
ん~・・有りあえなかったソフトなテクスチュアと、ふっくらでピュア、しかもナチュラルそのもののアロマ、味わいに、完全に舞い上がってしまいました!・・
緯度の高いシャブリでは、葡萄を完熟させるのが難しい訳ですが、さらには天候や病気などで健康な葡萄を得るのも難しく、どうしてもSo2と言う、「魔法の薬」に頼ってしまう傾向が強くなるアペラシオンなんですね。
でも、アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールの場合、もう何度かSo2無添加と書いたキュヴェをリリースしていました。そのワインは非常にフカフカと柔らかく、豊かな味わいなのにスッキリしていて、身体へ入ってくる入射角もなだらか・・柑橘の香り高く、美しい中盤から長い余韻を感じさせてくれ、しかも、何事も無かったかのように振舞っているクセに、その美しい姿に挽かれてしまっている自分に気付く・・と言うような一連の作業を強制されるんですね。非常に・・旨いです。
やはり、難しかったと思われる2007年のアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールのワインは、リリースされたときから「ガチガチに硬く」「酸が強く」て、今飲むのはちょっと厳しい・・とさえ思わされたことも有ります。本当に・・
「今飲まないで!」
と泣く泣く書いたのを覚えています。
そんな2007年のガチガチに硬かったシャブリ・ベレール・エ・クラルディも5~6年経過すると、ものの見事な味わいのシャブリへと変貌しましたけど!
しかし、おそらく2007年は酸化防止剤に頼らざるを得なかった部分もあり、熟度がやや不足気味だったとも言えますが、5~6年で花開いて非常に美味しくなったと言うことは、
「シャプタリザスィヨン(糖分添加)」
には頼らなかった・・と言う証拠でもある訳です。
今回は2007年をご紹介するわけでは無いのでこの辺で止めますが、やはりどんなに硬い仕上がりでもナチュラルさを犠牲にしなかったことで素晴らしい味わいになった・・と言いたかったんですね。
全てが上手く行かなかった2007年とは大違いに、おそらく2014年のアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールは、健康的な素晴らしい葡萄を得たことが伺えます。これほどまでに素晴らしかったのは、noisy の経験上では・・1度か、有っても2度です。
「シャブリって、こんなにピュアで柔らかいんだ!」
と・・是非ともビックリしてください。数が無くてとても飲めませんが、トップ・キュヴェのコトー・ド・ロゼットも同様でしょう。すぐに開けても、この柔らかな味わいならとても美味しく飲めるはずです。100年超えの樹齢のアリゴテもそう・・、そして、皆さんは余り興味が無いかもしれませんが、サン=ブリと言うソーヴィニヨンの目茶美味しいワインが有り、2014年はちゃんとA.O.C.も取得しています。厳しい年はV.d.F.になり、「サン=ブリュイ」のみの名前でリリースされるんです。そんなところからも2014年がアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールにとって如何に素晴らしかったかが伺われます。
なお、割り当てばかりなので・・この数量でほぼ動かないと思います。グレートになったはずの2014年アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムール、是非とも飲んでみてください。一押しです!