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■ セシル・トランブレイ来日記念!
2025年2月19日テイスティングセミナーレポート・・by oisy

 お忍びで・・と言うことでは無かったのですが、この2025年2月にひっそりと忍び足でセシルが来日してくれていました。
 少数人数でテイスティングセミナーを行うので是非・・という事で noisyをご招待してくれたのですが、時はまさに決算真っ最中・・新着も何とかこなさないといけない・・激務中と言うことで noisy は参加を断念・・残念でしたが・・。
 せっかくご招待してくれたので、「noisyは都合付かないけど oisy でも良いか?」と尋ねたら二つ返事でOKが出たので、oisy を派遣することに。
 まぁ・・日本初輸入の時から延々と扱わせていただいて、「こんなに凄い存在になられるとは!」・・とは思っていましたが・・(^^;;
 ただ行かせるのも癪なので、oisyにレポートを書いていただきました。
 1級畑だとばかり思っていたレ・ボーモン・バがグラン・クリュを名乗れる部分を含んでいて驚いた・・とか、醸造の時はどんな風に意識しながら行っているかとか・・
「梗の使用は料理に塩で味をつけるようなもの」
「料理人で例えるなら、プレスは火入れ」
などなど、感触や感覚の部分の細かい部分まで話してくれたようですよ。oisy渾身で書かせていただきました。セシルファンならずとも、ワインにご興味のある方ならきっと必見のコラムです!
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ドメーヌ・ド・ラルロ

ド・ラルロ

フランス Domaine de l'Arlot ブルゴーニュ
● 2020年のド・ラルロをご紹介させていただきます。色々事情が有りましてだいぶ遅れてしまいまして申し訳在りませんでした。一時はどうなるかと・・言うようなところまで行きましたが結局は何とか揃いました。

 ですが・・数はどうにもならないほど少なく、テイスティングアイテムも2本に留まってしまった・・と言う状況で、どうやら・・

「昨今のブルゴーニュワインと日本を取り巻く世界の状況」

が、この入荷数割り当ての少なさを生んでいるようです。


 今回、開けることが出来たアイテムは、

・2020 コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
・2020 ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ

になりました。


 たった2アイテムですが、

「なるほど!」

と思える仕上がりです。


 やはりこれは2020年もののブルゴーニュワインの特徴なのかな・・と思いますが、濃度はしっかり出ていて非常に複雑性の高い味わいです。早くから飲めなくは無いんですが、素晴らしかった2019年ものとはかなり異なる印象を受けました。

 2019年ものは・・まぁ、アイテムにも寄りますが、早いうちからもう仕上がっているかのような美しいディテールとテクスチュア、深く優しい・・でも流れるようなシルエットを見ているかのような飲み心地の良い味わいでした。

 2020年ものは、ポテンシャルは2019年と同様もしくは超えるほどか・・と思える出来栄えですが、2019年ものが持つ早くから美しく、いつ飲んでも凄く美味しいんじゃないか・・と言うようなイメージでは無く、

「濃密でとても美味しく飲めるもののまだ完全には仕上がってはおらず、今後3~5年を経て複雑性を持つ素晴らしいポテンシャルを開花させるヴィンテージ。」

だと言えるかと思います。

 まぁ、これはやはり総体的に2020年ものブルゴーニュ・ピノ・ノワールの特徴とも言えるかと思いますが、ドメーヌ・メオ=カミュゼのニコラ・メオさんがおっしゃったように、

「2020年ものは歴史的なヴィンテージになる可能性が有り、2~3年で消費してしまうような飲み方はお勧めしない」

と言うのが大当たりなのでしょう。

 また、

「2020年ものはあの素晴らしかった2019年ものを超えられるのか?」

と言う点につきましては、noisy 的には・・

「超えうる!」

と申し上げておきたいです。いつものヴィンテージだと、もう少しはっきりと「超えた!」と言えるんですが、何せたった2アイテムのテイスティングではそこまでは突っ込めないんですね。申し訳在りません。

 ただしほぼほぼのメディアが2019年ものと同等か、プラス1ポイント..乗せた評価をしています。ファルスタッフ・マガジンは確実に「2020年もの推し」です。一方、重鎮のジャスパー・モリス氏はむしろ2019年もの推し・・上値で1ポイント、2019年ものに高い評価をしています。

 ですので、

「2020年ものは育成に回し、2019年ものを先に楽しむ」

のが良いのかな・・と思います。


 中々入手が難しくなって来たブルゴーニュワインですが、それでもドメーヌ・ド・ラルロのワインは古くより日本で輸入されていたからこそ、今でも多くのアロケーションが有るのかと思います。noisy ももう・・足掛け30年近い扱いです。どうぞご検討よろしくお願いいたします。

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2019年、ジェラルディーヌ・ゴドーさんによるド・ラルロの入荷です。noisy 的にはピエール・ド・スメさん以来のエレガント系に回帰したド・ラルロであり、女性ならでは?・・か、ジェラルディーヌさんならではの「しなやかで伸びの良いド・ラルロ」が「ほぼど真ん中!」な好みだと思い始めていました。

