ピュアで美味しいワインをnoisyがご紹介します。 自然派、ブルゴーニュ、イタリアワインを好きな方は是非ご来訪ください。
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■ セシル・トランブレイ来日記念!
2025年2月19日テイスティングセミナーレポート・・by oisy

 お忍びで・・と言うことでは無かったのですが、この2025年2月にひっそりと忍び足でセシルが来日してくれていました。
 少数人数でテイスティングセミナーを行うので是非・・という事で noisyをご招待してくれたのですが、時はまさに決算真っ最中・・新着も何とかこなさないといけない・・激務中と言うことで noisy は参加を断念・・残念でしたが・・。
 せっかくご招待してくれたので、「noisyは都合付かないけど oisy でも良いか?」と尋ねたら二つ返事でOKが出たので、oisy を派遣することに。
 まぁ・・日本初輸入の時から延々と扱わせていただいて、「こんなに凄い存在になられるとは!」・・とは思っていましたが・・(^^;;
 ただ行かせるのも癪なので、oisyにレポートを書いていただきました。
 1級畑だとばかり思っていたレ・ボーモン・バがグラン・クリュを名乗れる部分を含んでいて驚いた・・とか、醸造の時はどんな風に意識しながら行っているかとか・・
「梗の使用は料理に塩で味をつけるようなもの」
「料理人で例えるなら、プレスは火入れ」
などなど、感触や感覚の部分の細かい部分まで話してくれたようですよ。oisy渾身で書かせていただきました。セシルファンならずとも、ワインにご興味のある方ならきっと必見のコラムです!
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ドメーヌ・ダニエル・エ・ジュリアン・バロー

ダニエル・エ・ジュリアン・バロー

フランス Domaine Daniel et Julien Barraud ブルゴーニュ
● 2019年もののブルゴーニュ・シャルドネを振り返ってみると、健康美を誇り完成度の高い見事な出来栄え・・グレートイヤー間違い無しと思わせてくれました。今回ご紹介させていただきますドメーヌ・バローもまた、リリース時からとても美味しく飲めたヴィンテージだったと思います。

 2020年ものの先駆けで入荷したバローのシャルドネですが、まず・・これまたビックリするような素晴らしい仕上がりだったことをお伝えいたします。下から上まで、より硬質で非常にポテンシャル高く、どのアイテムを飲んでも楽しんでいただけます。

 また、2020年ものからは、スュール・ラ・ロシュとレ・クレイが1級のクレジットが入っています。ですがバローのトップ・キュヴェであるアン・ビュランは1級には認定されなかったようです。・・まぁ、所有者が他にいないとか・・少ないとか・・そんな理由ではないかと想像しますが、詳細は不明です。

 2020年もののバローは、素晴らしかった2019年ものよりも、よりポテンシャルが高いと判断しました。ハッキリ言って・・もの凄い出来です。それは下から上まで同様です。

 今飲んで圧巻は・・1級スュール・ラ・ロシュ。この数年の凄い出来を見続けて来ていますが、抜栓して15~20分ほど経過した頃に見せる、まるでピュリニーの凄い畑か!・・と思わせるような絶妙に細やかでキラ星のように口内で弾けノーズに抜ける表情には、驚かされました・・本当に凄いです!

 トップ・キュヴェのアン・ビュランV.V.はまだ中々弾けてはくれませんが、ムルソー・ペリエールが如き豪奢な表情の蕾をしっかり見せてくれます。

 1級になったレ・クレイはその名の通り、白亜土壌由来の非常に細やかな表情を内に秘め、その爆発を待っているタイミングかと思いますが、30年前の植え替え前は、アン・ビュランと並び賞されるヴィエイユ・ヴィーニュの畑だったことを思い起こさせる独特の表情をしています。

 プイィ=フュイッセのアイテムの中では最もリーズナブルな「アリアンス」は、流石にトップ・スリーには届かないものの、今飲んでも2020年のバローのプイィ=フュイッセがどんな出来なのかを最も判りやすく教えてくれる存在です。バローのプイィ=フュイッセを今すぐに美味しく飲みたいなら・・このキュヴェでしょう。

 サン=ヴェランは、硬質な出来の2020年ドメーヌ・バローに有って、中域の膨らみのある酸バランスを持っていますので、今飲んでも素晴らしい!・・リーズナブルさもマコン=シェアントレと競います。

