ドメーヌ・ド・シャソルネイ・エ・フレデリック・コサール
ド・シャソルネイ・エ・メゾン・フレデリック・コサール
フランス Domaine de Chassorney et Maison Frederic Cossard ブルゴーニュ
● ド・シャソルネイのバックヴィンテージをご紹介させていただきます。バックヴィンテージと言いましても、インポーターさんから最近購入したものでは無く、Noisy wine のセラーに延々と入っていたもの・・残り物?・・と言いますか、売り忘れ・・、もしくは売り惜しみ?・・でも無いか・・。
「そろそろ良いタイミングになって来たんじゃないか?」
と言うことで、2010年~2011年ものをご紹介させていただきます。
数は無いので・・でも赤は2010年のサン=ロマンを、白は2011年のサン=ロマンを昨日テイスティングさせていただき、確認しています。
見せてくれる色彩はもう・・noisy がああだこうだとシツコク言うよりももっとずっと正直です。是非熟成の不思議、美味しさをご確認くださいませ。
◆ドメ ーヌ・ド・シャソルネイ 2011年(不)完全ガイド!◆
2011年、ド・シャソルネイ、フレデリック・コサールは、ブルゴーニュで今最も熱いワインと言えるでしょう!すぐに飲んでも美味しい・・・と言うことは・・・?
● 大変お待たせいたしました。2011年のドメ ーヌ・ド・シャソルネイとネゴスのフレデリック・コサールをご紹介いたします。毎年リリースのたびにほぼ全てのテイスティングを続けていますが、2011年ものの24アイテム中、マグナムを除いてテイスティングをさせていただきました。
2011年の9月頃、フランス・ブルゴーニュ現地から漏れ聞こえてくる声は、余り芳しいものでは無く、どうなってしまうのか、とても心配でした。先日のパカレの2011年のテイスティングは、白がほとんどでしたが、中~下級クラスは中々の出来だったものの、上のクラスはポテンシャル不足、パカレ自身のアナウンスと思われる
「2011年エレガントなヴィンテージ!」
の声も、何とかの遠吠えのように聞こえてなりませんでした。
脱線しますが大体にしてワイン屋などというのは、調子が良いとガンガン仕入れて良い気になり、在庫が膨らんで売上がイマイチだったりすると急に消極的になったりするもの・・。おまけに仕入れた(購入した)ワインが滅茶苦茶美味しいと凄くご機嫌になるものの、予想と違ってイマイチだったりすると、精神的にかなり落ち込んでしまったり・・ね。もっともまぁ、自分で購入した商品には決して手を出さない方々が大勢いらっしゃるから、それは少数派なのかもしれないが・・。
ところが、いつもリーズナブルで美味しいユドロ=バイエの下級クラスなどが入荷し飲んでみると、
「・・・あれ?・・旨かった2010年とちっとも変らないじゃん・・」
で、ド・シャソルネイ、フレデリック・コサールの20アイテム程のテイスティングに望んだわけです。・・まぁ、ある意味、とても痺れますよ。
そして、テイスティング終了・・・。結果は・・
「2011年のド・シャソルネイ、フレデリック・コサールは、2009~2010年と変らない、凄い仕上がり!」
と判断しました。
何しろ、赤のヴォルネイ、ヴォルネイ1級、ポマール1級を含むドメ ーヌもの(ド・シャソルネイ)は滅茶苦茶美味しく、ヴォーヌ=ロマネ・シャン・ペルドリ、シャンボール、モレ・モン・リュイザン1級はそれを凌ぐような仕上がりです!
そして、白ワインは、どのキュヴェを飲んでも思わず顔が綻んでしまう・・・にっこにっこしてしまうような旨さ!もう大満足なテイスティングでした!
