
前のヴィンテージよりも安いのに出来は上・・になってしまいましたが、オルヴォーさんのご協力も有り、何かとこの頃は値上げばかりが目に付くブルゴーニュワインですから、
「美味しいものをリーズナブルに!」
お届けしたいと思っていたところでした。
そりゃぁ・・アメリーのA.C.ブルやオート=コートが出始めた頃を調べてみますと、A.C.ブル2013年が2980円、オート=コートが3100円・・でした。
まぁ・・言ってみれば、そんなには高くはなっていないにせよ、1.5倍位になっていた訳ですよね。昨年ご紹介の2021年もののオート=コートは4790円でしたが、本当に・・何とか100円引きです。それで、
「2013年から33~34%の上昇」
と言うことになります。10年でその位ですから・・仕方が無いと思っていただけましたら幸いです。
ですが!!
2022年ものはめっちゃ旨いです。おそらく過去最高かと思います。
2021年ものはエレガントでしたが、ある意味・・「素っ裸」で服を着ていなかったと・・思い当ります。2022年ものは、とても美しい服を上手に着こなしていると感じます。

で、このオート=コートに関しましては・・なんと、
「大樽使用!」
だそうです。
確かに・・noisy 的には、「良い意味で脱力している」と感じました。ただし、このオート=コートに限らず、テイスティング出来た全てのアイテムにおいて、その「リキミの無さ」を感じているので・・本当にそれが大樽由来なのかどうかは不明です。
赤いチェリーと、僅かに黒味の有るチェリーがふんわりと滑らかに感じられます。接触感がふんわりとしていてテクスチュアも滑らかで、2021年ものには感じなかったスムーズな感覚です。
ジューシーですが酸も有りつつのバランスが素晴らしく、勿論甘く無くドライです。ふんわり感は最後まで持続、とても心地良い感覚を残して消えて行きます。
これ・・相当良いです!2021年ものでは抜栓直後、僅かにザラっとエッジを感じましたが、2022年ものは非常に流れるように滑らかです。2021年ものにデキャンター誌は
「92ポイント」
も付けたのでnoisy も驚いた訳ですね。海外メディアは余りオート=コートやA.C.ブルにはポイント付けしないところが多い訳ですよ。
で、2022年ものはメディア評価は余り見当たらず、でもSNSのセラー・トラッカーが2021年同様に、
「アヴェレージ 92ポイント」
としていますし、バーガウンドも「アウトスタンディング、トップ・ヴァリュー」と持ち上げ、バーガンディー・リポートも、
「スーパーなワインです!」
と持ち上げています。
なんでしょう・・飲み心地かな・・今までとちょっと違うんですね・・。これがヴィンテージの要素なのか、アメリーが成長した証なのか・・これから追って行くことになります。滅茶美味しいので・・しかも値下げしましたので、どうぞよろしくお願いいたします。超お薦めです!!
以下は以前のレヴューです。
-----
【デカンター誌のシャルル・カーティスMWは・・なんと92ポイント!・・エレガントさと集中力に長けた素晴らしい出来です!】
ん~・・海外メディアでオート=コートクラスに92ポイント付けられるのはデカンター誌かティム・アトキン氏か・・ま、ティムさんもデカンター誌出身ですが、余りいないと思いますよ。
ある意味・・テイスターにとって下級キュヴェは鬼門です。低めの評価をしていれば、余り文句も言われないですが、ここに自身を信じて高い評価をしてしまいますと、何かと問題を引き起こす種を植えたことになってしまいがちだと思うんですね。
ですから・・オート=コートクラスは86~89ポイント付けておけば良い・・とも・・ワインの評価に慣れて来てしまうと思ってしまう可能性が高くなります。
デカンター誌もティム・アトキン氏も、比較的、自由な評価をしているように思います。
このワインもどちらかと言いますと、A.C.ブルやコート・ド・ニュイ=ヴィラージュに近い、やや淡いニュアンスなんですが、それらよりもパワーが有るんですね。
ですから、ファーストタッチでやや印象が異なります。やや力強く口内を押し拡げるような振る舞いで入って来て、チェリーやベリーのニュアンスを感じさせます。

