【しなやかでドライな赤果実エキスと冷ややかさを持つ、20年越えの熟成を可能とするポテンシャルのピノ・ノワールです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 自然派の造りというのはなかなかに多様で、とても面白い世界ですね。多くは香りの立ち上がりがスピーディーなフレッシュなワインから、スーパーな凝縮感を持つワイン、ブルゴーニュの造り手もいまや自然派と呼ぶべき造り手が多く、特に大々的に自らアピールしなくても調べたら実は自然派のワイン造りをしている・・・ということもあります。
クロヴァロンがビオ・ディ・ナミは2000年から始めており、古株と呼べる造り手なのかもしれません。ロック女史がドメーヌを立ち上げ、娘のアリックスさんが引き継ぎ、既に世代交代が行われているようです。
このレ・ポマレードはドメーヌを代表するワインになるのかと思いますが、「本格的」なピノ・ノワールワインだと感じます。というのも、このリリース仕立ての2022年ヴィンテージは若干還元的であり、香りも閉じ気味です。漏れ出る香りはエキス感をともなった赤い果実でありますが、まだまだ控えめです。
色味も艶感のある、赤が積層したグラデーションのある深い赤です。ポテンシャル、複雑性を感じさせる色味でありますが、造り手の意図する飲み頃の焦点はもう少し先なのかな・・・と感じます。半年から1年で還元も収まり体制が整い、1?2年過ぎごろから少しずつ内向きのエレガンスは解放に向かうような、様相を呈しています。
というのも、このワインと同時になんと2001ヴィンテージのレ・ポマレードをテイスティングしたんですね。なんと20年越えの熟成ですが、素晴らしいワインに育っていたんですね!恐らく2001年ヴィンテージの全開が「今」です。
そこから鑑みても、2022年ヴィンテージの味わいのポテンシャルからみても、同レベルのワインに仕上がっていると思います。ですので、このワインの適切な飲み頃は20年後・・であるはずです。そう考えると非常にコスパが良いと思いませんか・・?
おっと、飲み頃の話に夢中になり味わいのキャラクターを説明するのを忘れていました。味わいとしては残糖はほぼ無いと言えるほどにドライです。ドライですが、エキスの重なりからのあまやかさの表現があります。良いワインに育つ兆候です。ラングドックの緯度感よりもだいぶ高い、冷涼感を兼ね備えています。ブルゴーニュでもこれだけの冷ややかさを感じるワインは多くないと思います。しかし果実エキスの濃度は高めで、良い熟度を持っていると感じます。ミネラリティの素性は石灰系がベースに少し鉄感プラス他の組成も感じるような、沁み入る系の性格です。よく行き渡っていますし、横だけではなく縦にも展開するような複雑性を感じるのは樹齢も関係しているのかもしれません。ビオ・ディ・ナミによる畑の持つパワーでもありそうです。これが育つと驚くほどブルゴーニュ的な・・・長くなるので詳細は2001年ヴィンテージのコラムをご覧ください。
ピュアで綺麗なワインで危うさは一切ありません。ただし若干の還元はありますので、今飲むなら抜栓してから少し時間を置くなどの対処が必要かもしれません。お勧めは最低でも半年から1年後です。もちろんそこから20年後が一番のおすすめではありますが、そこまで待つのは至難の技であると思います・・がよろしければチャレンジしてみてください。もし我慢できないよ!という方でしたら同時にリリースされた2001ヴィンテージにもぜひ手を伸ばしてみてください。驚きの成長を遂げています。
しなやかでドライな赤果実エキスと冷ややかさを持つ、20年越えの熟成を可能とするポテンシャルのピノ・ノワールです!ぜひご検討ください
[ noisy wrote ]以下は以前のレビューです。
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【2019年ものは非常に精緻!・・ベースのピノ・ノワールもエレガントで美味しいですが、看板のこのピノ・ノワールのレ・ポマレードの完成度は非常に高いです!】
どうでしょう?・・素晴らしい色合いですね。ナチュラル感も飛び出して来そうで、でもまだ抑えられているような感じにも見えますが、この色合いの素晴らしさもワインの美味しさの一つと言えるでしょう。
