● お待ちの方も多い・・気付けば、「2022年のティエリー・グラントネは入りますか?」とお尋ねの方もいらっしゃいまして、こりゃぁ・・早々に出さないと・・とややプレッシャーを受け気味の noisy です。
まぁ・・判っちゃいたんですが、上級キュヴェが余り数が無いので・・どうしようかと悩んでいたんですね。2021年も2020年も上級キュヴェはケースを割ってしまっていたと思いますので、このところしっかりテイスティングが出来ていないのが気になっていました。
しかしながら、とりあえず2022年のA.C.ブルを開けた瞬間にそのネガティヴな気持ちは無くなり、同じく2022年のスーパー村名ヴォルネイを開けて・・2022年のティエリー・グラントネの方向性を確認出来たと感じています。
「2022年のティエリー・グラントネは、エレガントでふんわりなアロマが高く、気品高い出来!」
です。
2021年ものはやや硬質だがエレガント、2020年ものは濃厚でシッカリながらエレガント・・(^^;; でしたから、この3年間の垂直比較がもしできたら、エライ面白いと思います。
もちろん出来は・・ティエリー・グラントネですから万全です。エレガント系、綺麗系に正しい評価が出来ないメディアの評点が並んではいますが、余り気にしないで大丈夫です。だって・・ブルイヤール94点、ソシーユ92点、クロ・デ・シェヌ94点なんて、絶対にありえないので・・。
noisy 的には、2022年ものは非常にバランス良く、エレガントで超高質だと確信しました。ぜひ楽しまれて下さい。超お薦めです!
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いつの間にやらお問い合わせが非常に多い大人気ドメーヌになっているティエリー・グラントネの2021年ものをご紹介させていただきます。
そもそもは・・ヴォルネイ中心のドメーヌでしたから、noisy 的には陽の当たらない・・寂しい感じがする・・でも実力はしっかりある・・でもインポーターさんの扱いに納得が行かないのでたまにしか扱えない・・と、更に寂しい感じになってしまってたところ、聞けば・・さらにいつの間にかヴィヴィットさんで扱い始めたとのことで、
「そりゃぁ・・扱わないと!」
と言うことでご紹介させていただきました。
リーズナブルだしポテンシャル高いし・・しかもご時勢も有ったかと思いますが海外メディアも注目し始め・・ティム・アトキンさんとか・・ティム・アトキン氏とか・・(^^;;
気付けば今のような状態になっていたんですね。美味しいですもんね~・・。
で、2018年、2019年、2020年と、素晴らしいポテンシャルで判りやすく美味しいピノ・ノワールをリリースしてくれました。
2021年ものですが、直近の2020年ものと比較しますと・・だいぶ仕上がりが異なります。下の写真をご覧ください。

2020年ものは非常に濃い色彩をしていますので、敢えて出しませんが、2021年ものと2019年ものの「ヴォルネイV.V.」の上部からのショットです。
質感は似ていますが、そこまで濃くは無かった2019年ものに比較しまして、淡い感じに受け取れると思うんですね。
で、これが・・
「飲み時に大きく関わってくる!」
と申し上げておきたいと思います。
2019年ものはリリース直後から飲んでも実に美味かったと思います。若い時分に発揮するエキスの濃さ、バランスで充分満足できる仕上がりだったんですね。
2021年ものは、
「とてもエレガントなヴィンテージに仕上がっている」
ので、アイテムによりましては、すぐに飲むと幾分硬く感じますし、エキスの仕上がりが時間不足で、
「テクスチュアもちょっとザラつくし、エキスの旨味や押し出し・膨らみが不足している感が出てしまう」
