【2023年のラングドックはとんでもない暑さだった!・・がその暑さをうまくいなして新たな「柔らかさ」を獲得した手腕の光るデイリーピノです!】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] 昨年は幸運にも2001年と2022のレ・ポマレードをテイスティングすることができ、ラングドックのピノがこれだけ冷ややかで、エレガントな姿を見せることに驚愕しました。
また製造から20年後の姿を見ることができ、熟成のポテンシャルもあり、これほど美しい姿を見せるのかと驚愕しました。
そのエントリーラインにあたろうかというのが、こちらの無印ピノ・ノワールです。
2023ヴィンテージはある種の「熱」を感じます。あ、もちろん熱劣化しているとか、そういう話ではありません。念の為。「あたたかみ」と言い換えた方が良いかもしれません。
過去のNoisyのレビューから察するに例年はもう少し「赤が強い」気がします。しかし今回はより「黒が強い」果実だと思われます。そしてその「あたたかみ」と「黒い赤」が連れてくるのは・・・恐らく例年よりも強い「柔らかさ」なんですね。
酸も丸みを帯び、より優しくジューシー。しかし残糖分はほぼ無いと言って良いほどドライに発酵しきっています。
ブルゴーニュっぽいというよりは、ラルコやキアラのような、イタリアの果実の柔らかいワインにキャラクターがにていると思います。oisy的には「癒しを連れてくる柔らかさ」が共通しており・・かなり推したいポイント・・!であります。
果実の中に、若干「煙」のようなスパイシーさもあり、そこもまた上質なイタリアワイン的に感じる要素の一つです。
恐らくブドウがよく熟したヴィンテージなのではないかと思い、ググってみると海外の情報誌ではラングドックの2023年はかなり熱く、「8月20日、ラングドック全域で熱波が発生し、気温が43℃まで急上昇。この異常気象は4日間続き、さらに夜間の気温が30℃を下回ることがなかった」というとんでもない年だったようです・・
確かに熱さを感じるけど、こんな年だったと言われれば、むしろこの熱を上手くコントールし、「癒し系やわらかさ」という新たな要素を獲得しているクロヴァロンって凄くない・・!?と思うわけであります。
まだ要素の暴れ感が強く、仕上がりきっていない感があります。もう半年ほど経つと、より落ち着きを得てまとまりが出てくると思います。
しかしこれほど純粋で、表情が豊かなワインが、このお値段というのは・・・普段ブルゴーニュの価格を見ている者としては驚きです・・!デイリーワインのリストに加えるには充分すぎる酒質です。ぜひご検討くださいませ!
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【3千円以下のピノ・ノワールで、ここまで純粋で美しく均整が取れ、ポテンシャルを感じるものはブルゴーニュを含めて・・「唯一の存在」でしょう!滅茶旨いです!】
2022年と言うこともあるのでしょうか。いや・・素晴らしいピノ・ノワールです!南部のピノとはとてもじゃないが想像しえないエレガンスと、良く熟してはいるものの鈍重にはならず、冷ややかでピノらしい酸の美味しさと、赤果実の表現・・そして何と言っても・・
「So2の少なさと確かな栽培&醸造技術によるバランスの良さと自然な味わい!」
が、飲む者の心を惹きつけると思うんですね・・。
思えば、クロヴァロンの2021年のピノ・ノワールはリリースされていないように思います。販売した記憶が無い・・(^^;;
つまり厳しかった2021年ものは格下げしたか使わなかったか・・もしくは収穫を諦めたか・・と言うことになります。そもそもこのラングドックの地には・・
「ピノ・ノワールは植えられなかった」
訳ですね。
それを「試験栽培」と言う非常手段でInaoを納得させ、育ててワインを造って・・その出来たピノ・ノワールの素晴らしさでINAOもピノ・ノワールを認定せざるを得ない状況にした訳です。

まぁ・・その辺は母親であるカトリーヌさんの尽力によるものなのでしょうが、