クロヴァロンのレ・ポマレードは、もう何も言うことは無いんですが・・(^^;; もう相当に色々書かせていただきましたので、そのまま・・以前のレヴューを受け取っていただいて結構かと思います。
その上で2019年ものは・・と言う部分だけを書かせていただきます。
エージェント情報に相当面白いことが書いて有ります。そしてこれは非常に重要なこと・・特に「ナチュラルな栽培とナチュラルな醸造を目指す造り手」にとっては・・です。
「2019ヴィンテージは、熟成中の試飲で、酸化しそうな兆候があったため、ネガティブな反応が出ることを避けるために、例外的にSO2をマロ発酵後に40mg /Lのみ添加。」
これ・・醸造が少しお判りの方には、物凄い情報だと思うんですね。
「2019ヴィンテージは、熟成中の試飲で、酸化しそうな兆候があったため・・」
の部分。「熟成中の試飲で」・・はいつなのか、どのタイミングなのかは不明ながら、「酸化しそうな兆候があったため」は、揮発酸値の上昇が懸念されたと言うことじゃないかと思うんですね。
で、その後・・
「ネガティブな反応が出ることを避けるために、例外的にSO2をマロ発酵後に40mg /Lのみ添加」
そう・・ネガティブな表情が出ることを避けるために、いつもとは違う事をした・・例外的に、「マロ発酵後に」So2を添加したんですね。
マロ発酵後・・と言うのがポイントです。マロ中はやらなかった・・と言うことは、揮発菌は大挙して出て来ていた訳では無い・・と言うことですね。ただし、酵素が出来て残った可能性があるので・・So2を少量使用した・・と言うことなんですね。
お酢を造るには、アルコールが無ければなりません。アルコールが揮発菌によってお酢に変えられる訳ですから・・。醸造中はそれが無く・・しかし飲んでみたらその「気」が有るように感じられた・・と言うことですね。で、ネガティブにならないように大事を取って、マロラクティック終了後に少量のSo2を入れた・・と言うことです。
なので、noisy がテイスティングした段階・・相当前です・・調べます・・8月29日でした・・2カ月半も前のことでした・・が、いつもよりも僅かに締まって感じられました。おそらくそれは、So2 の影響だったのでしょう。
しかし、ワインの中に添加したSo2 は半年はほとんど無くなる・・ので、5カ月以上経過していることを考えますと、相当に減少しているはずです。
8月の終わりのテイスティング段階では、
「僅かに内向的」
と判断していましたが、ようやく今、エージェントさんのテクニカルを読んで・・noisyも理解できた訳です。
いや・・クロヴァロンのワインがナチュラルでピュアな理由が良く判った感じがします。是非ご安心して楽しまれてください。非常に美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【超エレガント系のピノ・ノワール!全く甘く無く全く濃く無い、フランス南部の暑苦しさはゼロと言う、ちょっと驚きのエレガンスです。】
淡い色が可憐さを現わしているかのようですよね。とても美しいですし、実際にとてもエレガントです。
実はこのワイン、10月後半のテイスティングだったんですが、まだ完全には仕上がり切っていないという判断で12月まで持ち越しました。落ち着かせましたので、超エレガントでドライなピノ・ノワールの美味しさをご堪能いただけると思います。
今までにも増して・・淡いですよね。ラングドック辺りの「厚さ」は微塵も感じませんで、ドライで全く濃く無いです。果実感も花や若い果実が中心で、「熟した果実」「過熟な果実」は有りません。
一体どうやって造っているのかと・・まぁ、畑仕事がそのまま味わいに行かされているんだとは思うんですが、不思議な気がします。だいぶファンの方もついて来たカトリーヌ・ロックさんの超エレガント系の美味しいピノ・ノワール、是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】
巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!