【このマランジュ1級レ・フシェールは・・何と、バシュレ=モノのサントネと同じ畑としか思えない・・途中で繋がっています。「なんじゃこりゃ」ですが、ポテンシャルはほぼ同等で味わいも異なります!】

バシュレ=モノのサントネ・ブランは、マランジュとの境に有ります。昔はもしかしたら・・
「サントネにこの1級レ・フシェールを混ぜていたのかも・・」
と・・アペラシオンの規定が変わり、ワイン名もA.O.C.に合わせるようになって・・みたいな歴史が、もしかしたら有るのかもしれません。
LUC社の地図を見ると間違っているようなので判りませんが、他の写真や Google Map で確認しますと、
「サントネ村名レ・ブラが途中からマランジュ1級レ・フシェールに変わっている!」
「しかもその境界は畑の畝を斜めに横切っている!」
のが判ります。
なので、極論を言いますと、
「サントネのレ・ブラやル・シャイニが村名のままって・・疑問が残る」
訳です。
マランジュだと1級になり、サントネだと村名・・まぁ、さらに言ってみれば、どちらの村も赤ワインが多く白の畑は少ないので、放置状態なのかもしれません。
またバシュレ=モノのサントネは4つのリューディのブレンドなので、当然ながら・・その2つほどがマランジュ1級に接しているとしても・・他の2つの畑がその特徴を発揮するでしょうから、当然ながらマランジュ・レ・フシェールとは異なる可能性が大きくなるのでしょう。

この1級レ・フシェールは、サントネの1級クロ・ルソー(プティ・クロ・ルゾー)、1級グラン・クロ・ルソーに接し、またマランジュの1級クロ・ルソーとも接しています。
バシュレ=モノのサントネ・ブラン2022年が緊張感のある金属的で冷ややかな味わいであるのに対し、こちらはもう少し緑掛かった・・そう・・珪藻土的なニュアンスを持ちつつ、僅かに温かみを増やしたニュアンスに感じられます。また幾分ファットでオイリーです。
黄色い果実や柑橘、ミネラリティは白や僅かに緑、凝縮していても引き締まったボディが感じられ、ピュアな酸と滑らかな酸が綺麗にバランスした集中した味わいです。
縦延び系のサントネと、やや横にも拡がりを見せるレ・フシェール..と言うべきでしょうか。ついついグラスを重ねてしまっていると言う・・危うさも在る旨いシャルドネです。
面白いのはニール・マーティンさんで、グラマラスな出来の2020年には93ポイントまで付けましたが、めちゃ引き締まって贅肉無しの2021年には91ポイント、noisy 的には過去最高と判断しているバランスも素晴らしい2022年は92ポイントと・・どうやら、
「こってりしているのがお好き」
なようです。ジャスパーさんも2020年ものには94ポイントとしていますから、同様に濃い方がお好きなようです。
この2022年ものは非常に出来が良いので、すぐに飲んでも美味しいですが、出来るだけ空気を吸わせながら・・酸化を促しながら飲むとさらに良いでしょう。素晴らしい出来です!・・畑を斜めによぎった葡萄は、
「どっちに枝が延びるか?」
でサントネにも、マランジュ1級にもなるのでしょうか?・・それとも「根の位置」なのかと・・noisy 的には悩みがまたひとつ増えてしまいました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【「マランジュ1級でここまで旨いとは!」と、確実に思っていただける見事な出来です!】
非常に些細な違いかとは思いますが、2020年ものと2021年もののこの1級レ・フシェール、どっちが美味しそうに映るでしょうか?