と感じます。
ですが、非常にエレガントで美しく、これは単に、
「時間の問題に過ぎない」
のは間違い在りません。
ですので、上級キュヴェほど早い段階から飲んで美味しいです。言ってしまえば・・
「A.C.ブルは時間不足なので、温かくなってから飲むべき!」
です。A.C.ヴォルネイV.V.はそれなりに美味しく飲めますが、A.C.ブルほどでは無いにせよ・・少しだけ時間が不足している感じです。
1級になりますと・・余りに入荷が少なくてテイスティング出来たのはブルイヤールのみですが、
「今飲んでも納得できる味わいに育って来ている」
と言えます。
面白いのは・・こう言っては「なん」ですが、海外メディアはやはり、ポテンシャルでは無く直近の美味しさを主体にポイント付けしているようで、
「上級キュヴェは2020年ものとほぼ同様の評価をし、格が下がるにしたがって2020年ものよりも1~2ポイントほど下げている」
と判ります。
ですので、
「2021年ものはエレガントな年。エキスの成長を持って飲み始めるべし!」
と言うことになります。
どうしても早く飲みたい場合は・・早めに抜栓する、もしくはデキャンタを使用する、その上で、
「品温を上げる」
ことがマストです。
2021年ものは香りも味わいもエレガントで、すっぴんのテロワールを感じさせてくれる・・このところはお目に掛かれなかったヴィンテージだと思います。是非お楽しみくださいませ。
なお、余りに入荷数が減ってしまったので、お客様のご要望を考えますと限定条件を付けざるを得ませんでした。どうぞご理解よろしくお願いいたします。
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Noisy wine ではもはや人気ドメーヌのトップと言って良いと思います。まぁ勿論ですが、もはや雲の上の人と言ったイメージの大ドメーヌ、超高評価ドメーヌは人気では有るのですが、すでに簡単には手の届かない・・持っていても中々開ける訳にも行かなくなったドメーヌの人気も有るんですが、
「今ならリーズナブルに飲める、飲んで滅茶おいしいブルゴーニュワインのドメーヌ!」
ドメーヌ・ベルナール・エ・ティエリー・グラントネの2020年です。
「量的不作の3年間」は、「ブルゴーニュワインの金字塔年間」とも言い換えられそうな2019年、2020年、2021年ものですが、年が変わる毎に・・量が減って行きます。おまけに今は為替が弱く未だに1ユーロが145円ですから、その分の値上がりが厳しく、この素晴らしいグラントネのワインにも影響を与えています。
しかしながら量は無くとも、ワインの出来は半端無いです。上級キュヴェのテイスティングは・・4本ずつ・・などと言う感じで、扱い始めてから・・こんなことは初めてでは有りますが、
「飲むのを諦めるしかない・・」
状況に追い込まれています。
ですが、海外メディアは「諸手を上げての称賛」と言って良いほどでして、「ブルゴーニュの注目すべき生産者トップ25」にこのグラントネを選んだティム・アトキン氏は、
2020年ヴォルネイ・クロ・デ・シェヌ 95ポイント
2020年ヴォルネイ=サントノ 95 ポイント
2020年ポマール・レ・ソシーユ 94 ポイント
2020年ヴォルネイ・ブルイヤール 94ポイント
と、圧巻の評価をしています。
ですので、
「ここは美味しくない訳が無い・・」
との判断で、ノーテイスティングを決めさせていただきました。
ですが、いつも素晴らしい・・一般にはヴォルネイ・プルミエ・クリュ並みの素晴らしさを見せる2020年ヴォルネイV.V.、全くの村名クラスの存在感を味わいで見せるA.C.ブルゴーニュはしっかりテイスティングさせていただきました!
