ヴィーニュ・コント・ド・シャペル
ヴィーニュ・コント・ド・シャペル
フランス Vigne Comte de Chapelle ブルゴーニュ
● なんとあのフーリエが、ボーヌのドメーヌ・コント・ド・シャペルを買収していたんですね・・知りませんでした・・。インポーターさんからご案内をいただき、初めて知りました。
コント・ド・シャペルはピエール=イヴ・マッソンのドメーヌで、「シャトー・マッソン」の名前でもリリースされていました。ボーヌに幅広いクリュの畑を持っています。
どうやらジャン=マリは、
「ドメーヌ・フーリエ」
に編入させたかったようなのですが、今のところは許可が下りず、「ジャン=マリ・フーリエ コント・ド・シャペル」としてリリースしたようです。許可が下りない理由としては、醸造所がドメーヌ・フーリエのジュヴレ=シャンベルタンに有ることかな?・・と想像していますが、それもいずれ解消されるでしょうから、その後の展開もまた楽しみでは有ります。
ですが、最初から完全に割り当てになっておりまして、最上級キュヴェのコルトン=シャルルマーニュやピュリニー1級レ・シャンガン、シャサーニュ1級モルジョ、ポマール1級リュジアン、ヴォルネイ村名などの割り当ては無く、また・・
「非常に高い・・」
ので、そう簡単には飲めないかと・・。その辺りも残念です。
それでも、A.C.ブル赤白、ムルソーV.V.、ポマール1級レ・ソシーユなどをテイスティングさせていただき、
「やっぱりフーリエはフーリエ」
と言う意を深くしました。非常に出来は良く、ネゴスものの上位のワインが多いジャン=マリのラインナップの質と同様です。
下級クラスは軽やかにエレガントに、そして一段格上の雰囲気を醸し出していますし、村名以上になりますと、
「・・お~・・流石!」
と・・特に今回はポマール1級レ・ソシーユを飲ませていただき、その深いポマールらしい味わいと、まさにフーリエらしい果実の表情に感動しました。
まだまだこれから、変わって行くと思いますが・・とりあえずのご案内です。どうぞよろしくお願いいたします。
■ エージェント情報

ブルゴーニュ人気生産者、ドメーヌ・フーリエによる新プロジェクトでコート・ド・ボーヌ地区に7.5haを所有するドメーヌ・コント・ド・シャペルの畑を手に入れる。コント・ド・シャペルのワインは流通が限定的であり国際市場で話題になる事はなかったが、古樹中心に赤白約半分ずつの手入れが行き届いた優れた畑を所有。別名はシャトー・マッソンでコント(伯爵)、シャトーという呼称からも貴族系の由緒正しさが窺い知れ、高齢であるピエール・イヴ・マッソン氏の後継者不在から今回の買収が実現。栽培から醸造、瓶詰めまで一貫してドメーヌ・フーリエが行うが、ドメーヌ・フーリエではなく、ジャン・マリー・フーリエとしてリリースされ、ネックラベルに「ヴィーニュ・コント・ド・シャペル」と入る。
初ヴィンテージとなる2022年は各テロワールを尊重した醸造を慎重に行い、特に今まで経験の無いコート・ド・ボーヌの赤はコート・ド・ニュイよりも果実味が前面に出やすいという考察から抑えめな醸造を心掛けてフレッシュさとエレガントさを大事にした。白は長年ドメーヌ・フーリエて手掛ける隠れ人気アイテムでもあるブルゴーニュ・ブランと同様に、しっかり完熟した果実を重視。昨今流行りである早摘みで時には多めのSO2に由来する引き締まったリーンなスタイルではなく、しっかりと厚みのある古典的なスタイル。バトナージュは最初の1ヶ月のみ行う。
収穫した葡萄はジュヴレ・シャンベルタン村のドメーヌ・フーリエへ運ばれ、赤白別々に分けたセラーにてドメーヌ・フーリエと同じ流儀で醸造を行い、赤は最大で20%の全房発酵、樽熟成における新樽比率は20%に留めており、瓶詰めにフィルタリングを行わない。
● 2022 Pommard 1er Cru Les Arvelets Vieille Vigne
ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ザルヴレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【こちらは飲めていません。ポマールの中央部、傾斜が結構有る・・エレガント系の1級です。太く深い味わいのレ・ソシーユとは真逆??】
PKさん推しの1級畑レ・シャルモワの西に接する・・1級レ・ザルヴレです。村の中央から西に延びる、北から南の傾斜がそれなりに付いた畑です。
飲めていないので想像になりますが、大きな躯体に漲る感じのするやや暗い色彩のレ・ソシーユとは異なり、もっとずっと赤くエレガントで高域に伸びて行くようなイメージのワイン・・まぁ、そこにポマール的な粘土のニュアンスは加わるはずですが、だいぶ対照的な1級比較になると思います。
今回はこのポマール1級が2アイテムの合計で12本でしたので、レ・ソシーユを飲ませていただきましたが非常に素晴らしい・・漲る、滾る・・感じでした。全房20%、新樽20%、は2022年コント・ド・シャペルのピノの共通のようです。ご検討いただけましたら幸いです。
● 2022 Pommard 1er Cru Les Saussilles Vieille Vigne
ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ソシーユ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ボーヌ1級クロ・デ・ムーシュに接するレ・ソシーユ!・・非常に大柄で噛めるように集中した要素から、将来への深い表情が望めるスーパー1級並みのポテンシャル!】