 ベースのマコン=シャントレも2020年のバローらしく、2019年ものよりもミネラリティのコートが感じられる「ツルッツル」のテクスチュア。徐々に開いて行く表情が2019年ものよりも複雑で、若いながらもとても美味いです。

 海外メディアの情報を検索してみましたが、まだ中々出て来ていません。完売した頃に出てくるんじゃないかと思います・・

 素晴らしい出来になった2020年のドメーヌ・バローです。リーズナブルさは変わらずです。ですが非常に少ないようなので早々に完売すると思います。お早めにご検討くださいませ。


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 ドメーヌ・バローの2019年をご紹介させていただきます。年を追う毎に美しさ、健康美、ピュアさ、ナチュラルな風味を身に着けて来たこの数年ですが、2019年ものは「さらに・・」と言って良いと思います。素晴らしく健康的でピュア、そしてナチュラルな柔らかさを見せつけてくれますが、noisy もバローのワインを非常に長く扱って来ましたので、ある意味・・

「その変化には相当驚いている」

訳ですね。


 1990年代はル・テロワールさんの輸入(ノースバークレイのスペシャル・キュヴェ)だったと思いますが、もっと樽っぽく凝縮感が目立ち、ポテンシャルは非常に高いものの、現在のような健康美・・と言うか、ナチュラルな柔らかさとは程遠い存在でした。もっと素直にポテンシャル感は高く、

「お~・・すげ~なぁ・・アン・ピュランやクレイは、熟したら本当に凄いぞ!」

と・・感じさせてくれたものです。そんなパワフルな味わいが受ける時代でも有ったと思います。


 今はジュリアンがダニエルに代わり指揮を執っている性かもしれませんが、とても自然な味わいが全体を包んでいますので、むしろ、

「美しすぎてポテンシャルそのものを取るのは、以前より難しい」

とも言えます。


 その辺りはビオ転向組のメディア評価の経緯、移り変わりを見ればお判りかと思いますが、それでもnoisy 的には、

「ポテンシャルは以前と全く変わらない」

と感じますし、

「リリース直後の膨らみ、伸び、美しさは以前より増している」

と感じます。


 まぁ、ベースキュヴェのマコン=シェントレで充分美味しいので・・ある意味、ワイン屋泣かせな存在かもしれません。

 2019年は2015年ものにも似た健康美に加え、そのナチュラルな膨らみ、柔らかさが以前のものよりも増している点で、より高い評価をすべきじゃないかと思います。是非ご検討くださいませ。



■生産者情報
 ヴェルジッソンの岩の近くに位置するバロー・エステートは、ワインへの情熱を受け継いでいます。世代を超えて受け継がれてきた共通の目標は、常に独自のノウハウとテロワールを促進することでした。「うまく働くために、あなたはあなたの時間を節約する」というモットーで、不動産はそのルーツを維持しながらそれ自身を更新することができました。

テロワール
 ソルトレとヴェルジッソンの象徴的な岩に囲まれたバローエステートは、フランスのグランドサイトに分類される村にあります。モルヴァンに裏打ちされた古いラグーンに囲まれたこの場所で提供される岩は、古代のサンゴ礁で構成されています。土壌には、石灰岩のガラ場、アグリフォイド石灰岩、斑入りの粘土の3つの主要なタイプがあります。それぞれの土壌は特別な注意と特定の文化を誘発します。バローエステートは、その豊かさと多様性を最もよく表現するために、このテロワールを維持しています。

 ぶどうの木
有機農法からインスピレーションを得て職人技で栽培されたこのエステートのブドウの木は、丁寧に作られています。彼らのGuyot-Pushardサイズは、植物の樹液の流れを尊重します。
ブドウ園と土壌を尊重するために、実行される処理は硫黄と硫酸銅のみに基づいています。最近の古いブドウの木では、機械化せずに作業が行われています。可能な限り完全で健康的なブドウを得るために、収穫も手動で行われるため、酸化が制限されます。

ドメーヌ・バローの歴史
1905年
ジャンマリーとマリー・バロー
バロー家のワインの歴史は1905年に始まりました。読み方と数え方を知っていたジャンマリーバローは、小作人として良い場所を見つけ、ヴェルジッソンに定住しました。彼の安定した収入により、彼はお金を節約し、1912年にバロー邸の最初の区画である妻のマリーと一緒に買収することができました。

