取り返すことが出来ないマイナスの大きさにビビリ始める訳ですね。
リアルワインガイド第82号は上値で97+ポイントです。飲み頃は10年後から・・と言っています。
まぁ、何度も名前を出して申し訳ありませんが、ユベール・ラミーもこの位の海外メディア評価が続いた後、
「・・今年もまた98点止まりか・・」
と残念に思った・・後で、100ポイントに修正された情報が入って喜んだものの・・余りの価格と人気の暴騰に辟易するようになってしまいましたが・・でも、
「オリヴィエ!・・良かったね・・!」
と、きっとお会い出来たら・・伝えるでしょう。
この先2年・・トーマ・モレの真価が問われるヴィンテージが続きます。もしかしたら・・今の内なのかもしれませんし、この2021年のバタール=モンラッシェが彼の代表作になるのかも、エポックな作品になるのかもしれません。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【あのD.R.C.のモンラッシェの元栽培担当が造るバタール=モンラッシェです!】
誰かが飲ませてくれない限り・・もう飲めないでしょう。トマさん、D.R.C.在籍時はモンラッシェの栽培担当と言うことで、相当貴重な経験をされたと思います。
まぁ、だからと言って、D.R.C.のモンラッシェと同等、もしくは相当に近い品質でバタール=モンラッシェを造り上げるのは簡単ではないでしょう。
でも、「バタール」と言うのは「庶子」と言う意味でして、言ってみれば・・「そっくり」に近い意味でしょう?
noisy も、半端無い「バタール=モンラッシェ」を飲んだことも多くあります。反対にちょっとがっかり・・まで行くかどうかは微妙な場合が多いとしても、
「これ・・モンラッシェなの?」
と言いたくなるようなモンラッシェにも何度も出会いました。そのたびに・・飲み頃じゃなかったことを祈ろう・・と言う気持ちになったものです。結果として、モンラッシェは早々飲めませんので回数が少ないのも影響してか、バタールやシュヴァリエの方が感動する機会が多い・・となってしまっているのでしょう。
ジャスパー・モリス氏はこの2020年ものに「上値98ポイント」を付けています。2018年ものには同じように上値「98ポイント」を付けていますが、下値は94ポイントなdので、ジャスパー・モリスさん的には、2020年ものは2018年や2019年ものを凌ぐ最高の出来・・と言う判断かと思います。
まぁ・・この位の評価になりますと、本当に微妙な判断かな・・と思います。是非ご検討くださいませ。希少なワインです。
Jasper Morris - Inside Burgundy
2020年 95~98 Points
2019年 95~97 Points
2018年 94~98 Points
2017年 96 Points
≪歴史≫
シャルドネは、 理想的な状態にあります。シャサーニュ=モンラッシェのコミューンにある2つの区画のうち、 2/3は1950 年に、残りの1/3は1964年に植えられたものが、このキュヴェの原点です。
≪テロワール≫
ここの土壌は茶色の石灰岩で、山頂から降りてきた粘土やシルトが豊富に含まれており、小石がかなりの割合で混じっています。これらの露出した土壌は、十分に多孔質で、水はけがよく、水の流れを促進し、暑くて乾燥した気候で、ブドウの木にとって非常に好ましいものです。
≪テイスティング≫
プルミエ・クリュよりも豊かでしっかりとした味わいの「バタール=モンラッシェ」は、若いうちからその力を発揮します。しかし、寝かせるための代表的なワインであることは間違いありません。太く、肉厚で、ワインらしい、フルボディの Bâtard Montrachet は 、 ハチミツやトースト 、 アーモンドのアロマを噛みしめているかのように感じるほどしっかりしています。 長い年月をかけて初めて花を咲かせることができます。
Domaine HP より抜粋
● 2020 Bourgogne Chardonnay
ブルゴーニュ・シャルドネ
【旨いです!・・取り合えずトマ・モレを知るには良い1本!ブルゴーニュ・シャルドネの新機軸の一人でしょうか!】

