ピュアで美味しいワインをnoisyがご紹介します。 自然派、ブルゴーニュ、イタリアワインを好きな方は是非ご来訪ください。
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■ セシル・トランブレイ来日記念!
2025年2月19日テイスティングセミナーレポート・・by oisy

 お忍びで・・と言うことでは無かったのですが、この2025年2月にひっそりと忍び足でセシルが来日してくれていました。
 少数人数でテイスティングセミナーを行うので是非・・という事で noisyをご招待してくれたのですが、時はまさに決算真っ最中・・新着も何とかこなさないといけない・・激務中と言うことで noisy は参加を断念・・残念でしたが・・。
 せっかくご招待してくれたので、「noisyは都合付かないけど oisy でも良いか?」と尋ねたら二つ返事でOKが出たので、oisy を派遣することに。
 まぁ・・日本初輸入の時から延々と扱わせていただいて、「こんなに凄い存在になられるとは!」・・とは思っていましたが・・(^^;;
 ただ行かせるのも癪なので、oisyにレポートを書いていただきました。
 1級畑だとばかり思っていたレ・ボーモン・バがグラン・クリュを名乗れる部分を含んでいて驚いた・・とか、醸造の時はどんな風に意識しながら行っているかとか・・
「梗の使用は料理に塩で味をつけるようなもの」
「料理人で例えるなら、プレスは火入れ」
などなど、感触や感覚の部分の細かい部分まで話してくれたようですよ。oisy渾身で書かせていただきました。セシルファンならずとも、ワインにご興味のある方ならきっと必見のコラムです!
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ドメーヌ・ドニ・ベルトー・エ・ベルトー=ジェルベ

ドニ・ベルトー・エ・ベルトー=ジェルベ

フランス Domaine Denis Berthaut et Berthaut-Gerbet ブルゴーニュ
● お待ちかねのアメリー・ベルトー率いるドメーヌ・ベルトー=ジェルベの2021年が入荷です。

 ご多聞に漏れず、2021年もののベルトー=ジェルベは各キュヴェ、僅少の入荷です。よほど収穫量が少なかったと見え、Noisy wine も扱わせてもらって以来の少なさ、そして円安の影響をまともに受け、非常に苦しいご紹介です。

 ですが、フィサンやブロション(コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ)はエレガント系、ジュヴレ系は通常年と同様、ヴォーヌ=ロマネ系は18年もの辺りの果実の濃度・・のように感じられます。

 また、基本的にはエレガントな仕上がりですから、2020年のような「濃密さ」はほぼ無く、エキスが綺麗に出たドライで美しい仕上がりで、非常に心地良いです。アイテムによりましては到着後の休養が不足している感じも有りますので、テイスティング出来たキュヴェはその旨、記載していますので、是非ご検討くださいませ。

 また希少なフィサンの白、シャン・デ・シャルム2021・・これがまた滅茶素晴らしいです!・・激旨ですし、ニュイの白としても注目に値すると感じました。

 なお、毎回テイスティング出来ていたキュヴェが今回は・・数本しか入荷が無く、回避せざるを得ませんでした。申し訳ありません。

 上級キュヴェに関しましては、全て1~2本しかありません。ご了承くださいませ。

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 ドメーヌ・ベルトー=ジェルベの最新ヴィンテージ、2020年ものがようやく到着です。

 毎年、楽しみにされていらっしゃる方が多いアメリーのワインですが、2020年ものは御多分に漏れず・・非常に少ないです。例を挙げますと、

「リアルワインガイドがドメーヌにテイスティングに行っても、出してもらえなかったワインが沢山有った・・!?」

「Noisy wine への入荷は、A.C.ブルゴーニュのレ・プリエールがなんとたったの12本・・」

 まぁ・・リアルワインガイドの件は編集長に直接ちゃんと聞いた訳ではなく、リアルワインガイド第79号の掲載アイテムを見て・・

「・・えっ?・・たったこれだけ・・?」

と感じたのに推測を加えたものです。因みにリアル79号でもA.C.ブルの掲載は無し、ジュヴレ系も見事に減り、村名1アイテムと1級1アイテムのみです。こんな状態ですので・・どうにもいけません。

 それでも、たった12本の入荷でも毎年テイスティングをしてきたレ・プリエールはしっかり飲ませていただき、また1級以上はすべて1~2本の入荷で飲めませんでしたが、2020年もののアメリーのワインの傾向をつかませていただきました。


 2020年もののアメリーのワインですが、大きく変わったことが有ります。それは・・

「アメリーの父へのオマージュかと思っていた、父親の作風を残したようなジュヴレ系のワインの味わいが完全に無くなり、すべてのキュヴェの作風が統一された!」

と言うことです。


 言ってしまえば、すべてのキュヴェがアメリーのヴォーヌ=ロマネに代表される赤紫色の色彩が中心の香味豊かでふんわりとしつつ充実したドライな味わいになった・・ジュヴレ系のワインの「土っぽい感じ」「クラシカルなイメージ」が一切消えた・・と言うことが言えます。

 ですから、「すべてのキュヴェがあか抜けた感じ」に思われるはず・・です。トータルな味わい、ドメーヌのアイデンティティが如実に表れることになったヴィンテージだと思います。


 リアルワインガイド最新号の第79号には、非常に興味深いと言いますか、「そうだよね・・」と思える話しが記載されていました。

 2019年ものと2020年ものでは、2019年ものの方が好きだ・・とアメリーも言い、リアルも同調しています。しかしアメリーはこうも言っています。

「でも時間がたてば変わるかもしれない」


 noisyは実際にその場にいた訳では無いので、どのような言葉だったのかは知る由も有りませんが、それはそのままほとんど・・noisy も同感なんですね・・どこか違うとするなら・・