 その上で2019年ものを待ちわびていた訳ですが、何かと忙しさにかまけてしまいまして8月になってからのご紹介になってしまったことをお詫び申し上げます。

 素晴らしい出来になった2019年では有りますが、畑の改植やまだら模様な収穫量から、アイテムによりましては「結構に少ない」ものが有ります。そんな2019年もののド・ラルロは、

「エレガンスに磨きを掛け、薫り高くナチュラルさの漂い始めた滑らかで優しい味わい」

と感じさせてくれました。


 また、驚いたのは、クロ・デ・フォレの充実度・・これは単に凝縮感が有ってどうのこうの・・と言うようなレベルでは無く、畑由来の表情を巧みに表現している完成度の高さが有りますし、最近は余りに少なくて飲めなくなってしまった、ドメーヌの名前そのものでもある「クロ・ド・ラルロ」の若木で造られる「2019年モン・デ・ゾワゾー」の素晴らしさ!

 まるでシャンボールの秀逸な畑由来か、ロマネ=サン=ヴィヴァンか?・・みたいな、香水に例えられるような素晴らしいアロマと、非常に伸びやかな絹ごしのテクスチュアに、全く惚れ込んでしまいました・・。もう、若木でこの出来だとすると・・

「クロ・ド・ラルロはどうなっちゃってるんだろう・・どこまで行っちゃったんだろう?」

と、飲めない状況を恨めしく感じるほどでした。

 その上で、ド・ラルロは元々、今で言うところの「自然派」でしたが、この十数年はその、「らしさ」を余り感じられませんでした・・ジェラルディーヌさんが指揮をとるまでは。

 しかしながら、「アヴァンギャルドではなく節度をしっかりもちつつ自然派らしいナチュラルさ」を心地良さとして感じられる出来になっています。

 凝縮感が弱った、無くなったのではなく、ナチュラルさが伸び伸びとした、畑本来の豊かなミネラリティによる表情を見せられるようになって来たからこその素晴らしいディテールが有ります。是非とも2019年のドメーヌ・ド・ラルロ、飲んでみていただきたいと思います。クロ・ド・ラルロが飲めなくても、モン・デ・ゾワゾーで充分です・・(・・いや、クロ・ド・ラルロもよろしくお願いいたします。)超お勧めいたします!

DOMAINE DE L'ARLOT / ドメーヌ ド・ラルロ

THE 2019 VINTAGE
Geraldine Godot. Technical Director
ジェラルディンヌ・ゴドー.テクニカルディレクター
2019年10月

9で終わる年の偉大なヴィンテージの伝説は、2019年にも当てはまるようです。この年は厳しい干ばつを含む悪天候に耐え、収量に格差が生じました。幸いなことに、適度な気温がブドウを十分に成熟させ、並外れた品質のブドウを収穫することができました。この2019年のヴィンテージは間違いなく素晴らしいものになるでしょう。

変化する季節
暖冬の後、ブドウの生育サイクルは早く始まり、4月初旬には中芽折れの段階に達しました。しかし、数回の霜の降りた夜を伴う気温の低下により、被害は区画によって大きく異なりました。この冷涼な春の影響で生育が悪く、生育が鈍化しました。この気象条件と粉病の発生しやすさを考慮し、シャルドネとピノ・ノワールの両方に最適な保護を維持するための処理が開始されました。開花は6 月に始まり、3 週間続きました。この期間の気温と降雨量に大きな変動があったため、ミルランダージュ(結実不良)とクリュール(花ぶるい)が発生し、その結果、房の発育にばらつきが生じました。平均よりも暖かい夏にもかかわらず、熱波が繰り返され、雨が降らなかったにもかかわらず、ブドウの木は持ちこたえ、7月下旬にはゆっくりとヴェレゾン(ブドウの果実の色付き(着色))が始まりました。8月には少しだけ雨が降り、非常に好天に恵まれて成熟が進みました。収穫は9月12日から17日まで、夏らしい天候の中で行われました。早期の天候と夏場の干ばつが収量に大きく影響しました。

収穫
涼しい朝の恩恵を受けるため、9月12日にシャルドネの収穫を開始しました。ピノ・ノワールの品質は明らかで、ブドウの健全性は素晴らしく、糖度と酸のバランスはほぼ完璧でした。

醸造と最初の印象
ピノ・ノワールの色とタンニンがすぐに現れ、果汁はフレッシュで果実味に満ち溢れていました。シャルドネは良い酸味を持ち、素晴らしい成熟度と調和していました。ワインは現在(2019年10月)、樽に入れられています。
私たちのヴォーヌ=ロマネの区画は、他の区画よりも悪天候に苦しみ、最終的には小さな収穫となりました。2019年の収量は、1ヘクタールあたり23ヘクトリットルと、ドメーヌ全体で減少しています。ワインはテクスチャー、エレガンス、バランスを持っています。明らかに2010年代を締めくくる9の付く年のもう一つの偉大なヴィンテージです。


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 2018年のド・ラルロが入荷しました。ジェラルディーヌさん・・ついにやってくれましたよ!・・劇的にエレガントで大きさも存在する見事なニュイ=サン=ジョルジュです。