色々有りましてしばらくやってなかったので・・でも、流石に見過ごせなくなって来たかなぁ・・と思って飲んでみたら・・滅茶美味しかった!
しかも、やはり最近の流れなんでしょう・・とてもしなやかで柔らか・・優しくてふんわり・・ミネラリティも「ガツン」と来るんじゃなくて、しっかり存在しているのに、
「それをそうは見せない」
つまり、ビオの流れに乗っている高貴なブルゴーニュ・シャルドネなんですね。
色合いも実に健全。美しいでしょう?・・
でもね・・結構に「自然派」してます。でも・・滅茶苦茶健全で健康的、高級シャルドネの深い味わいを持っていながら、余分な味わい・・例えば樽の要素ですね・・そのようなものは出来る限り排除しているように感じます。

そして、トマ・モレらしいのは・・
「フレッシュな・・ある種の爽快感のある高級シャルドネのフレーヴァー」
が、良く熟した果実の美味しさと共に存在していことです。
安易な言い方ですが、例えばシャンパーニュのコート・デ・ブランの高質なブラン・デ・ブランのアロマって、ある種独特で、凄く心地良いじゃないですか。
「あんな香りのようなアロマが出るブルゴーニュ・シャルドネって飲んだこと有ります?」 そうですね・・言ってみれば「ルーロ」かな・・(^^;; まぁ、全体のタッチはだいぶ違うんですが、アロマの種から言うと近いと思います。しかもルーロと違って柔らかで優しい・・それがトマ・モレの2020年のA.C.ブル!・・旨いです!是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
● 2020 Chassagne-Montrachet
シャサーニュ=モンラッシェ
【べらぼうに旨いです!ブルゴーニュ・シャルドネの究極の未来の姿のひとつ・・かもしれません!】

素晴らしいと思いました!・・こりゃぁ・・美味い!・・と素直に思える見事な味わいです。
このフレッシュさを残した滑らかなオイリーさの中に、シャサーニュらしいしっとりさとクラスを超えて来ているような質感の高さを実現しています。
おそらくとてもナチュラルな味わいなんですが、クラシックなシャルドネ好きが飲み手でも、このソフトでスムースな美味しさを肌で感じると、そのナチュラルさが好きになってしまう・・そんな気になってしまうと思うんですね。
なので、柑橘が仄かにかおり、果実もしっかり・・そこからしなやかで緻密なミネラリティからの表情がたまらないと思うんですよ。
あの・・あのジャスパー・モリスさんがですよ!・・
「なんと上値93ポイント!」
と・・おそらく彼の村名ワインに対する最高のポイントじゃないかと思うんですが、そんなに高い評価をしているんですね・・。

色合いも最高です。透明感が有って、硬質そうに見える中に柔らかささえ見えて来るような外観です。
村名ですが・・1級の格落ちとして、ヴィデ・ブルスをブレンドしているようですが・・これが相当効いているんじゃないかと。ヴィデ・ブルスはそれなりの価格ですが質も良く・・反対に言えば、
「ヴィデ・ブルスの質を高めるためにしたことが村名シャサーニュの品質を大きく上げる結果に!」
なっているのかな?・・と想像しています。
これ、最高に旨いです・・でもまぁ・・
「飲みたいけど・・そこまでは出せないよ」
とおっしゃる方には、A.C.ブルも似たようなニュアンスで、トマ・モレのスタイルをしっかり感じられますので・・飲んでみて下さい。価格も頑張っていますので是非よろしくお願いします!超お勧めです!
● 2020 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chenevottes
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・シュヌヴォット
【数あるトマ・モレの1級群で、もっとも早くから美味しく、トマ・モレらしさを感じられるのがこれです!】

これは実に良いです!・・トマ・モレらしい若々しくフレッシュなノーズに、ほんのりとマッタリしたオイリーな深いニュアンスが混じり、ふくよかで柔らかな適度な肉厚を感じる中域から、しなやかで非常に長い・・実に良い感じの余韻に流れて行きます。
還ってくるノーズもまた新鮮さと適度な熟を得たフルーツとソフトで緻密なミネラリティ・・溜まりませんね・・。A.C.ブルも、村名シャサーニュも同様なニュアンスなんですが、
「やはり流石は1級!」
と思わせる質感が見事です。
このレ・シュヌヴォットは本当にあの「ル・モンラッシェ」のすぐ近く・・毎日その偉大な畑の様子を目の前で拝むことが可能なロケーションです。
さりとてあの偉大な「ル・モンラッシェ」同様のニュアンスを感じるか?・・と聞かれたとしたら・・
「・・残念ながら・・例え有ったとしても微細・・」
と答えるしかない・・んですね。