「noisy は、時間がたてば必ず変わる」

と・・「かもしれない」は付けません・・(^^


 毎年素晴らしく旨い、超絶にお買い得な「2020コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ」を飲めばその理由は判ります・・ずっと飲んでますから・・はい・・。

 ある意味、このキュヴェは他のキュヴェ、ジュヴレやフィサン、ヴォーヌ=ロマネなどに比較すると「余計なものを持ってない裸のワイン」なんですね。ミネラリティの組成が他のキュヴェに比較してシンプルなんです。

 ですから、要素が非常に多く複雑性の高いヴィンテージだと思われる2020年のコート・ド・ニュイのピノ・ノワールですから、その部分がややシンプルになると・・まさに裸の味わいがする・・noisyはそう考えている訳です。

 で、このコート・ド・ニュイ=ヴィラージュが半端なく美しく、何とも心を引き付けられる見事な味わいを、今現在もしているんです。

 それに加え、リアルワインガイド最新号の第79号をご覧いただいたお客様はお気付きかもしれませんが上級キュヴェのポイントが、今飲んで点とポテンシャル点でそれなりに差が有ること、そして飲み頃予想の最初の数字・・2025年とか・・ですね、ここが結構に先になっている訳です。

 これはやはり、年を経てさらに美味しさを増し、本来の姿を見せるようになる・・と判断した結果ですよね。noisy もまったく同感・・もちろんですが、5年先だと書いてあっても今から飲めない訳では有りません。その辺はテイスティング出来た各キュヴェには記載しているはずですので・・ご参考にされてください。


 そして2020年もののベルトー=ジェルヴェのワインにリアルワインガイド第79号はこのように書いています。

「20年のベルトー=ジェルヴェのワインはハッキリ言って、このドメーヌの金字塔だ」


 noisy もその判断に賛成します。この8年のアメリーの成長を見るかのような素晴らしい出来だと思います。でもキュヴェによってはさっさと飲むのは勿体無いし、なにより本来持っているポテンシャルを発揮できないで飲むことになる・・と、期待した味わいに届かなかったと思われるお客様もいらっしゃるかと思われる訳です。


 海外メディアも、以前は厳しい評価をしていましたが、今では普通に・・1級のワインがグラン・クリュ並み評価に、村名のワインが1級並みの評価になって来ています。是非複数アイテムを入手され、飲み時を間違えないようにお楽しみいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


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 お待ちかね、日本のワインファンの多くも注目している話題の「ドメーヌ・ベルトー=ジェルベ」の2018年ものが入荷しました。

 ドメーヌ・ドニ・ベルトーを継ぎ、ドメーヌ・フランソワ・ジェルベからヴォーヌ=ロマネを中心とする稀有な畑を継承し、かつまた、ジャン=ルイ・シャーヴ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティ、プリューレ=ロックで研鑽を積み、自身の畑を開き目まぐるしい活躍をしている夫、ニコラ・フォールを栽培長に迎えたアメリー・ベルトーです。

 また、2017年もの以前までは海外メディアもさして注目していなかったようですが、その所有している畑が多彩であることや、元々の親父さんの「ベルトー」と母方の「ジェルベ」を継いだことも有ってか、2018年ものはメディアで今まで以上にテイスティングされ、評点が出てくるようになってきました。

 結果として、昨年の2017年ものクロ=ヴージョは皆さん、思いっきり「スルー」でしたが、2018年ものクロ=ヴージョは何と、ジャスパー・モリス氏96ポイント、スティーン・オーマン氏95ポイント、ニール・マーティン氏94ポイントと、グレートワインの仲間入りを果たしています。

 まぁ・・昨年の2017年ものクロ=ヴージョは即完売かと思いきや、全く売れませんでしたので・・悔しいので、

「他のアイテムは飛ばしてでも2018年ものは絶対飲んでやろう!」

と思ってたんですね。まぁ、飲んでから海外メディアの評点を調べたので後の祭り・・(^^;; 超美味しかったので良いんですが、他のアイテムで飲めない分が増えてしまったのが残念です。


 2018年のアメリー・ベルトーの各アイテムを飲んで、ようやっと彼女のワインに対するアプローチの仕方を理解出来たと思っています。

 2018年ものは、相当に素晴らしいです。文句の出ない見事な味わいです。絶対に購入すべきだとお勧めしたいと思います!

 ですが、

「ベルトー=ジェルベのワインは超エレガント系!女性っぽい味わい・・そこが魅力!」

と思われているなら・・それが好きで、そうでなければいらない・・と思っている方は、誠に残念ながら「ボツ」です。・・・申し訳ありません。


 ですが、時にアンリ・ジャイエを、時にフィサンやジュヴレなのにシャンボールのニュアンスをも感じさせてくれる、中域のしっかりしたボリューム有る味わいは大好き・・と言うのでしたら、モノの見事にはまります。

 もう、クロ=ヴージョなんて・・いや、フィサンじゃ在りませんが、これ以上のクロ=ヴージョを見つけるのは相当難しい・・と思えるほどに素晴らしく、しかもシルキーなタッチで赤い果実が見事な・・それでいてクロ=ヴージョらしい大きさと、ココア的な黒っぽさ、茶色っぽさを高質に感じさせてくれちゃってます。

 細かい部分は各コラムに書かせていただきますが、アメリー・ベルトーさんのワインは、結局のところ・・

「ヴィンテージの背景と畑の風景、葡萄の出来・不出来に関わらず、ベストな状態へ導くワインで有る」

と言うことなのだと実感しています。

 だから結局はそれこそが「テロワールの表現」に繋がっている訳です。だから、2013年の彼女のワインは「非常に淡く」、2016年のワインは「混迷感も同時に伝え」、2017年のワインは「凄いものとまぁまぁのものが混在し」、2018年ものの熟度の高い健康な葡萄を得たヴィンテージは「剛健で全方位にベクトルが出た見事な味わい」になったと言えます。