ポマールのレ・ソシーユと言いますと、Noisy wine のラインナップで頭に浮かぶのは・・もちろん、
「ティエリー・グラントネ」
でしょう。
そして・・あの、期待以上の凄さを見せる・・
「ギルベール・ジレ」
もまた、2021年もので初リリースしてくれましたよね。
なので、
「まさに今が旬!?」
なリューディでも有ると感じます。
ティエリー・グラントネのレ・ソシーユは、非常にリーズナブルながらも重厚なポマール、もしくは隣接するクロ・デ・ムーシュ風なニュアンスを感じさせてくれる素晴らしいワインです。
ですが、惜しいかな・・やはりこのフーリエが指揮を執る?コント・ド・シャペルのレ・ソシーユが持つ「大きさ」「構造の深さ」には適いません。しかしながら・・比較的、「同類である」と感じます。
もう一方のギルベール・ジレの方はどうか・・と言いますと、ギルベール・ジレのレ・ソシーユは・・造り込みが凄くて、新樽由来と思われる官能さがすでに表れていて、さらにどんどんその表情と深みに細やかさが育ってくると言う、ちょっと信じられないような出来だったんですね。

まぁ・・この辺は新樽の使い方と醸造方法、またはそのブレンドの仕方などによってかなり変わりますが、
「言ってみれば、コント・ド・シャペルの方がピュア」
です。そのピュアさにより、コント・ド・シャペルとティエリー・グラントネは同類か・・と言った訳です。
しかし、コント・ド・シャペルのレ・ソシーユを飲み進めるにつれ、若さゆえ、ポマールゆえのある種の「荒れ」が納まって来ると、その・・
「強靭な凄みと深み」
が顔を出して来ます。この辺はティエリー・グラントネは追い付かないかなぁ・・と・・グラントネは熟すに連れ、エレガントさが早めに育ってくる感覚ですが、このコント・ド・シャペルのレ・ソシーユは、若いうちはまさに
「ポマール1級レ・ソシーユのワイルドな凄み」
で在っても熟すに従って、
「出来がすごく良かったクロ・デ・ムーシュ!」
と言うべき方向に育つと見受けられます。
この今のある種の「荒れ」が納まって来ると、ドメーヌ・フーリエの看板のクロ・サン=ジャックの影がチラチラと・・視界に見えてくるような感覚が有ります。これ、
「相当・・素晴らしい!!」
と感じました!
まぁ・・noisy 一人、そんなことを言ったところで余り信用はされないとは思いますが、誰も言わないよりも良いでしょ?・・本来だと数が無さ過ぎて、また価格も有って、テイスティングなど出来ないで済ますところではあるんですが、
「どうせ誰も飲まないんだろうなぁ・・」
と思うと・・まぁ・・ファーストヴィンテージと言うことも有りますから、開けてみようか・・と悪魔のささやきに誘惑されてしまう訳ですね。
1枚目の写真の「フレア」みたいなものが後光みたいに凄いことになっちゃってますが、今飲んでも・・このポテンシャルはすぐに判るでしょう。
しかし、3~5年ほど寝かせる必要は有ると思いますよ。ぜひ挑戦してみてください。相当凄いです!
● 2022 Bourgogne Pinot Noir Vieilles Vignes
ブルゴーニュ・ピノ・ノワ-ル・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【・・村名ピュリニーのエレガント系ピノ・ノワール・・とするならピッタリかも!・・フーリエらしいしっとりとしたアロマと味わいに滲む果実表現が素晴らしいです!】