2008年までのネゴスのワインには、どこか「借りてきた猫」のような、よそ者感が漂っていましたが、2011年では、完全に「コサール節」の表現そのものとなっています。これほどまでに柔らかく、しなやかに、バランス良く絶妙な香りと味わいに仕上げられる生産者は・・・他にはいない・・でしょう。
こうなってしまうと、ネゴスものの数の少なさが悔やまれてくるんですが、それでも最大限の数量をいただいています。
2011年赤
2011年赤の白眉は、何と言ってもモレ・サン=ドニ・モン・リュイザンでしょう。まさにグラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュの面影がバッチリです。
次いではヴォーヌ=ロマネ・レ・シャン・ペルドリ。グラン・クリュの狭間で咲く美しい花!・・(鳥かな?)もう、これに関しては瓶を抱えて飲みたいです。
そしてシャンボール。1級にならないデリエール・ラ・グランジュですが、むしろ早くから美味しいと思われます。テクニカルを見る限り極端な収量制限もしないのに、これほどまでに素晴らしく柔らかく官能的な味わいに仕上げられるのは、フレデリック・コサールを置いてはいないと言っても過言では無いです。
そしてポマール・ペズロール!真っ赤な果実が群生しています!土っぽいポマールでは有りませんよ。これも素晴らしい!
ニュイのダモードは、ニュイの粗さを全く感じさせない素晴らしい仕上がりでした。むしろヴォーヌ=ロマネを連想させるような感じで、香しいスパイスや野生的なニュアンスバッチリです。そして何より綺麗!
ヴォルネイ1級のロンスレとリュレは、とても美味しいですが、結構スタイルが違います。ロンスレはスグリ系でジューシー、深い構造とエレガンスの両立・・・きれい系です。リュレはむしろロンスレよりも濃厚で果実には黒味が入ります。官能感が高く、ちょっとエロいです!
村名ヴォルネイは黒っぽい赤果実。集中していて、ヴォルネイらしいあっけらかんとしたスムースで真ん丸なピノ!旨いです。
サヴィニー・ゴラルドは、何故かドメ ーヌもので有りながら、人気的にはオーセ・デュレッスに押されているのが理解できませんが、いつものとおり、やや濃い目、端正な赤い深み、綺麗に出たエキスでとても旨い!・・2008年以前のドメ ーヌラインナップから観れば、価格通り・・・白眉です!
オーセの赤は、メロンとかスイカとか、瑞々しい果物が連想されるような、少し硬質な味わい。元々ミネラルの多いワインだけに、流通の疲れが消えてない感じですが、いつも通りの素晴らしいオーセでした。
サン=ロマン赤はさすがにドメ ーヌの中心アイテムだけあって、いつも通りの美味しさです。4年ほど寝かすと、
「あれ?ヴォーヌ=ロマネ?」
と勘違いしそうになると・・思います。
2011年のブドーは、
「あれ?昔のパカレみたい?」
と思ってしまいそうな仕上がり具合で、梅かつを風味のエレガント+妖艶なワインです。もっと判りやすく言えばコサールにしては仕上がりがドライ。しかし、この方が好きな方は多いだろうと思えるものでした!
○2011年白
2011年の白の白眉は、ピュリニー・フォラティエールとムルソー・ジュヌヴリエールです。フォラティエールは、色を見ただけでも「わ~お!」です。・・・飲んだら「うわ~!」です。今飲むのが勿体無いけど、もう頬っぺたが落ちそうな美味しさ!凄いワインでした!
ジュヌヴリエールは、もう唖然とするような深いアロマ!目茶凝縮しています。開きはしないのに別世界の集中感美味しく飲めて仕舞います!圧巻です。
そしてピュリニー=モンラッシェ。この柔らかさ、球体な超絶バランス。是非ともルフレーヴさんに飲ませてほしい!カッチンコチンのテクスチュアも悪くは無いのでしょうが、このピュリニーを飲んだら考えも変ると思いますよ。・・まぁ、安全性を考えると、そんな冒険は出来ないのかもしれませんけど。兎に角、この柔らかさと表情の多彩さは、フレデリック・コサールにしか表現できないのかもしれません。ホント、見習って欲しいな~!
そして、価格が安いのにとても素晴らしかったのがボーヌ・ブレッサンド!蜜や白・黄色の果実が実にリアル!そして美しい雅なやや硬質な石灰系ミネラリティ!これに粘性をプラスしたら、ムルソー・ペリエールじゃないの?と言う声も出たほどです!