まぁ・・幾分ですが、以前よりも高解像度で写真を仕上げていますからその差も出て来るかもしれませんが、海外メディアが判断したような2ポイント下げ・・と言うことはちょっと有り得ません。少なくとも同等かな・・と見えますし、実際・・覚えている感覚からは同じように感じます。
ですがヴィンテージの特徴なのでしょうか。2021年ものはシャサーニュ村名同様にミネラリティが膨大でして、構造自体が大きく深いんですね。
2020年ものは良く熟れていて葡萄の熟度は高いんですが、若干、酸が弱めに出ましたから、構造の深さ・・と言いますか・・
「グラスの底が幾分上に来る」
感じがするんですよね。2021年ものの方がビッグで、しかもその大きな空間を埋め尽くそうと・・今、努力している最中・・と言った感じなんです。
ですから、黄色や白の果実もしっかり・・今は有ります。これからさらに充実して行くでしょう。
マランジュらしい・・単純な白っぽい石灰・・と言うよりは、もう少し緑っぽいようなミネラリティがほんのり感じられます。
軽やかさとどっしりとした・・でも嫌味にならない低域から、高域に向けてややスレンダーなボディを形成しながら昇華して行くようなニュアンスです。

ですから決して、2020年もののややグラマラス系で酸は比較大人しい味わいとは異なり、現状ややスレンダーだけれど構造自体が大きく、酸もしっかり在り、高域に伸びて消えて行く感覚は2020年ものを完全にしのぎます。
この1級レ・フシェールのルージュの方は、かなり高い評価が出ているんですが、このブランの方は91ポイント止まりでして・・
「・・えっ?・・」
と、思わず評価の対象を何度も見直してしまいました。赤も美味しいですが・・白は絶品!・・と言いたくなりますよ。価格はリーズナブルだしドライで甘くないがエキスの美味しさ自体、感動的です。
まぁ・・ワインも、どんなにドライに感じたとしても、若干の残糖は有るんですね。その残留糖度?を大きくしますと、ちょっとした欠点を隠すことも可能ですし、思いっきり頼ってしまうこともできます。
しかし・・そう言ったワインはエレガンス度を下げる方向に感じられますから、やはり・・かなりのドライに仕上げないと・・飲まれる方の評価は得られないでしょう。
このマランジュ1級レ・フシェール・ブラン、2020年ものとは異なるタイプです・・単純に言ってしまえば2020年ものは横への膨らみ、2021年ものは縦への伸びが特徴です。横への膨らみで酸が良く熟れていると、そこから縦には成長しないと思いますので、
「2021年ものは今も美味しく飲めるが、先行きは相当楽しみなワイン!」
と言えると思います。ぜひ飲んでみてください。非常に美味しいマランジュ・ブランです!
以下は以前のレヴューです。
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ん~・・ちょっとどうなんだろうと・・思っていらっしゃる方も多いんじゃないかと想像します。何せ・・
「マランジュの1級白が94ポイント!」
なんて言われましても・・ね・・何かピンと来ない方が結構いらっしゃるかもしれません。
ですがすでにバシュレ=モノのこのレ・フシェールを飲まれていらっしゃる方なら、
「いや、バシュレ=モノのマランジュ1級って、滅茶美味しいでしょ!」
となっているはずなんですね。
noisy にしましても、あのジャスパー・モリスさんが2020年ものレ・フシェールに94ポイントも付けるなんて・・
「・・大丈夫かぁ?」
と思ってしまったのは事実です。それよりもアン・ルミイィに93点って・・何だよ?・・と直接聞いてみたいところでもあります。
しかしこの潮流はジャスパーさんに留まらないんですね。ヴィノスの・・おそらくニール・マーティンさんも上値で93ポイント、付けていらっしゃいますから・・
「こんなに高いポイントは、本当にそう感じていないと付けられない!」

はずなんです・・ね。
「マランジュで94ポイント!」
これは本当に衝撃でした・・って、ついさっき知ったんですけど・・(^^;;
ムルソーのように滅茶豊満・・なスタイルでは・・有りません。どちらかと言うとモンラッシェ系の繊細なニュアンスを織り込んだようなスタイルです。ちょっと金属系のギラっとしたミネラリティも感じさせつつの白い石灰が多量に有り、感じられる果実も非常に小さく繊細です。
ただただ横に拡がるだけでなく縦の延びも素晴らしいです・・から、
「こんなに美味しいマランジュなんて飲んだことない・・」
と思われます。
まぁ・・経験の無い方にアピールするのは至難の業ですよね・・何せ・・知らないんですから。
でも、この繊細に織り込まれた織物生地のような緻密さは、きっと皆さんのイメージの中に有る「マランジュ」とはかけ離れたものかと思います。
もはや今までのイメージは捨てるしかないと思います。凄いシャルドネでした・・94点が妥当かどうかは別として・・(^^;; 滅茶お勧めします。是非飲んでみてください!
