
素晴らしい色合いですよね。目に見える情報だけでも、
「こりゃ、素晴らしいに違いない」
と思わせてくれます。
色合いの濃さもそう、透き通った具合からにじみ出てくる、見えない「裏にあるもの」の存在も伝わってくるかのように思います。
実際に飲んでみると非常に大柄で、シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュをさらに巨大化したようなイメージです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュの多くは・・いくつかの生産者を除き、まず・・甘いです。柔らかいんですけどね・・ドライなことはまず無い。その甘さが、ピノ好きを避けさせるのかな・・とも思いますが、こちらはブルゴーニュ・ルージュながら、とてもドライでシャサーニュの存在が非常に大きい・・と思ってください。
ただし大柄なだけに、完全に仕上がっている状態・・とは言い難く、ただバランス的に、「美味しく飲める状態」では有ります。まだまだ伸びる余地が大きいです。
価格的にも、ACブルゴーニュ格とは言え、シャサーニュ村名の赤並みで、そうだと思えば非常にリーズナブルです。やや厚めの果皮の由来の、果皮の濃密さが、このワインの特徴でしょう。参考上代は何と、4300円・・まぁ、それだけの価値は有りますが、その価格じゃ買いませんよね~・・でも非常に美味しいと思います。アドヴォケイトのニール・マーティンさんは86-88Points 付けているようですが、このクラスのワインにこれほど付けるのは珍しい・・。非常に良く出来たニュイのACブルゴーニュに付く点です。ご検討くださいませ!
━━━━━
【ワンクラス以上上のACブル!複数村の畑をブレンドすることによって、複雑で構造の大きなACブルゴーニュ・ルージュに仕上がっています!】
余りに2014年のバシュレ=モノがリーズナブルで、しかも高ポテンシャル、確実な成長が見え、飲んでいて楽しいので、2015年ものはピノ・ノワールも海外の評判が良い・・とのエージェントさんの話しを信じ、今までは避けて来た赤も仕入れてみました。
まぁ、ボーヌのピノ・ノワールはニュイに比べ、いや、一部の・・例えばヴォルネイ辺りの秀逸な畑を除けばやや酸の丸みに欠ける表情が有るのが普通かと思いますが、リーズナブルなクラスで上出来なものは、元々価格も安いし、残念ながら?、シャルドネへの転換が様々な理由によって出来ないことにより、樹齢も年々高くなり、しかし価格は為替の上げ下げ程度と言うことから、目の付け所で有るアイテムでも有ります。
もしフランスに自由に行けるような環境で、しかも、各ドメーヌ・メゾンに立ち入り、試飲出来るようであるなら、滅茶苦茶美味しくてリーズナブルなブルゴーニュ・ピノ・ノワールの独自キュヴェを開発する自信は有りますが、そんなことに時間を割く余裕も無いワイン屋でしかございませんで、そこは、
「数々のテイスティングをこなし、良いものに当たった時はここぞとばかりに押さえに掛かってご紹介する」
と言うスタンスで行くしかないんですね。
各言う内のドメーヌで有るバシュレ=モノでは有りますが、2015年ものは「数量が無く」、2014年もののように自由には仕入れが出来ない状況でして、仮に「かなり良いのでもっと押さえたい」と思っても、今回入って来た分がほぼ最終仕入れとなるのが残念では有ります。
サントネ産のピノ・ノワール25%、マランジュ産を25%、残りを何とピュリニー産を50%セパージュしたブルゴーニュ・ルージュです。
明るくハツラツとした赤基本の美しく、薄くも濃くも無い綺麗な色合いをしています。ほんのり野性味を持つチェリーと、ジュヴレ風のやや重みの有る鉄、金属、おだやかに香るスパイスが、このピノ・ノワールを象徴しています。
非常にドライながら、彼のシャルドネ同様に、まるで葡萄の弦を目前にしているかのような、そしてその匂いを嗅いでいるかのような、生き生きとした薄い緑の植生のアロマを感じます。
まろやかさの中に生命の息吹とも思える揺らぎを感じ、中域の膨らみも良く、終盤から余韻に掛けては、彼の2015年のシャルドネ同様に、
「マンモス・ミネラリティ」
を持った、ややソリッドさが有り、その素晴らしい果実を含んだミネラリティの還り香を感じさせてくれます。
また、例えば、ロッシュ・ド・ベレーヌのブルゴーニュ・ピノ・ノワールも美味しいですが、それには無い「大きさ」「構造の深さ」「存在感」が備わり、一クラス以上も上のワインで有ることも印象付けられるでしょう。
このバランスでもかなり美味しいんですが、しっかり休ませることで、この冬のブルゴーニュクラスのピノ・ノワールの新顔を飲んでみるには、余るほどの満足が得られるんじゃないかと思います。非常に美味しいと思います。新米の息子も、「何気にこれ、旨い」などと生意気なことを言っておりましたが、この存在感故のことでしょうか。少ないのでお早めに・・。