しかしこのレ・シュヌヴォット、跪いて飲まずに良いので・・(^^;; その真逆とも言うべき、
「おおらかさ」
の中の素晴らしい質感こそが、このワインの魅力なんですね。
言ってしまえば、あの素晴らしい「アン=ルミイィ」も、サン=トーバンとシャサーニュの「ダン・ド・シアン」もすぐ目の前・・と言うロケーションで、全く異なる「近しく高い質感」を見せる訳ですから、実に面白い存在の1級だと思うんですね。しかも、ちゃんと「トマ・モレ」を感じさせてくれます。
ジャスパー・モリスさんも上値93ポイントで、しっかり評価されています。まぁ・・村名シャサーニュの評価は滅茶高いのに、A.C.ブルがイマイチなのが全く判りませんが!
飲んでみていただきましたら、
「トマ・モレが受ける訳」
を知ることが出来ると思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!
● 2020 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Morgeot
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・モルジョ
【この1級モルジョだけは結構にナチュールを感じさせます!】

ジャスパー・モリスさんの評価を見て、ちょっと驚きました・・まぁ、以前も同じようなことを書いた記憶が有りますが、この2020年の1級モルジョは、
「結構にナチュールしてる仕上がり!」
だったんですね。
まぁ、葡萄の造りがナチュール・・と言うよりもSo2の少なさ故の仕上がり感が、現時点でそれなりに感じられるからです。
そもそもモルジョは沢山のリューディがありますが、そこそこに粘土系の味わいが深く入って来ますから、ムルソーの粘土のしっかりしたヴォルネイよりのニュアンスを含みつつも、シャサーニュらしい質感の良い、心地良い軽さを感じさせてくれるものです。
その上でこのワインに92~94と結構な評価をされているので、
「・・ジャスパーさん、この手もOKなんだ・・」
と言うような驚きが有った訳です。

黄色いフルーツとしなやかな自然なアロマ、石と粘土のなせる深めのアロマがします。
口に含むと鈍重さのない、わずかにフレッシュなノーズと、少しマッタリしたオイリーさを感じます。中域も適度に膨らんでくれ、ちょっとサンズ・ナチュールっぽい仕上げで、でも僅かに揮発酸が出た感じがします。・・ここはほんの少しなので、おそらく気付かれる方は非常に少ない・・そんなレベルです。
むしろこの揮発酸、揮発菌が動いた感じがこのワインをそれなりに複雑な味わいの構成にしていまして、今回テイスティングさせていただいた2020年のトマ・モレのアイテムの中では「異質」に感じました。
まぁ・・でもここは余り問題にはならないと思いますが、念のため・・
「ナチュールに違和感を持たれている方はこのワインは外すべき」
で有って、
「ナチュール感のしっかり有る上質なブルゴーニュ・シャルドネを求めている方は絶対に飲んでみるべき」
なワインだと言えます。
黄色いフルーツには、非常にフレッシュな部分と、新鮮ながら熟した部分がほとんどですが、僅かにドライフルーツ的要素も入って来ています。様々な見方のできる面白い高質なブルゴーニュ・シャルドネです。ご検討くださいませ。
● 2020 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Embrazees
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ザンブラゼ
【内に秘めたパワーとナチュラルな味わいの共存。心を惹かれる見事な味わいです。】

