● いや~・・何年振りでしょうか。思い出せないくらい久し振りに「ヴェルジェ」のご紹介をさせていただきます。その昔は合田さんのところでも扱っていました「ヴェルジェ」。その前から扱っていた noisyも当然のように扱いを続け・・。
しかしながらいつの間にか合田さんもエクスクルーシヴを返上してしまいまして、しかも価格は鰻登り。それに加えてオーナーのジャン・マリー・ギュファンス氏はさらにブルゴーニュ、マコンを飛び出して商売を大きくして・・。
そんな流れにはnoisyも中々乗り切れず・・
「マコンで1.5万円?・・何それ?」
と言うような気持ちもどこかに有りつつ・・いや、内容が伴っていればそれでも良いと思うんですよ。それにそのチェックさえ出来るので有れば・・。
その昔は「マコン・ピエール・クロ」と言うリーズナブルで旨いシャルドネが有り、造りも良いので頑張って拡売していましたが、上級キュヴェを造り始めたと思ったら、もう暴走気味で・・今のオリヴィエ・バーンスタインを見るようでした。
なのでしばらく離れてしまいましたが、リーズナブルで旨いキュヴェが見つかりましたのでご紹介させていただきます。

白ワインの天才『ジャン・マリー・ギュファン』
仏2大評価誌で毎年最高評価を得るシャルドネの専門家。その天才的ワイン造りを活かしたネゴシアン部門も高い 評価を得ている。食事に寄りそう典型的マコン。RVF誌3ッ星、ベタンヌ誌5ッ星
『この型破りな醸造家の造るワインを試飲するのは 常に素晴らしい瞬間だ』
Le guide des meilleurs vins de France2015
「ドメーヌ・ギュファン・エナン」はRVFで最高評価の 3 ッ星を獲得。「ベタンヌ・ドゥソーヴ」でも最高評価 の 5 ッ星を得ている。
『ブルゴーニュで 5 ッ星評価はロマネ・コンティやルソ ーを含めて 11 軒のみ。白ワインの魔術師』
当主の「ジャン・マリー・ギュファン」は 1970 年代に 妻と共にブルゴーニュへ移住したベルギー人。ワイン造りとは関係ない環境にいた彼だが、一気にトップ生産者の仲間入りを果たしてしまう。 皆が彼を「天才」と呼ぶ。試飲をしていても芸術家のように感覚でワインを判断していく。表現も独特。ワインのパワーを表現する。
『ヴェルジェでは常に良い葡萄を自分で選んでその 畑の表情を引き出す。楽しい仕事だ。ギュファン・エナンは自分の葡萄のポテンシャルを毎年確認し、高めるのだ』
毎年異なる60キュヴェをリリース
1980 年からは、ネゴシアン部門である「メゾン・ヴェ ルジェ」を手掛けている。
『ネゴシアンを始めたのはマコン以外でシャルドネの新しい可能性を見つけたかったから。色々なシャルドネに出会うと興奮する』
「シャブリ」「コート・ドール」「マコン」等、各地の葡萄 栽培家や造り手と情報交換をしながら、その年の買取り区画を決めていく。
『皆が驚くような造り手の葡萄も僕等は手に入る。毎年買い続けるから』
熟成中の樽には色々な有名な造り手の名前と区画が記入されていた。「ヴェルジェ」の醸造責任者で「ジャン・マリー・ギュファン」の右腕が 10 年以上働いている「ジュリアン」。 全ての畑に出向き土壌、日照条件を熟知している。 栽培チームも率いていて一部の畑では栽培も自分 達で手掛ける。 醸造は「ギュファン・エナン」とほぼ同じ。優しく圧搾、フリーラン果汁を重視していてプレス果汁は完全に分ける。
『PH が低いフリーラン果汁は上級キュヴェとして樽発酵・熟成。プレス果汁はコンクリートタンク及びステンレスタンクで村名として醸造する』
発酵は野生酵母のみ。フレッシュな白ワインに関しても低温から始め、できる限りゆっくり時間をかけて発酵させる。
『年によってはアルコール発酵とマロラクティック発酵が同時に行われることもある。常識では考えられないが、これによってワインは軽やかに仕上がる。ヴェルジェの個性に合っている』