以下は以前のレヴューです。
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【シャサーニュ-->サントネ-->マランジュと南下!・・何とマランジュ1級がここまで美味しいとは!・・本格派高級シャルドネとしてのマランジュを是非お楽しみください!】
もうバシュレ=モノでは、本拠地である「マランジュ」の葡萄をどう扱ったら良いのか、スキルとして完成しているんじゃないかと思ってしまうほど、この1級フシェール・ブランは美味しいです。
むしろ白っぽい石灰系ミネラリティが多いので、コルトンやラドワのワインに似たニュアンスを感じます。そこに何となく「うす緑」のニュアンスを加えたミネラリティの感じがこのマランジュ1級のイメージかと思います。
ただし・・2019年に初めてnoisy wine に入荷した「赤のマランジュ1級」が、海外メディアで相当に持ち上げられています・・こちらについては是非コラムでご確認くださいね。
因みにこのマランジュ・フシェール・ブランは92~93ポイントほどの海外評価だと思われます。ちゃんと確認ができないのでそのような書き方になってしまっていますが、確実なところは、
「セラー・トラッカーの92ポイント」
と、
「ジャスパー・モリス氏の91ポイント」
なんですが、一部に93ポイント付いていると言う情報も有り、・・でもこれは赤の1級の方とごっちゃになっている可能性も有るので掲載しませんでした。
まぁ、海外メディアの情報は実はどうでも良く、この南の本当のドンケツにあるマランジュのワインを、noisy がお勧めする時代が来るとは・・noisy本人も、つい数年前までは思っていなかった訳です。
「どうせダメでしょ・・」
とタカを括っていた訳です。
しかしここまで本格的な仕上がりのマランジュに出会ってしまうと・・・しかも自身で良いと思って扱って来た造り手でもある訳ですから、認めない訳には行かなくなってしまうんですね。
「超明るいサントネ」とはまた違う、重量感がしっかり有るタイプで、「白っぽいチョーキーなミネラリティ」に「僅かに薄緑のミネラリティ」が差し込んだような複雑感が特徴です。
相当美味しいです!・・まぁ、2018年もののフシェールを飲まれた方はすでにご存じかと思いますが、またそこさえ超えて来たのが2019年!・・と思ってください。お勧めします!滅茶美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【コート=ドールの南端の奇跡のシャルドネです!】
まぁ・・ブルゴーニュファンがマランジュと聞いて良い顔が出来るのは、この「バシュレ=モノ」を知る人だけじゃないか?・・なんて思ってしまいます。それほどのポテンシャルと味わいと価格がミスマッチなアペラシオンはありません。
それに・・このレ・フシェールのコラムをご覧の皆さま、赤のコラムも是非ご覧くださいね。ニール・マーティンさんは、
「This comes highly recommended!」
と言いつつ、90~92ポイントも付けちゃってます。あの、人より低いポイントを付けるのが趣味なんじゃないのかな?と思えるようなアラン・メドゥズさんだって、赤のマランジュに89~91ポイントも付けちゃってますから・・はい。いや、あくまでそれはピノの話ですけどね。
で、この美しい淡い緑を取り込んだ黄色の素晴らしいレ・フシェールですが、非常に美味しいです。タイトさも有りますが柔らかなテクスチュアでも有り、今飲んで非常に美味しいです。
個人的にはやや珪藻土とか、花崗岩だとかのニュアンスが僅かに入って来ていると思いますが、凄い評価のムルソー・クロ・デュ・クロマンをほんのり小振りにしたくらいの仕上がりです。
海外メディア評価はヴィノスのものが見当たったんですが、ニール・マーティンさんか、ガローニさんか、タンザーさんのものかはハッキリしません。でも90ポイント付いていました。
noisy 的には91ポイントまで上値の余裕を持ちたいですね。オイリーさと味幅の広さに僅かにフレッシュさが混ざり、フルーツ感のたっぷりなニュアンスが非常に心地良いです。一昔前なら、noisy でさえ・・避けて通っていたアペラシオンでは有りますが、今は、
「リーズナブルなのにポテンシャルが有って美味しい素晴らしいアペラシオン」
と言うような言葉に近くなって来ています。
もっとも、これは優れた生産者のみに当てはまるもので、未だにどうにもこうにも評価し辛いワインが多いのも事実。なので、
「とりあえずバシュレ=モノのマランジュは別格!」
と覚えておいてください。お勧めします!超美味しい!・・・もしドミニク・ラフォンのA.C.ブルが無くなってしまったら、さらに大きさの在るこちらを飲んでみて下さい!