1963年植樹の古木から20%全房発酵、新樽率20%の、フーリエらしい赤い果実が良く香る、軽やかでエレガントなピノ・ノワールです!
軽やかでは有りますが、深みや複雑性はドメーヌ・フーリエのものよりもむしろ感じます。ドメーヌ・フーリエのA.C.ブルは、まさに「やや軽やかなジュヴレ」を感じさせますが、コント・ド・シャペルのA.C.ブルは軽やかさは同様、深みはより多く感じ、鉄っぽさは余り無く、
「ん~・・この感じって・・どこの畑だろう?」
と、やや困惑させられますが、テクニカルから、
「ムルソーとピュリニーの間」
と言うことなので、
「・・そうか・・そう言われればそうかも・・」
と少々なりとも納得しました。
ほんのりと粘っこい感じが有って、ポマールの南下部かヴォルネイの粘度の強めの辺りの下部か・・と当たりを付けていたんですが外れたようです。
そもそも現在は村名以上の畑でピュリニーにピノ・ノワールはほぼ絶滅していますが、
「ピュリニーの赤!?」
と言われれば・・
「コント・ド・シャペルのA.C.ブルはそんな感じ!」
でご納得いただけるかもしれません。

フーリエらしい、しっとりとした全景からの快活なチェリーとほんのりベリー、色彩ほどに重くは無く、軽やかでエレガント。甘くは無く、やはりそこは・・
「フーリエ味」
と言えるバランスです。
20%までの全房に抑えていますから、軽ん軽んなMCっぽい感じは全く有りません。ムルソーの辺りの赤い土壌の葡萄は、結構に粘っこい感じが出ますが、こちらは粘っこさも有りつつも、
「そこは敢えて強く言っても仕方が無い・・か」
と言う感覚。
軽さ、エレガントさはピュリニーの赤の持ち味で、ほんのり粘っこさも有りますから、やはり「ピュリニーの赤っぽい」とさせていただきたいと思います。
もちろんですが、これからずいぶんと変わると思います。さすがフーリエ!・・と思っていただけるでしょう。ご検討くださいませ。
● 2022 C.M.1M Blanc Vin de France Vieille Vigne Magnumbottle
セー・エム・アン・エム・ブラン・ヴァン・ド・フランス・ヴィエイユ・ヴィーニュ・ マグナムボトル
【なんと古木ながら、未だにシャサーニュ=モンラッシェ1級レ・モルジョどころか、シャサーニュ村名も、そしておそらくA.C.ブルとしても許可が下りないと言うレ・モルジョのマグナムです!】
ジャン=マリもファースト・ヴィンテージから暗にブイブイ言わせています。結果として、noisy のような頭でっかちに、
「もういい加減許可しなさいよ!」
と声を上げさせる・・そんな思惑が透けても見えるような気もします。
なんと、
「正当にシャサーニュ1級レ・モルジョの中に在って、アプリコットを引き抜いて葡萄を植えたためにA.O.C.を名乗れないシャルドネ!」
だったんですね。
何故かマグナムだけをリリースしたようで、さすがにマグナムまで開けてしまうと仕事にならなくなってしまうので自重しています。
ですが・・興味有りますよね~・・かのアンリ・ジャイエが開墾したクロ・パラントーにはキャベツ畑だったと言われています。もっともキャベツだけでは無く雑木も沢山あったようですが。ちょっと飛びますがアンリが開墾したのは、当初はマルシャン家が持っていた部分だと思われ、その後メオ=カミュゼの持ち分も担当したと推測しています。
で結局、なんでダメかと言いますと、
「たとえ認定された区域内で在っても、アプリコットが植わっている部分は認定していない」
と言うことかなと推測しています。まぁ・・お役所は硬いのが仕事ですから・・はい。
で、このワインですが・・1級レ・モルジョのシャルドネをフーリエが造ったと言うことですので、エレガント系の集中した味わい・・までは想像できますが、それ以上のことは申し上げられません。ご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
● 2022 Meursault Vieille Vigne
ムルソー・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【これはむしろ珍しい!・・ムルソー村の中央部で、「ほぼキュヴェ・ロンド」!・・だから、「ムルソー村のエレガントな部分を表現したA.C.ムルソー!」】

あ・・久々に・・こんなムルソーを飲ませていただきました!・・これは滅茶面白いですね~・・。
ワイン会などのブラインドで、
「産地当て」
をやったら・・凄く盛り上がると思いますよ。
だって・・絶対に・・
「私はシャサーニュだと・・1級ならレ・マルトロワ・・」
「ピュリニー村名かな・・」
「・・ムルソーっぽいけど・・いや、やっぱりピュリニー」
と、わずかな・・正解に通じる特徴の印象を消してまで、より上級格を言ってしまうに違い無いからです。
ムルソーと言えば、数ある1級を除外しても、非常にミネラリティがせめぎ合う印象を持っているとお考えの方が多いと思うんですね。そして北のヴォルネイに近い方が粘土のニュアンスが入って来ますし、国道に近い西の区画もまた、そのニュアンスは入って来ます。
ですが、
「まるでピュリニーかシャサーニュかの二択!」
と言うように質問の設定を暗に自身に変えさせてしまうようなエレガンスと黄色や白の果実の充実が有るんですね・・このムルソー!