1922年
ジョセフとマーガレット・バロー
10年後、ジョセフとマーガレットバローが引き継ぎます。大胆な男であり、真の先見の明があるジョセフは、作付けの良い区画を見つける方法を知っているため、ブドウの木を植えるために多数の牧草地を取得します。優れた起業家として、彼はカフェやレストランに売ることの価値をすぐに理解しました。1930年代の終わりに、彼はこの地所でワインを瓶詰めすることを最初に決めた人の1人でした。最初のキュヴェ「LesCrays」は1947年に登場しました。

1959年
アンリとモニーク・バロー
1959年、アンリバローは、フュイセ出身の妻モニークと一緒に家族の邸宅で働き始めました。「うまく働くために、あなたはあなたの時間を節約する」という不動産のモットーの起源で、良い地主であり思慮深い人であるアンリは、彼の努力を数えずに不動産を維持します。1971年、AOCサンヴェランが創設されました。アペラシオン「lesPommards」の区画は、1978年に最初の瓶詰めになります。


1979年
ダニエルとマーティン・バロー
バロー家の第4世代は、1979年に定住し、不動産の一部を相続しました。ダニエルと妻のマルティーヌは、祖父と同じ意志と現代性を持って不動産を開発し、マコンヴェルジッソンとサンヴェラン「エンクレッシュ」と一緒にボトルでのマーケティングを開始しました。1990年に、彼らは家とClosdelaVerchereを買収しました。略語DBがラベルに表示されます。
ワインと環境に情熱を注ぐダニエル・バローは、テロワールの保護に取り組むGEST deBeaune協会の会員です。

2006年と2015年
ジュリアンとアナイス・バロー
彼らの息子であるジュリアンは、2006年に不動産の仕事を始め、家族の技術を習得しました。ジュリアンは、たとえばすべての区画を耕すことで、不動産の職人文化を強調することにしました。現在、ワイン造りは彼の独占的な領域であり、彼も家族のノウハウに従って運営していますが、彼はそれを開発することもできました(偉大なヴィンテージのより長い醸造)。アナイスは2015年に兄に加わり、不動産のすべての管理および商業部分を管理しました。
彼らは一緒に、将来が彼らに要求するかもしれない変化を心に留めながら、テロワールの伝統と尊敬を永続させたいと思っています。

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「2018年のダニエル・エ・ジュリアン・バローは、ディディエ・ダグノー風のクリスタルなミネラリティを手に入れた!」

 このところのダニエル・バローのナチュラル化は止まりません。年を追う毎に・・美しくなって行きます。

 親父さんの頃は素晴らしい果実の風味で、シャルドネの美味しさを見事に表現していました。かのPKさんも、ブルゴーニュ・シャルドネのTOP100に、ダニエル・バローのプイィ=フュイッセを2アイテムも入れていたほどです。

Julien et Anais Barraud
 2018年もののバローは、そんな素晴らしい果実の風味も・・実はたっぷりあるんですが、それよりも特筆すべきは、クリスタルのようなミネラリティが膨大な果実の風味を分厚くコーティングしていることでしょう。・・そう、

「もしかして・・ディディエ・ダグノーを目指してる?」

んじゃないか?・・と思えるほど、ミネラリティのクオリティ、量が半端無く増えているんですね。


 ですので・・そういう意味においては、メディア評価はむしろ下がっています。物凄い出来の2018年アン・ビュランV.V.でさえ、93点だそうです・・。まぁ、noisy としましては、ハッキリ・・否定させていただきます。「そんな訳は無いす」・・ちゃんと評価してください。

 珠玉の「スュール・ラ・ロシュ」は、白眉アン・ビュランに次ぐ仕上がりです。この位のミネラリティの方がむしろ判りやすいでしょう。

 そしてまぁ・・それなりの点が付いているアリアンスV.はティム・アトキンさんが91ポイントです。でももう、これで充分!と言えるほどに素晴らしいですし、サン=ヴェラン・アン・クレシェとマコン・シェントレに至っては、

「プイィ=フュイッセ群にそんな低い点を付けちゃったら・・この2アイテム、どう評価するの?」

と思えるほどです。案の定、ネットを検索してみても出て来ません・・。


 ですが、2018年もののバローは、どのワインも物凄いミネラリティが豊富な果実をコーティングしていますから、

「つやつや、すべすべのテクスチュアからピュアでナチュラルな果実が漏れてくる、素晴らしいスタイル!」

に仕上がっています。どんどん・・ディディエ・ダグノーに近寄って来ていると感じています。素晴らしい出来でした!