で・・ここからです・・難しいのは・・。
実はそのティム・アトキン氏は、2020年ヴォルネイV.V. が91 ポイント、2020年A.C.ブルが90ポイントと、noisy的な評価よりも・・やや低いんですね。
ですので、二通り・・考えられると思う訳です。
1.ティム・アトキン氏の下級クラスの評価が低め誘導なのは、全く正しい。-->だとするなら、95ポイントのクロ・デ・シェヌ、サントノ等の評価は低過ぎる。
2.ティム・アトキン氏の下級クラスの評価90~91ポイントは正しくない。 -->だとするなら、村名ヴォルネイ、A.C.ブルは1~1.5ポイント、上げるべき。
と言う感じに思えてなりません。
グラントネのスタイルは2020年も大きくは変わっていません。クラシカルな美味しさを残しつつ、近代的な技術も取り入れ、非常に完成度の高いワインに仕上がっていると感じられます。まぁ・・ルロワも是非とも欲しいワインと感じているのは間違い無しです。
なお、2019年ものも少なかったのですが、2020年ものは輪をかけて少な過ぎますので、申し訳ありませんがお一人様1本限定、上級キュヴェに関しましては条件の無い他の生産者さんのワインを1本と制限を掛けさせていただきました。・・すみません・・本当に・・無いんです!・・どうぞよろしくお願いいたします。
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2017年ものより取扱が復活、その直後から飲まれたお客様のリピートやお問い合わせがバンバンと入り始め、「ヴォルネイ新時代」の風を感じさせてくれたベルナール・エ・ティエリー・グラントネの2019年をご紹介させていただきます。
素晴らしい2018年ものをお飲みいただきましたお客様からは、「2019年ものはまだか?」と・・何せ2018年ものは昨年11月にご案内させていただきましたので、問い合わせを多くいただきました。
そりゃぁ・・この価格でテロワールをしっかり具現しつつも、決して手を抜いた仕上がりにはせず、気に入らなければ格落ちさせてブレンドしてしまうと言う手法を取りますから、A.C.ブルでさえも村名ヴォルネイを感じさせてくれますし、村名ヴォルネイでも、ただの村名とは思えないような仕上がりになります。
ただし今回の2019年ものは生産量が激減しておりまして、Noisy wine の割り当てもキッチリ半減です。ですので、そもそも生産量の少ない「ヴォルネイ1級クロ・デ・シェヌ」は6本、その他の1級は12本、村名とA.C.ブルは18本と言う入荷量です。ですが、相当大昔に扱っていたポマール1級ソシーユを6本だけいただけました。ドメーヌでの価格はクロ・デ・シェヌと同様です。(ドメーヌでは他にヴォルネイ1級カイユレ、ポマール1級リュジアン、ポマール・レ・リオット、ピュリニー1級フォラティエールなどを生産していますが、ヴィヴィットさんはまだいただけないようです。)
ですので、大変申し訳ないのですが、お客様のお問い合わせなどを鑑み、残念ながら2019年もののテイスティングは下級キュヴェに留めることに致しました。お詫び申し上げます。
ただし、村名ヴォルネイとA.C.ブルを飲んだ限りでは有りますが、やはりドライで豊満なグラントネ節は2019年ものも健在でした。それだけではなく、2019年ものは・・
「健康的でしなやか、柔らかで濡れていて、するすると流れて行く見事なテクスチュアとみずみずしさのエレガントな味わい」
が感じられ・・大昔に飲んだ時に感じた、凝縮しているが少し乾いたニュアンス・・はコンディションの差も有るかと思いますが、全く異なっていました。2018年ものの方がより強さを感じましたが、2019年ものは・・下級キュヴェだけでは有りますが、よりフィネスが有り、エレガントで滅茶美味しいです。
数量が無いので申し訳ありませんがどのキュヴェもお一人様1本限定とさせていただきました。2019年ものは本当に・・無いです。お早めにどうぞよろしくお願いいたします。
■ ティエリー・グラントネイ自身による2019 ヴィンテージのコメント