「ラングドックのピノ・ノワールがこれほどまでに美味しいか?!」
と、飲む者にさえ自問自答させられるように・・アレックスさんが頑張ったんですね。
まさに女性の時代でも有りますが、自己中心的、自己満足的なビオワインが多い中、ここまで精緻で・・ピノ・ノワールの名産地であるブルゴーニュワインでさえ凌駕してしまう出来にまでなっていることに、嬉しさを感じます。
勿論、そこには「ポテンシャル/価格」と言うスケールだけでは無く、「テロワール表現」さえ・・有ると思いました。このド・クロヴァロンの畑は、名前の由来の通り、
「山に囲まれた窪地」
です。
まぁ・・そんなところが葡萄の生産地として素晴らしい訳では無く、あくまで・・
「醸造所が有る場所」
として良い訳です。涼しいでしょうし・・。
そしてその山の傾斜こそ、さらにはその土壌にこそ・・素晴らしさが眠っていたんですね。
是非飲んでみてください。めっちゃ美味しい!・・これは飲まなきゃ損です。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【最もリーズナブルなビオのピノ・ノワールで、伸び伸びとした美しいディテールを楽しめるピュア&ナチュラル、クールでドライな見事な出来です!】
もう散々ご紹介させていただいてますからご存じの方も多いクロヴァロン、アリックスさんの「愛らしくも滅茶美しいピノ・ノワール」です。
南仏のピノ・ノワールで有りながらもブルゴーニュ的にタンニンが前に出ず、美しい酸の伸びやかさとバランスを感じさせてくれます。このところの対ユーロ安・・と言いますか、ほぼ主要通貨に対して全面安で20%以上ほども円は値下がりしていますから、若干の値上がりは致し方無いかと・・。まぁ、このご時世ですから、輸出で兵器産業が盛り上がっていたり、エネルギーや資源が豊かな国が有利なのは当然では有りますが、脅しと暴力、兵器で言うことをきかせることで為替が有利になってしまう・・そんな西側の経済システムも・・何だかなぁ・・と思ってはしまいます。
そんな中でド・クロヴァロンのベースのピノ・ノワール2020年は、いつもと同じように「可憐」で愛らしく、伸び伸びとしたアロマに赤果実とミネラリティ、優しい味わいを感じさせてくれました。
色合いは以前よりも赤々しくも酸っぱいバランスでは無く滑らかで、
「タンニン?・・どこに?」
と言いたくなるほど奥に潜んだタンニンのただずまいが、まるでブルゴーニュのピノ・ノワールのようにも感じさせてくれます。

もう、2千円台のまともなピノ・ノワールは希少になってきてしまいまして、今度・・定番で扱っていた「ロッシュ・ド・ベレーヌ」のA.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2017年もご案内させていただきますが、以前のようにほぼ2千円ではご提供は出来ません。上代は3800円だそうで・・「どっひゃ~・・」です。
おそらくですが2700~2800円位にはなると思われますので、明らかにこのド・クロヴァロンの価格が目立つようになるんじゃないかと思うんですね。
お母さんのカトリーヌさんがやっておられる時は、もう少し「より大きい構造のやや太目の味わい」だったように思いますが、娘さんのアリックスさんが指揮を執るようになってからは、より可憐に、伸びやかに、より赤くピュアに・・変化して来ているように感じます。
なので、ボリューム感を求められるのであれば「2019 レ・ポマレード」の方をお薦めしますが、エキス系の愛らしいピノ・ノワールをゆっくり味わいたいのであれば、この2020 ピノ・ノワールをお薦めします。旨いですよ・・冷ややかで美しい!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【タイトに引き締まったボディ・ピュアな果実感が嬉しい南仏のピノ・ノワール!ちょっと驚きの仕上がりです!超お勧め!】