 勿論ですが、アン・ビュラン2018は、そんなレベルでは有りません。今回は非常にリーズナブルなので・・いや、少し早いですけど飲んでみていただけたら、noisy の言っている意味が判ると思いますよ。マコン=シェントレでも充分納得の美味しさと美しさを感じていただけるでしょう。超お勧めします!

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● 何しろ昨今は、あの・・「赤ワインが基本」だったリアルワインガイドも、だいぶ白ワインを掲載するようになったので、あれだけ

「ダニエル・バローは旨くて安くて素晴らしい!」

と20年近くにも渡って公言し続けてようやっと・・今の状況なんですが、リアルがバローを掲載し始め、今までブルゴーニュ・ピノにしか興味の無かった方々もシャルドネの旨さに気付き始めたのか、

「ダニエル・バローは・・・ラシーヌさんのはいつ入りますか?」

などとお尋ねの電話やメールをいただくようになりました。(基本、電話はお断りしてるんですが・・全ての仕事が中断になっちゃいますんで・・)

 で、高い評価がリアルに載ったりすると・・・それも2013年のように極端に収量が低い年だと・・本当に困っちゃいます。

 何しろ、アン・ビュランV.V.の入荷ががこんなに少なかったことは今まで有ったでしょうか・・アン・ビュランだけじゃなく、レ・クレもラ・ロシュも全てバラでしか入ってません。

 なので、申し訳有りませんが、ダニエル・バロー今までずっと毎年ご購入になられていらっしゃるお客様にも渡らないかもしれません。ご容赦ください。

━━━━━
 毎年のように全アイテムをテイスティングしてきましたが、一昨年などはとても少量でしたので、テイスティングを断念せざるを得ない状況でした。

 ですが2012年もの・・・価格はそれなりに上がった・・・いや、昔に戻っただけ・・・とも言えますが、数量は結構戴けたんですね。なので、2012年は全アイテムのテイスティングをさせていただきました!そしてもう・・・ビックリです!

 全アイテムのテイスティングは出来なくとも、幾つかのワインは飲んできましたので、その傾向は理解しているつもりです。しかも90年代前半から連続して飲んでおりますので・・・そんなnoisy が2012年のバローのワインに感じたことは・・


近年、経験したことの無い凄い仕上がり!もしかするとダニエル・バローの史上最高のワインになった!

 まず、低価格~ボリュームラインクラスの格上げの美味しさ・・が言えると思います。マコン、サン=ヴェランとも・・今までに無いようなポテンシャルの高さを感じました。そして、マコンはサン=ヴェランを、サン=ヴェランはプイィ=フイッセを喰ってしまいそうなアイテムが有り、完全にクラス越えをしているんです。

 そしてフラッグ・シップのアン・ビュランは・・・モンラッシェクラスのビロードのテクスチュアを持つミネラリティでした・・・どれだけ伸ばしても伸ばしきれない・・どこまでも伸張して行くだけの目の細かさを持っていました。

 勿論、各アイテム・・・素晴らしいです!ダニエル・バロー史上、きっと最高の仕上がりになったと思える2012年は、必ず飲んでいただきたいと思います。皆さんの・・

「えっ?・・・」 

と驚く顔が見たい・・・(^^;; ではどうぞよろしくお願いいたします。


以前ののコラムより転載です。

● 2009年ダニエル・バロー(不)完全ガイド

 ・・・(不)と入っているのは、幾つかのキュヴェのテイスティングが量的に考えて不可能だったからです。また、プイィ=フュイッセ・ラ・ロシュの入荷は有りませんでした。

 結論
 良いとアナウンスされた2009年ですが、バローにとっては・・・いや、マコネーの生産者にとっては、普通のヴィンテージなのかもしれません。むしろ、余り良くなかったのかもしれないとさえ思えます。その中で、バローは最善の策を講じ、素晴らしい品質になったのだと理解しています。