 このリーズナブルで滅茶苦茶素晴らしいA.C.ブルを飲んでみて下さい。フィサンの畑ですが、まるで「ジュヴレとシャンボールのブレンド」のようです。フィサンの村名を飲んでみて下さい。その素晴らしいA.C.ブルをさらに高質に、さらに真ん丸に、さらに赤く高級エステルの見事なアロマとミネラリティ由来の質感が伝わって来ます。

 村名に過ぎないフィサン・アン・コンブ・ロワは、どこかジャイエ同様のミルランダージュのような・・・花ぶるいに掛ったかのようなパラパラと実が付いた小さな粒が連想できるような仕上がりですよ。そこに赤い果実が来て、時間を置いて黒い果実が隙間を埋めて行く・・

 でも、A.C.ブルで満足出来てしまうと思いますし、でも、是非素晴らしい仕上がりのフィサン村名も飲んでいただきたい・・この2品で、きっと2018年もののアメリー・ベルトーを理解できると思いますし、以前からベルトーのワインを続けて飲まれていらっしゃるお客様でしたら、アメリー・ベルトーと言う人がどんな意識で造っているのか・・みたいなものも頭の中や感覚に構成されてくると思います。

 素晴らしい仕上がりになった2018年ものです。是非飲んでみて下さい!超お勧めです!



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ヴォーヌ・ロマネ、シャンボール・ミュジニー…人気のアペラシオンは必ずキラ星のような造り手を擁しています。
傑出した造り手を持たないがゆえに、やや知名度に乏しかったフィサン村にアペラシオンを牽引するスターが誕生しました。
ドメーヌ・ベルトーはマルサネ村とジュヴレ・シャンベルタン村に挟まれたフィサン村を本拠地に7世代続くドメーヌです。
その歴史は19世紀の終わり、数ヘクタールのフィサンから始まりました。1974年、ヴァンサンとドゥニ兄弟がベルトーを相続し、フィサン、フィサン1級の畑を拡大していきました。
2013年、ヴォーヌ・ロマネ村のドメーヌ・フランソワ・ジェルベを母に持つアメリー・ベルトーがボルドー、ニュージーランドでの研修を終え、7代目当主に就任しました。
母方のドメーヌ・ジェルベから一部の畑を相続しベルトー・ジェルベ(Berthaut-Gerbet)名義としてドメーヌ・ベルトーのラインナップに加えました。
今日ではフィサンを中心にジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネなど全て合わせて13ヘクタールの畑を所有しています。生産するワインの90%は赤ワインですが、フィサンの一部の区画にシャルドネを植樹しています。

栽培:ブドウは、ビオロジックの考えに基づいた理性的な方法で栽培します。
テロワールを尊重した安定した土壌のもとで栽培されています。
殺虫剤の使用は制限を設け、土には、化学薬品を使っていません。除葉、グリーンハーヴェストによりブドウの成熟が最適になるように風通しを良くしています。

醸造:厳しい選果の後、最小限の手数でコンクリートタンクで発酵させます。
約5日間の低温マセラシオン。天然酵母で発酵。
1日2回のルモンタージュ、発酵の最終段階でピジャージュして優しく抽出。
約5日間のポスト・マセラシオン(発酵後浸漬)
ほぼ全てのワインは1.500~3.000リットルの大樽(フードル)でマロラクティック発酵。春に樽に移します。
新樽はほとんど使用せず、最大で24か月と比較的長い熟成期間を要します。

【メディア情報】

 アメリーは私が訪れた昨年7月以降、いくつかの変更を決断しました。
『2015年は私の祖母から新しい畑、シャンボール1級、クロ・ド・ヴージョ、そしてヴォーヌのスショを引き継ぎました。それに伴ってこの2015年から私たちのワインは祖父母の名前を残したベルトー=ジェルベ名義へと変更することにしました。』
2015年について
『とても素晴らしい経験になりました。収穫は長期にわたり、9月7日に始まり、10月21日に終えました。
最後の収穫となったブルゴーニュ オート=コート・ド・ニュイは雨が降り終わるのを待ちました。この年は雨の後のブドウの方がより良かったかもしれません。フィサンのレ・クレイは収穫を雨の前と後の二回に分けました。これがどのような違いとなるかとても楽しみにしています。
これらの赤ちゃんのようなワイン達は、早い段階から高い糖度だったにも関わらず、バランスが優れています。リンゴ酸が低いですが、バランスの良さが崩れることがありません。
私たちはルモンタージュやいくつかの全房発酵の比率を減らし、過剰な抽出を避けました。
残念ながら2015年は収穫量がとても少なく、畑によっては50%も収穫を減らしてしまいました。しかし、不幸中の幸いとして、葡萄は極めて健全だったために選果の必要がほとんどなかったのです。私たちは新しい選果台を準備していましたが、いらぬ心配でした。』
(ビル・ナンソン著Burgundy Report EXTRA! 2015-11より翻訳・加筆:オルヴォー村岡)

 読者の皆様は、かつて私が著書の中で“ドメーヌ・ベルトーはフィサンのジャック・フレデリック・ミュニュエである”と熱烈に賛辞を贈ったことをご記憶いただいているだろう。牧歌的なエチケットのイメージとは程遠い、豪快で大胆な本質を持っている。このドメーヌは驚くようなスピードで変化しているのです。
 ドゥニ・ベルトーの娘であるアメリが彼のドメーヌに加わった。ドゥニが畑を耕すため、伝統にのっとり、アメリに彼のトラクターを使用することを薦めたが、彼女はこれを拒否しました。アメリは自信の持つ自由な発想の元、蔵でワイン造りをすることを決めたのです。
 一方でドゥニの妻は、ヴォーニュ・ロマネにドメーヌを持つジェルベ姉妹の一人である。経営と醸造とで担当を分けていたが、両者とも引退し、現在はアメリと、彼女の2人の従妹がその後を引き継ぐことになった。
 現在、アメリはHautes Côtes de Nuits に1.5ヘクタール、ヴォーニュ・ロマネに1ヘクタールの畑を所有している。ヴォーニュ・ロマネの区画の中には、Vosne Romanée Petits Montsと、エシェゾーも1バレル(=1樽分)が含まれている。
 私はアメリに、2013年の雹がどのくらいドメーヌに影響を及ぼしたのか聞いた。彼女は、「フィサンは収穫量の約25%を失ったわ。でもCôte de Beauneの被害に比べれば大した被害ではなかったもの。」
(ビル・ナンソン著Burgundy Report EXTRA! 2014-7より翻訳・抜粋)