コート・ド・ニュイ=ヴィラージュにある鉄っぽさ・・時に舌をジーンとさせるような感じもあるでしょうか・・重みのある振る舞いですが、これはこのオート=コートには無く、もっと中心部に寄った・・バランスの良さを感じさせます。
ヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュの西側の標高300メートル辺りには、オート=コートの畑が拡がっていまして、そのどこかは特定出来ませんが、
「やはり、ジュヴレと言うよりはニュイ=サン=ジョルジュ」
と言う感じがします。
新樽は使っていないようですが、明らかにコート・ド・ニュイ=ヴィラージュよりも軽やかで中心に寄っている性かバランスが良く感じます。言ってみれば、ジュヴレやコート・ド・ニュイ=ヴィラージュは、ちょっと真ん中を横に膨らませた ▲(さんかく)、オート=コートは同様に真ん中を横に膨らませ、上部と下部をへこませた ■(しかく)なイメージ・・でしょうか。
しっかりとパレットを膨らませ、下から上までバランスの良い味わいです。このオート=コートに92ポイント付けたデカンター誌、流石!・・と感じました。是非飲んでみてください!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【ファルスタッフも92ポイント、リアルワインガイドはポテンシャル91+点の凄いオート=コートは、2019年までのスタイルを捨てました!素晴らしいです!】

どこか土っぽさのあるフィサンやジュヴレを連想させるオート=コートでした・・少なくとも2018年までは・・。2019年ものは、実は改革がすでに始まっていたんですね。
ジェルヴェ系のワイン・・すなわち、ヴォーヌ=ロマネやシャンボール=ミュジニーなどのワインは、おそらくですが・・旦那さんのニコラ・フォールの関与も有ってか、ジュヴレ系のワインと比較すると、
「・・ん?・・同じ人が造ったワイン・・なの?」
と、ちょっと疑問を抱いた方もいらしたかもしれません。
noisy 的には、ジュヴレ系のワインは父親へのオマージュかな・・と思っていたわけです。
ですが、この2020年ものからは大きく変貌していると感じられます。
リアルワインガイドもポテンシャル91+点で、「口に含むと凄いのなんのって」と・・おっしゃってます。

A.C.ブルのレ・プリエールよりも幾分涼やか、冷ややかで、ややスタイリッシュな分、喉の通りも良いですが、ポテンシャルは爆上がりしているようにも思います。
しかも何とも果実のニュアンスがピュア、そして「しっとり」していまして、これがもう何とも良い感じに受け取れるんですね。もちろん果実はベリーにチェリー・・そして、酸がしっかり丸いパレットを描いてくれます。
今やオート=コートは次世代にはもっと評価されるべき存在になってくるんじゃないかと言われています・・もちろんそれは、地球温暖化を予想してのことだと思われます。
最近のブルゴーニュはしっかりし過ぎている・・とお思いの方も増えてきているかと思うんですね。あれだけ・・
「パスグラが旨いよ・・」
と何年も言い続けて、最近ようやくですが結果が出て来ました。
しかしながらヤン・ドゥリューのように、オート=コートに壮大な夢を描く人もいらっしゃります。そしてミシェル・グロもまた・・打ち捨てられていたオート=コートの畑を何年もかけて復活させています。
何とも涼し気で果実のしっかりした、ニューウェーヴなアメリーのオート=コート2020年、是非味わってみてください!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【オート=コートは激ピュア!・・親父さん譲りのしっかりした味わいですが、瑞々しく芯の有る美しい仕上がりで、滅茶美味しいです!】
A.C.ブルのレ・プリエールがナチュラル寄りの「ふんわり」したエレガントなニュアンスに満たされているのに対し、オート=コートは実にしっかりしていて非常に美しく、「滅茶苦茶ピュアで滅茶美味しい!」と言ってしまいたくなるような仕上がりです。
言ってみれば、ベルトー家のジュヴレの味わいをそのまんま持ってきたようなニュアンスでは有るんですが・・それだけには留まりません。
例えば2018年の村名ジュヴレは有ろうことか、ジュヴレ=シャンベルタン・クロ・デ・シェゾー2018を喰ってしまうほど素晴らしい仕上がりでした。一方、クロ・デ・シェゾーの方はポテンシャルは高いのはちゃんと理解できるものの、ややテクスチュアがゴツゴツとしていて硬く、少し時間の掛かる仕上がりとなっていた訳です。