 確かに・・ド・ラルロの醸造長から、あのクロ・ド・タール、クロ・デ・ランブレイと渡り歩いたジャック・ドゥヴォージュさんのワインも素晴らしかったです。完璧だと・・思わされた見事な出来でした。

 しかし2018年のド・ラルロには感激せざるを得ません。

「女性ならではの・・らしさ」

がそこに存在しているんですね。


 例えばクロ・ド・ラルロ1級。ニュイ=サン=ジョルジュのラインナップでは事実上のトップ・キュヴェです。これがまた・・今までのクロ・ド・ラルロのイメージを覆すような見事な味わいです。(詳細はコラムへ)

 そして白のジェルボット。これは1級クロ・ド・ラルロの若木(1992年、2006年植樹)ですから、本来は1級を名乗れますが村名でリリースされています。しかし、

「すでに1級クロ・ド・ラルロ・ブランを名乗って良い」

ほどの見事な出来栄えで、こってり系のクロ・ド・ラルロ・ブランの「味筋違い」と言えるような繊細な味わいなんですね。


 そしてそのどちらにも、「女性を思わせるような優しく丸く細やかな表情」を感じさせてくれ、

「ジャック・ドゥヴォージュとは異なる理解のニュイ=サン=ジョルジュの世界!」

をも感じさせてくれました。


 いや~・・ピエール・ド・スメさんの超エレガントなニュイは大好きでしたが、オリヴィエ・ルリッシュさんは少しパワフル過ぎて少し引いてた部分が有り、ジャック・ドゥヴォージュさんでいきなり「来た~!」と思ったのも束の間、すぐにジャルディーヌさんに変わって・・2017年は滅茶苦茶美味しかったですが、この2018年もので「ジャルディーヌさん的なドメーヌ・ド・ラルロの世界」は完成したと感じます。

 今回はまだ1級クロ・デ・フォレのボトル詰めが間に合わず、8月の到着のようです。なので、定点観測しているクロ・デ・フォレは飲めていないものの、

「口に含めばアチコチにジャルディーヌ!」

さんを感じられるド・ラルロ2018年も、是非とも飲んでいただきたい逸品揃いだと思います。是非ご検討くださいませ。

━━━━━
 2017年のドメーヌ・ド・ラルロは絶対に飲まなけれならない!・・それだけの理由がちゃんと存在します。素晴らしいワインに仕上がりました!・・大変身と言っても良いかも・・いや、良いと確信しています。

 いや~・・ビックリしました。でも何となく予感は有ったんですよ。2016年ものを飲んだ時、

「・・こりゃ・・2017年は・・もしかしたら・・!」

と言うような何となくの予感が・・です。


 まぁ、大変に不謹慎では有りますが、311の時も、

「何か大変なことが起きる!」

と言ってた位ですから、その辺りの才能がちょっとは有るのかもしれません。


 なので、2017年もののオファーをいただいた時に、

「少な過ぎるからもっと増やして欲しい」

と言ったら、担当さんが結構増やしてくれまして・・有難かったです。


 で、やってくれたのはジェラルディーヌ・ゴドー女史・・。もしかしたらやってくれるんじゃないかと感じてたんですよ!・・でも、

「何をどうやってくれたのか・・が問題!」

ですよね?


 そう、やってくれたのは、

「エレガントで薫り高く気高いニュイ=サン=ジョルジュの大復活!」

です。


 2016年までのド・ラルロのワインは当然ご存じかと思いますが、もう・・全く違うものです。いや、2016年ものには今回の2017年に繋がるべくの方向性が見えていましたので、敏感な方は、

「・・おっ!・・こりゃぁ2017年ものが楽しみだ!」

と思われていらしたかもしれませんね。

 今回も頑張ってテイスティングさせていただきました。コート・ド・ニュイ=ヴィラージュのクロ・デュ・シャポーからテイスティングを始めたんですが、栓を抜いた直後から繊細かつ妖艶さを含むアロマが放たれ、

「淡い色合い」

からの美しいタッチに、心の中で思わず・・

「(・・やった!)」

と拍手してしまいました。


 そこには、90年代のド・ラルロの、あのドメーヌ・デュジャック当主であったジャック・セイスが教授した「自然派繊細系ピノ・ノワール」の、確かな美しさが有ったんです。

 いや、そっくりとは言いませんが、今までの「濃度を出したい」と言う意思の発露が無くなり、「エレガント主義」と言うか、「エキス主義」と言うべきかは判りませんが、

「まるで香水のような・・」

と表現したくなる素晴らしいアロマが上がって来ます。


「そうそう・・ド・ラルロはこうじゃ無きゃいけない!」

 その気持ちが大きく膨らんで来ました。


 「ゴドーを待ちながら」と言う戯曲?が有りました。どこか不条理な世界を描いたものなのかな?・・と言う気がするものです。ゴドーを待ちながら、もう来ると言われつつも、結局いつになっても来ないので主人公が落胆してか自死してしまう・・と言うような内容だったと思います。

 ド・ラルロについては近年まで、そんな主人公の気持ちだったように思います。ドゥヴォージュさんも素晴らしかったし、ルリッシュさんもそれまでのエレガント路線から濃密路線に梶を切り、ド・ラルロの経営を安定させたと言えます。