ブルゴーニュの未来を担う10人のライジング・スター
ドメーヌ ドゥニ・ベルトーとして理解している読者もいるかと思います。2015年よりアメリー・ベルトーは父方のフィサンに加え、ヴォーヌ・ロマネの母方の畑もすべて継承することになりました。7代目ヴィニュロンとなるアメリーはボルドーやナパ・ヴァレーで研鑽を積み、堅牢なアペラシオンとして認知されていたフィサンに、寛容な柔らかさをもたらしたのです。例えば彼女の区画名入り村名となるフィサン レ・クロは冷涼感がありながらも新鮮な果実味がたっぷりとあります。(ヴォーヌ・ロマネには陰影があり、湿った土を思わせる一面もあり、このアペラシオンとして十分な表現を備えています。)
(PUNCH June 8.2016 Jon Bonné著 より 翻訳・加筆オルヴォー村岡)

Berthaut-Gerbet

ベルトー・ジェルベ 2016

 アメリーちゃんがひと皮むけた。進化した。次のステージに上がった。15年以上前に比べ明らかに中身がより詰まり、コア感が大充実してきた。スタイルもエレガンスと力を融合させた、とても魅力的なもの。毎日全力で畑仕事に取り組んでいる彼女は、RWGが訪問する時いつも決まってグッタリしている。畑仕事を抜け出しで対応してくれるのだ。申し訳ない気持ちで一杯になる(なのでRWGは、「いつも畑に全力!」という人が対応してくれる場合はアポイントをその日の最後か早朝に取る)。当日も18時のアポだったが、日の長い6月なので彼女は試飲後に畑に戻るのだ。

 その努力が年々確実に実を結んでいる。そして、16年に素晴らしいワインを造り上げた。ベルトー・ジェルベは現在畑を17haも持ち、20キュヴェも造っている。彼女が満足する畑仕事に対してスタッフは足りない。本当に大変な思いをしながらワインを造っているが、ボトルの中にその頑張りと情熱が美味しさとともに詰まっている。17年からはあのニコラ・フォールが栽培長として加わった。これからもどんどん進化していくだろう。アメリー曰く、

「生産量はドメーヌ全体で5割減。所有している区画が広範囲に渡っていることが幸いして半減ですんだ。果実がよく完熟していたのでいつもより全房発酵を多くでき、糖度、酸のバランスも申し分なし。凝縮感は15年よりやや欠けるものの、典型的なピノ・ノワールらしいワインとなった。出来上がったものに満足しているけれど精神的には辛く、まるで悪夢のようだった。作れなかったキュヴェはジュヴレ・1er・カズティエとジュヴレ・クロ・デ・シェゾー(8割減だったのでジュヴレ村名に入れた)。1er・ラヴォー・サン・ジャックは200本のみ、フィサン・1erザルヴレも壊滅的」。
リアルワインガイド63号より抜粋

 リアルワインガイド63号の掲載は例年以上に反響がありました。点数の高さよりも、造り手の姿勢にフォーカスして書いていただいたことがとても嬉しかったです。(どうしても美人ヴィニュロン的な記事ばかりで本質的なことを語られにくい)

 2013年、代替わりした際の衝撃的なデビュー。>当初来日したアメリーと都内のアポイントすら、ひと苦労だったことを思い出します。決して前評判の高い年では無かった2013年は、酒販店様のお力添えもあり舌の肥えたブルゴーニュ愛好家の方々からも有難い反響をいただきました。

 その後、国内外含めたメディアの高い評価もあり、露出が高まるにつれ、都合の良い時代のスター的な存在として語られてしまい名前が売れる代償として、彼女のヴィニュロンとしての才能と成長を丁寧に掬い取って伝えることが難しくなってきておりました。輸入元としての自戒を伴うジレンマを吹き飛ばしてくれる良い記事だったと思います。RWG誌でも掲載されていますが2017年からは、彼氏であるニコラ・フォール氏が栽培担当として参画しています。

 ニコラ・フォール氏の経歴についてはここでは触れませんが、彼女からも、ニコラ氏の才能の高さは聞いていましたので、更なる成長は間違いありません。ヴィンテージの個性を越えて、年々、造り手の成長を一緒に追って行けるのは輸入元冥利に尽きます。来日時、その愛らしいルックスを褒められても、全く関係ないと言わんばかりにニコリともせずワインの話を続けるアメリーの顔を思い出しました。


2021 Fixin Rouge
フィサン・ルージュ

17975
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
フィサン
ドメーヌ・ドニ・ベルトー・エ・ベルトー=ジェルベ

■メディア評価
◇2021年もの
91 Points Charles Curtis MW Decanter

■エージェント情報
葡萄:ピノ・ノワール 畑・土壌:3.6ヘクタール Clos du Village、Fixey、Aux Pres、La Sorgentiere4区画のアッサンブラージュ。石灰岩、泥灰土
樹齢:平均30~40年
醸造:4日間低温マセラシオン、天然酵母、コンクリートタンクでアルコール発酵。1日に1~2度のルモンタージュ。発酵の最後のみピジャージュ。ポスト・マセラシオン(発酵後浸漬)5日間。
熟成:木樽でマロラクティック発酵。12カ月熟成。新樽0%。
750ML 在庫  完売   ご注文数   本
¥6,490 (外税) 
【2021年の村名フィサンは「激エレガント」な仕上がり!・・やっとのことで見つけたメディア評価はデカンター誌の91ポイント!・・流石だと思いました!】
 ワイン雑誌として長く存在し続けているイギリスの「デカンター」ですが、その昔、ブルゴーニュワインを良く買っていたのがイギリス人でしたので、そんな関係も有るかとも感じています。