オーセの白はいつも通りのプティ・コルトン=シャルルマーニュ。それでもコサールだからこの硬さで仕上がっているのでしょう。普通のオーセと比べるととても柔和で表情豊かです!
何時も美味しいサン=ロマンはいつもよりややスタイリッシュでミネラルが豊かです。リンゴや梨のアロマ、ドライ目の仕上がりで中域もしっかり。中盤以降はいつものサン=ロマンでどっしり感も有って旨いです。
人気の高いビゴットは、熟し気味の柑橘果実、酸もしっかりしているのに良く熟している・・・どこかのPPさんに飲ませたいもの・・。こちらはちゃんと熟して、ちゃんと酸も有る。酸だけだったり熟度だけだったりする方とは大違い。ベースのワインでこの仕上がりはさすがです!
そして初登場のアリゴテは美しく張りのあるブルゴーニュのアリゴテらしいキビキビとした比較軽量級の味わいです。軽量級と言っても、コサールの中での話しで、他に持っていけば、格上クラスを喰ってしまうでしょう。華やかで軽過ぎず外向的。ブルゴーニュの気高さを持ったアリゴテでした。
なお、サン=ロマンのスール・シャトーだけはマグナムにつき飲めていません。そして、フラン・ド・ピエの樹によるこのワインは2011年が最後です。
●総評
ほとんど手放し状態で褒められます・・ので、ご安心してください。そして、もしお客様の景気が良かったら?・・是非早いうちに飲んでみて欲しいと思います。
「これほどまでに柔和で複雑性がありバランスの良いブルゴーニュワインは、他に誰が造れるのだろうか?」
と問うて見て欲しいんです。
テクニカルを見ても、必要以上に収量は落として居らず、それでも、この難しかったはずの2011年のワインを、ここまで持ってくるとは思いもよりませんでした。飲んでいただければ、きっとご理解いただけるでしょう。そして、造り手に必要なものは情熱と感性だと、思われるに違い有りません。素晴らしいフレッドの2011年。心よりお奨めいたします。
■エージェント情報
◆2010 年ワインについて
当主フレデリック・コサールのコメント
フレッド曰く、2011年は2010年のスタイルに近いが、よりフレッシュで軽やか!白はフェノールがしっかりと熟していた分、ワインはとても香り高い!2010年よりも一層果実味と酸がフレッシュで、今飲んで最高に美味しい状態にある。赤は、全体的に果実味がチャーミングでエレガント!今飲んでも美味しいが、まだ詰めたてで、若干閉じ気味なので、あと数か月瓶熟させれば、本領を発揮する。2011年はブドウの皮が薄く、発酵中色の抽出が早くスムーズだったので、マセラシオンの期間はいつもより短く済んだようだ。ポリフェノールが例年よりも少ない分、どのワインも果実味と酸が前面に出ている!まさに自然派らしい早くから楽しめるワインに仕上がっている!
畑・収穫情報ドメ ーヌにとっては豊作年!白は平均42hl/ha、赤は38hl/haの収量があった!ミレジム的には、春の気温が初夏並みに高い日が続いたため、ブドウの成長サイクルが早まり、収穫スタートが8月25日と例年よりも3週間ほど早かった。粒単位の選果と、スピードを求め、25人の大人数で一気に行った。ブドウの特徴成長サイクルが早まったおかげで、早い時期にフェノールが熟した!だが、途中6月から8月後半まで天候が不安定だったため、ブドウの糖度はそれほど上がらなかった。醸造情報白はphとアルコール度数が低く、醗酵は比較的スムーズだった!しかし、赤は発酵中ボラティルの上がるリスクが常にあり、いつも以上に徹底したコントロールと衛生管理が必要だった。各タンクの発酵状況は3時間おきにチェックし、ルモンタージュやフラージュは発酵の勢いを確認しながら随時対応した。収穫から発酵が終了するまで、いつも以上に気が抜けない緊張の連続。。しかし結果的に、ボラティルの問題はみごと克服し、芳醇でエレガントな素晴らしいワインに仕上がった!
