
もう・・この写真、一枚だけでも判る方には伝わるんじゃないかと思います。
ジュラやサヴォワの主要品種の一つでもある「プールサール」と言う葡萄です。noisy 的には、ジュラ・サヴォワのピノ・ノワールよりもプールサールの方が、ブルゴーニュのピノ・ノワールやガメ(が熟した時)の姿に酷似しているような感覚を持っています。
どうでしょう?・・見事に官能的な色彩を持っている・・と思いませんか?
何となくオレンジ色や黄色も含む淡い赤がとてもそそられます。決して時間が経って熟した訳でも無いのに・・このような色彩なんですね。
言ってみれば、かの「ピエール・ボージェ」が、「失敗した」と言った滅茶苦茶美味しかった「ガメ」にも似たニュアンスを持っていると感じます。そのうえで、ふんわりとした柔らかさ、酸の多彩さ、ナチュラル感は半端無いです。果実も良く熟していて、エキスの濃~い・・その濃さゆえに「甘み」さえ感じさせてくれます。
透明感と官能感が交錯する香り・味わいの向こう側に、何となくコサールの感情が見えたような気がしました。
「そう・・自由になりたかったんだよ・・」
と。
ブルゴーニュでは出来ないことをやりたかったんだな・・と感じました。A.O.C.に縛られず、その土地や葡萄の個性を自分なりに引き出す・・ブルゴーニュでは買い葡萄も高価ですし、高い評価のアペラシオンではとてもできることでは無いのでしょう。
しかしピエール・ボージェは、そんなことにはお構いなく、本当に自分のやりたいようにワインを造っているんですね。きっと相当、羨ましかったんじゃないかと・・思います。
フレデリック・コサールは、新樽の使用を止め、古樽とクヴェグリ使用に舵を切りました。そして、So2 も使用したくない、その時、今を表現したい・・そんな感情がワインに溢れています。
そのワインの味わいは、自由でエナジーに溢れ、生き生きとしています。勿論、揮発酸も若干有りますが、
「むしろこの味わいには必要不可欠なものだ!」
と思えるほど自然です。
いや~・・これは・・是非飲んでいただきたいですね~・・ほとんどの方が「美味しい!」と言っていただけるに違いないと確信しています。でも、そんな自由さが許容できない方も必ずやある程度はいらっしゃるとは思いますが、
「これほどに自由で官能的なワイン、それも相当完成度が高いビオワインはザラには無い!」
と言わせていただきたいと思います。
おそらくですが・・飲めていないので・・推測になりますが、この古樽のプールサールと同じ傾向の延長上にすべての2018年ジュラ系ワインが有ると思います。ご自分の感覚で是非お選びいただきたい・・ご検討くださいませ。大いにお勧めいたします。