 まぁ・・この淡い色彩のフィサン2021年に91ポイントも付けてくれたなぁ・・と言うのが noisy の思うところでして・・と言いますのは、

「絶対に飲んでいるはずなのに、多くのメディアはこのフィサン2021年の評点評価を明らかにしていない!」

んですね。これって一体、どう言うことなんでしょうか。

 まぁ・・他の上級キュヴェは評点評価を発表しているんですが、村名クラスはそれが無い・・と言うことは、普通なら・・

「・・あ、飲んでないんだ・・」

と思うんでしょうが、noisy はそうは思わないんですね。絶対に飲んでいますよ。ドメーヌにテイスティングに行って、

「・・あ、下はいりません(飲みません)」

なんて・・言う訳が無い・・(^^;;・・でしょう?・・そりゃ、まだ落ち着いてないから出せませんと言うのは有りますが、それは大抵上級キュヴェが対象です。

 つまり、評価できない・・したくない・・自分たちのサイトに掲載したくないから出さないんです。


 デカンターはちゃんと91ポイントと・・しっかり評価しているじゃないですか。きっとかなり真実に近い評価だと思います。

 ファーストヴィンテージの2013年ほどでは無いにせよ、やや淡い色彩でエレガントさを感じさせます。ノーズは純粋さに満ち溢れ、可憐ながらもチェリーのふんわりソフトで心地良いアロマに、きめの細やかな白っぽいミネラリティが混じって感じられます。

 非常にドライで甘みは無く、完全発酵に近いニュアンス。ふんわりとソフトさを感じさせつつ、細やかで繊細な表情を見せつつ、適度な中域の膨らみ、ドライな余韻ながら、ほんのりプラムやチェリーのノーズを還してくれます。瑞々しい余韻が心地良いです。

 日本人なら・・きっと好きでしょう。滅茶繊細・・フィネス溢れる味わいでした。

 ただし・・しばらくしますと、やや閉じて行きますかね。そしてまた時間をかけると膨らんでくる・・それを繰り返します。

 そもそもこのアメリーのフィサンは・・

「いつも到着から半年~1年ほどすると物凄い成長を遂げている」

のが定番です。リリース直後に飲み、1年後に再度飲んでみると・・劇的に変わっているんですね・・良い方に。官能さも複雑性も出て来て、滅茶美味しいんですね。

 今のところはまだそこまでは到達していない・・2020年ものは果実の濃さでさっさと美味しく飲めちゃいました。2021年ものは当初の1時間以内は、滑らかで激エレガントで繊細な味わいで美味しく飲めますが、今のところはやや締まって行く方向です。是非ご検討くださいませ。素晴らしいエレガンスです!


 以下は以前のレヴューです。
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【「2020年はドメーヌの金字塔」は良いんですが、いつもは余るほど入荷の有るフィサン村名も今回ご紹介分で最後・・。リアルは92+ポイントとはっちゃけましたが、ファルスタッフはリアル以上の93ポイントでした!】

 濃密で素晴らしいバランスを持った2020年でした!・・今飲んでも滅茶美味しい・・もちろんですが、今がピークでは有りませんで、2年後からがベストな期間が始まるか?・・と思わせるスタイルに仕上がっています。

 まぁ、ここには写真は貼りませんが、2019年ものや2018年ものもほぼ同時にテイスティング出来まして、この「フィサン村名」がたどって来た仕上がりもチェック出来ました。リアルワインガイドが、

「2020年ものはこのドメーヌの金字塔!」

と言うのも理解できる出来です。

 しかも・・全く落ちて行かないんですよね・・抜栓して数日経過しても、10日経っても・・です。もちろん若干閉まるとか、ああ・・今日はだいぶ開いてきたかな・・みたいな周期を繰り返すのは間違い無いとしましても、

「高いレベルで味わいが保たれる」

のには驚きました。バックヴィンテージもののテイスティングも非常に良かったんですが、あれほど素晴らしかった2019年ものをあっさりとうっちゃる感じで・・まぁ、色の積層がかなり違うのは、2019年もののグラスの写真でも判ってしまいますよね。

 さらにリアルワインガイド第79号ではポテンシャル点が92+ と、フィサン村名とは思えないような高い評価をしていますが、ファルスタッフ・マガジンはそのものズバリ、なんと93ポイントと・・いやはや、そりゃぁ・・noisy だってそんなには付けたいですが、実際にやるとなると躊躇も相当しそうですよ。まぁこの見事に集中した密度が高そうな色彩を目にしてしまえば、

「・・ん・・そこまで・・考えられるか・・な・・」

とも納得させられてしまいそうです。


 ジャスパー・モリスさんは気が乗らなかったのか、それとも村名ヴォーヌ=ロマネの評価の90~92ポイントが、自身で掛けてしまった重しになったか・・88~90 ポイントと脱力感の方がバリバリの評価。まぁ・・この方はどうあっても村名クラスに高い点が付けられない性格?のようなので仕方が無いですが、それでもちょっとなぁ・・まぁ90ポイント付いただけでも、本人的には相当に評価を上げたつもりでいらっしゃるのかもしれません。

 また、村名ながらも素晴らしい出来だったレ・クロ、レ・クレの兄弟たちは、その漲るポテンシャルの高さからか、現状はすぐに手を出さない方が得策です。このフィサン村名をのんびりと楽しみ、レ・クロ、レ・クラはしばらく取っておくのが良いと思います。