本当に久しぶりの「レ・ザンブラゼ」です。ちょっと昔を思い出してしまって・・シンミリしてしまいました。
noisy もベルナール・モレさんのレ・ザンブラゼが大好きで、事あるごとに仕入れていました。まぁ・・今のように、
「一人の造り手のワインのほぼすべてのアイテムを一挙にご紹介!」
なんてできない時代・・と言いますか、もっとずっと「のんびり」していた時代です。勿論、ワイン一筋で行きたいけれど、まだとてもそんな余裕を持てない頃から扱わせていただいて、飲んで・・美味しいなぁ・・と思っていた訳でして、久しぶりにザンブラゼを飲むと・・
「確かにその頃のレ・ザンブラゼの印象は無くも無いが・・相当にナチュラルな味わいに変化している」
のを感じつつ、その中に昔のベルナールさんのレ・ザンブラゼの面影が「ふっ」と姿を現すものですから・・そんなおセンチな感傷的な自分になってしまったのでしょう。
まず、トマ・モレらしく、ナチュールなニュアンスで残存So2もとても少ないです。その上で危険なニュアンスはゼロ、ふんわりと優しくもスピードあるアロマがナチュラルさを感じさせるにふさわしいですし、柔らかな肉感、フレッシュさを残したマッタリさ、余韻の美しさ・・からの「ふんわりと戻ってくるアロマ」が印象的です。これは基本的に・・トマ・モレには共通しています。

黄色い果実と白い果実がふんわりナチュラルな中でせめぎ合い、石灰石や小石のニュアンス、その要素の中に「熱い熱のカプセル」を沢山持っている感じがこのワインの特徴かな・・と思います。身体全体で「熱」を見せるのではなく、カプセルに包まれた中に熱が存在する・・と言うようなイメージです。
果実感も充分・・ミネラル感も優しい表情ですがしっかり有ります。全てにおいて表情は優しい・・親父さんの頃よりもずっと優しいですが、その分、内側に漲るものを秘めている感じです。
なので、完全に飲み頃になるには少し時間が必要なのでしょうが、今飲んで、飲めなくない・・飲んでも良いタイミングかな・・と思います。
ジャスパー・モリスさんは上値94ポイント、下値91ポイントで、「なるほど・・」と言う感じですね。余り意見が一致することは無いんですが、noisyも比較的近い評価です。きっとジャスパー・モリスさん・・ご機嫌が麗しい時の評価なのかな・・と。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2020 Chassagne-Montrachet 1er Cru Vide Bourse
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ヴィデ・ブルス
【落ちこぼれのバタール=モンラッシェ!・・すぐ飲んでも非常に旨いです!】

なるほど~・・な・・落ちこぼれのバタール=モンラッシェです。
ブルゴーニュのこの辺り、その昔はピュリニーとシャサーニュにまたがる「モンラッシェ」が頂点のテート・ド・キュヴェ、バタール=モンラッシェはプルミエール・キュヴェ(今で言うところの第1級)でした。現在は当然ですが、モンラッシェもバタール=モンラッシェもグラン・クリュです。
まぁ、モンラッシェと優れたバタールは「庶子」と言えるほどのポテンシャルだったので「イコール」で良かった訳ですが、問題は「バタール」でして・・今のバタールの周りの畑もバタールを名乗ったり、腕の良くない造り手もいたことも有って、玉石混交だったんですね。
で、INAO もアペラシオン制定の折、グラン・クリュに「引き上げる部分」と「据え置く部分」に分けた・・そんな感じです。
この「ヴィデ・ブルス」がバタールとして出回っていたか・・は今となっては確かめようが有りませんが、一説によると100年前のバタールは巨大な範囲だったようですので・・想像の域は出ませんが、おそらく・・だったのでしょう。
で、飲んでみますと・・トマ・モレらしいナチュラルなニュアンスに、若々しいフレッシュで伸びやかなアロマと、バタールっぽいグイッと押してくるようなパワーのニュアンスがせめぎ合ったアロマ、そして何ともバランスの良い中庸感を持ったボディからの、静かに身体に浸透してくる優しい余韻が非常に心地良かったです。