2019 年の冬は暖かく、1月の数日を除いて霜の心配が殆どありませんでした。特に2月から3月初めにかけては季節外れの日照に恵まれ、日中の気温は2月下旬で20度に達することもありました。この暖かさによって、ブドウの芽吹きは3月末~4月初めと非常に早くなりました。しかし、4月になると寒波が訪れ、ブドウの生育が鈍りました。そして、4月5日と14日に大規模な霜が発生し、ドメーヌのACブルゴーニュの畑も大きな被害を受けてしまいました。
5月になっても寒い日が続き、ブドウの生育は鈍化したままでした。しかし、6月に入ると熱波が訪れ、天候が一変しました。ブドウの生育は一気に進みました。
7月も猛暑となり、旱魃で水不足の状態が9月の収穫の時まで続きました。このため、例年に比べ、ブドウは非常に果汁が少なくなってしまいました。この猛暑によって、ドメーヌのサントノの区画のブドウは焼けてしまい、収量が半減しました。しかし、乾燥した天候のおかげで、ベト病やうどんこ病などは全く発生することなく、非常に健全なブドウを収穫することができました。
収穫は9月13日から始まりました。ブドウの衛生状態は完璧でしたが、2017や2018ヴィンテージに比べると、旱魃と熱波のせいで、収量は大きく減ってしまいました。醸造は順調に進み、非常にバランスの取れたワインが生まれました。色調は2018ヴィンテージに比べて薄いものの、力強い構成です。そして素晴らしいフィネスがあります。2021年の3~4月にかけて無清澄・無濾過で瓶詰めしました。
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昨年、2019年の11月に、おそらく12~13年振りにNoisy wine でご紹介させていただきまして、派手なリバイバル・デビューを果たしたベルナール・エ・ティエリー・グラントネです。
これほどまでに激安でポテンシャルが非常に高く、早飲みも可能なのに超熟で、しかも綺麗!・・なブルゴーニュワインを Noisy は知りません。
ですので2017年ものは、ご紹介直後はお客様ウケはさほどでも無いかな・・などとチラッと感じたものの、お客様が飲まれた直後には、怒涛の如くNoisy wine のセラーから消えてしまいました。
そりゃぁ・・そうなりますよね・・。3千円のA.C.ブルには半分以上、村名が入っていたり、5千円の村名には1級が入っていたりで・・しかもそれを飲む方自身がしっかり感じられる訳ですから。
なので、2017年ものは日本ではほぼ瞬間蒸発したようです。Noisy wine でも、相当昔に仕入れてからずっと残っていた2005年、2002年のポマール1級ソシーユさえ、いつの間にか無くなってしまいました。
また、昨今はニュイのワインが高価ですから、ブルゴーニュワインファンは自認していたとしても、そう易々と購入出来ない・・いや、購入したとしても手をつけ辛い状況が続いていますが、新型コロナウイルスの影響で遠出も外食の機会も減り、長く保存していた「なけなし」の高級ブルゴーニュワインに手を付け始めざるを得なくなり、寂しい思いをしていらっしゃる方も多いかと思うんですね。
で、Noisy 的に目を付けている一つが、コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールなんですね。ボーヌ、そしてボーヌ村近辺の「何とか=ボーヌ」とヴォルネイ、そしてそのヴォルネイの近辺・・です。
その中でも特に「ヴォルネイ」は、一般的に思われているような「煌びやかな明るい性格」に留まらない、むしろ「コート・ド・ニュイの縮図」と言っても過言で無いような、各クリマの特徴が有ると感じていまして、
「コート・ド・ニュイ一辺倒の日本人ワインファン」
のままでいて良いのか?・・ダンジェルヴィーユは素晴らしいじゃないか!・・グラントネイは安過ぎると思えるほど旨いじゃないか!・・ムルソーのブーズローが造るヴォルネイ=シャンパンだってエレガントで超美味しいのに、ちゃんとプレゼンテーションは出来ているのか?・・
などと、大いに反省している訳です。