 2009年のダニエル・バローは全くの贅肉無し、残糖分無し、実に筋肉質でエレガントなマコネーに仕上がっている!・・と言えます。

 すなわち、マッチョでは無い、エレガントなムルソーのようなワインで、甘みと云う、人間で言えば「脂肪」のようなものを全く持っていません。これは全てのキュヴェに言えることです。本来は豪奢で、少し残った残糖分が、こってりとした、もしくは甘みの有るフルーツを連想させるものです。ところが、2009年はそうではない・・んです。すべてはエキスへと転化されていますので、今までのような、簡単にいつでも開けて美味しいマコネーでは無いです。きちんと休養させ、揺らさないように抜栓し、エキスを開かせるような飲み方が要求されるかと思います。

 それでも、一連のバローのワインは、その隠し事の無いエレガントさが素晴らしいです。贅肉無し、甘み無しのプイィ=フュイッセですが、2008年の仕上がりを考えても、
「ダニエル・バローもエレガント路線に変更か?」
との思いを強くせざるを得ません。まあ、コント・ラフォンのように・・・そっちに行くのかもしれませんよ。

 
 実は昨年、2008年のバローでは、こんなことを書いていました。
━━━━━
 ある意味、2008年は、ダニエル・バローの転換となるヴィンテージになったかもしれません。それは、マイナスの方向に働くことはまず考えられず、さらに偉大なシャルドネを目指しての転換期です。本当に素晴らしい辛口のシャルドネに、実は余分な肉は必要無いのです。しかし、本当に素晴らしい辛口のシャルドネは、本当は甘いのです。でも、その甘さは・・・糖分によるものでは無い。エキスによるものです。その意味においては、2008年のダニエル・バローは、自身の過去に有り得なかったバランスのシャルドネを造り出したのです。

 最低5年・・・待ってください。3~6千円のシャルドネに5年待てとは・・・なかなか言い辛いです。しかし、途方も無い可能性を秘めたワインで有る事に目を背ける訳には行かないんです。素晴らしい辛口のシャルドネとは、糖分に頼らないポテンシャルを持った甘いワインなんだと・・・理解していれば、この2008年のバローに挑戦してみることに異論は無いはずです。

 やはり、アン・ビュランは凄いですし、ラ・ロシュ(プイィ=フュイッセ)もポテンシャルがビシビシ来ます。しかし、やはり今はちょっと厳しい・・・。本当のことを言うならば、あと1~3ケ月、瓶による熟成をしてから出荷すべきでした。そうすれば新酒由来の渋みも消え、綺麗な状態になったはずです。しかし、バローさんとしてみれば、そんな経験は今までにほぼ無かったはず・・・。まあ、我々が判っていれば良いんですが、人によっては、
「駄目・・」
と、早い結論をしてしまうかもしれません。

 でもこのバロー2008年、ポテンシャルに掛けて欲しいと思います。2015年にはきっとそれなりの結論が出ているでしょう。焦らず、飲めるものから試し、上級キュヴェは寝かせてください。是非ともご検討くださいね。
 
━━━━━
 
 自分でこんなことを書いていたとは・・・すっかり忘れてました・・・(^^;;

 でも、2009年のダニエル・バローは、お手軽さは無くなりましたが、ワイン本来の美しさが見えてきたとも言えます。是非ともしっかり休めてお楽しみください!お奨めします!

エージェント情報
マコン・ヴィラージュ、サン・ヴェラン、プュイ・フィッセの3つの地区でワインを造っている、コート・シャロネーズを代表する造り手・ダニエル・エ・マルティーヌ・バロー。ロバート・パーカーも「コート・ドゥ・ボーヌのグラン・クリュの最も優れたワインと同等か、それを凌ぐ、最上級のワインをつくっている。」と高く評価している。
栽培 ビオロジック
自社畑面積6.7ha
醸造完熟したブドウを収穫した後、澱の上に15ヶ月間そのままにしておき、清澄も濾過もせず、豊かな味わいのワインに仕上げている。


