どんな厳しい年でも最高の品質を目指す! ‘Miracle Bourgogne’ 2013年ヴィンテージ 2012年からの3年間はブルゴーニュにとって大変厳しい天気の連続で、ドメ ーヌのあるコート・ド・ボーヌはどの年も葡萄が全滅する危機に直面した。2013年は、雨の多い厄介な天候が続いたが、8月に射した陽のおかげで、何とか奇跡的に葡萄自体の品質を保つことができた。 フレッドは言う、 「ここ3年間は結果的に‘Miracle Bourgogne’。他の生産者のワインでもオフヴィンテージが私は好み。若くして美味しく飲めるということもあるが、その造り手の本当の実力やテロワールの底力、そして造り手の大変な努力を垣間見ることができるから。」 どんな厳しい年でも最高の品質を目指すフレッド、彼にとってもまた思い出深い2013年をどうぞおたのしみください。 2013年ヴィンテージ情報 剥きだしにされたエキス分とミネラル。ボリューム感や厚みで化粧されていないぶん、テロワールからくる要素が前面にでている。赤白共にアルコールが低く、今すぐ飲んでも大いに楽しめる。 赤は、ポリフェノールがとても豊かかつ果実味に溢れている。 白は、味わいが複雑で、香りが驚くほど華やかに仕上がっている。 天候と畑 2013年は、開花時は冷涼多雨、成長期の間もほとんど雨という悪天候が続いた。ボルドー液を約10回散布した内、多雨のためトラクターが畑には入れず、3回は人がタンクを背負って撒かざるを得なかった。 7月23日、滅多にないくらい強烈な雹の襲来があり、ポマール1級ペズロールとサヴィニー・レ・ボーヌ・ゴラルドはほぼ葡萄を失うという災難にもあった。幸い8月の天候に恵まれ、最終的には何とか葡萄の品質を保つことができた。 収穫 収穫は10月3日より開始し、近年稀にみる遅さとなった。最後の収穫となったサンロマン・スゥロッシュは10月16日で、2012年より2週間以上,2011年よりなんと1ヶ月以上遅かった。幸いにも雹に当たった葡萄は、収穫の前にほとんど乾き落ちたが、9月に例年にないタイミングで襲ったうどん粉病の影響で、厳格な選果を余儀なくされた厳しい収穫となった。 収量 ドメ ーヌの平均収量は、白が平均29.83 hL/ha、赤が平均21.09 hL/haと2012年に引き続き少なく、特に赤が大変厳しい年。(雹によりほぼ全滅したポマールとサヴィニーを含むと赤は平均18.07hL/ha) ちなみに、サンロマン赤の収量は11年37 hL/ha、12年22 hL/ha、13年30hL/ha、サンロマン白は11年40 hL/ha、12年28hL/ha、13年30 hL/haと推移している。 醸造 発酵は例年より順調。赤は繊細な葡萄のもつバランスを壊さないように、マセラシオンや熟成の期間を、例年より少し短くしている。 価格 ブルゴーニュでは需給関係により価格が決まる傾向があり、近年大幅に値上がりしているが、フレッドは、ドメ ーヌは区画ごとの収量を参考に、ネゴスは買い葡萄価格に基づき決定をしている。2013年は、2012年より全体的に少し価格が下がっている。 2013年初リリースのワイン スキンコンタクト サンロマン“コンブ・バザン”の葡萄を除梗し、6週間のマセラシオンを行っている オート・コート・ボーヌ ルージュ “ピュイ・ド・ショー” ヴォルネイの高台、標高約450 mに畑があり、前年までブドーに入っていたが、今回から単独でリリース。樹齢約50年。 リュリー・ブラン 1級“ヴォヴリー” 畑が1級にあり、タイトでキレのあるミネラリーなワインが出来上がるという点に興味を抱き、4年越しで手に入れた区画。 ピュリニ-・モンラッシェ1級“レ・ガレンヌ” フォラティエールからわずか50 mしか離れていないのに全く味わいの異なる、2つのテロワールの妙味を表現したいとの思いからスタート。 | |
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有り難うございました。 今回はフォラティエールは余りに無くて飲めなかったのですが、その他のキュヴェはテイスティングさせていただきました。2013年のキュヴェは、いくつかのタイプに分けることができると思います。その辺りをoisy がまとめていますので、それもご覧ください。 |
