バシュレ=モノの2016年ものの今年の到着は8月終盤と言う、とても中途半端な時期になってしまいましたので、すべてのテイスティングが終わらず、でもエージェントさんからは8月中に引き取って欲しい云云かんぬんで仕方なく・・無理して仕入れた訳ですが、さすがに10アイテム以上?もあるラインナップの全てを、たった6日間でテイスティングするには至りませんでした。
しかしながら2016年ものの傾向はしっかりと読め、グラマラスさも有りつつもちょうど良く、バシュレ=モノらしい、ほんのりビターさを感じさせるミネラリティがたっぷりな味わいに、
「2016年のシャルドネ、悪く無いどころか、かなり良いんじゃないのかな?」
などと感じ始めています。
例えばあのオーレリアン・ヴェルデのオート=コート白でさえ、たっぷりな味わいはシャルドネの個性をしっかり発揮しているように思いましたし、無駄の無さ、余分なものを感じさせないタイトな要素が、むしろ心地良さにつながっていると感じました。
このバシュレ=モノの2016年ものもまさにそんなイメージで、凝縮感そのものは2015年には及ばないかもしれないが、むしろ2016年ものの「リキミの無さ」がシャルドネの本質や畑の個性に迫りやすいかもしれません。
■2016 バタール=モンラッシェ・G.C.
トップ・キュヴェのバタール=モンラッシェも、まだリリース直後で評論家さんのコメントも余り見当たらないのですが、ジョン・ギルマン氏が94ポイントと評価しておりまして、2015年もので某評論家さんが94~95ポイントと評価しているのとほぼ同様・・誤解を恐れずに言ってみるとするなら、
「2016年ものはグレートな2015年ものと比較して、凝縮感で僅かに劣り、バランスと畑の個性で僅かに上回る」
と言うことが言えるかもしれません。noisy も中々飲めないが何とかして飲みたい!・・と思っているバタール=モンラッシェは2016年もの、たった2本の入荷です。
■2016年 ピュリニー=モンラッシェ・P.C.レ・フォラティエール
有り得ない美味しさの2015年レ・フォラティエールを飲んでしまえば誰もがまた、2016年ものも飲んでみたいと思うに違いありませんが、noisy のように、到着したらパカッと栓を抜ける立場の皆さんは中々そうは行かないかと思います。それでも下級クラスの素晴らしさが判ればまた、この1級レ・フォラティエールのリーズナブルさが判るでしょう。バタール=モンラッシェには手は出ないとしても、レ・フォラティエールならまだこのプライスで購入できます。ヴュー・フロム・ザ・セラーのジョン・ギルマン氏は、何とこの2016年レ・フォラティエールに93ポイントと、バタールと1点違いの評価ですから・・いや、レ・ルフェールも93点なんですけど・・ね。ここは外せないと思います・・エージェントさんには3ケースのみ、noisy も12本のみで終了ですので、余るようなら何とかテイスティングにこぎ着けたいと思っています。
■2016年 ピュリニー=モンラッシェ・P.C.レ・ルフェール
飲めていないので詳細には語れませんが、2015年ものまでは、素晴らしいけれどレ・フォラティエールには僅かに及ばない・・と感じていました。しかしヴュー・フロム・ザ・セラーのジョン・ギルマン氏は、レ・フォラティエールと同点の93Points と言う評価で、「ドメーヌでのテイスティング時期にはやや開かないレ・フォラティエールに対し、凄いアロマのレ・ルフェール!」と評しつつ同点・・と言う結果でしたので、
「・・そんなことも有るのか・・有るかも・・」
と、自身で結論出来ない状態を憂いています。こちらも「追加は絶対に不可!」と念を押されています。12本です。
■2016年 ムルソー・クロ・デュ・クロマン
2015年ものも最高に美味かったですね・・思い出します。僅かにねっとりとしつつほんのり色付いたフルーツがアロマティックに感じられ、バシュレ=モノらしい、ピュアなフルーツにも確実に存在する「ビターな味わい」、たっぷりなミネラリティに、のけぞりながら口内にへばりつく旨味の元を舌で嘗め回しつつ「美味い・・美味い・・」と・・。2016年ものもおそらく同様で、バランスはより中心に寄り、結果として良くなっているんじゃないかと想像しています。こちらはジョン・ギルマンさんの評価は見当たりませんでしたが、ピュリニー=モンラッシェ同価格帯ですから・・91Points ほどの評価になるかと思いますので、かなりリーズナブルでしょう。
2016年ものは量的にかなり少なく、いや、3年続きで減少したと言われていますから、我らの入手量も非常に限られ販売的にも厳しいです。しかし、生産者もまた同じで、ある程度造れたらしい2017年が売りに出されるまでは、綱渡り状態なのかもしれません。
そんな中でまだ値上げは大きく無く、バタール=モンラッシェは2015年ものと同じ価格です。是非この機会にご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【厳しいだけでは無い、とても豊かな面をみせてくれる非常にゴージャスなムルソーです!】
いや~・・これは旨い・・見事な村名リューディ、クロ・デュ・クロマンです。一般的に思われているであろうムルソーとは違うぞ!・・その上でかなり高質なバランスを見せているムルソーも有るんだぞ!・・と言うことを証明するワインでも有ります。
通常、noisy は、
「ムルソーは非常に厳しいミネラリティ、大理石にも例えられるものがたっぷり在るから・・」
と言う場合が多いんです。まぁ、そのようなアイテムの扱いが多いと言うことになりますね。レ・シャルムやジュヌヴリエール、そしてレ・ナルヴォーとかレ・ルージュとか・・です。
しかしながら、これらは皆、
「ムルソー村の南端、もしくは西に在る畑」
なんですよ。
でもそれだけじゃなくて北寄りの、ヴォルネイに近い部分の畑も有ります。アペラシオン的に言いますとヴォルネイ=サントノとかの1級畑では有りますが、ピノ・ノワールが多く植わっています。
ところがその近くにもちゃんとシャルドネが植わっていまして、
「ムルソー村南部のミネラリティも持ちつつ、やや赤い粘土のニュアンスも持つリューディも有る」
んですね。ご存知の方も多いと思いますが、有名なのは例えば、
「コント・ラフォンのクロ・ド・ラ・バール」
でしょう。
そんなクロ・ド・ラ・バールにも似た、非常に豊かでゴージャスな味わいなのに、
「何故か村名・・」
と言う畑なんですね。それがこの「クロ・デュ・クロマン」です。
粘性豊かでややオイリー、非常に複雑構成の表現なのに・・ひとつにまとまっています。たっぷりしていて、そのたっぷりさの中に、ムルソーが持つ厳しいミネラリティを含んでいるように見えるのは、勘違いされると困りますが・・ムルソー・ペリエール的でも有ります。・・いや、ペリエールまでは・・さすがに無いです。しかし、この豊かなバランスは素晴らしい!
そこにバシュレ=モノが得意とする超高域の表現が加わります。スパイス、フローラルなニュアンスが超精細です!・・滑らかさの中にちゃんと際立った表現が有るんですよ・・これは驚きです・・。
まぁ、何しろ村名ムルソーのリューディなのに、シャサーニュよりも高いんですから・・造っている本人だって、そこはちゃんと理解、判断しての価格付けです。
飲めば判りますが、これは明らかに1級並み・・と言って良いでしょう。白や黄色の表現に、オレンジや赤と言ったニュアンスをプラスしている高貴な粘土由来・・なのかな?・・と理解しています。
非常に高質です。是非とも飲んでみてください。超お勧め!旨いです!