2020 Pouilly-Fuisse Aliance Vieilles Vignes
プイィ=フュイッセ・アリアンス・ヴィエイユ・ヴィーニュ

16794
自然派
白 辛口
フランス
ブルゴーニュ
プイィ=フュイッセ
ドメーヌ・ダニエル・エ・ジュリアン・バロー

■生産者情報
 ガラ場、グリフェ石灰岩、石灰岩粘土の土壌で育ったアリアンスは、40年前と60年前に植えられた区画のブレンドです。ミネラルとフルーティーなワインです。約7年の熟成の可能性があり、若くても楽しむことができます。醸造 1/3バレル、1/3デミムイド、1/3バット。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥3,380 (外税) 
【いつもより硬質な2020年のバローのプイィ=フュイッセを理解できる、もっともリーズナブルなキュヴェ!・・勿論、その中で最も柔らかいとも言えます!】
 素晴らしい色合いですよね?・・ヴェルジッソンの畑の2キュヴェが1級になってしまいましたので、ヒエラルキーが少し変わったような気がしますが、それでもこの、

「アリアンス」

の立ち位置には変化は有りません。

 何せ滅茶安いです!・・すでにユーロもドルも、対円で20%ほど値上がりしています。でも・・バローは10%しか上がっていません・・。まぁ、エージェントさんも非常な努力をされてこのリーズナブルな価格を維持しています。

 noisy もこの状況は理解しており、20%近いアップを予想していたのですが・・何とか10%ほどのアップで抑えてくれました。まことに有難いことです・・アリアンスは売れ筋ですから・・はい。

 ですがやはり量が少ない2020年・・2019年もののように追加はできないようです。お早めにご検討ください。

 2020年のアリアンスは、他のキュヴェ同様に、より「硬質」に感じられます。果実感、柑橘果実感の周りにミネラリティのコートが感じられるようなニュアンスです。

 なので、noisy がいつも良く言うように・・

「テッカテカ!」

なテクスチュアです。

 ですが、プイィ=フュイッセの他のキュヴェほどでは無い・・そちらと比較すると、

「より柔らかで、要素の様子が判りやすい」

んですね。

 で、その粒子の隙間から・・果実、柑橘果実が漏れてくる・・しかも酸もたっぷりでピュア。そして年々ナチュラル感が増しているようにも感じる訳です。

 だから、

「A.C.ブル並みの価格で村名(プイィ=フュイッセ)が飲める!・・しかもバロー!」

と言うことに嬉しさを感じるんですね。


 勿論ですが・・ワインは好みですから、

「・・ん~・・タイプじゃないんだよな・・」

と思われる方もいらっしゃるに違い無いんです。それはそれで仕方がない・・ネットを徘徊してワインの感想を書かれているブログなどを見ていますと、肯定派が断然多いんですが、否定派もいらっしゃいます。

 いつも言っていることではありますが、その瞬間だけを感じていると、その時のその瞬間だけの味わいを切り取ることになってしまいます。でも、記憶と想像を生かすことで、そのワインの先の姿も味わいのひとつであることに気付かれていらっしゃる方も大勢いらっしゃいます。出来ることならそのような飲み方をした方が・・大きなお世話ではありますが、より幸せになれると・・感じています。是非・・想像しながら飲んでみて下さい・・滅茶美味しいシャルドネです!



 以下は以前のレヴューです。
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【最もリーズナブルで、且つ、評価も高いプイィ=フュイッセ!冷ややかな果実の美味しさを感じさせてくれます!】

 2018年ものはティム・アトキン氏も91ポイント、この2019年ものはジャスパー・モリス氏も上値91ポイントですので、変わらずに・・横滑り的な評価だと言えます。

 しかしながら、2018年ものでも相当に美しさがアップして来ていたのは言えますが、2019年ものはさらに・・「さらに」、美しさがアップしていると言えます。「健康美」と言いたいですね。

 それも、「何も無くて、何も起こらなくて・・でも結果として美しい」のではなく、

「色々有って・・鍛えられて、その結果として美しい健康体」

と言うようなイメージを受けました。

 ですので、少し筋肉が隆々としているような逞しさが備わっているように感じますし、感じる果実にも、「果肉の粒」さえ感じるような感覚なんですね。

 なので、2018年ものも非常に美味しかったし、海外メディアも同じように評価しているとしても、

「2018年ものと2019年ものの美しさの違い」

も感じたように思います。


 色合いも黄色がやや強めでは有りますが、あまり「樽」を感じさせるものでは無く、果実が受けた短い時間での日照の強さみたいなものを表しているのかもしれません。

 少しオイリーで、逞しく、口内ですり潰すと石灰的なミネラリティを基礎に、細やかな表情が零れて来ます。それはまた柑橘果実やスパイスに変化し、ノーズへと抜けて行きます。