ですので、まぁ・・ヴォルネイだけに留まらず、実は南、南西に地続きのモンテリーやオーセ=デュレッス、北に地続きのポマール、その北のボーヌ、そのまた北のコルトン地区と言うような、
「コート・ド・ボーヌのピノ・ノワール産地を、ヴォルネイとヴォーヌ=ロマネの位置に見立ててプレゼンテーション!」
して行こう・・などと考えています。
そんな中で、台風の目になるに違い無いのがこの「ベルナール・エ・ティエリー・グラントネイ」でして、2018年ものが約1カ月遅れで年末ギリギリのタイミングだとは言え、
「これは是非とも飲んでみていただきたい、素晴らしいポテンシャルを持ったヴォルネイのピノ・ノワール!」だとご理解いただきたいと思います。
2018年ものは、A.C.ブルゴーニュがま~‥超旨いです。勿論1級の入った村名も完全にクラス越えの美味しさとエレガンスを持っています。そして、今飲んで滅茶美味しいのが1級のブルイヤールです!・・
簡単に言いますと、
◆今飲んですぐ美味しく、しかも格上のポテンシャルなワイン
2018 ブルゴーニュ・ルージュ
2018 ヴォルネイ
2018 ヴォルネイ1級ブルイヤール
◆今飲めなくはないが少し、もしくはもっと長く寝かせた方が本領発揮のハイポテンシャルワイン
2018 ヴォルネイ=サントノ1級
2018 ヴォルネイ1級クロ・デ・シェヌ
と言うことになります。
上の3つは兎に角、今飲んで誰も文句の出ないだろうと思われる状態です。しかも1級ブルイヤールは、格上のサントノ、クロ・デ・シェヌを脅かしかねない素晴らしい出来です。
下の二つはマンモスポテンシャルです。2018年、非常に良く熟した良い年だけに、今も美味しく飲めなくはないものの、まだ完全に一体化していないと思っています。
なので、海外メディアはどこも、ブルイヤールを散々持ちあげています。反対にまだ仕上がっていないサントノとクロ・デ・シェヌを2017年と同様・・もしくは1点ほど下げて、ブルイヤールと同じ評価点にしたように見受けられます・・・いや実際は、そんなことは無いです。2017年ものが2019年11月の時点ほどにまとまるのにもう少しだけ時間が必要なだけです。
noisy 的 には、A.C.ブル90~91ポイント、村名91~92ポイント、ブルイヤール92~93ポイント、サントノ91~94ポイント、クロ・デ・シェヌ91~94+ポイントと評価します。それぞれプラスマイナス0.5ポイントは有ると思っています。
なので、直近ではA.C.ブル、村名ヴォルネイを是非飲んでみて下さい。絶対に、
「もっと買っておけばよかった・・」
と思っていただけるでしょう。
1級ブルイヤールはお正月でも良いですよ。ルーミエさんのモレ1級に通じるような集中感、粘性、果実感も有ります・・果実の色彩とタンニンの質がちょっと違うかとは思いますが・・。
サントノとクロ・デ・シェヌは、少なくとも休養をそれなりに与えて「輸入の疲れ」を取ってあげてください。凄いポテンシャルですから開かせる努力が必要かもしれません。
超お勧めの2018年、グラントネイです。村名ヴォルネイで充分!・・感動ものです。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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驚くべきポテンシャルを秘めたブルゴーニュの造り手をご紹介させていただきます。以前にもご案内させていただきました造り手では有るのですが、ここに来て各メディアにも高評価を与えられることが多くなり、ドメーヌを継いだティエリーの才能も開花したと判断しました。
何よりも・・これは飲んでみるべき価値が有ると思わせるのは、
「クラスを凌駕する複雑性と凝縮感、見事なバランスのクラシックタイプ・ブルゴーニュ!」
で有ることです。
ハッキリ言って、A.C.ブルゴーニュで充分に旨いですし、これを飲むことに寄って、上級キュヴェの出来も理解出来てしまうと思いますよ。A.C.ブルなのに、ほぼほぼ・・「村名ポマール」並みです。・・いや、それ以上かもしれません。