通常、醸造学上は 2つの発酵が同時に進む事は危険とされ避ける。しかし、彼等にとっては果実の重さを出さずにバランス良く仕上げることができるとして好意的に考えられている。
『最良の葡萄で無ければ最高のワインは造れない。 最良の葡萄が手に入らなければその区画のキュヴェは造らない。格落ちさせる』
「ヴルジェ」でリリースされるキュヴェが毎年異なるの はその為。
『約 60 のキュヴェを造っている。多く感じるかも知 れないが私にとってはたったの 60 種』
【「・・なるほど!そう言うことなんだね・・」とご理解いただけたら、滅茶美味しくいただけます!それでも村名シャブリの最安値?・・是非お試しください!】

上代3800~4000円の村名シャブリです。シャルドネの魔術師、ギュファンスのリリースするシャブリですので、人気が有りそうですが3800円はちょっと高いですよね。
それで、エージェントさんが安くしてくれると言うので飲んでみました。・・なるほど~~です。
実はこれ、コルク栓では無くてスクリュー・キャップ栓なんですね。良くも悪くも、そのクセが有ります。先だってもリアルのテイスティングで同じような場面が有りました。で、そのことを言おうとしたら・・止められちゃいましたけどね。noisy は情報はできるだけ共有した方が、その時も後々も良いはずと言う考えですが、きっとそうじゃない場合、そう思わない方もおられるのでしょう。
このスクリュー・キャップですが、酸素透過率が非常に低いんです。コルク栓を打つのと同様の瓶詰めだと・・極端に熟さないんですね。むしろ酸素不足の状態になります。
するとワインはどうなるか。ボトル内の酸素を全て取り込んだ後、酸素の供給が全く無い還元状態になります。するとワインは全く膨らまない状態で・・風船で例えると「ぺっちゃんこ」な状態です。
その状態で飲み始めると・・香りは拡がらないしボディ感は無い、平板なプラスティックをなめているような感じになっちゃうんですね。
そこで人間は、
「あ、このワインはダメ!」
と烙印を押してしまいます。本当は違うんですけどね。
まぁ、言ってみればスクリューを使うので有れば、もう少し酸素供給をした上でボトルに詰め、スクリュー栓をすれば良いんですね。そうすれば抜栓直後の「ぺっちゃんこ感」は無くなり、膨らみの出方も早くなる訳です。
この淡い緑が透けて見えるシャブリですが、2015年ものなのに開けたてはまさに「ぺっちゃんこ」です。ところが30分位グラスに注いでおくと・・
「・・えっ?」
と言う位に変わって来ます。有る一点を超えた途端、急に・・です。石灰のノーズに柑橘の果実、少しシャリッとしたキンメリ風の積層感・・タイトでドライだった味わいが膨らみを持ち始め、それまでぺっちゃんこだった風船に誰かが空気を入れて膨らませたかのような風情で滅茶美味しくなって来ます。
もっと言ってみれば、
「前日にスクリュー・キャップを開け、10分後位に栓をして再度保存し、翌日に飲む!」
「グラスを二つ用意してデキャンタのように何度か相互に入れ替える」
などを行うと、あっという間に膨らみのある美味しいシャブリに大変身!・・と言う訳なんですね。
それに、レストランさんなどのグラスサービスにも良いかと思いますよ。何せ酸素を絶ってしばらく経ってますから、最初の内は硬いですが、徐々に美味しくなってきます。3日位はへっちゃらです。1級畑近くの村名区画だそうですんで、ポテンシャルも充分です。ミネラリティが充分にあることが、スクリュー製品のネガティヴな側面を助長していると言えます。
そう、だから扱いを知っていれば滅茶美味しく飲めるんですね~~。3割引きでのご案内です。是非飲み方を守って、美味しく飲んでください。お勧めです!