■■oisyテイスティングコメント | |
![]() | 2013Domaine de Chassorney et Maison Frederic Cossard 今回のテイスティングではキュヴェによって、より自然派へのチャレンジをしたと思います。 今後ワインの方向性を変えていくのか、または元のスタイルに戻るのか試行錯誤しているようにも感じます。 全体として、現状固さはあるもののタッチの優しさとピュアな酸は流石コサールと思う物でした。 単純にポテンシャルやワインの出来以外に、好みのスタイルによってアイテムを選択が必要です。 今回のシャソルネイ/フレデリック・コサールには主に3つのスタイルの違いがあります。 1 よりアヴァンギャルドな自然派寄りになったもの。 ・Bourgogne Chardonnay Bigotes ・Saint-Romain Combe Bazin Blanc ・Skin Contact ・Saint-Romain Sous Roche Rouge 2 ブルゴーニュらしさを崩さずに自然派の良さを取り入れたもの。 ・Brougogne Aligote ・Rully ・Meursault ・Puligny-Montrachet Voitte ・Puligny-Montrachet 1er Cru Garenne ・Chassagne-Montrachet 1er Cru-Abbaye De Morgeot ・Volney ・Volney 1er Cru ・Nuits-Saint-Georges ・Chambolle-Musigny ・Vosne-Romanee Les Champs Perdrix ・Morey-Saint-Denis 1er Cru les Monts Luisants 3 その中間。 ・Saint-Romain Combe Bazin Blanc ・Auxey-Duresses les Crais Blanc ・Beaune les Bressandes Blanc ・Bourgogne Pinot Noir Bedeau ・Bourgogne Hautes Cotes de Beaune ・Auxey-Duresses les Crais Rouge 特に1のワインはイタリアのナチュラルワイン生産者のようなワインををブルゴーニュの環境、テロワールで実践した物、に近いと思います。 それでも安定しているのはコサールの腕によるものもでしょうし、またブルゴーニュでこのような試みは非常に勇気のいる判断だったと思います。 2013 Brougogne Aligote まるでシャルドネのような丸みのある酸。ブルゴーニュのミネラリティが表現されている。凝縮感も申し分なく、アリゴテとしてのクオリティの高さを感じる。バランス良し。少し還元。 2013 Bourgogne Chardonnay Bigotes 僅かに茶が入った黄色。シェリーやヴァン・ジョーヌ的酸化香。ブルゴーニュブランとして凝縮感もありポテンシャルもあると思うが、かなり自然派寄りの造りになっていて純粋なブルゴーニュファンには受け入れずらいと思う。 2013 Rully 細めのミネラリティ締まりがあり、透明感が強い。レモン感が強く、鉱物的なニュアンス。果実酸と苦みのバランスが良く、キレイ。 2013 Saint-Romain Combe Bazin Blanc 僅かに酸化を含んだニュアンス。凝縮感あり、奥の深さもある中域の膨らみのある。蜜感あり。オレンジを煮詰めたジャミ―さ。 わずかに苦み。 2013 Skin Contact スキンコンタクトらしい強烈な旨み。イタリアの自由に造っている自然派のようなワインだが色合い程味わいにインパクトがあるわけではない。ポテンシャルはある。ナチュラル。 2013 Auxey-Duresses les Crais Blanc 凝縮度は一気に上がる。 