 しかしやはり noisy 的には、90年代の、ジャック・セイスの影響を大きく受けたピエール・ド・スメ時代までのド・ラルロの素晴らしい味わいが忘れられないでいました。

「なんでも濃くつくりゃ良いってもんじゃない・・」

と言う気持ちでした。強く濃くしてしまったお陰で見えなくなった、失ったものがありました。それは非常に大きな損失だったと言えます。

 クロ・デ・フォレ2017年を今飲めば、抜栓15分ほどからスワリングで立ち昇る、ものの見事な香水のようなアロマは、ミュジニーやレ・ザムルーズ、もしくはその折半バージョンに例えてもご理解いただけるレベルです。

「そんなこと、この二十年の間に有ったでしょうか?」


 そして、その素晴らしいアロマは、全アイテムをチェックはできませんでしたが、下のクラスから上級キュヴェまで、トータルに感じられるはずです。

「2017年のド・ラルロは絶対に飲まなければいけない!」

 そう、強く感じます。是非、早めにトライしていただき、それを確かめ、数本はセラーで育てていただきたいと強く推奨します。

THE 2017 VINTAGE/ 2017 年産に関して
Geraldine Godot. Technical Director/ ジェラルディンヌ・ゴド テクニカル・ディレクター
November 2017

 2017年産はようやく私たち生産者の顔に笑顔をもたらした年です。2016 年の少ない生産の後、私たちには最も必要とされていたものです。ブルゴーニュワインに携わる者にとっての最大の願いであった、健康的で質が高く、豊富な収穫は素晴らしい日照と必要な時期に適度な雨 によってもたらされました。

◇季節の移り変わり

 冬の始まりは、霜から回復したブドウの樹の剪定を開始しました。これはDomaine de l'Arlot のワインにとって非常に特化した作業であり、次の房を担う枝を慎重に選択しました。例外的に乾燥した2016 2017年の冬は、降雨量が少なく、日照が多く、冬の気温は高かったです。2月は少し雨が降り、穏やかで春のようでした。3月となり春になると支柱を付けました。4月上旬には記録的な気温を記録しました。2011年と2014年と同様に、2017年が早期に成長の始まりを感じました。4月中旬には、霜の危険性のため、例年、天気予報を心配しています。幸いなことに、降雨がなく、湿度が60%を下回り、風も一定であったため、私たちは救われました。ぶどうは水不足にもかかわらず成長し続けており、4月下旬にもう一度霜が降りました。

 しかし、被害は大幅に回避出来ました。コート・ド・ニュイやコート・ド・ボーヌにはヒーターや藁火そして時にはヘリコプターなどの設備が整っているからです。5月になると雨が戻ってきました。月末になると暖かさもあり、緑の葉が強い成長につながったのです。5月19日、Clos des Forets Saint Georges は雹の嵐に悩まされましたが5月の終わりに、ブドウはすべてのプロットで開花していました。暖かさと交互に雨が降り、それによって堅調な成長が促されました。非常に健康的で理想的な状態を保ち、それが収穫時の大きな可能性が感じられ、我々は顔に笑みを浮かべていました。

◇収穫
 7月の降雨は有益で早期の熟成が続きました。Clos de l'Arlot で7月末に熟すことが本格的に始まり、これは最終的なトリートメントをした時でもありました。私たちの小さなグループは、9月5日の朝にMontreculのブドウを収穫しました。ブドウを検査し、糖分と酸度の間の完全なバランスを待ってから、ピッキングは9月7日に本格的に始まりました。ブドウは健全で既に樹の状態から選別されていたようなものでした。バリエーションに応じて成熟を待って行われ、収穫は9月14日に終了しました。

◇醸造と第一印象
 これが白にとって目覚しい年であったことはすぐに分かりました。酸度と糖分は完全に一致し、発酵はゆっくりと起こりました。香りはきれいで、発酵後の果物や花の素晴らしいノートを約束していました。赤は「gourmand」でした。2014年産に比べてわずかに量は多かったです。私たちは適度に厚い皮のタンニンと色を抽出するために適切なバランスを見つけなければなりませんでした。醸造は穏やかで、マセラシオンに十分な時間がありました。




 以下は以前のレヴューです
━━━━━
2016年のドメーヌ・ド・ラルロをご紹介します。

 ド・ラルロのワインとの付き合いも、もう二十年を超えました。以前のド・ラルロのワインは、結構デュジャックさんのワインに似た感じが有って薄旨系の出汁が効いた、結構マイタイプなワインでした。90年代のド・ラルロのワインが届くと何故か液漏れしている場合が有って、

「何でだろう・・」

とその頃は思ってたんですが、今ではデュジャック直伝のビオ系の仕込みだったからなのかと理解しています。

 月日は流れて、その頃の責任者だったジャン・ピエール・ド・スメさんから現在のオリヴィエ・ルリッシュさんに替わり、ワインのスタイルもデュジャックを連想させるものは徐々に消え、現在ではド・ラルロのスタイルとして確立していると思っています。そして、ジャック・ドゥヴォージュさんへと造り手が変わった訳です。