 何せ深めの赤を何層にも積み上げたような・・グラデュエーションも美しいフィサン村名は、いつも優しいニュアンスに溢れていますが・・それがここまでの濃密さを持っていますから、それが「精緻さを増長」させているように感じさせられますから・・そう、

「滅茶苦茶繊細で上質なドライなカシス!」

を感じさせるような果実感で侵入して来て、その密度に慣れてくるとベリーやチェリーを心地良く感じさせてくれますから・・ついつい、高い評価をするように導かれるのかな・・と思います。

 ですが!・・毎年のように追加は出来ないようです。noisy のところで・・このフィサン村名の入荷は24本オンリーです!・・1本テイスティングしてますからその分はマイナスで、後のために何本か隠しておくことさえ出来そうも無いんですね。是非この機会に押さえておいてください。お勧めします!



 以下は以前のレヴューです。
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【昨夏ご案内のこの2019年フィサン村名、仕上がって来ました!自身の身体に素晴らしくマッチした香水のアロマ・・滅茶素晴らしいです!これは飲むっきゃない!・・超お勧めです!】

 素晴らしいです!ほぼ半年経過して、ほぼ完全に仕上がりました!・・もうべらぼうに旨いです!

 昨夏のレヴューでは「やや濃い目」のようなニュアンスでお伝えしたと思うんですが、いや・・それがもう、滅茶「おしとやか」に溶け込んでいるんですね~。

 まず一体感が素晴らしい!・・赤い果実と、少し紫の果実が半々ほどです。真っ赤なチェリーと紫&黒のカシスがドライに、ピュアに、そしてナチュール的に一体となって咽喉を通り抜けて行きます。

 その通り抜ける様が・・また滅茶心地良いんですよ。品温が下がり気味のこの時期、それでも全く苦にせず、自然派的に柔らかだけれど絶対に瓦解はしない、凛とした姿も感じられます。

 感覚的には、とても美しいスタイルの均整の取れたジュヴレ=シャンベルタン・・に近いでしょうか。もしくはフィサン的なニュアンスで、ジュヴレ=シャンベルタンの鉄っぽさをそれなりに省いた感じ・・でしょうか。

 それに加え、2019年もののアメリー・ベルトーのワインに共通している・・

「良く香るシャンボール=ミュジニーのような高域に伸びる香水のようなアロマがほんのりトッピングされている」

ことが、このワインを見事に美味しく感じさせてくれるんじゃないかと思います。

 是非、昨夏のレヴューもご覧くださり、もしこのワインをまだお持ちだったら飲んでみるのも良し、でも無ければ是非ご購入いただき、飲んでみて下さい。

「アメリー・ベルトーが目指しているもの」

が、このタイミングで良く理解できると思います。超お勧めです!



 以下は2021年7月に書いた、このワインのレヴューです。
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【ふんわり柔らかで優しい、女性っぽいワイン・・ナチュラルさが勝った見事な仕上がりです!】

 今回、フィサンのワインは上級キュヴェが届かず、この区画名無しの村名のみの入荷です。

 親父さんから受け継いだ畑だと思われますし、A.C.ブルと同様に醸造的には親父さん譲りの方法で仕込まれているはずなんですが、何故か・・ジェルヴェ系のナチュラルな味わいが勝っています。

 ふんわりと優しく、しかしエキスも綺麗に出ていて・・しかし、押し出しはさほど強く無く、全体として優しい女性を思わせるような感じなんですね。ジュヴレ系は、言ってみれば、

「芯の強い滅茶美しい女性!」

と言う感じなんですが、こちらは笑顔で包み込んでくれるような優しさを感じます。香りのスピードは速く、ジュヴレのような鉄っぽさよりも美しく軽やかに抽出された果皮のエキスを感じるかと思います。

 色合いは結構にしっかりしていますよね?・・でも、写真で見て想像できるような押しの強い「濃さ」は全く感じないんですよ。果皮の濃度が有るので、先行き非常に素晴らしいワインに育って行くはずです・・滅茶美味しいので是非飲んでみて下さい。超お勧めです!

 
 以下は以前のレヴューです。
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【飲めば絶対に判ります・・海外メディアの間違いを!・・相当素晴らしいです!是非このフィサン村名、飲んでみて下さい。】

 海外メディアの評価を見て・・

「・・あ・・やっぱりね~。そんなもんだよね~・・」

と、一人納得してしまいました。

 この辺りの安いクラスのテイスティングは、おそらく適当なんでしょう。もしくは相当に力を抜いているか、メモするにしても1~2行で忘れてしまうのかな?

 この村名フィサンの美味しさは普遍的なブルゴーニュの美味しさの基本が詰め込まれていると思います。その上でバランスが素晴らしいです。

 2017年もののフィサンも凄く美味しかったんですが、2018年ものは・・アロマが素晴らしいです。まるでシャンボール的な、高域にまで伸びて行く香水的アロマを持ち、赤いドライな果実で迎えられ、質感高い黒果実で見送ってくれます。

 中域の出方もしっかりしていますがデコボコでは無く、非常にスムーズです。鈍重にならず、伸びて行く果実感にしっかり浸れる訳ですね。で、そこが安っぽいと一気に萎えてしまうんですが、気高さまで有るんですよ・・。

 海外メディアの評点は間違ってます。是非それをお確かめください・・って、そんなの、ちょっと楽しいでしょう?・・上値は88 ~89 でも、下値で86 とか 87 って・・まるで判ってね~な!・・と、(自分の部屋で・・)言ってやりましょう。超お勧めです!最高に旨いので、是非ご検討くださいませ!