言ってみれば、
「まさに・・グラン・クリュとは絶対に言いたく無いが、とんでもなく素晴らしい1級!」
で有って、
「イメージ通りのバタールをもっと身近に感じさせてくれるタイプ」
のシャルドネです。
その意味で、95点と言うジャスパー・モリス氏の評価には全く同感・・まぁ、余り一緒の評価になることは無いんですが・・、
「押し込んで来すぎないバタール!」
「ケバく無いバタール!」
「飲み易いバタール!」
「疲れないバタール!」
みたいな・・(^^;; 決して孤高の「モンラッシェ」を引き合いに出してこないで済むが、それでもなお、
「ん~・・でもここから離れたくは・・無いなぁ・・」
と思わせる魅力に満ちているワインでした。
その昔ラシーヌさんでやっていた「ダルヴィオ・ペラン」のシャサーニュ1級ブランショ・ドゥーも似たようなニュアンスを持ったワインでした。もっともダルヴィオ・ペランの方がもっと金属的でしたから、バタールと言うよりはモンラッシェをイメージする感じだったと記憶しています。まぁ、バタールでも金属的な部分を押してくるタイプがあるので、一概には言えないんですけどね。
素晴らしい味わいでした!ナチュール過ぎず、でもSo2の残存も少なく・・美味かったです。飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2020 Puligny-Montrachet 1er Cru La Truffiere
ピュリニー=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・ラ・トリュフィエール
【ジャスパー・モリス氏はプルミエ・クリュの上限とも言える上値94ポイント!・・2本のみの入荷でした。】
久しぶりだから飲んでしまおうかとも思ったのですが、
「2020年ものをさっさと消費してしまうのはアホ」
と誰かに言われていたので・・(^^;; 取りあえず残るようなら飲む・・と言うスタンスにしました。そうでなくてもこのトマ・モレ2020年のテイスティングではすでに全部販売しても赤字・・とは言わなくても収支はトントンでしか在りません。
このピュリニーのレ・トリュッフィエールは・・まぁ、大きく丸めて言ってしまえば・・「ガレンヌ」なんでしょう。勿論ですが細かいことを言うと、
「そんなアバウトなことを言うなんて!」
と怒られそうですが、シャン=カネやシャン=ガン等のピュリニーの各畑とブラニー村との境、そしてサン=トーバン村との境がせめぎ合うロケーションですので、そのテロワールの違いを楽しめるのもピュリニー1級ならでは・・かと思います。因みにニーロンさんも「クロ・ド・ラ・トリュッフィエール」をリリースしておりますからご存じの方も多いでしょうが、こちらは「シャサーニュの1級レ・ショーメ」でして、もしこれに同格として比較すべきは、ユベール・ラミーの素晴らしいレ・ショーメでしょう。
いずれにしましてもこの名前、「トリュッフィエール」から連想される高級キノコのニュアンスを、このワインの中から分別して嗅ぎ分けたい・・みたいな飲み方をしてしまうのがブルゴーニュ・シャルドネ・ファンかと思います。まぁ・・noisy は飲めていないので何とも申し上げられません。
ジャスパー・モリス氏は、2018、2019、2020年と続けて91~94ポイントと評価されていらっしゃいます。2017年の92ポイントから上値で2ポイント、ジャンプアップしてからずっと同じです。是非ご検討くださいませ。
● 2020 Batard-Montrachet Grand Cru
バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ
【あのD.R.C.のモンラッシェの元栽培担当が造るバタール=モンラッシェです!】
誰かが飲ませてくれない限り・・もう飲めないでしょう。トマさん、D.R.C.在籍時はモンラッシェの栽培担当と言うことで、相当貴重な経験をされたと思います。
まぁ、だからと言って、D.R.C.のモンラッシェと同等、もしくは相当に近い品質でバタール=モンラッシェを造り上げるのは簡単ではないでしょう。
でも、「バタール」と言うのは「庶子」と言う意味でして、言ってみれば・・「そっくり」に近い意味でしょう?
noisy も、半端無い「バタール=モンラッシェ」を飲んだことも多くあります。反対にちょっとがっかり・・まで行くかどうかは微妙な場合が多いとしても、
「これ・・モンラッシェなの?」