 中域も適度に膨れてくれ、自然で長い余韻から、また果実のニュアンスとミネラリティを感じさせてくれます。

 アン・ビュランV.V.は現在、やや締まっていて、やや優しいムルソー=ペリエールみたいな風情ですが、それでも厳しいミネラリティが、

「飲むのはちょっと早いぞ」

と言っているかのようです。


 しかしながらアリアンスV.V.は、現在(2021年6月末)でも、開いているとは言わずとも、結構に膨らんでくれるので、それなりに美味しく飲めてしまいます。

 なので、このキュヴェとサン=ヴェランとマコン=シェントレは早めに飲んでも良く、アン・ビュランV.V.だけは2~3年は置いて育てていただきたいと思います。相当旨いし、何よりリーズナブルですので、この夏を乗り切る1本に・・いかがでしょうか。ご検討くださいませ。A.C.ブル並み以下の価格ですが、かなりの出来です。お勧めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【三千円を切ったプイィ=フュイッセが91ポイント評価!・・そして今でも美味しく飲める冷ややか果実+膨大なミネラリティ!超お勧めです!】

 2017年ものはスタートで躓いてしまいまして、あっという間にアリアンスV.V.が無くなってしまいました。世界で最もリーズナブルなプイィ=フュイッセです。

 そしてやはり2018年ものバローはミネラリティが凄い!・・これだけしっかり有るのに・・硬くならないし、熟度は高いのに全くダレないのも不思議ですが・・真実なんですね。

 バローの他のワイン同様、果実もたんまりで冷ややかで美味しいんですが、葡萄の高質感が下のクラスよりしっかり感じるんですね。なのでやはり、上のクラスの他のプイィ=フュイッセの区画並みに畑の状態が良くなって来た・・ことの証拠なのかもしれません。

 因みにティム・アトキン氏は、このアリアンスV.V.までは評価していて、91点付けています。まぁ・・アン・ビュランとちょっと、間が詰まっちゃっているように感じますよね?・・それに、noisy 的にはサン=ヴェラン・アン・クレシェで90点以上は付けるでしょうから・・。

 写真の方も、今回は何とか良いように撮れたようで、深~い凝縮した果実を冷ややかに閉じ込めているミネラリティが見えるような・・?・・気がしませんか?・・しないか~・・。飲んでいただけましたら、その意味が良く判ると思いますので、

「白ワインはあまり飲まないんだよな~」

とおっしゃる方にこそ、この超リーズナブルな高級シャルドネを飲んでいただきたい!・・そう感じています。きっとファンになってくれると期待しています。ご検討くださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【万全でした!アドヴォケイトも90点。A.C.ブル価格の村名区画名付き高級シャルドネです!】

 何故かバローは日本でとても安いので、中々やり辛くなってしまっています。某社は何でそんなに安いのか?・・以前、ラシーヌさんから入って来た頃の価格を見ると、とてもじゃないが理解不能です。

 ですが、今はジュリアンが造っていると思われるこのアリアンスV.V.、年を経る毎に「ピュア」になり、バランスが素晴らしくなっています。

 昔のダニエル・バローは、これまた昔のコント・ラフォンを思わせるような大きな造りで新樽をしっかり使っていました。今もそれなりに使用していると思いますが、昔の「バリック臭さ」は全く無く、それでも「適度な酸化」で滑らかに、酸の美しさがリアルな果実酸を感じさせてくれる、「新時代の高級シャルドネ」です。

 このアリアンスV.V.より上のラインは、少し寝かせた方が良いのは間違い在りませんので、直近に飲むのでしたらアリアンスV.V.をお薦めします。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【ミネラリティ溢れる冷ややかな果実!高級シャルドネの複雑性とフィネスを感じさせてくれるスーパーポテンシャルワインです!】