【バシュレ=モノを知るならこの1本!・・そしてマランジュの将来性をも知ることになります!】
いや~・・美味しいですね~・・ギリ5千円ですが、5千円でこれだけのパフォーマンスを経験できるなら、全くお買い得だというしか在りません。
元々はnoisy も、マランジュはあまり好きでは無く・・(すみません・・)、1級畑が出来たなんて聞いても余り興味も湧かず、でもテイスティングをすると、平板でエッジの利いた角で「グザリ」と刺される感じが何ともね・・嫌だったんですね。
なので、
「マランジュに旨いものなし」
などと平気で言ってました。
まぁ、さらに言ってしまえば、このバシュレ=モノのマランジュ1級フシェールにだって・・同じことを言っていたんです。
でも、・・この3年でしょうか。ま~・・大きく向上しましたよ。そして2017年ものですが、
「めちゃんこ美味しい!」
です。
前言を軽く翻してしまうnoisy もいけませんが、しかしそれは確実にこのワインが美味しくなった証拠でも有ります。
並みのコート・ド・ボーヌのシャルドネ、それも並みの1級じゃ勝てませんよ。そして「緑色」がしっかり感じられるこの独特の味わいは、他では中々出会えないミネラル感です。
しかし・・2017年ものは非常に少ない・・少ないのに飲んでしまったからさらに少ない・・それも価格を5千円にしようと無理をするから営業的にも厳しい・・ので、ホントは厳しいです・・(^^;; お早めにどうぞ・・嘘は付きません。
以下は以前のレヴューです。
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【唯一無二の個性!・・納得していただけるに違いない見事な味わいです!ジョン・ギルマン氏は何と90ポイント!】
マランジュの白ワインに90点オーバーが付くことになるとは、時代も変わったものだと思われるかもしれません。noisy だって・・そう思いますよ。長年ワインに携わる仕事をしながら、マランジュを美味しいと感じることになるとは・・この数年前までは思ってもいませんでした。
何せ、
「硬い、土ムサイ、苦い、垢抜けない、バランス悪い」
と、5拍子以上に良く無いポイントを上げられちゃうアペラシオンでした。ここマランジュまでくると、
「ブルゴーニュと言って良いのか?」
と思えるほど、違う個性とバランスを感じたものです。
しかしこのバシュレ=モノの1級ラ・フシェール・ブランと出会ってからは大分考え方が変わりました。だって・・美味しいので・・そうなっちゃいますよね。
個性が有っても、それを人間が良いと思えるベクトルに方向を持って行かない限り、「受けないワイン」になってしまう訳です。しかしながらバシュレ=モノのマランジュ1級レ・フシェールは、見事なバランスを得て、その個性を伸ばすことに成功したと言えます。
見事な淡い緑を持ったほんのり濃い目のイエローはセクシーです。ノーズもほんのりマッタリ、オイリーまでは行かない感じですが、王道のシャルドネの主張が感じられます。口に含むと中庸なボディ感から、様々なフルーツのアロマティックさと石灰感、やや緑色をした珪藻土のような・・しかし非常に美しいニュアンスが拡がります。余韻にかけてはバシュレ=モノらしい、ややタイトでビターなミネラリティと酸の織りなす複雑な味わい、そしてまたフルーツのアロマがノーズに抜けて行きます。旨いです!
そうは言っても・・だいぶ価格も上昇してしまいました。シャサーニュのラ・ロマネやアモー・ド・ブラニーの2016年ものの入荷は無く、もしかすると「造れなかった」のかもしれませんので、造り手的には緊急な状況だったのでしょう。
なので、noisy もこのキュヴェに関しましては、頑張って価格を付けています。飲んでいただきたい一心からです。マランジュの個性を引き出した素晴らしいワインだと思います。是非ご検討くださいませ!勧めです!