と言いたくなるようなモンラッシェにも何度も出会いました。そのたびに・・飲み頃じゃなかったことを祈ろう・・と言う気持ちになったものです。結果として、モンラッシェは早々飲めませんので回数が少ないのも影響してか、バタールやシュヴァリエの方が感動する機会が多い・・となってしまっているのでしょう。
ジャスパー・モリス氏はこの2020年ものに「上値98ポイント」を付けています。2018年ものには同じように上値「98ポイント」を付けていますが、下値は94ポイントなdので、ジャスパー・モリスさん的には、2020年ものは2018年や2019年ものを凌ぐ最高の出来・・と言う判断かと思います。
まぁ・・この位の評価になりますと、本当に微妙な判断かな・・と思います。是非ご検討くださいませ。希少なワインです。
Jasper Morris - Inside Burgundy
2020年 95~98 Points
2019年 95~97 Points
2018年 94~98 Points
2017年 96 Points
≪歴史≫
シャルドネは、 理想的な状態にあります。シャサーニュ=モンラッシェのコミューンにある2つの区画のうち、 2/3は1950 年に、残りの1/3は1964年に植えられたものが、このキュヴェの原点です。
≪テロワール≫
ここの土壌は茶色の石灰岩で、山頂から降りてきた粘土やシルトが豊富に含まれており、小石がかなりの割合で混じっています。これらの露出した土壌は、十分に多孔質で、水はけがよく、水の流れを促進し、暑くて乾燥した気候で、ブドウの木にとって非常に好ましいものです。
≪テイスティング≫
プルミエ・クリュよりも豊かでしっかりとした味わいの「バタール=モンラッシェ」は、若いうちからその力を発揮します。しかし、寝かせるための代表的なワインであることは間違いありません。太く、肉厚で、ワインらしい、フルボディの Bâtard Montrachet は 、 ハチミツやトースト 、 アーモンドのアロマを噛みしめているかのように感じるほどしっかりしています。 長い年月をかけて初めて花を咲かせることができます。
Domaine HP より抜粋
● 2009 Bourgogne Chardonnay
ブルゴーニュ・シャルドネ
【・・・何故か1本、出て来ました。完熟?・・でしょう・・もしくはピークを少し過ぎているかもしれませんが、飲めないことは無いです。】
出て来たシリーズです。シャルドネの熟成を見てください・・運が良ければ滅茶素晴らしいでしょうし、何か条件が悪ければ・・ピーク超えとしか思えないかもしれません。
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【なんのストレスも無くスムーズで健全・・ながらも、エキスの美味しさ、ボリューム感が楽しめます!】 とても素晴らしいシャルドネでした。2009年って、こんな感じなのかな?と・・取りあえずは思っています。
ピノ・ノワールもそうでしたが、2005年にはとても似た感じが有りますが、2005年的な単に健康的でストレスが無くスムーズ・・と言うのではなく、より充実した・・より適度な葡萄の熟度を感じさせてくれますから、気軽に飲んでもとても美味しく・・・、ポテンシャルを拾い上げながらじっくり飲んでも、比較的簡単に発見できてとても嬉しい・・そんな感じのワインです。
価格も、この位なら全くの納得どころか、安いなぁ・・と思っていただけると思いますよ。お魚の美味しい季節に、妙な出っ張りや樽臭さの無いシャルドネ。是非ともご検討くださいね。
以下は2020年もののこのワインのレヴューです。
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色々有りましてしばらくやってなかったので・・でも、流石に見過ごせなくなって来たかなぁ・・と思って飲んでみたら・・滅茶美味しかった!
しかも、やはり最近の流れなんでしょう・・とてもしなやかで柔らか・・優しくてふんわり・・ミネラリティも「ガツン」と来るんじゃなくて、しっかり存在しているのに、
「それをそうは見せない」
つまり、ビオの流れに乗っている高貴なブルゴーニュ・シャルドネなんですね。
色合いも実に健全。美しいでしょう?・・
でもね・・結構に「自然派」してます。でも・・滅茶苦茶健全で健康的、高級シャルドネの深い味わいを持っていながら、余分な味わい・・例えば樽の要素ですね・・そのようなものは出来る限り排除しているように感じます。