ちょっと一言、独り言
フレデリック・コサールが私とワインを試飲する時、よく口に含んだ後「ブルルルル」と体を震わせたり、あるいは「ン…」と深くうなずきながら、後で「ウマイ!」と叫ぶことがある。「ウマイ!」と日本語で叫ぶのは我々日本人に対する愛嬌だとしても、その前の感動の動作は、ま さに彼が美味しいワインに出会った時のリアクションそのもので、これが彼の提潤Eする[VinVivant]すなわち活きたワインのエネルギーなのだ!
「たとえクランヴァンであっても、口にした瞬間心の底からこみ上げてくるような波動がなければ、それはワインが死んだも同然だ!」
と語るフレデリック。確かに、彼のワインは試飲を進めていく度に互いのヴォルテージが上がっていくので、思わず私も
「おぉ…」
と知らず知らずのうちにうなり声を上げてしまう…非の打ち所のないすばらしいワインだ。
Vin Vivant という言葉は、初めてフレデリックから耳にしたのだが、最初に聞いた時は妙に納得し感動してしまった。なるほど、確かに美味しいワインにはしびれるような感動がある。VinVivant とは、すなわち、美しいワインには必ず良い波動やエネルギーがあり、たとえワインが無名であっても、そのワインを味わったときに心揺さぶられるような感動ある。そして、その震えるような振動が伝われば、それは紛れもなくすばらしいワインだということだ。
彼は言う、「ワインは頭で考えるな!良いワインは口に含んだ瞬間必ず魂が揺さぶられるような感動がある!それは、テロワールやミネラルの波動がブドウに変化し、そのブドウの波動がワインに変化し、そしてワインの波動が人間に伝わっている証拠だ!」
と。
ワインを飲むときは頭で飲むのではなく感覚を信じて飲め!と彼は提潤Eする。彼がVin Vivant という考えに行き着いたのは決して偶然ではなく、その境地にたどり着くまでには長い経験と下積みがあった。ドメ ーヌを立ち上げる前に10 年間ワインのクルティエとしてブルゴーニュ中を奔走し、そのクルティエ時代にブルゴーニュのワイン全てを飲み尽くし、ノートに書いて頭に叩き込んだそうだ。ワイナリーの家系でもない、醸造の輝かしいディプロムを持っていたわけでもない彼にとって、頼りは彼独自のワイン分析と経験だけであった。
「たとえばルイ・ジャドはフィネス、ドルーアンは少し樽を利かせた熟成タイプ、ボワセはまず値段…等々、自分の感覚でワインを分析し、ドメ ーヌや畑に足蹴く通いテイスティングしながら10 年かけて自分の理想のワイン像を収斂していった」
と彼は言う。
そして、経験の中でたどり着いたひとつの結論はブドウの品質だった。すなわち、ブドウがテロワールやミネラルの波動をワインに集約し、私たちに伝えるということだった。「ブドウが全てを包み隠さずに伝える。だから、我々は、ブドウがその土地のエネルギーを100%集約できるような環境を用意してあげなければならない」。彼が土を耕すのも、散布剤を減らしてホメオパシー(※フレデリック・コサールの+α情報に説明あり)に説明あり)を取り入れるのも、全てはテロワールのエネルギーをブドウに最大限吸収させるためだ。醸造も同様に、ブドウのエネルギーを壊さずに如何にワインに集約するかというその一点に全神経を注ぐ。彼にとっては、たとえ健全なブドウでも、醸造で酵母や酵素添加、SO2、補糖、捕酸、逆浸透膜フィルター、ミクロオキシジェナシオン等々、下手に人が手を加えることは、ブドウのエネルギーの遮断につながり、結果、波動が伝わらない死んだワインと同然なのだ。
「私は、クルティエ時代にこのようなワインをたくさん口にした。名のあるグランヴァンでさえ波動の伝わらないワインがたくさんある…。これらワインは最終的にいつも味わいが似たり寄ったりで、感動が全くない…」
と本当に残念がるフレデリック。
それもそのはず、彼の将来の目標は、ブルゴーニュワインの救世主たるべく、グランヴァンでVin Vivant を仕込むことだからだ。自分のやり方で畑を甦らせ、自分の手でブドウを摘み、そして仕込む。この目標に向かって彼は今着々とまい進している。2009年 10月に長男シャルルが誕生してますます気合いの入ったフレデリック。彼がいたずらな子供のような顔をして
「どうして長男にシャルルと名付けたか教えてやろうか?」
