
このラストル..昨年のテイスティングで滅茶美味しかったんです・・。細やかな泡質がクリーミーで酸の味わいが何とも美しくたなびくんですね・・。余韻が実に心地良いです。勿論、レクラパールのシャンパーニュですからアロマもピュアで硬質なミネラリティがノーズにビシバシ届きます。
まぁ・・敢えて言うなら・・このグラスの口径が大きいブルゴーニュグラスで飲んでいますから、幾分だけ泡の引けが早いかも・・と思っていたはずです。
ラルティスト2011を焦って持って帰ってテイスティングしたために泡が揃っていないのを反省して、おそらく昨年の8月頃にテイスティングしたはずです。以前造っていたロゼのラルケミストに使用していた極上のピノ・ノワールをノン・ドザージュで仕上げているので滅茶ドライですが、ピノ・ノワールのエレガントながら質感の高い酸の旨味がパレットに拡がります。
話しはだいぶ飛びますが・・あ、でもこの話しはアチコチでしたかもしれません。
元々はこのレクラパール、ラシーヌさんの扱いだったんですね。で、価格もリーズナブルだったし、セロスの弟子と言うこともあって、このピュアな味わいが大いにウケたんです。
でもそれに気を良くしたダヴィッドさん、値上げが急に・・しかも大幅なものを言って来たそうでして・・

「僕のシャンパーニュはもっと高くて良い!」
と、相当の自信を見せていました。でもラシーヌさんとしては・・
「(それじゃ師匠より高くなっちゃうじゃない)」
と言うような部分も有ったんですね・・あ、師匠と言うのはジャック・セロスさんですよ。その頃はセロスもまだ今のような物凄い価格じゃなかったですから、セロスのベースのキュヴェが1万円ほど、レクラパールが1万円オーバーになってしまうということで、急遽生まれたのがロゼのラルシミストだったんですね・・。
その頃の日本は、ロゼ・シャンパーニュがプチ・ブームで、ロゼなら多少高くても買ってくれるから・・と言うのが理由でした。今はそこまでじゃないですので・・ある意味、造るのを止めてしまったロゼのラルシミストはもはや激レアです。・・あ、そうそう・・セロスのロゼも滅茶苦茶美味しくて、大ブームになったでしょう?noisy もセロスのロゼは数千円から販売しはじめて、最後は数万円・・何だかなぁ・・と悲しくなる出来事でした。
そしてまたレクラパールはヴォルテックスさんの手も離れる訳でして、むしろこの価格で買えるのは奇跡的なのかもしれません。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【正に純粋無垢!ピュア一直線!美しさの究極です!!】 先鋭的な、むしろジャック・セロスのシャンパーニュのフレッシュな面を追い求めているかのような、清冽な味わいを見せているレクラパールです。
元はラシーヌさんのアイテムでしたが、現在は立野さんのヴォルテックスさん扱いです。なかなかに素晴らしい面を持ったシャンパーニュで、まあ、確かに到着したては厳しい酸にたじろぐ・・にせよ、少し置くと、ギラギラしつつもエキセントリックな味わい、煌きを見せてくれます。
まあ・・・ホント、味わいを見ると造り手の性格も判るようでして・・・いや、noisyは会った事は無いのでウカツな事は言えませんが、どちらかというと、
「どう?おいらのシャンパン、旨いだろう!」
と、とても外交的だし、さらには、それだけの資質も有ります。ただ、いかんせん、ユーロも高かったし、蔵出しの価格がどんどん上がってしまって・・・合田さんの困り果てた顔を・・ちょっと覚えてます・・。まあ、それだけ続けたかったポテンシャル高い・・もしくは、将来性豊かな造り手だったということですね。
現在は、日本にはほんの少量しか入ってきていませんし、意外に知らない方も多いと思います。出来るならタイミングを計りつつ・・・飲んだ方が良いですが、買うのにタイミングを見ていると無くなってしまう・・という・・そんなシャンパーニュです。でもそろそろ何とか飲めるようになってきたタイミングでしょう。
ラマテュールは比較的若い樹から造るブラン・ド・ブランです。今回は2013年で、日本ですでに2年近く熟成させられています。アマチュア・・と自身から名付けているので、
「少し瓶熟させてください・・」
と、暗に仄めかしているかのようですが、すでに立野さんがやってくれています・・(^^;;。レクラパールの、清冽な清水のような純粋さと、鬼のようにドライな味わいが生む微妙子細な旨みはそのままです。タイミングを見て是非飲んでみてください。
ラルティストはアーティスト・・・アマチュアから芸術家へと転身、変貌を意味しているのでしょうか。今回のロットは2010年で、やはり約3年弱ほど熟成されています。レクラパールは研ぎ澄まされた刀の冷たさを感じられるんじゃないかと思います・・が、当然未試飲です。こちらのラルティストは、少し休めたらOKでしょう。
トップ・キュヴェのラポートルは「伝道者」。自身のワインに対する姿勢を例えたのでしょう。2010年ですが、やはり2年弱ほど置かれてすでに飲めるバランスで出してきているはずです。ソリッドでハードな清冽さに純真さと一途さが感じられれば、まさにラポートル・・なのでしょう。これはとても美味しいシャンパーニュでした(以前のものを飲んだときの感想です)。ご検討ください。
そして前回より2回目になりますが「ブラン・ド・ノワール・ラストル」が入荷です。2011年もので、3年弱ほど寝かされていますので、おそらくですが飲める状態かと思います。非常に希少なキュヴェですので、飲めてはいません。非常に・・美しい色をしています!ノン・ドザージュでどんな姿に仕上げたのか・・まぁダヴィッドですから想像が付きますよね。
さらには、初登場のN.V.2012年のラフロディジアク。2012年のすべての区画の葡萄・・・と言うことですんで、シャルドネとピノ・ノワールによるセパージュです。こちらはラフロディジアクのコラムにも記載していますので是非ご覧ください。
と言う訳ですが、レクラパールを以前扱われていたラシーヌさんもユーロ高の折、蔵出し価格を毎年大きく上げたがるダヴィッドの姿勢に、才能を認めつつ、経営を案じつつも、とても困っていました。noisyも良く知っています。ある意味、今までの円高ユーロ安が、手ごろな価格で押さえてくれていたんです。これからはどう転ぶのか判りませんので、今が買いどきだと思いますし、これほどまでの清冽なシャンパーニュを造るのは基本ブラン・ド・ブラン系ではこのレクラパールが第一人者、ブラン・ド・ノワールではジェローム・プレヴォーでしょう(御大は取り合えず対象にはしてませんよ)。そこに割り込むべくの「ブラン・ド・ノワール・ラストル」とともに是非、ご検討いただき、シャンパーニュのレコルタン・マニピュランの現状とともに感じていただけたらと思います。