 以下は以前のレヴューです。
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【白みを多く持ったエレガント系ジュヴレ?・・と思ってください。滅茶安いを思います!しかも薫り高い!】

 2016年ものは4500円でのご案内でしたので、150円も値下げです。それだけでもリーズナブルですが、元々安いですので・・。

 ニュアンス的には2016年と同様、今飲んでも充分に旨いです。白い石灰が多めのジュヴレ=シャンベルタン的な味わいですね。鉄っぽさが少ない分、素直に「すっ」と口内を通り抜けて喉の奥を目指して行くような感覚です。

 しかしながら2017年ものはそこから・・「喉の奥を目指した液体が行う仕草」がちょっと違う・・んですよ。2017年ものは香気成分が非常に多いエキスなので、喉の奥に達したところから、鼻腔を通して感じられるアロマが凄い・・んですね。これは、実はnoisy がテイスティングしたキュヴェ、全部に言えることなんですが、グラスから立ち昇るアロマだけでは無く、

「鼻腔を通しても官能的な多量のアロマが感じられる。」

んですね。


 そして、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュもそうなんですが、白い石灰が創り出す余白が重要で、そこをこのフィサンが持つ鉄っぽさとかパフューム的なアロマが帰ってくる・・またそれが果実感として感じられる・・と言うことなんだろうと思います。

 まぁ、アメリー・ベルトー2017年、アイテム数が多く同時に何本か開けているパターンが多いので、抜栓すると美しいアロマがとたんに漂い、また次のボトルを抜栓すると、それまでのアロマに重なるように、少し異なったニュアンスのアロマが漂い、室内は香りの多重奏的空間に変身してしまいます。

 ジュヴレ=シャンベルタンを鉄分を少し除きやや軽くして、赤い果実のノリを良くし、すこしスタイリッシュにした感じと言って良いと思います。

 それでも2017年ものは「重厚」かと思いますよ。本格派と言って良いでしょう。これはお勧めです!早めに楽しみたいかたは是非このフィサン村名、お試しくださいませ!


 以下は以前のレヴューです。
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【女性らしい優しさに満ちた味わい・・が洗練されています!】

 新樽を使わない、ある意味、何の化粧もしないストレートな美味しさだけで勝負に出ている・・素晴らしいキュヴェです。

 2015年ものは有り得ないほど無くて・・マグナムなんか造っちゃってましたから・・12本しか入らず、結局テイスティングを諦めた経緯が有ります。非常に少ないとされる2016年ものは、フィサン村名に関しましてはある程度、確保できました。

 確保できたから売りたい・・訳では有りません。美味しく無ければ買わなきゃ良い訳ですし、美味しく無いものをお客様に押し付けたところで、次が無い訳ですから・・そんなことはしません。

 で、2年ぶりに飲めたアメリー・ベルトーのフィサンは・・やはり旨いですね・・。これからのフィサン、マルサネと言った、ニュイ北部のアペラシオンの優位性は、温暖化とされる世の中でさらに高まって行くでしょう。

 グラスの写真も・・今回の2016年のベルトーの写真につきましては、

「色味の調整は一切していない」

です。撮ったまんまを切り取ってサイズ調整だけして掲載しています。なので、ほとんど無加工です。


 味わいの系統は2016年のアメリー・ベルトー、そのまんまです。おそらくほぼ全房発酵、重くならず、しかしエレガントでキッチリ抽出出来ていますのでエキス味が旨いです。

 アロマのスピードも速く、そして柔らかで、トップ・ノーズを嗅ぎ、グラスを置くまで・・しなやかな流れの中で物語を見せてくれます。

 果実感もしっかり有るのに、それを言いたくない気持ちです。「フィサン」と言うアペラシオンをキッチリ伝えて来てくれているように感じるからですね。

 そして、この先のドメーヌの行く末が、かなりの期待を持って感じられます。・・・ホントに美味しいと思えるからです。


 アメリー・ベルトーと言えば、やはりこのテイストじゃないかな・・と思いますよ。リアルワインガイド第63号は今飲んで 90+ ポテンシャル 91+ 飲み頃予想 今~2038 と・・ビックリの評価です。でもnoisy も

「まったく(ほぼ)同評価」

です。

 ただのフィサン村名に 91+ なんて、以前はまず考えられなかったと思います。是非飲んでみてください。超・・お勧めします!


 以下は以前のレヴューです。
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【2015年はマグナムも有りますが・・ブティーユがたったの12本・・。エレガントさ満載のワインですが飲めずにすみません・・】

「フィサン村名がたったの12本って・・」

 ショックです。売れ線なんですがこれだけしかないんです。マグナムを6本いただきましたが・・滅茶旨そうですよ・・。

「蝋封に紙巻」

で届いています。ドメーヌ・ベルトー=ジェルベの上級キュヴェの扱いですので、


「よっぽどしっかり仕上がったはず!」

と予想しています。


 まぁ、ブティーユとマグナムの味わいが大きく違うことが多いのは周知の事実では有りますが、多くのワインファンはマグナムをちゃんと保存できる環境を持っていませんよね。

 ですが、人間が5人以上集まってワインを飲む機会が有るのでしたら、


「マグナムは非常に有効!」

と言うことが出来ます。


 ブティーユはやはり4~5人分ですから・・一杯ずつ取ると残りは本当に少ないです。


 ましてやマグナムを造ったと言うことは、それに値するキューヴが有ったと言うことです。そうじゃなきゃ元々取れ高が多く無い2015年に造るはずがないんですね。


 で、今までの自身のレヴューを見返してみましたが・・2015年のフィサン、やはり飲んでみたいと思ってしまいました。2015年のベルトー=ジェルベは、ヴォーヌ=ロマネのジェルベが持っていた畑の影響を大きく見せていますから、その「差」が出ないはずの「村名フィサン」は教えてくれるはずなんですね。