と私に問いかけてきた。さっそく理由を聞くと「それはな、俺の尊敬するおじいちゃんがシャルルという名前で、俺がまだ幼少の時に親に内緒でこっそりとワインを教えてくれたのが彼なんだよ!おじいちゃんがいつも内緒で俺をカーヴに連れて行き、自分のつくったどぶろくワインを飲ませてくれていた!今の自分があるのはおじいちゃんのおかげで、俺も息子のシャルルが大きくなった時に、シャルルおじいちゃんのようでありたい!」
と笑顔で語ってくれた。
●2011 Bourgogne Pinot Noir Bedeau
ブルゴーニュ・ピノ・ノアール・ブドー
【10年ほど寝かせたブドーです!】
今回は2011年もののド・シャソルネイを中心にご案内させていただいておりますが、何せ数が少ないので、飲めたのは、
2010年サン=ロマン・スー・ロッシュ(赤)
2011年サン=ロマン・コンブ・バザン(白)
のみです。
2010年のサン=ロマン・スー・ロッシュは実に良い熟成をしていまして、まさに「コサール香」ともいうべきシャンピニオンのブケが素晴らしかったです。
流石にサン=ロマンほどはポテンシャルは無いでしょうが、良い感じに熟しているものと思われます。ご検討くださいませ。
以下はリリース当時のレヴューです。
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【良いときのパカレのようなドライな味わい!】
やや暗めのルビー。一瞬昔のパカレのような梅かつを。ジャミーな味わいの奥に深いアロマ。熟れと若さが交錯する。いつもより少しドライ目な仕上がりで、とてもバランス良く旨い。
コサールの赤ワインは、パカレから見ると少し甘みが有るように感じることが多いですが、2011年のこのブドーに関しては、パカレっぽい仕上がりですね・・。これはこれでとても美味しいです。何しろそれでも飲み終えた後には、
「・・・あ、コサール・・・ここに居たのか」
と感じさせてくれますから・・。
優れた造り手は、やはりテロワールと造り手自身をちゃんと感じさせてくれます。お奨めします!
【2008年以前のシャソルネイに戻ったかのようです!とても美味しい!】
チェリー、ベリー、深みの有る味わい。シャソルネイらしく昔のブドーのように、熟しているのにハツラツとした味わいに戻ったかのよう。現在はまだ少しタイトだがすぐにバランスしてくるだろう。軽やかさと深さがある。
どうでしょう?2009年がシャソルネイらしくなかったのか?・・・それとも、新たな境地に向かったのか?と云うところをどのように判断するかですが、noisy的には完全に後者です。素晴らしいピノだと思います。徐々に味わいを深めて行くでしょう!何よりもマグナムを仕込んでいますんで、自信もあるでしょうね。超お奨めです!
エージェント情報
ブドーは「カトリック司祭の案内係」という意味で、オート・コート・ド・ボーヌのPuitsde Chauxの区画1haと、ピュリニーとサシャーニュの間の教会の近くに1haのブドウ畑がある。収穫日は9月20日。収量は19hl/ha!新樽は25%、残りの75%は2~3年樽!
グロゼイユやザクロ、アニスの香り。繊細な酸、スレンダーな果実味ときれいに溶け込んだ旨味とのバランスが良く、後から収斂したミネラルがワインを引き締める!
以下は2009年のコラムより転載です。
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【ピチピチのギャル的?!コサールにしてはちょっと珍しい仕上がりか?】
とても柔らかく、香りが出やすいピノがコサールの特徴かと思ってきたんですが、2009年のブドーに限ってはむしろ、「フィリップ・パカレ的」でした・・・!などと書いてしまうとクレームが来るかな??でもとても美味しいのでご安心ください。いつもよりも若々しい果実が中心だという事です。
ジューシーでフレッシュな果実とアロマティックな石灰。いつもの年よりも凝縮感がたっぷりで紫の印象が強い。膨らみは今ひとつだが、お客様に届く頃には問題無いだろう。いつもよりも少し硬めな仕上がりなのは事実。健康的な葡萄とピュアな美味しさが光る。
どうでしょう・・・そう、パカレ的なんて言ってしまうから難しいかもしれないですね。むしろ、
「マルセル・ラピエール的」
と言えば良いでしょうか。・・そうピュアで真っ直ぐな果実の感じです。コサールの場合はやや色が暗く、官能的になってくるのが普通ですが、2009は少しラピエール的だと理解してください。いずれにしてもとても旨い!超お奨めです!