種を明かしますと、ブレンドしているその畑の特徴がそうさせている・・と感じています。
最下部は、
「ムルソー中央下部の村名スー・ラ・ヴェル」
そして下部はスー・ラ・ヴェルよりも・・
「やや南寄り、ル・リモーザンと接したル・ビュイソン・セルトー」
そしてまたど真ん中の中部の、
「レ・グラン・シャロン(ル・テッソン下)」
と言う、ある意味・・
「上部を抜かしたキュヴェ・ロンド!」
と言うことが出来るんじゃないかと・・(^^;;
で、上部の準一級郡の、非常に厳しいミネラリティが入って来ていませんから、
「激エレガントに仕上がっている!」
訳です。
そして似非キュヴェ・ロンドとは関係無いですが、ムルソー北の粘度の強い畑も無く、ムルソー南には村名畑は無く1級畑ばかりですから、それらの特徴もほぼ無い・・んです。
なので、
「ピュリニー=モンラッシェ!」
と言う答えが多くなるんじゃないかと思っています。
ただし、ちゃんとムルソー的な大理石風のニュアンスも有るんですよ。それでも豪奢な果実の味わいに、
「旨いピュリニーだなぁ・・」
などと感じてしまわれるんじゃないかと思います。
絶対面白いので・・飲んでみてください。リーズナブルだと思います・・まぁ・・フーリエですから・・価格はそれなりにと言うことでご容赦いただいて、ファーストヴィンテージのムルソーV.V.、ご検討くださいませ。
● 2022 Bourgogne Blanc Vieilles Vignes
ブルゴーニュ・ブラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【やや軽やかなピュリニ=モンラッシェ!?・・みたいなA.C.ブルのシャルドネです!・・ジャン=マリもシャルドネ、上手く造ってます!】

ブリニー=レ=ボーヌのA.C.ブルの畑と言うことのようです。ここは、ポマールとヴォルネイの東側にある地区で、ドメーヌ・ロブレ=モノの本拠がある村です。因みにその名前から判るように、ボーヌ村の南にも接しています。
アロマが華やかでエキスが凝縮、ピュリニー村名のような賑やかな果実の風味が感じられます。ミネラリティはピュリニー上部のようなせめぎ合うようなものでは無く、下部の緩やかで軽やかな、大らかな性格です。一般的なA.C.ブルよりも格上のバランスを感じますが、畑そのものは「平地」で、ポマールやヴォルネイ、ボーヌ各村に接する部分に
「飛び地のように」
葡萄畑が存在しているようです。
まぁ・・このままブルゴーニュワインの世界的な人気が持続するようですと、それまでは見向きもされなかった部分が葡萄畑に転用されるんじゃないかと・・
因みに今回もご案内させていただいている「C.M.1.M」と言うマグナム瓶は、実は、
「シャサーニュ1級レ・モルジョ」
なんですが、ブティーユ換算で1/2しますと2万円もしない価格になりますから、他とつり合いが取れないですよね。つまりは、
「以前は杏が植わっていた部分を葡萄に植え替えた」
ので、INAO の許可が下りなかったと言うことらしいです。でも1989年に植樹していますからすでに35年が経過していますので、ヴィエイユ・ヴィーニュ表記になっています・・もう許可を出しても良いんじゃないですかね・・。

ドメーヌ・フーリエのA.C.ブルは、もう少し樽っぽいアロマがより感じられ、パレットにエッジの存在をそれなりに感じられますが、こちらのコント・ド・シャペルの方はそのエッジの存在が感じられず、もっとふんわりとしていて、
「果実の美味しさを目立たせている」
ように感じられました。
面白いのはドメーヌ・フーリエものの方がややトロピカルがより強いように思い出されますが、コント・ド・シャペルの方は・・どうでしょうか、もっと冷ややかなんですね・・なので、
「南のフルーツと言うよりも北の柑橘果実がふんだんに感じられる・・でも酸っぱくは無い」
ニュアンスです。
なにかこう・・フーリエ的な好みの世界が透けて見える感じがしますし、
「やはりシャルドネはコート・ド・ボーヌ!」
と言うような感覚も、フーリエ自身、もしかしたら持っているのかもしれません。
ピュリニー=モンラッシェ村名に匹敵!・・とまでは言えませんが、かなり近いものを感じるしなやかなシャルドネです。ご検討くださいませ。
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