巷で評判になりつつある、カトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールをご紹介します。評判が良いと言うことは、商品の引きが強いと言うことになりますので、確保が中々難しい・・と言うことになり、御多分に漏れず・・
「割り当て->12本だけ」
です。
そう言われても飲んだことの無いワインを巷で評判が良いと言うだけで販売するほどnoisyは図太い神経を持ち合わせていないので、利益確保が難しい中・・今回分けていただいた3アイテムをテイスティングさせていただきました。
結果・・
「・・なるほどね・・」
と納得出来ましたのでご紹介させていただきます。
「ピノ・ノワール・ペイ・ドック2016年」が上の写真です。写真の大きさ以外は色味の調整、明るさなど、一切手を付けていませんが、存在感有りますよね。ここ2~3年、テイスティング時の写真を掲載するようになってから、多くの写真をアップしていますので、良くご覧いただいているお客様も、
「おっ?・・これは・・行けそうだ!」
とか、
「・・ん?・・色味の調整し過ぎじゃないの?」
位は判断できるようになられたんじゃないでしょうか・・(^^;;

まぁ、言ってしまえば、「下の写真の存在感の凄さ」が目立ってしまうと思いますが、一度そこは見ないでいただいて・・。
エージェントさんの説明では「ブルゴーニュ・スタイル」とのことで、皆さんもそれを期待されると思うんですね。
でも、全くのブルゴーニュそっくりなピノ・ノワールだとは言えませんので、勘違いしないように・・お願いいたします。
しかしながら、オックと言う南の地で、エキセントリックでド太く酸の弱い、温かい味わいの強いピノ・ノワール・・には、仕上がっておりませんで、そう言う意味合いでは確かに・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに寄ったエレガントさの有る暑苦しく無いピノ・ノワール」
と言えます。
ドライでふくよかで、非常にピュアです。ミネラリティの組成はブルゴーニュ的・・と言えるかもしれません。
この写真、全く調整していないのに美しいですよね。ビオ的なエキセントリックさは無く、デメテールの認証を取っているようですが、ピュアなベリー系の果実と適度な膨らみ、どこか数か所が尖がっているようなパレットを持たず、とても緩やかなカーブを持った心地良いパレットを描きます。
甘く無いのが良いですね。強さを持った糖度の高い葡萄は、アルコールに変化させると「ボリューム感・強さ」を生み、美しい酸のバランスを持てません。適度なタイミングで健康的な葡萄が収穫でき、しかもそれを丁寧に選択したが故の上品な仕上がりになっています。
受けるのも判るなぁ・・と言う印象です。価格もリーズナブルです。

「レ・ポマレード」は2014年、上級キュヴェです。美しいですね~!・・まさにブルゴーニュ的な彩色が見て取れます。美しいバランスの酸が見えてくるような写真じゃないかと思いますがいかがでしょう?
若い「ピノ・ノワール2016」に比較すると、やはりとても滑らかで、より美しい酸が嬉しいドライなピノです。
ドライだとは言っても、どこかアンリ・ジャイエ風なほんの僅かな甘味を感じる仕上がりで、テクニカルに寄りますと10日間の低温浸漬を施し、何と10ヘクトリットルと言う単位収穫量で造っているそうで・・
「なるほど・・それで質感も備わる訳だ・・」
こちらはよりブルゴーニュ的ですが、それでもブルゴーニュと同様に冷たい風情か?・・と言われると、そうでは無いですね。しかし、この位のレベルに仕上がるブルゴーニュワインも存在するとも思えますから、エレガントさに加えてのわずかなパワフルさも存在する・・と言うのが良いかと思います。
非常に好意的に思えてしまう味わいで、これならオックのピノ・ノワールも捨てたもんじゃないぞ・・と感じました。
勿論、果実はベリーやチェリーがピュアに香ります。とても良いバランスでした!
エージェントさんは次回も分けてくれると約束してくれましたので、これからも注意して見守りたいと思います。是非飲んでみてください!超お勧めです!