エージェント情報
ブドーは「カトリック司祭の案内係」という意味で、ピュリニーとシャサーニュの間にある教会の近くに1.2haのブドウ畑がある。収穫日は2009年9月19日と23日。収量は40hl/ha。1~3年樽を使用。
カカオやミネラル、フランボワーズなどの香り。豊かで骨格のある果実と酸とのバランスが良く、余韻に若いタンニンの収斂味が残る!
以下は2008年のブドーのコラムよりです。
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【熟度と鮮度の融合!素晴らしいバランスです!これは一推し!・・・青い色は危険な色、の巻!】
良く「色合い」のことを noisy は書いていると思いますが、やはりこの色というものは実に重要なファクターです。ある程度長い期間、ワインに親しんで来た方なら、グラスに注いで色を見れば、仮に香りを嗅がなくても、口にしなくても、ある程度、どのようなワインかは判るでしょう。その程度というのは、その方がどれだけ情報を得ようとされてきたか、という気持ちが「気付き」を得ますので、人に寄る部分が多いかもしれません。
単にワインの色・・・ということだけでは無く、もっと広い意味合いでの「色」も有ります。いつ頃でしたか、そろそろ季節も近くなってきましたが、「アジサイ」を料理の付け合せ、もしくは彩りに、お皿に載せてお客さんに出してしまい、食中毒になってしまった・・ということが有りました。アジサイには毒になる成分がありますから、決して口にしてはいけないんですが、そのことを知らない方が、そのようにしてしまったのかと思います。最低でも、口にしたらストレートに毒になる食材をお皿にしてはいけませんよね。
でも、人間は気付かないうちに、
「これは・・・食べちゃいけないだろうな・・」
というものを判断しているんですね。例えば、道端の石を食べよう・・・とは誰も思わないでしょう。如何に美しい輝きを放っていたとしても、その場合は歯が欠けてしまいますモンね。
色の場合、良く「毒々しい」などと表現しますが、あんまり「派手な」色合いが組み合わさった物は、
「・・・これを口にしたら・・・やばいかな?」
と、普通はお考えになるでしょう。
では、アジサイはどうでしょうか。もし蕾だけだったら・・・食べてしまいますか?それとも花が咲いているのを見たとして、毒性が有ると知らなければ口にしてしまうでしょうか。
例えば土(つち)は・・・土色をしています。これは、病原菌や虫がいない状況で、しかも「きれい」なら・・・、不味いしジャリジャリとテクスチュアが悪いとは思いますが、栄養分も有り、食せ無いことも無いですよね。
赤はどうでしょうか。真っ赤なリンゴ・・これは美味しそうです。真っ赤なバラの花・・・まあ、美味しいのかな?判りませんがおそらくは食べられると思います。
黄色はどうですか?余り毒々しいのはどうかと思いますが、レモンしかり、黄桃しかり・・・ちょっと美味しそうですね。ひまわりの花弁・・・これは判りませんが、菊の花は食します。
緑は・・・まあ、これは植物ですから、この色だけは普通・・・は食せると考えてしまいます。アジサイは葉っぱが緑ですから・・・食べられると思ったのでしょう。
ところで、青はどうでしょうか。
「青リンゴが有るくらいだから・・・大丈夫じゃない?」
と思われるかもしれませんが、青リンゴの色は「黄緑」「薄緑」ですよね?青い色の食べ物って・・・有りますか?