その素晴らしかった2018年のジュヴレ村名の延長上に有るのがこのオート=コートでして、非常に美しく、しっかりしているのに強く無くしなやかで、よりピュアさを引き立たせる見事な仕上がりになっているんですね。
なので、先のプリエールのコラムにも書きましたが、もしこの2つを比較テイスティングすると、少し面喰らうかもしれません・・かと言って、このオート=コートがエレガントではない・・と言うことでは有りませんで、「あくまで比較の話し」なんですね。
アメリー・ベルトーのワインの二面性は、他のキュヴェにもある程感じられると思いますよ。もうすでに気付かれていらっしゃる方もおられるかと思います。
ピュアなオート=コートにナチュラルなレ・プリエール・・・。アメリーはベルトー家とジェルヴェ家・・そんな部分を忘れることなく表現したいと思っているのかもしれません。
お客様的には、
「自然派系が好きだから・・A.C.ブルの方かな?」
とか、
「ピュアなブルゴーニュが好きだからオート=コートを選ぼうかな?」
で、良いかと思います。美味しいですよ・・オート=コート!・・是非飲んでみて下さい。・・どこか以前のラマルシュ(~2017年)を彷彿させますが、でもA.C.ブルの中にもそれは有るんですよね・・困った・・ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【冷ややかさと端正さがA.C.ブルとの違い。よりスッキリ感を求めるのならこちらでしょう!】
温暖さを僅かに伝えるレ・プリエールに対し、対極的な「冷ややかさ」「端正さ」を見せるのがこちらのオート=コートです。
そもそもA.C.ブルの畑はほとんどが低地にあり、オート=コートの畑は丘の上ですから標高が高く、また日照の辺り具合から冷ややかになります。
ですが・・そんなことがワインを飲み比べて本当に判るのか?・・・でしょう?
それはワインが・・
「私、涼やかなんです・・」
と教えてくれるから、すぐに判るんですね。単独ではもしかしたら判り辛いかもしれませんが、比較して飲んだらほとんど誰でも一発です。
でも、ベルトーのワインほど、テロワールの違いを見事に伝えてくれている・・言ってしまえば、
「1本1本のワインが全然違う味わい」
なんです。
しかも、2013年は全般的に「淡く」「冷ややか」でした。そこでも確かに・・より「冷ややかさ」を伝えていたのがこのオート=コートだったんですね。
A.C.ブルが旨いか、オート=コートがより美味しいのかは、個人の好みに寄ると思います。ですが、
「ヴィンテージの背景と畑の個性をしっかり伝えてくれる!」
ベルトーのワインは素晴らしいと思います。これも非常にお買い得です。
「有名ドメーヌでおそらく・・最安値でしょう?」
是非飲んでみて下さい。超お勧めします!相当美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【一般的なジュヴレ村名とそん色の無い見事な風格!濃密です!】
「・・そう来たのか~~!」
まぁ、
「2017年もののアメリー・ベルトーはこんな具合になるんじゃないか・・」
と想像して臨んだテイスティングでしたが、ものの見事に裏切られました・・!淡く薄くエレガントな味わいを目指しているんじゃないか・・と思っていた訳です。言ってみれば、
「ヴォーヌ=ロマネで言えばミシェル・グロのオート=コートをさらにエレガントにしたような・・かな・・。ほとんど全房にして・・とか。」
と思っていた訳ですよ。
「とんでもない過ち!」
でした。
アメリー・ベルトーが目指しているのは、
「コート・ド・ニュイのトップ生産者!」
であることに違いありません。本気でD.R.C.とか、ルロワとか、ルソーとかと対抗できるワインに仕上げたいと思っているに違い無いんです。
それは、アメリーが造るこのオート=コートだけでは無く、フィサンやジュヴレを飲めば、なんとなくでも想像できるかと思います。・・いや、もっとハッキリ言ってしまえば、当面の相手はアルマン・ルソーでしょう・・だってワインがそう言ってますもん。ルソーのジュヴレにそっくりです。ルソーより全然香り高く、ワイン造りに対する意識も高いかもしれません。ルソーは結構に脱力系の味わいと言う理解ですんで・・。