 でもまぁ、フィサン・レ・クロは開けましたんで、何とか想像は出来るところには居る訳です。

 何しろとてもリーズナブルでどこか優しく、ベルトーらしい味わいのするフィサンも気になるでしょう。是非飲んでみてください。マグナムも是非ご検討くださいね。



 以下は以前のレヴューです。
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【2013年を大きく超越!ポテンシャル高い素晴らしい味わいです!超お勧め!】

 エレガントでフィネスたっぷりのやや軽量級フィサンだった2013年です。2016年の夏の現在、表情がさらに出てきて非常に美味しいです。

 ジュヴレ=シャンベルタンの北にあるフィサンはブロションの村を挟む関係でしょうか、ジュヴレに似てはいますが、鉄っぽい鉱物系のニュアンスは少なくなり、やや大人しく優しい感じになります。それが特徴でも有りますが、どこに目線を持って行くか・・どうしても有名なジュヴレとの比較になってしまうのか、欠点として捉えられる可能性を持っています。

 2014年のアメリー・ベルトーのフィサンは、そんな2013年の柔らかく優しくエキシーな味わいを大きく上回り、ジュヴレ的な鉱物系ミネラリティも多く備えていると言え、よりダイナミックな仕上がりになっています。

 色合いも良いですね・・。輝いてますね~!・・比較すると良く判ります。より赤が強く、透明感の強いミネラリティの成分も非常に多く感じられます。とてもドライで、普通ならちょっと男勝りな辛さの強い味わいになってしまうところ、酸の構成バランスが良く、またジュヴレ的な旨みも備わり、かなり旨いです。

 2014年のA.C.ブルゴーニュやA.C.オート=コート同様、輸入のタイミングで1~2カ月早く到着していますので、そんな部分の強さ・硬さも同様に持ってはいるんですが、アペラシオン的な部分でフィサンのソフトさも有るので、そこでも現在でも非常に良いバランスと言えます。また下のクラスからフィサンに移ると、クラスが上がったことが確実に判るほどで、

「おっ!・・さすが村名!」

とテンションも上がることでしょう。


 期待されたアメリーの2014年ですが、テイスティング出来た4アイテムを飲む限り、非常に良い出来です。是非ご検討くださいませ!超お勧めです!

 
 以下は2013年のフィサンのレヴューです。
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 ・・これも目茶旨いです。透明感のある非常に美しい赤紫の色調です。この色合いの味わいをイメージしてみてください・・そのまんまの味わいです。

 暗い色で、何となく「どよ~~ん」とした照りのワインが多いフィサンのワインに有って・・

 もしくは、重量感は有るけれど過熟から来る弱さの目立つワインが多いフィサンのワインに有って・・

 このアメリーのフィサンは、全く健全、ピチピチと活き活きした酸(酸っぱくはない)と、軽やかさと、快活さとフィネス、ディテールの表情の美しさに満ち溢れています。

 まさに「プティ・ジュヴレ」的な「フィサン」ですが、重さを回避してフィネスを表現できているという、非常に有り得ないワインになっています。

 例えば、今も一緒にご案内させていただいている、メオ=カミュゼのフィサン2013年・・余り売れていませんが、実はかなり美味しいんですよ。

 でも、これはメオのフィサンとも大きく違います。充実した酒格をしっかり表現したメオのフィサンに対し、同質な酒質とは言えますが、アメリーのフィサンは、

「全く重くない・・エレガンスを重視したフィサン」
に仕上がっています。

 ブルゴーニュ・プリエールと比較すると色調が全然違いますが、それはおそらく、テロワールと畑の格の違いなんですね。
 ジュヴレほどでは重いものでは無いにせよ、フィサンも金属的、鉄っぽさが有り、やはりそれは色合いに影響してきます。ブルゴーニュはまったくフィサンやジュヴレを感じさせない・・どちらかと言うと、ヴォーヌ=ロマネ、シャンボール辺りのエレガントなニュアンスです。

 その延長上にこのフィサンも有り、非常にエレガントで軽やかな「ふんわりワイン」に仕上がっています。そして、中域の膨らみと清冽な水の余韻、エキスの「桃」のニュアンスは同じ・・!・・これも非常に旨いです!


 リアルの徳丸さんは88 89と言う、フィサンにしては高い評価をしています・・が、noisyなら間違い無く「今飲んで」 も 「ポテンシャル」も90点オーバーです。「フィサンの個性を残しつつ、ひたすら優しくてエレガント」と表現されていますが、全く同感・・です。

 フランソワ・ジェルベの個性を持ってきたようだ・・のようなおっしゃり方もしています。ジェルベもね・・やりたい部分もあるんですが、問題有りなので今のところ手を出していません。でも、ベルトーがこれだけ素晴らしいと色々考えさせられます。

 一方、ワイナート誌の78号では、「フィサンは軽すぎると思ったが・・」と記載されていました。まぁ、見解の相違、もしくはテイスティング時期の違い(おそらく半年以上前)ですので、仕上がり切ってない状況での見通し不良じゃないかと思います。軽いことは軽いんですが、軽快さはエレガントさと言う良いベクトルを持っていますし、軽過ぎてスカスカじゃぁ無いんですね。しっかりした中身のある要素を持ちつつの軽快さとご理解ください。反対に言えば、もしこのフィサンをより重量感のある方に力技で持って行ってしまったとしたら、外殻と低周波が反応する部分だけの、中域の無い、腑抜けた味わいになってしまったでしょう。それはフィサンの1級でさえ良くあるパターンで、大柄なワインにしたいという造り手のエゴが露出した結果です。こちらはむしろ、アッサリと抽出しフリーランのみで仕上げたグラン・クリュワインのようなエレガンスを持っているとさえ思います。近いのは、まぁ・・ずいぶんと飲んではいませんが、ロベール・シリュグのグラン=ゼシェゾーのような軽い抽出がなされた高級ワインのタッチだと思います。

 この・・完全エキスに昇華したフィサン・・是非飲んでいただきたいですね・・本数は限定です。お早めにどうぞ!