ドメーヌ・ド・シャソルネイ・エ・フレデリック・コサール
ド・シャソルネイ・エ・メゾン・フレデリック・コサール
フランス Domaine de Chassorney et Maison Frederic Cossard ブルゴーニュ
ドメ ーヌ・ド・シャソルネイ 2007年(不)完全ガイド!
● どうやら仲間内では、
「あの人は見えないものが見えるらしい・・・」
などと思われているのかもしれない・・・などと、疑心暗鬼になっている今日この頃のnoisyでは有りますが、まあ、お化けとかは全く見えないにせよ、時折自分でも何でそんなことを言っているのかとさえ思えるようなことは、まま、有ります。
もう少し細かく言うと、イメージだとか、感情だとか・・・が、ふわっと沸いてくる時が有るんですね。
ワインのテイスティングの時などでも、そんな時が有ります。特に、良いのか、悪いのか、もしくは先行き良くなるのか、悪くなるのか、とか、いきなり、自分のものでは無いような感情らしきものが浮かんでくる・・・そんな感じでしょうか。
もともとそんな感じは昔から有りましたが、それが正しいのか間違っているのか、もしくは精神異常なのか・・・判断できないような感じでしたが、まあ、それも自分自身の内面から生まれたものなのか、もしくは何かの刺激によって単純に本能的に反射が起きたもの・・と理解するようにしています。大体にして、noisyがワイン屋をやるなどとは、夢にも思わぬ出来事では有りました。
もともとは音楽で身を立てるつもりでしたので、このような酒にどっぷり浸かる・・・その浸かり方が違っていますが、そんなことなどは考えもしなかった訳です。
時折(応援で・・)ラジオにも出させていただきましたが、まず最初にしつこく言われたのは、皆さんもご存知かもしれませんが、
「3秒静寂が流れたら・・・それは放送事故だからね!とにかくテンション上げていこうよ!とにかく何かしゃべる!」
みたいなもので・・・、夜中の3時にそんなにテンションを上げまくってギターを弾いて歌って・・・、おいおい、終わった後のクールダウンは弁当一個でどうしてくれるのよ!みたいな感じでした。
例えば何百人でも何万人でも結構ですがコンサートや何かで、歌でも歌って誰かにメッセージを届ける、という仕事は、
「マイクを使ってPA(拡声器)で拾うんだから、何人でも関係無いじゃん・・・♪」
みたいに思われるかもしれません。
しかしながら、実際のところは、そんなもん、メッセージを届けるのには何の役にも立っていません。ちょっと荒れている学校の朝礼みたいなもので、お客さんに聞く気が無ければ、何のメッセージも届けられないんです。ただ、
「うるさいんだよね!」
で終わっちゃうんですね。
ですから、魂のこもった声とか、音を、必死に出す努力をします。考えてみてください・・・。もしあなたが10万人に囲まれて1曲でもキッチリと歌うシュチュエーションになったとしたらどうでしょうか。思いっきり成りきって、かっこつけて、体中からしぼりだして・・・ようやっと相手に少し届くんだと思います。若いうちは確かに演奏や歌も下手で、有る程度年齢を経てからその頃の歌を聞くと、
「うわ~、こんなんでよくやってたなぁ」
と思いますが、粗いながらも心に響くものが有るものです。年を経て、確かに歌も旨くはなったが、何故か心には深く刺さらず、
「上手いんだけどね・・・。情熱が無い・・・かな?」
なんて評価になったりもするでしょう。
で、しょっぱなから大きく脱線したようにも思えるド・シャソルネイの2007年の(不)完全ガイドですが、あながち関係なくは無い・・・ようです。(不)と付いているのは、何十万円かの大きなロットにたった1本しか入ってこないサン=ロマン・スー・ル・シャトー クロ・デュ・スリズィエ マグナム・ボトルがあるからですね。いつもこのボトルだけは飲める機会が無いのが残念です。
ある意味、若い頃の情熱を、自分の創るワインにキッチリ閉じ込めることを完全にやっているのがフレデリック・コサール、ド・シャソルネイでしょう。4月の中旬に、しっかりテイスティングさせていただきましたが、1本目を飲んだ瞬間、
「2007年のド・シャソルネイは素晴らしい!」
と感じてしまいました。・・・まあ、何かが降りてきたのでしょう・・・(^^;;
シャルドネもピノ・ノアールも素晴らしいです。しかしながら、現状でとても美味しく飲めるアイテムは例年と違いますので注意が必要です。
飲めるという意味合いで、
白ではやはり
●ブルゴーニュ・シャルドネ・ビゴット
●オーセ=デュレッス・レ・クラ・ブラン