 実際にドゥヴォージュ氏に変わってから、ラルロのワインはやや柔らかいテクスチュアを得て、さらに活き活きとしたワインに変わった・・・そのように思います。以前なら、

「クロ・ド・ラルロは2~3年、クロ・デ・フォレは5年経ってから飲んでね・・」

と言っていたんですが、ソフトなテクスチュアの襞の間から、凝縮した要素が垣間見えるんですよ。単純にはSo2の量が減ったような硬さの消え、要素の見え、が有りますが、実際にはそんなに単純ではなく、

「So2を減らせるだけの理由が有る」

んですね。

 そんなドォヴォージュさんですが、何と「クロ・ド・タール」に引き抜かれてしまいまして・・今度はアレックス・ガンバルで醸造超をしていたジェラルディーヌ・ゴドーさんに引き継がれました。左の方がジャルディーヌさん、右がドゥヴォージュさんですね・・。

 ですので今回の2014年ものにつきましては、ドゥヴォージュさんとジェラルディーヌさんの共作・・と言うことになりまして、非常に珍しいことになっちゃった訳です。

 基本的にはドゥヴォージュさんが仕込みまでを、その後のエルヴァージュを二人で、瓶詰め、貯蔵、出荷までをジェラルディーヌさんが見る・・と言ったスタイルと思われます。瓶詰めはタイミングが難しいですからね・・重要です。


 で、2016年のラルロですが・・非常に・・呆れるほど少ないです。ほとんどのアイテムが1~3本しか有りません。

 そこで、何とか12本入荷したクロ・デ・フォレを例年のように飲ませていただきました。いや・・ビックリしました。

「最高のヴィンテージ2015年と全く同様・・しかもソフトなテクスチュアとふっくらとした膨らみは2015年以上!」

 と言える仕上がりだったんですね。


 2015年ものに見えたジェラルディーヌ・ゴドーさん流と思われるしなやかさ、女性らしさは、やはり彼女ならではの造りに由来するものかと思います。

 しかも、非常の密度の高い味わいです。2016年ものにはどうしてもネガティヴなものを想像してしまいがちですが・・

「まったく有りませんでした・・」

 なので・・ビックリしたんですね・・。非常に深く厚み有る味わいでした。



 先ほど調べてみると・・実に面白かったですよ。アドヴォケイトは93~95Pointsで2015年と全く同じ、そしてアラン・メドーも91~94Points で全く同じなんですね・・。なんだかな・・ですが、評価者の気持ちは良く判ります。noisy の印象に近いですからね。

 その他のキュヴェはどうにもなりません。テイスティングどころじゃ無いです。なので、どうしようかと迷っていらっしゃる方はお早めにGETされることをお勧めします。2016年ものは早々に世の中から消えるでしょう。是非ご検討くださいませ。






2016年11月3日訪問。
出迎えてくれたのは、2015年から新醸造責任者となったジェラルディンヌ・ゴド氏。クロ・ド・タールの醸造責任者にヘッドハントされたジャック・ドゥヴォージュ氏から2015年よりその任を受け継いだ女性醸造家だ。メゾンアレックス・ガンバルでマネージャーと醸造責任者を務め、成功に導いた。多くの後継候補の中から、一際輝く才能を備えた彼女がジャックやジェネラル・マネージャーであるクリスティアン・シーリーらによる厳しい選考で、彼女以外にドメーヌを今よりさらにステップアップできる人はいないとまで言わしめた才能あふれる女性なのだ。



ドメーヌ建物2階の庭が見渡せるサンルームで談笑し、隣の建物にあるセラーで試飲する事となり、まずは近況に関して話してくれた。
2016年はこのドメーヌに限らず、ブルゴーニュ全体でも難しい年となったと彼女は語った。ラルロでは2015年産と比べ、50%も収量減となったそうだ。




大きな要因は霜害だった。ドメーヌ近隣ではニュイサンジョルジュ村の隣、プレモープリセ村の被害が大きかったそうだ。普段は霜害のない村が被害を受けたそうで、ヴォーヌ・ロマネ村などのよく霜害のある村は影響がなかったそうだ。
雹害に比べ、一見、ブドウの樹はダメージが無さそうに見えても、根等にその影響があるせいで、実を全く付けない樹が多かったのは精神的にもかなり辛かったそうだ。共に働くスタッフ達とモチベーションをコントロールするのは難しかっただろう。





それに対し、彼女にとっての本当の意味でのファースト・ヴィンテージとなった2015年産は素晴らしい出来だったそうで、引き継ぎ早々、落差の激しい年となったようだ。
ドゥヴォージュとジェラルディンヌは2014年夏から引き継ぎの為、収穫から仕込みまで、共同で行った。これはとても稀な事で、彼の律儀な性格がうかがえる。
ジェラルディンヌ曰く、ドメーヌの理想的な収量は30-35hl/haだという。ただこれはあくまで理想だ。実際に彼女が関わった2014年は29hl/ha、そして2015年は24hl/ha、2016年は10-12hl/haだったというから、如何に2016年が厳しい状況なのかが分かる。収穫も通常なら35人必要な所、2016年は25人で済んでしまったそうだ。