僅かに酸化、酢酸のニュアンスがあるも止まっているので問題ない。旨みのある果皮のニュアンスも僅かに。蜜、ジューシーでまろやか。ふくよか。ナチュラル。 2013 Meursault バタリー。ムルソーらしいリッチ感、苦みを持つ。一転して安定したワインになる。凝縮、濃密の高級感。 トロミがあり、むっちり&ピュア。 2013 Beaune les Bressandes Blanc ボーヌの鉱物感あるミネラリティながらタッチは優しくピュア。僅かにピリッとくるが全体的には落ち着いている。ナチュラルさもあるが安定よりのワイン。 2013 Puligny-Montrachet Voitte 非常にピュリニーらしい鉱物感と高級感。濃密感が高いレベルで維持されているワイン。ミネラル上質。 樽由来のバニラ香もまだ浮いている。安定している。 2013 Puligny-Montrachet 1er Cru Garenne 今だ果実酸がミネラルを覆っているよう。優しいタッチを持ちながら高級感を出してくる辺りは流石。密度が非常に高く、酸も豊富でキレイ。緻密。 2013 Chassagne-Montrachet 1er Cru-Abbaye De Morgeot 少し還元。隅々までミネラルが行き届いた味わい。高級感。オーク。甘酸っぱくも厚みのある長期熟成型。青りんご。酸があ活きている。シャープ。大きさを感じる。 2013 Bourgogne Pinot Noir Bedeau コサールらしい旨みと味わいを補正するレベルの残糖。タッチは優しい。自然派ブルゴーニュルージュ。ブルゴーニュルージュにしてはタンニンが豊富で膨らみがある。 2013 Bourgogne Hautes Cotes de Beaune 香水のようなニュアンスとスパイス。僅かに還元。ほんの少しローヌをイメージさせるような果実味が含まれている。 ポテンシャルがある。余韻が美しくキレイでピュア。 2013 Saint-Romain Sous Roche Rouge エレガンス、複雑性もあるが、少し酸が立っており、アヴァンギャルド寄りなワイン。果実味を中心とした味わいは充実していてピュアなワイン。少し不安定な所はあるが問題ないレベル。 2013 Auxey-Duresses les Crais Rouge ピュアな果実酸とスパイス、複雑性を持っている。こちらも少し不安定なところはあるが、ナチュラルに寄った結果だと思う。安定はしているので問題ない。ある程度時間が経てばガラっと変わるスケールを持つワイン。スパイス。タンニンはソフトでエレガントでワインとしてのバランスは良い。チェリッシュ。ミネラルのキレイさが目立つ。 2013 Volnay ヴォルネイらしい明るさを持ちつつタンニンも含んだ大きさを持つ味わい。ポテンシャルがある。非常に安定していて、ヴォルネイのキャラクターとコサールのキャラクターが上手くマッチしている。エキス、目の詰まり具合は非常に細かく、シルキーで伸びやか。 2013 Volnay 1er Cru 奥深く非常に力強い豊かな味わい。長熟である事を感じる。キレイなヴォルネイらしいミネラリティ。冷涼な酸も心地良い。 2013 Nuits-Saint-Georges 目の詰まり具合も良くキレイなミネラリティを持った伸びやかなワイン。余裕とエレガンスを感じさせ、素性の良さが分かる。滑らかな質感。 2013 Chambolle-Musigny シャンボールらしいミネラリティが上手く表現されたワイン。瑞々しく、艶のある液体値段は高いが凝縮度も高く、通常のシャンボールよりもポテンシャルを感じる。 2013 Vosne-Romanee Les Champs Perdrix ヴォーヌ=ロマネらしい均整なバランス。艶、ソフトタッチ。スパイス。大地のニュアンス。奥行き、構造のあるクオリティワイン。 2013 Morey-Saint-Denis 1er Cru les Monts Luisants 圧倒的なポテンシャル。力強さ。立ち上がりが全然違う。香りの厚み、複雑性。雑味なくエレガント。 |