「そりゃあ有るでしょ?ゼリーとかブルーハワイ・・なんて飲み物も有るし」
と思われるかもしれませんが、それは・・・着色料で染まっているだけですよね。
まあ、言ってみれば、信号機の場合の「青」は安全ですが、自然界では毒性を持つ場合もかなり有る・・・ということなんですね。シアン化カリウムとは青酸カリのことで、シアンとは明るい青色の事を言います。シアン化カリウムはご存知の通り・・・猛毒ですよね。
アジサイは青い花やピンク、その他も有ると思いますが、
「青系」の色はちょっと危険な色・・・なんです。朝顔もそうですよ。綺麗な淡い色の青い花を咲かせる事も有りますが、種には結構な毒性が有ります。茄子も、食用に改良されたものはOKですが、原種では毒性がありますし、ケシとかトリカブトなんてのは、青だけじゃなくてピンクなどの花も咲かせますが、猛毒性のある部分が有る訳です。人間にとって青く見える植物・食材は、自然界の人間には通常不必要な成分を吸収したものである確率が高いものです。(勿論例外はあるでしょう。)
その「青い部分が見えない、想像できないから」なのでしょうか、それとも普段から色など全く気にしていないから、全く食材になることのない「青い色」のものも普通に食せると考えてしまって、間違って食材に使用してしまうのかもしれません・・・で、ようやっと本題です。
ワインの場合、専門家以外の普通のワインファンでしたら、「今現在・もしくは比較的近い時期の味わい」のみの判断がほとんどだと言っても良いかもしれません。・・・そりゃあそうです。普通は、
「無いものは無いから無いのだ」
「今美味しいからこのワインは美味しい」
「今好きじゃない味だからこのワインは駄目なワイン」
勿論、それで良いんです。それが普通の感性と言うものですから、何も悪くは有りません。でも、このことはとても危険性を孕んでいることは、上記の「青い色」のことを気にかけることがないとすると・・・お判りですよね。そこには実際に無いもの、これから生まれてくるもの・変化しようとしているもの、元々持っていたもの・・・これを想像できないと、いや、想像してみることによって、その繰り返しで身に付くものなのかもしれません。青い色は周波数が高く、波長がとても短いものです。普通の人間は、その周波数帯に対応できない・・・・もしくは、自然界には余り多くは存在しないものだから慣れていないと言えるかもしれません。
noisy は、比較的麻酔が効きにくい変態体質のようで、2年ほど前に歯が痛くてお医者さんに行った所、
「これでもか!」
というほど・・・、口から打った麻酔薬がジャバジャバ流れ出してくるほど・・・(T.T 数えられないほど何本も打たれてしまいました。いつだか、手の腱を断裂してしまった時も、麻酔を打ったはずなのに、全く効かず、縫合を激痛の中、涙をジャバジャバ流しつつ耐えた記憶が有ります・・・・(T.T まあ、noisyの個人的なことはどうでも良いんですが。
この、その場・その時に無いものを想像する力が、ワインの成長を想像でき、それが可能だから先を見通せてしまって、
「このワイン、滅茶苦茶旨い!」
と、他の人が顔をしかめていたとしても、その人だけが笑っている・・・そんなシュチュエーションが生まれるのでしょう。それは、淡い色しかついていないアジサイの蕾に、何を感じる事ができるのか、ということに似ているような気がするのです。
ですが、2008年のこのブドーには・・・そんな「想像力」も「気付き」さえも必要有りません。実に享楽的で素晴らしいピノです。薄いルビーのグラデュエーション確かな色合いこそ、このワインの美味しさを表現しています。
チェリーやプラム、ワイルドベリー。柔らかなミネラルのアロマ。ふわっと膨らんで後を引く繊細な長い余韻。奥にある芯の硬さを包み込む優しい膨らみと果実味。とても印象的だ。すべてが一体となった美しい仕上がり。エキスがキッチリと出た無駄の無い締まったボディ。ただし、時間と共にやや締まって行く傾向にあるようだ。
どうでしょうか。新樽は20%ほど使用したようですが、樽の影響を見分けるとか、醸造由来のものを見つけるとか、そのような気にはなかなかさせてもらえない・・・それほど完成度の高いピノだと思います。やや硬くなって行く傾向に有りますが、これから暖かくなってきますので、そのスピードも遅くなると思います。是非とも飲んでみてください。超お奨めです!
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