なので、たかだか3千円ワインの味わいにとどまりません。骨格も太く構成も大きい。お姉ちゃんが適当に自分の好みだけで造るワインでは無いんです。高い意識と大きなこだわりを持って、その畑の魅力を最大に生かそうとしていると思います。
今飲んでも充分に美味しい・・ですが、仕上がり途中でも有ります。去年より3カ月も入荷が早いですし、noisy のテイスティングもワインの疲れを取るだけの時間が有りませんでした。
それでも、液体の中に封じ込められた香気成分たるや、凄いんですよ。スワリングが実に楽しい・・
「ワインって、こんなに香るものなんだ!」
と思っていただけます。
それでいて、今、ブルゴーニュで最もリーズナブルです。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ピュアな中にもナチュラルさと妖艶さ、そして柔らかく優しくフワッと拡がる味わいにクラクラッとさせられます!】
2016年のアメリー・ベルトーは実に素晴らしいと思います。もう、ベースのキュヴェからして旨い・・。ACブルのレ・プリエール・・素敵です。惚れちゃいます。オート=コート・・・さらに素敵です・・クラクラっとさせられてしまいます。
今回は2枚の写真を掲載させていただきました。まぁ、noisy のサイトをご覧になる方は、
「・・スマートフォンでも外じゃ(ページの容量がデカいから)厳しい・・家に帰ってパソコンで観ないと・・」
と思ってらっしゃる方も多いと思います。
本来ならも少しスマートにやりたいんですが・・準備はしていますので、スマートフォンの方はもう少しお待ちくださいね。携帯電話の方は・・すみません、無理です。PCや大き目のタブレットの方は現状で良く見えると思います・・すみません。
でも2枚目の写真なんぞを見ると、良く判りますよね。
「・・うわっ、なんて・・色!」
と思っていただけるに違いありません。
この辺は、フランソワ・ラマルシュのフィネス有る味わいにも通じるかな~と感じています。淡くて優しくて・・とにかく虜にさせられてしまいます。

もうさして申し上げることは無いんですね。皆さんも重々美味しさが判っていると思います。濃く無くて、エキスがしっかりしてて、優しい・・そして官能的なアロマも内包しています。
リアルワインガイド第63号は、今飲んで88+ ポテンシャル89 飲み頃予想 今~2033 と言う評価です。noisy なら90Points は付けます。ACブルとオート=コート、この2つを飲んだだけで幸せです・・。
写真に関して言いますと、次の新着までは何せ時間が無いものでして、澱が落ち切らずに・・ACブルとオート=コートをテイスティングしています。なので還って、
「グラデュエーションが見える」
状況だと思います。その分、透明感が損なわれているでしょう。
2016年、ニコラ・フォールの影を感じる見事な味わいになっています。是非飲んでみてください。このワインに関しましては一応フリーですが、際限無く在庫が有る訳では無く、あと1回、もしくは2回程度追加出来る位です。お早めに・・是非とも飲んで欲しいアイテムです!お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【やや重厚さの有る見事なオート=コート!ACブル・プリエールをやや大柄に、より冷涼にしたほんのり黒いチェリー!これも旨いです!】
何故ACブルを一推し・必飲ワインにしたか・・と問われれば、
「今すぐに飲んで誰も美味しさを疑わない状態なのがレ・プリエールだったから・・」
と答えます。
まぁ、さっさと飲んで滅茶苦茶旨いですから、喜んでいただけることは間違い無いと踏んでいます。
しかしそれは、他のワイン・・・特にさしてプライスの変わらない、この「オート=コート」を下に見ている訳では有りません。確実にポテンシャルの高いのがこの「オート=コート」です。単に・・
「少しだけまとまり切って無いだけ」
で有って、各々の表現は確実に上、そして「まとまるのに必要な時間」は僅少です。なので、このオート=コート」を一推しにしても全く問題無しです。
ほんのりカシスを感じさせるレ・プリエールに対し(赤が強い色なのに・・)こちらは見事にチェリーですね。カシスのニュアンスは無く、より大柄で、クラス上位を素朴に訴えて来ます。
