
以前の樽臭いバローを知っている方は少数派でしょうが、最近はそれでも・・そんな時代の大仰なシャルドネが結構に、
「・・懐かしい・・」
と思いつつ、しかも、それを美味しいと思って飲んでいる自分に気付く・・ことがママ・・あります・・歳、取ったのね・・それでも美味しいものは美味しい・・で良いとも思っています。
この2017年もののバローは、相当前に入ってはいたんですが、サンリバティーさんが仕入をしくじったようで、トップキュヴェの「アン・ビュラン」が入って来ないことになってしまいました・・ので、
「(・・げげっ・・やり辛い・・よなぁ・・)」
と言うような気持ちが有って、ついつい・・今まで放置することになってしまいました。アン・ビュラン・・・毎年ちゃんと入れてくださいね・。
ですので、2017年ものは、このところはもうバローの二番目のキュヴェで有る「スュール・ラ・ロシュ」が最も上のキュヴェと言うことになっていますので・・申し訳ございませんがご了承くださいませ。
まぁ、今年2020年は年初より、相当に色々なことが続けざまに起き、この新型コロナウイルスでとどめを刺されたような感じです。どれほどの事件?が起きていたか・・などは、お客様には一切、お話ししていませんが、それはもう・・忙しい日々でした。
そして6月15日発刊予定のリアルワインガイドの次号も・・そりゃぁ・・大変ですよ。何せ、テイスティングに行けない、できない・・ですから。
なので、もうすぐ発売なのでお話ししても良いかと思いますが、何と・・noisy も寄稿文を寄せさせていただいてます。5千文字という文字数が多いか少ないか・・は判りませんが、5千文字に揃える・・その近くでまとめる・・と言うのも、結構な困難な作業になったりします。
その上、通常のレヴューは6アイテムほど書いていますし、日々状況の変わる新型コロナウイルスの影響も含めての寄稿文だったので、
「締め切りを大幅に超えてから書き上げた」
もので・・、その、遅れていると言うプレッシャーと、新型コロナウイルスの影響がどっちに出るかに関係のないように仕上げなくてはいけないと言うようなプレッシャーもあり、結構にしんどかったです。
まぁ、文字を書くのも結構な仕事では有りますが、造り手さんにとっても上級キュヴェをちゃんと仕上げる・・と言うことも、毎年違う気候や状況をしっかり見極め、作業していく訳ですので・・大変ですよね。まぁ、noisyは寄稿、バローさんは気候に左右された訳です。
やはりトップ・キュヴェのひとつ、スュール・ラ・ロシュは、その名の通りの石のニュアンスが感じられる素晴らしい出来でした。アドヴォケイトも93ポイント、そこそこの評価をいただけているようです。
年々、ピュアさを増し、ナチュラルさも入り、樽の要素はやや弱くなり、ディテールがしっかり描かれていると感じます。是非飲んでみて下さい。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【今や評価はダニエル・バローの第二位の地位!ポテンシャル高いです!前回はラシーヌさんものですが¥5.150でのご案内でした!】 かなりリーズナブルです。ご案内したのはちょうど2年前頃ですので、そろそろ飲みはじめてOK・・かと思います。サンリバティーさんから条件をいただきました。限定数量ですのでお早めにどうぞ!