2015年は、近年では最もブドウが早く熟した年だった。暖かい春の気候でブドウは順調に生育した。6月に関して言えば、ヨーロッパ全土で猛暑だった2003年以来の暑い月だったようだ。その後にウドンコ病の危険
性もあったが、問題なく生育したそうだ。


ブドウの成熟は気温が35度を超えた7月中旬から本格的に始まり、8月には必要な雨も降り、恵まれた環境の下で収穫を迎えたそうだ。
2015年の収穫は白が9月3日に開始し、9月4日に終え、赤は9月4日から9日までだった。通常、赤白全体で、フルで7日はかかるが、2015年は実際の労働時間としては例年より1日短い6日で終えたそうだ。
収穫時、畑での選別や収穫後の選別台での
不良果の選別の必要がほとんどなかったのが大きな要因のようだ。とても良質なブドウが採れたと皆で喜んだそうだ。健康でクリーンな房で梗も熟していたそうだが、全体的な収量は24hl/haで平均以下となったそうだ。
量はともかくとして、質的には彼女の門出を祝うような素晴らしい年となったが、翌年2016年には大きな試練が待っていたのだ。困難な年にどのようなワインを生み出すか、彼女の本当の真価が問われるだろう。



2020 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ

17026
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ニュイ=サン=ジョルジュ
ドメーヌ・ド・ラルロ

■メディア情報
今飲んで 93+ ポテンシャル 96 飲み頃予想 2025~2050 リアルワインガイド第78号
95 Points Falstaff
90~94 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
■エージェント情報
 モノポールでドメーヌを代表する畑のひとつ。7.20ha所有。特権的な場所にあるユニークなテロワールで、その起源を踏襲する事で、最高のニュイ・サン・ジョルジュのワインのひとつとなります。ニュイ・サン・ジョルジュプルミエ・クリュを象徴するようなこのワインは上質で深みがあり、ベリー系果実が鮮やかに留まります。構造もしっかりとしており、豊かなタンニンと深みのある味わいが堪能できます。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥19,980 (外税) 
【これを見れば一目瞭然!?・・ジェラルディンヌさんも2020年は濃密なクロ・デ・フォレに仕上げた!・・その訳は??・・】
 決して「力任せに濃度を上げた」訳じゃぁ・・在りません。おそらくですが、これは収穫のタイミングが・・

「今!」

しかない・・ワンポイントでしか収穫できなかったためだと感じます。

 このところは2020年もののブルゴーニュワインを結構に飲んでいますが、

「白ワインは2019年同様にいつ飲んでも行ける!」

感じがしますが、赤ワインは・・

「少し熟成させて方が良い・・が、ポテンシャルは2019年と同様か、超えることも有り得る」

と感じるんですね。

 もう・・このグラスの色合いをご覧いただくしかないでしょう。2019年ものが「赤」を見せる「幅」と2020年のそれは結構に異なりますよね?・・2020年ものは、

「果皮が健康的で厚みが有った」

か、

「果汁が少なかった」

かの、どちらかしかない・・(^^;; そう思います。

 果皮の割合の多い、濃密で強めのアロマを放出して来ます。とても健康的でピュア・・樽を使用しているはずですが、その樽の影響、余波を完全に飲み込んでいる元果汁の素晴らしさを感じます。滅茶複雑性が高く、起伏を感じる舌触りです。

 出来栄えは・・造っている方とすれば・・もう今までで最高!・・と言うに違いないでしょう。エレガントな味わいが好きな noisy としては、現在のバランスはまだ仕上がり切っていないだろう・・と言わざるを得ませんが、それでもこの酸もしっかり有り、要素が抜群に多い味わいは、

「この先、枯れることが有り得るのか?」

とさえ思ってしまいます。・・まぁ、少なくともnoisy が生きている間に枯れることは無いでしょうし、5~10年後の味わいは素晴らしいに違い在りません。

 リアルワインガイド第78号は、ポテンシャルで96ポイント付けました。今飲んで・・点は93+ポイントですから・・・そういうことなんですよ。

 つまり、今飲んだら93+ だけれど、3年待てれば 96 ポイントまで伸びるよ・・と言うことですよね?

 noisy 的には、3年で・・行けるかな?・・5年位、掛かりそうだけど・・とは思いますが、その辺は人それぞれですから・・。しかも、96ポイントは完全にグラン・クリュ並みです。ファルスタッフも95ポイントです。なので、

「今飲んだら1級最高峰、3年以上待てればグラン・クリュ並み!」

と思ってください・・(^^;;

 何としても2万円を超えない価格を付けさせていただきました!・・厳しいですが・・おそらく1万円台のクロ・デ・フォレはこれが最後になるかと思います。ご検討くださいませ。



以下は以前のレヴューです。
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【彼女のキュヴェの中ではパワフルだが、ニュイ的なエレガントさとボディの素晴らしさを、最も表現出来た2019年は出色です!】

 2019年もののド・ラルロのワインは今までとがちょっと・・

「色彩そのものが異なる」

ものですから、それを何とかお伝えしたいと、何度も写真を撮るものの・・結局気に入った写真が撮れていないことに後になって気付く訳ですね。

 それでもこの一枚は、まだマシな方で・・す。

 このグラスの写真の、「純粋な赤紫系の色合い」を、以前の写真と比較してみてください。2018年ものの写真がニュイ=サン=ジョルジュだとするなら、2019年ものは・・どう思われるでしょうか?・・ちょっとシャンボール、入って無いですか?