そのニュアンスは上級キュヴェでも同様です。確実にクラスを超えてくる・・と言うか、「標準的なそのクラスのワイン」よりも素晴らしいんじゃないか?・・と思えてしまうんですね。
今回はA.C.ブルゴーニュとヴォルネイの5アイテムのご紹介ですが、一般的なヴォルネイのワインが見せる「飲みやすさ」「明るさ」「重さの無い美しさ」と言った特徴とは異なります。
「クイクイ飲めてただただ美味しい!」
と言うような軽いピノ・ノワールでは有りません。
複雑性に富み、その組成バランスに優れ、非常に凝縮していますから、一口すすり、その表現力を時間を掛けて楽しみ、その余韻に浸る・・と言うような時系列を辿らされます。ワインがそのようにさせるんですね。
すでにメディアの知るところになっており、例えば1級クロ・デ・シェヌは94~95ポイントほどまで付いているようです。それなのに、A.C.ブルで3千円ほど、トップキュヴェのクロ・デ・シェヌで8千円ほどしか・・しない、非常なリーズナブルさも嬉しいです。
今回はすべてのキュヴェをテイスティングし、コメントしています。A.C.ブルを飲むだけで、ドメーヌ・グラントネイを理解することが可能でしょう。この造り手さんのワインは全てが一貫していますから。
なお、余りに素晴らしいので追加オーダーをしたのですが・・残念ながらもう無い・・とのことです。今回入っていないキュヴェがもしかしたら後で入るかもしれませんが、おそらく一発のみになるかと思います。是非とも飲んでみていただきたい!このポテンシャルに脱帽してみて欲しいと思います。
■エージェント情報

ドメーヌ・グラントネイはヴォルネイで17 世紀から続く家族経営のドメーヌです。現当主ティエリーの祖父で、長年ヴォルネイ村の村長を務めたルイ・グラントネイの代の1950 年代後半からドメーヌ元詰めを始めました。しかし、当時は生産量の半分以上をブドウもしくはワインの形でネゴシアンに販売していました。1980 年のルイの死後はベルナール(現当主ティエリーの父)がドメーヌを運営しました。その後、2001 年にティエリーがドメーヌに参画。2005 年のベルナールの引退に伴い、ティエリーがドメーヌの当主となりました。
ティエリーは1974年生まれ。大学で化学技師の免状を取得した後、ボーヌの醸造学校で醸造と栽培学を修め、その後、シャトーヌフ・デュ・パプのドメーヌ・デュ・ヴュー・テレグラフや南アのボッシェンダルなどで研鑽を積み、27 歳でドメーヌに参画しました。ティエリーがドメーヌの全てを掌握した2005ヴィンテージからドメーヌワインの品質は飛躍的に向上。
『ブルゴーニュ・オージョルデュイ』誌は2012VT と2015VT の?度に亘りワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選出。
さらに、ニール・マーティンもワイン・アドヴォケイト誌で『ブルゴーニュの注目すべき生産者ベスト10』に、ティム・アトキンMWは『ブルゴーニュの注目すべき生産者トップ25』に、ウィリアム・ケリーも『ブルゴーニュの有望生産者トップ5』に選出。
ジャンシス・ロビンソンMWもそのワインを高く評価するなど、世界で最も影響力のある評論家・ジャーナリスト達から大注目を集めるドメーヌへと成?しました。

ドメーヌは現在、ヴォルネイ、ポマール、ピュリニー・モンラッシェの3 つの村に17 区画、合計8ヘクタールの畑を所有しています。殆どの区画がヴィエイユ・ヴィーニュで、しかもコント・ラフォンやジャン=マルク・ボワイヨ、プス・ドール、リュシアン・ボワイヨといった超一流ドメーヌの区画に隣り合わせる最高の区画を所有しています。
代々受け継いできた素晴らしい畑の平均樹齢は50 年。最高樹齢が95 年に達する区画も存在します。ドメーヌではこの遺産と呼べる貴重なヴィエイユ・ヴィーニュのブドウ木を常に良好な状態で維持・永続させていくために、細心の手間と知恵を傾けて畑を管理しています。