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【今はまだ飲まないでください・・でも必ず手に入れてほしいアイテムの2~3番目です!】 飲めませんので以前のコメントを掲載しています。非常に少ないです。このラ・ロシュは、以前はバローさんの3番目のワインだったんですが、樹齢の上昇や葡萄の選別により、2番目に躍り出たキュヴェです。ですが、レ・クレとの差は微妙だと思います。むしろ好みの差と言えると思います。
2012プイィ=フュイッセ・スュール・ラ・ロシュ
蜜、高級なフルーツ、コッテリ感・・高級なシャルドネ特有の存在感あるフィネス。ドライで集中している。まだ硬いが要素のバランスが取れている。コルトン=シャルルマーニュ的な硬さのあるプイシ=フュイッセ。
2012プイィ=フュイッセ・レ・クレ
PKさんが「もっとも偉大なブルゴーニュの白ワイン」にアン・ビュランと共に選んだだけのことはある素晴らしいワイン。瑞々しく気高いミネラリティを多く持つ。精緻な質感、中域も適度に膨らみがあるので一応は飲めるが・・3~5年は待つべき。しっとりとした余韻が長く続き残る・・・美味しい。
2012プイィ=フュイッセ・アン・ビュラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
実に美しい黄色。軽やかなエレガンス・・・天使の羽衣?奥深い味わいの構造。凝縮。緻密。精緻。伸び。ドライ。瑞々しく良い表現をタップリと内封した液体。伸ばせばどこまでも延びて行くようなミネラリティ。高級感。ボーヌの頂上クラスに匹敵する仕上がり。
まぁ、どれも素晴らしいんですが・・やっぱりココに来るとアン・ビュランの凄さが光ります。先日飲んだ1986年ビアンヴィニュ・バタール=モンラッシェと同様なミネラリティでした。そしてドライなのに・・・甘いんだな・・・・(^^;; 凄い仕上がりですが、飲み頃はかなり先・・・アン・ビュランは5年後以降に飲まれてくださいね。
以下は以前のコメントです。
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【さすがのアン・ビュラン!!しかしこの冷たさは!】 アン・ビュランと同格のレ・クレはいつものように数が無く、飲めませんでした。アン・ビュランですが・・・これにはビックリですよ。こんなアン・ビュランは、毎年のように10年以上飲んでますが・・・切れ味鋭い氷の刃のようです・・・そして、フリーズされた果実を閉じ込めているかのようです。
現在はまだ全くその全貌を見せません。余分な成分を全く持たない、とても硬いムルソー・シャルムのようです。少なくとも2年・・・置いて欲しいと思います。ダニエル・バローもエレガントな味わいに変身中・・本当にそうなのか?・・ちょっと疑念は残りますが、いずれ結果も出るでしょう。少ないのでお早目にどうぞ!
以下は2008年のコメントです。
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【この2アイテムは・・・飲むのを躊躇してください!】プイィ=フュイッセ・アン・ビュラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
やはりこれは凄いワイン。凝縮感とミネラリティの塊。密度の凄みを思い知る。なのに繊細だ。呆然とさせられる。
上記はテイスティング時のメモそのもの・・・です。内容よりも気持ちを読み取っていただいたほうが・・・近いと思います。何せ、テイスティングの最後の方は、同じような表現になってしまうのを避けるために簡略化して書いている場合が多いからです。
ラ・ロシュは飲めるんですが、ポテンシャルを考えると、「勿体無いかな?」という想いが先に立ってしまうほど・・・です。素晴らしいプイィ=フュイッセなので、このコラムではこのラ・ロッシュを一押しに致します。
レ・クレは申し訳有りません・・・あまりに少なく、飲めませんでした。しかし、アン・ビュランと共にPKさんに最高の評価をされているだけのことは・・・毎年のテイスティングで感じています。恐らくですが、アン・ビュランと双璧でしょう。
で、アン・ビュランVVですが・・・これはやはり「化け物」です。どう有っても漲るポテンシャルを隠し通すことを拒絶しています。まさに漲っているイメージは、極上のムルソー1級と同様・・・。もしかしたら今までにバローが生み出したプイィ=フュイッセで一番の品質かもしれないとさえ思ってしまいます。凝縮感とミネラリティの塊。しかし厳しさもしっかり閉じ込めていますので、確実に熟成が必要です。
この3つは・・・最低5年・・・待ってください。でも・・・実は今でも飲めるワインでも有ります。ポテンシャルを隠し切れないから・・です。お奨めします。