 例えば、最近のメオ=カミュゼの素晴らしいニュイを飲めば、誰でも気付くはずなんですね。ニュイ=サン=ジョルジュやヴォーヌ=ロマネの近辺にも、まるでシャンボールのような花の集合体のような素晴らしいアロマを表現できる・・と言うことを。

 その良い代表が、ド・ラルロでしたらクロ・ド・ラルロです。

 でも実は・・クロ・デ・フォレにもそれは有るんですね・・。しかしそれは今は完全に裏に回っています。熟を経て、良い状態になったクロ・デ・フォレにこそ、それは現れてくるんです。

 今飲んでも美味しいですよ。彼女のワインの中では力強い方です。少し噛めるような肉的ニュアンスが有り、非常に深い・・底辺から湧き上がってくるようなエナジーを感じるワインです。2018年も美味しかったですが、2019年はそれさえも超えたんじゃないかと思います。

 あの、ブルゴーニュに厳しいブルゴーニュ専門家?のアレン・メドゥズさんも、上値94ポイントでは有りますが、「heart」のマークを付けています。素晴らしいですが、出来ることなら少し置いて、

「ニュイにもある香水のような素晴らしいアロマ!」

を表に引っ張り出して楽しんで欲しいですね・・きっと出るはずです!超お勧め!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!


 以下は以前のレヴュー
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【ものの見事なしなやかさ!そして果実の清楚さ!・・この20年で最もエレガントで、しかも欠損部分がまるで無いと言える素晴らしい味わいでした!】

 こんな物言いをすると自信過剰だとか、他人の言葉を頭から聞かない・・などと揶揄されることになるかもしれない訳ですが、やはり自分にとっては、自分のテイスティングコメントや評価が一番しっくり来る・・と思っています。まぁ、どこにも間違いや書き損じ、形容詞の使い方が良く無い・・なども在るとしても、やはり嘘を言わない・・心にも無いことを絶対に書かないと決めているので、後になってから自分の書いたものを読み返したとしても、

「・・あぁ・・そうだった!」

と、素直に思えるんですね。そこだけかな・・少々でも誇れるのは・・。


 そして、ド・ラルロのワインはもう、少なくとも四半世紀以上に渡って飲み続けているワインです。それなのに、

「毎年味わいの傾向が違う!」

のには驚かされますし、

「醸造家が変わると路線がかなり変更される!」

のも有りますし、

「醸造家が成長したり、ドメーヌに慣れてくるとまた変わる!」

ことにもしばしば気付かされる訳ですね。


 で・・長くなってしまうと、

「そんな・・長い文章なんて、読みたくない」

と言われてしまいそうなので端折りますが、


「今のド・ラルロの味わいは、ド・ラルロの歴史の中で一番好きかもしれない・・」

とさえ感じさせてくれたのが2018年のこのクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュでした・・本当ですよ。


 勿論、ジャック・ドゥヴォージュさんの、本当にまんまるでたっぷりなクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュも美味しかった!・・完璧だと・・思わされましたし、背筋がゾクっとしたのを覚えています。

 でも、それが好きな味わいなのか?・・と聞かれますと・・そんなに単純な話しでは無いんですよね。


 まぁ、ワイン屋ですから、どうしても二面性を持った飲み方をしてしまいます。自分の好みを抑え込んでテイスティングしている訳です。

 でも、そうしつつも・・「我」や「素」を思い出させられてしまう局面に出会うことも有ります。そんな1本だったのがこのワインです。


 決して濃くないです。クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・パワフルでしたでしょう?・・いや~・・2018年ものは、そんな面は無いですよ。

 とても充実しているけれど過剰じゃ無いんです。過剰さがまるで無い・・と言った方が良いかもしれません。


 以前は、

「クロ・デ・フォレは丸さとまとまりが出る5年ほどの期間を置くのがベスト!」

と感じていました。なので、お客様にも、「飲めるけれど・・それは覚えておいてね」と伝えていました。


 ところがです。この2018年クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・美味しく飲めてしまうんですね。タンニンの突出などまるでなく、酸はヴォーヌ=ロマネ村のピノ・ノワールのように柔らかい・・です。

 果実の感がとても精緻で美しいので、食の邪魔をすることが無いし、まるでヴォーヌ=ロマネのワインのような振る舞いをするかと思えば、最上質のニュイ=サン=ジョルジュが持つ、稀にしか出会えない「超エレガンス」に育って行くだろう・・と思えるような要素も見えます。

 言ってみれば、「尖った部分のないやわらかさ」に加え、「ピノが持つ美しさ」が、このワインを今現在でも美味しく飲ませてくれる要素なのだろうと・・・勝手に結論付けていました。


