【美しく雅なアロマで寄せ付けながらも、その実は拒絶・・。そんなツンデレさにブルゴーニュファンはやられてしまうんですね・・】
いつの時代も
「高いな~・・」
と感じながら、機会が有ったら是非お相手をお願いしたい・・
それがワインファンの、この「ミュジニーV.V.」に対する思いに違いありません。それなりの大きさのあるグラン・クリュ・ミュジニーを名乗れる畑の大半を所有しながら、何故か希少なワインになってしまいます。
そんな一途な思いが通じて、ミュジニーV.V.とご対面が叶ったにせよ、甘い香水の洪水に酔わされたにせよ・・その後の、
「・・ダメ!」
と拒絶されて意気消沈・・と言うのが大方のパターンかと思います。
まぁ、しょうがないんですよね・・そう言うワインなんですから・・。人間が生を許され、健康でワインの喜びに浸ることができる期間よりもミュジニーV.V.の寿命の方が遥かに長いんですね・・。
ですから、
「30年ものか・・まだまだ子供なんだ・・」
「50年ものか・・ようやく大人になってきたところかな・・」
と言うような、仙人にでもなったようなつもりで相対する大らかな心が必要なのかもしれません。
ましてや、こんな凄いワインは飲むペースを自分で造り出し強要しますんで、ゴクゴクと喉を鳴らして飲む人はいないでしょうが、完全に尻に引かれた状態になっちゃいます。
それでいて、ほんの僅かな綻びから、甘美なお姿を見せてくれたりもしますから・・やめられないですよね。
ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの最高ランクに位置付けされるのは伊達では無いですが、それにしてもこのミュジニーV.V.には何ともやりきれない、切ない、複雑な思いが残ります。ご検討くださいませ。