最も大切にしていることは、厳格な短小剪定を行って、ブドウ木のバランスを取ることです。というのは、収量過多はブドウ木を疲弊させてしまうからです。剪定方法はギュイヨ式で、収穫時の収量を低く抑える目的とブドウをベト病といったカビ害から守るために非常に厳しい摘芽も行っています。ティエリーは、ヴィエイユ・ヴィーニュに由来する複雑さや凝縮した旨味こそが、ドメーヌのワインを特徴づける個性の一つであると考え、古木を大切に維持・管理しています。
■ 栽培について
ドメーヌではティエリーが参画してから、殺虫剤や除草剤の使用は完全に止めています。しかし、硫酸銅の蓄積を懸念しているため、そして万が一の時に防除の自由も残すためにビオの認証にはこだわらずリュット・レゾネを実践しています。土壌を活性化させるため全ての区画で耕耘を行っています。ドメーヌでは毎年春に表土を約10 センチ鍬起こします。その後、4 月~7 月の間に、2~3 回畑を耕します。この期間はブドウの生育期であるため、草がブドウ木と競合してしまうため、可能な限り畑に出て、余分な雑草を手作業で取り除いています。
7 月以降は、ブドウ木は草とそれほど競合しないため、自然に下草を生やす状態に維持します。収穫までの間にあまりに草が伸びれば、手作業で除草をしますが、基本的に7 月から翌年の3~4 月までの間は、畑は下草を生やした状態に維持しています。収穫は全て手摘みで行い、ブドウが潰れないように、2012 年に新調した容量12 キロの小さなケースで醸造所まで運び、同じく新しく導入した振動式選果台を使って一房一房完璧にブドウを選別しています。
■ 醸造について
収穫したブドウはまず低温マセレーションを施します。その後、AC ブルゴーニュと村名ワインは完全に除梗し、プルミエ・クリュはキュヴェやヴィンテージに応じて20~30%果梗を残して全房発酵を行います。発酵は野生酵母のみで行い、キュヴェに応じて温度管理機能付きのステンレスもしくはセメントのタンクで行います。最初に全房のブドウを容器に入れて、その
後、除梗したブドウを加えます。全房発酵は、除梗ブドウ100%での発酵に比べて発酵期間が⾧くなるという特徴があります。これは一部の破砕されていないブドウが圧搾時に潰れて、糖分を放出するためです。このため、アルコール発酵が完全に終了するのは、圧搾後、数日経ってからになります。
発酵後、AC ブルゴーニュを含め全てのキュヴェはバリックで熟成されます。村名とプルミエ・クリュはキュヴェに応じて20~30%の新樽を用います。樽会社はDAMY ダミー社とADUS カデュス社の2 社のものを併用しています。樽の焼きはミディアムで、一部ミディアム+のものを併用しています。熟成期間は15~16 ヶ月。熟成はシュール・リーの状態で行い、澱引きはアッサンブラージュ前に1 回のみ実施。無清澄、無濾過で瓶詰めします。
■ ネゴシアンとの関係について
ドメーヌ・グラントネイは20 年以上前に発売されたパーカーの『ブルゴーニュ』において、
「生産量の半分以上をネゴシアンに売ってしまう。元詰めワインの大部分はヨーロッパの特定個人客に売られる。」
と記述されていました。ティエリーの参画後は、元詰めワインの比率が徐々に増えていますが、それでも4 種類のプルミエ・クリュをネゴシアンに販売しています。1992 年からドミニク・ローランとの取引が始まり、2009 ヴィンテージからはドメーヌのワインの高い品質に感銘を受けたマダム・ルロワともを取引を開始しました。しかも、ドメーヌ・グラントネイはマダム・ルロワとドミニク・ローランから絶大な信頼を受けているため、ワインはすぐには引き渡されずグラントネイのカーヴで6~8 ヶ月の熟成を経た後に(収穫翌年の春、マロラクィック発酵を終わってから)引き渡されています。ドメーヌで元詰めされるワインは年間15000~2.000 本のみで、それ以外のものはキュヴェに応じて、生産量の6 割からバリック1 樽程度がメゾン・ルロワとドミニク・ローランに売却されています。霜害続いて生産量が激減したため、ルロワとの取引は2013 ヴィンテージで止めてしまいましたが、ルロワは今も購入を希望しているそうです。