そして、トマ・モレらしいのは・・
「フレッシュな・・ある種の爽快感のある高級シャルドネのフレーヴァー」
が、良く熟した果実の美味しさと共に存在していことです。
安易な言い方ですが、例えばシャンパーニュのコート・デ・ブランの高質なブラン・デ・ブランのアロマって、ある種独特で、凄く心地良いじゃないですか。
「あんな香りのようなアロマが出るブルゴーニュ・シャルドネって飲んだこと有ります?」 そうですね・・言ってみれば「ルーロ」かな・・(^^;; まぁ、全体のタッチはだいぶ違うんですが、アロマの種から言うと近いと思います。しかもルーロと違って柔らかで優しい・・それがトマ・モレの2020年のA.C.ブル!・・旨いです!是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
● 2014 Chassagne-Montrachet Rouge Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ピノ・ノワール・ファンの心を掴むエキシーな味わい!・・今、とても良い感じのタイミングです!】

シャサーニュ=モンラッシェの赤です。今話題の「ユベール・ラミー」のグージョンヌ赤も美味しいですよね~・・。ジャイエ的な果実がとても深く厚みが有って豊かでほんのり粘ってくれて。でもさすがにプライスは「めちゃ安い!」とは言い切れません。飲んでくれたお客様は皆さん、
「シャサーニュの赤って・・捨てたもんじゃないのね」
と言っていただいてますけど。
あのミシェル・ニーロンのシャサーニュの赤も、・・少なくとも1級赤も滅茶リーズナブルですっごい美味しいんですけどね。最近は買えないんですよ・・高くなって来てますしね。
でも同じようにこのトマ・モレさんのシャサーニュ=モンラッシェ・ルージュV.V.2014年も美味しいですよ。ユベール・ラミーのグージョンヌやサントネのように、厚みのある果実味系では有りませんが。
色合いを是非ご覧ください。エキス系ですね~・・キッチリとエキス化されたピノ・ノワールです。リリース直後は・・noisy は飲んではいませんが、エージェントの担当さんによると・・少し硬めだったようです。
この手のワインが硬めに締まってしまうとリリース直後に飲むのはちと厳しいですね。売り辛かったと思いますよ。でもそのお陰でこうやって noisy の出番がお膳立てされたんでしょうね。
トマ・モレもその辺りは親父さん譲りで、ややクラシックな造りを踏襲しているんでしょう・・いや、「踏襲していた」と言っておいた方が良いかもしれませんね。2015年ものでの劇的な変化・・と言うのも有ったかもしれませんからね。
まぁ、noisy もエージェントさんにとっては結構に厳しい買い手かもしれません。美味しく無きゃ買わないし高くても手を出さないし・・嫌な客なんでしょう。
でもこうやって、ひとつの飲み頃のタイミングで、それまで少し硬かったワインが和んだ時の情報を渡し、本当に美味しければ買ってくれる・・と思っていただけているのは確かのようです。
少し角を丸くし、野生をほんのりと穏やかにしたジュヴレ=シャンベルタンのようなニュアンスが有ります。植え替えが1935年と1969年の2つのパーセルからのヴィエイユ・ヴィーニュとのことですから、樹齢83年と49年・・と言う古木由来の葡萄が、この集中し複雑な構成のワインにしているのでしょう。
厳しい部分はほぼ無く、滑らかで適度な膨らみを中盤で感じさせてくれます。今、ちょうど第一段階の「開く」・・に近い状況で、こんな拡大収縮を何度も繰り返してワインは成長して行きます。勿論ですが、大波小波が有ると言うか、そのバイオリズムは一定では有りません。
また、シャサーニュの赤に出がちな「甘さ」は全く在りませんで、非常にドライです。ドライなんだけれども妙なトゲトゲしさが無く、むしろまだ表情に出て来ていない部分を多く持ち、それが複雑さと感じさせてくれています。
艶めかしさ有り、ピュアなチェリー的果実有り、ほんのりワイルドで、完全には拡がり切らないその表情が、いじらしいピノ・ノワールのキャラクターとして沁みて来ます。美味しいと思います。それに安いですよ。ご検討くださいませ。お勧めします!
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