が美味しく飲めます。オーセは勿体無い部分も有りますが、現状でサン=ロマン・ブランよりも柔らかさが有ってお奨めですね。ビゴットは・・・かなり素晴らしい出来栄えで、ソリッドながらもその硬さに品格が備わっています。樹齢が上がるに連れ美味しくなるの図、そのまんま行けるでしょう。
赤では、
ブルゴーニュ・ピノ・ノアール ブドー
サヴィニー・レ・=ボーヌ・レ・ゴラール
に加え、何と
ニュイ=サン=ジョルジュ プルミエ・クリュ クロ・デ・ザルジリエール
が現状で飲めます。初登場のサヴィニーは出色の仕上がり!シャソルネイらしい肉厚さとチェリッシュな味わいが素晴らしいです。クロ・デ・ザルジリエールは・・細かい部分は専用コラムに書きますが、さっさと飲むなら今!です。夏を迎えると硬くなるかもしれません。
ポテンシャルという意味合いではやはり、オーセ=デュレッス白・赤、とNSGクロ・デ・ザルジリエールは外せませんし、2004年の、あの素晴らしいサン=ロマン・ルージュを飲まれた方ならもうお判りでしょう、夏ごろから徐々に柔らかくなってくるはずです。
若い頃の情熱を忘れず、経験を積み重ねた部分を単なる「くすみ」にせず、今も輝いている、ということは、とても大変なことだと思います。ネゴスの白ワインでは、半分のワインにダメ出しをしたnoisyですが、ドメ ーヌものは全く問題無いどころか、毎年、年を追うごとに美味しくなっているように思います。是非ともご購入いただき、飲んでみて欲しいと思います。
●2007 Auxey-Duresses les Crais Rouge
オーセ=デュレッス・レ・クラ・ルージュ
【エキス系??生のまま果実味系??意味が判らん??!】
●ブルゴーニュ・ピノ・ノアール ブドー
これがかなり旨いです。シャソルネイ節全開の肉厚な果実を思われる風味で、黒、赤の極小果実が感じられます。それでいてとてもピュア!ピノ・ノアールの美味しさを理解しているコサールならではの味わいですね。2004年のサン=ロマンを若くしたような・・・という表現なら、きっと飲まれた方はピンと来るはず・・・。旨いです。
●サン=ロマン・スー・ロッシュ
これもかなり良いのですが、残念ながらやや硬いです。でも白ほどでは無いので、これも6月ごろから行けるでしょう。何となくポマールとコルトンを足して割ったような感じですが、ご存知のように熟すとワイルドさが出てきてヴォーヌ=ロマネっぽくなるんですよね。これもセラーに入れておいて欲しい逸品です。
●オーセ=デュレッス・レ・クラ・ルージュ
こちらはコルトンです・・・いや、オーセですが、かなり硬いですね。3~4年の熟成は必要かと思いますが、ある意味、ド・シャソルネイのボーヌのトップ・キュヴェらしい、高い質感を閉じ込めたものになっています。さすがです。
●サヴィニー・レ・=ボーヌ・レ・ゴラール
今回の目玉とも言うべき、初リリースのサヴィニーですが、この出来が素晴らしいです。どうしても肉厚さが足りず、チェリーといわずに桜の花・・・みたいに言い換えてしまうことの多いサヴィニーですが、こちらはキッチリと黒味もあるチェリーだと言えます。そして、何よりも肉厚で、ド・シャソルネイ節がここでも生きています。まったりとしていながらピュアさが光る、素晴らしい味わいをしていますので、これも一推し!畑は借りているそうです。
●ニュイ=サン=ジョルジュ プルミエ・クリュ クロ・デ・ザルジリエール
やっぱりポテンシャルは最高のクロ・デ・ザルジリエールです。が、他のピノに比べると、ちょっとトーンが違うように思えました。2007年の特徴でしょうか。この畑だけがニュイですから、もしかしたらその辺もあるのかもしれません。noisy的には、
「ん?これ、コサールのワインなの?何かパカレっぽくない?」
・・・そうなんです・・・。バランスが妙にパカレっぽく、しかも2007年は2006年よりもエレガントな仕上がりで、現状でポテンシャルを取りながら美味しく飲めちゃうんですよ・・・。ヴィンテージの差なのか、もしくは造りを少し変えたのか判りませんが、やや収穫を早めにして、綺麗な酸を残したように思います。ニュイ・サン=ジョルジュの持つ、ある種の「野暮ったさ」が無く、やや「軽妙」ながら素晴らしいバランスなんです。それに加え、ミネラルの出方が・・・パカレ的!どうなってんのこれ!でも旨いから許す!みたいな感じです。是非とも飲んでみてください。かなり面白いです!お奨めします。
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