 この見事な味わいを造り出したのは「ジェラルディンヌ・ゴドー」さん・・でした。


 確かに、あのジャック・セイスを彷彿させた90年代のド・ラルロの味わいも捨てがたいし、今のこの清楚で淑な・・もう少し90年代の味わいを上手に膨らませて来たかのような味わいも・・素晴らしいと思います。

 これは是非とも!・・飲んでいただきたい見事なピノ・ノワールです。

 因みにティム・アトキン氏も、ヴィノスのガローニさんも94ポイントで揃ってます。おそらくですが、

「パワフルさが少ない・・少し大人しい感じ」

をそのように評価したと思われますが、それはそれで正しいのかもしれない・・。でも飲んでいておいしいのはこんなワインに違い無いと感じています。

 素晴らしい出来でした。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【この20年で最高の仕上がり!・・「韋駄天」的に言うと、「とつけむにゃ~出来」。極一部の極上クリマにしか出ない見事な「香水」のアロマに触れてみてください!】

 大変身です!・・90年代のド・ラルロの繊細かつ薫り高いニュイ=サン=ジョルジュが帰って来ました~~!これは嬉しい!・・滅茶苦茶旨いです!

 確かに、前年までのこのワインも非常に美味しかったです。それは間違いない。でも2016年までのクロ・デ・フォレとは全然違うんですね。

 2016年までは、「濃度を出したい」と言うような思いがどこかに感じられました。特にオリヴィエ・ルリッシュ時代はその意思が強かったと感じています。

 ジャック・ドゥヴォージュになり、より分られた区画で醸造するようになり、また、プレスもより柔らかになったと思います。

 そしてジェラルディーヌさんの時代になり、1990年台の、ある意味「そっけない」とさえ感じられるほどの「リキミの無い抽出」によるエレガントさが見えるようになって来ていました。それでも2016年はまだ「濃かった」と言えると思います。

 その、濃度を出してしまう・・もしくは出てしまう造りは、ニュイ=サン=ジョルジュの持つ「エレガントな部分」「香り高いワインに仕上がるべくのミネラリティ・バランス」を崩してしまっていた・・と感じます。勿論それはある程度、熟成が受け持つ部分でも有った訳ですが、その「リキミ」が「香水的アロマ」をバラバラにしてしまっていた・・と言えます。

 メオ=カミュゼの昨今のニュイ=サン=ジョルジュ1級を飲めば、それは充分に伝わって来ます。

「まるでロマネ=サン=ヴィヴァンか!?」

と思えるような甘美なアロマが荘厳に香るんです。


 しかし、多くのニュイ=サン=ジョルジュのワインはそうはならない・・。ド・ラルロのワインもそのうちの一つであったはずです。


 2017年のクロ・デ・フォレは、抜栓直後からナチュラルで甘美なアロマと果実の風味に溢れています。僅かに終盤に粉っぽさを感じる程度で、5分もすると完全に溶け込んで判らなくなるような現在の状況です。肉っぽい艶を感じるアロマにやや濃いめの果実の風味、エキスがキッチリと出た甘美な味わいです。

 そして10~15分ほどしたら、グラスをスワリングしてみてください。背筋が「ゾクゾクッ」とするような、沢山の花びらから抽出した香水を思わせるようなアロマが飛び出してきます。

 それは、メオ=カミュゼのニュイ1級のような、ロマネ=サン=ヴィヴァンを彷彿させるものと言うよりも、ミュジニー1/3とレ・ザムルーズ2/3を足したかのような・・いや、それを幾分おとなしくしたかのような、シャンボール的な素晴らしいアロマです。中盤から余韻まで、コート=ドールのピノ・ノワールにしか表現できない繊細な表情です。見事にピュアで、見事にナチュラル、まったくアヴァンギャルドさは無く、派手過ぎてケバくて辟易するような主張の強いタイプでは決してありません。

 そうは言っても、このクロ・デ・フォレはド・ラルロの中では最も濃く仕上がるタイプなんですね。それでも、

「こんな色合い」

です。


「1990年台のエレガントで美しいド・ラルロが復活!」

と言いたいと思います。

「こんな香水的ニュイ=サン=ジョルジュを造れるのはド・ラルロだけ!」

でもあります。


 2017年のド・ラルロ、是非飲んでみて欲しいと思います。絶妙に美味しいと感じていただけるでしょう。超お勧めです!


 以下は以前のレヴューです。
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【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】

 深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。

 2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。

 やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、

「シツコイな~・・」

と思うようなものでは無く、端正さを保っています。

 果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。


 アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。

 しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。

 数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!



 以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】

 まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。

 非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。

 価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。

 それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。

 2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。

 なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。

 ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、

「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」

と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。


 まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、

「・・あぁ・・良かった・・」

などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。

 ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

 色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。

「やや黒味が入っているかな?」

と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。

 しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。

 そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。

「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」

ド・ラルロの良さが感じられます。


 中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。

 余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。

 ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。

 2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。

 2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。


 また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。


 以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】

 何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。

 2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・

「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」

 と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。

 で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。

 コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、

「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」

と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。

 非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。

 やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。

 違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。

 もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。

 反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。

 また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、

「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」

と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。

 良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!