ドメーヌ・ド・シャソルネイ・エ・フレデリック・コサール
ド・シャソルネイ・エ・メゾン・フレデリック・コサール
フランス Domaine de Chassorney et Maison Frederic Cossard ブルゴーニュ
◆メゾン・フレデリック・コサール 2008年完全ガイド!
● ド・シャソルネイの2008年もそうですが、ネゴスのコサールラベル2008年、これも想像をかなり上回る出来栄えで、まあ・・安心させていただきました。何しろ2006年のときは、テイスティングして顔が真っ青になりました。
「・・・・なんじゃこりゃ?・・・」
みたいな感覚を今でも覚えています。
2006年の、約半数のアイテムでの失策は、おそらくまだワインが動いている最中に瓶詰めをしてしまったことに大元を由来しています。それに加え、初めてのネゴスの扱いが有る程度の量、アイテム数ともに有りましたので、収穫から醸造に至る流れで、目に見えないミスの連続も手を貸しているものと思います。2007年のネゴスものは、エクスクルーシヴの移動のドサクサで、日本には全く紹介されない状況でしたし、noisy もテイスティングする事無く今に至っていますので、どのようなレベルの品質だったかさえ判っていません。
以前ご紹介させていただいた2006年のネゴス・コサールの白は、半端無いレベルのミネラリティを詰め込み、ワイン自体の潜在能力、ポテンシャルとしてみると、信じられないほどの逸品になるべく生まれたワインでした。しかし、そのうち半数は、残念ながら酢酸に侵されたもの、中途半端なマロラクティック由来と思われる乳酸の影響を帯びたものになっていました。勿論、それは素晴らしいポテンシャルを秘めてはいましたが、2010年の今になっても回復されてはおらず、本来持っている力とは程遠いものです。
ところが、2008年のネゴス・コサールのワインは、シャルドネ、ピノ・ノワールとも、フレデリック・コサールらしい、柔らかな酒躯とマンモスなミネラリティを持ち、キラキラと輝いていました。特に、値の張る上級キュヴェは、物凄くわかりやすいのに極上の舌触りとアロマを持ち、確実にクラスを一つ、上に感じてしまうような上質さを持っています。
また、どのワインも今から飲めて仕舞います。勿論、今が最高の飲み頃・・という時期では有り得ません。熟した果実を収穫した事実が、その状態を語ってくれるんです。もしかしたら
「ちょっと・・・高くないか?」
と思われるかもしれませんが、価格以上の品質をきっと感じていただけますし、もしかすると、
「こんなブルゴーニュワイン・・・飲んだ事無い!」
とさえ思われるかもしれません。
シャルドネでは、ムルソー・ペリエールとシャサーニュ・モルジョ。これは正に白眉です。ペリエールは今飲むには勿体無さ過ぎますが、アベイ・ド・モルジョの完成度には目を見張らずにはいられないでしょう。
ピノ・ノワールでは、他のキュヴェも推したいところでは有りますが、やっぱりヴォーヌ=ロマネとシャンボール=ミュジニーが白眉・・・。村名ワインとはまず思わないでしょう。シャソルネイ節が見事に表現された、プルミエ・クリュに匹敵するものです。勿論、ポマールも旨いんですが、このワインだけは仕上がり方から考えて、若干時間を掛けるべきです。
ネゴスのワインには、自身の畑では無い畑から良い葡萄のみを引き取り造るやり方と、全てを買い上げる、もしくは、葡萄農家の言いなりになるが安い価格で引き受けるやり方があり、コサールの場合は前者です。
ですので、けっして安い価格で仕上がる事は考えられないのです。しかも、自身のドメ ーヌは、比較的リーズナブルに取引されるAOCですが、ネゴスの方は、正にブルゴーニュの最高の畑と目される村のものばかりです。
是非一度、このフレデリック・コサールの2008年を飲んでみて欲しいと思います。これほどまでに柔らかく、しかもミネラリティに溢れ、完熟した葡萄の美味しさを引き出しているのはマジックとさえ思えます。ご検討ください。
●2008 Meursault
ムルソー
【これぞムルソー!】
区画は、ナルヴォーに隣接する、地元では「Petit Narvaux(プティ・ナルヴォー)」と呼ばれるところの買いブドウ!畑は0.25ha。収穫日は2008年9月29日。樽は2~3年樽を使用。
とても低い重心の位置から「ぐわっ」と湧き上がってくるマグマのように、漲るパワーを感じる事が出来る素晴らしいムルソーです。蜜、黄色の果実のアロマ、酸の構造がかなり深い。上質さと濃密さ、味わいの構造が多重だ。素晴らしい。ミネラルの芯のエッジがしっかり感じられる現在では珍しくなった真のムルソー。現在飲んでも良い。
あっけに取られるような、迫力を持ったムルソーです。それでいて少しも野暮な部分を持たないのが素晴らしい!真のムルソーとは、プルミエ級のポテンシャルを持っており、ただAOCとして村名の格付けをされているだけ・・ということを理解できるでしょう。これもお奨め・・・是非飲んでみてください!
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