 あのブルゴーニュを代表するドメーヌのラフォンさんちも、ルフレーヴさんちも、生産量に限りの有るコート=ドールを飛び出し、将来性の高いマコンに新たな活躍の場を得た訳ですから、マコンの地がどれほどのポテンシャルを持っているのか、推して知るべし・・だと思います。

 確かにコート=ドールよりも南に位置しますし、マコネーとは言いつつも最も南に有るプイィ=フュイッセは、熟度は心配しないでも、ブルゴーニュ・シャルドネと看板を出せるフィネス、エレガンスが出せるかと言う唯一点が、大問題になってくる訳です。

 しかしながらこの、ダニエル・バローのプイィ=フュイッセの入門クラスである「アリアンスV.V.」ですら、そんな大問題を簡単に蹴散らしてしまう品質だと言えるのが凄いですよね。3千円でこれだけの高い品質のシャルドネが買える訳ですから、実にありがたいことです。

 2016年もののブルゴーニュは、2018年に到着し始めたものの、当初は非常に心配をしていました。しかしながら・・特にシャルドネは、

「・・もしかしたら・・グレートイヤーか?」

などとの言葉がテイスティング中に浮かんできてしまうほどのクオリティを見せるアイテムが多く存在しています。


 このアリアンスV.V.も非常に素晴らしい出来でした。リアルワインガイド第62号では、今飲んで 90、ポテンシャル 91、飲み頃予想 2020~2040 と言う評価で、

「このクラスから上は熟成が必要となる」

と書いています。


 noisy 的には、この2019年の正月のテイスティングで、

「このプイィ=フュイッセのクラスは、アリアンスV.V.だけは今から飲んでも充分美味しさを受け取れる!」

と感じました。これより上は・・やはり待ちましょうよ・・(^^;; 勿体無いですから。


 アリアンスV.V.は、ガラス系の透明感溢れるミネラリティのやや太い芯が存在し、縦構造の確かさを感じさせつつ、凝縮した果実由来のエキスが、少しずつ崩壊を繰り返し要素を放出、表情を豊かにしてくれる・・発展途上に有ります。勿論全開なんて無理ですが、

「この分子崩壊による表情」

こそが開くと言う意味(に近い)ですから、まだ少ないはずのそれを拾うだけでもたっぷり楽しめてしまうほど、ポテンシャルが充分だ・・と言うことなんですね。

 勿論、もう皆さんもたっぷり飲まれていてご存知かと思いますが、バローのワインが熟した時のパフォーマンスは物凄いですよね。そこまでは行かないにせよ、

「若いフレッシュな凝縮したシャルドネの美味しさ」

と言う切り口も有る訳で、その部分において、充分な美味しさだと判断します。是非飲んでみてください。3千円のプイィ=フュイッセ、驚かずにお楽しみくださいませ。


 以下は以前のレヴューです。
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【凄いポテンシャル!しかもほぼデイリー価格です!】
 息子さんのジュリアンが作ったアリアンスVV・・・旨いです!実に美しいプイィ=・フュイッセに仕上がっています。しっかり腕を上げたなと思います。

 リアルワインガイド第58号は、

「このクオリティでこの値段・・でいいの?」

とまで言ってます。同感・・!休養後に飲んでみてください。お奨めです。


以下は2008年のコメントです。
【むしろ3年ほどの時間が必要です。】
プイィ=フュイッセ・アリアンス・ヴェ / ジュリアン・バロー
 若々しく瑞々しいやや大きめの白・黄色の果実・柑橘。グレープ・フルーツっぽくも有る。ミネラルのアロマが強い。サン=ヴェランよりも構造が大きく、とても伸びやか。いつものヴィンテージよりもかなりドライ。

プイィ=フュイッセ・アン・フランス
 やや硬い表情。現在はふくらみに掛けるが瑞々しく・・でも硬い。アリアンス・ヴェよりも青みが有る。いつもよりドライだが、肌理の細やかさは上かもしれない。


 中級クラスのプイィ=フュイッセですが、ミネラリティが並みのワインよりも高い分、その殻を破る力に2008年は欠けているのかもしれません。現在はどちらも硬く、厳しいです。しかし、ハードなムルソーだと思えばこれも充分に有り。いつものようにマッチョなバローでは無いと思うべきでしょう。

 5~10年の熟成でピークを迎えるでしょう。かなり美味しいタイトなシャルドネになると思ってくださいね。お奨めです。