同じように果実の旨みがたっぷり有って、ヴォーヌ=ロマネ的な美味しさを持っているんですね。熟してもかなり素晴らしいんじゃないかと思います。何故かリアルワインガイドはこのオート=コートをテイスティングしていないようですね。ACブルと同じように・・まぁ、母方からいただいた畑なのでしょうから・・と言う部分も有り、しかし父方から継承した畑のワインにも、その
「果実の旨み」
はしっかり有るのが・・不思議です。どうやってるんでしょうね~・・。
で、おそらくこの影響かな?・・と思えるのがエージェントさんのM君情報。
>すみません。全体的に入荷量激減です。そして多少恵まれたらしい2016年の数量も…さて、2015年のベルトー=ジェルベアメリーの小さな変革として樽内でのマロラクティック発酵があります。2015年はすべてのワインに共通しているようです。ワインの澱に良い影響を与えると判断したようです。発酵中の澱引きの回数も減らすことで醸造中のSO2添加が無くなった点もより柔らかくふんわりとしたベルトーらしいワインの質感に一役かっていることでしょう。全房発酵比率も少し高まったようです。そしてBourgogne Aujourd’hui誌138号での大絶賛。ブルゴーニュ全体でも特級レベルの評価となり、間違いなくフィサン最高の栄誉です。そして本文にはなかなか興味深い記事が…
とのことで・・
「香りのスピードは速いし良く香るし果実がしっかりピュアだし旨みたっぷりだしポテンシャルも高いし・・」
と言うこと無い仕上がりの2015年です。ご検討くださいませ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【充実したニュイ=サン=ジョルジュ近郊のオート=コート!!エキスが充実し果実感もたっぷりです!】
どうでしょう?・・2013年ものに比べると濃いですね。到着してからテイスティングまで時間を余り掛けられなかったので若干、「休養不足」で「澱が舞ってる」状態も見えるかと思いますが、
「ニュイ=サン=ジョルジュっぽい感じに見える」
かな~・・と・・(^^;; 思います。ブルゴーニュ・レ・プリエールのように透明なものでは無く、わずかに白かったり、わずかに茶が強く入っているような・・そしてタンニンもより多く含まれているような色合いに感じられるかもしれません・・って見ただけでそこまで判るのかよ・・とは突っ込まないでくださいね~。クセなんですよ。長年に渡って「(味わいを一旦)想像して(決めつけて)から飲む」を繰り返してしまったので、そうじゃないかな~?と思ってしまうんですね。最も、「前言撤回するのも得意」でした。
面白いのは、やはりこのオート=コートはジェルベからの畑なんですよね。そんな雰囲気は2013年よりも伝わっています。それにやはり2013年との色合いの密度の違い!・・雲泥の差が有ると思いませんか?
非常にエキシーだった2013年ものですが、2014年ものはそこに要素の種類の多さと、各要素の分厚さが入っています。しっかりと「濃度」の有る味わいで、上記のように、「ニュイ=サン=ジョルジュ」っぽいような味わいの多層感が有り、しかし余り土っぽくは無く、冷涼な酸の美味しい味わいが有ります。
これ、1~2週間ほどしっかり休養させて落ち着かせたら、今でもかなり美味しいと思いますよ。濃密さが有る分、まだ仕上がりきっていないバランスだとしても、それを完全にマスキングしていると思うんですね。
価格も他のドメーヌでは「パストゥグランさえも買えない」ようなものですから、かなりお買い得と言えると思います。
非常にリーズナブルですが、アメリー・ベルトーらしい、ドライで旨みがキッチリ乗り、エキス中心の充実した味わいです。お勧めしたいんですが、こちらはこれが最後のご案内かと思います。是非お早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は2013年のこのワインのレヴューです。
━━━━━

実に美しい・・淡いルビーな色合いをしたオート=コート・ド・ニュイです。アメリー・ベルトーのワインのコルクを抜くと、まず何とも言えぬ甘い果実の香りがそこはかとなく漂うんですよね。これは、彼女のどのワインでも言える事で、ほんのりと赤く色付いた果実のエキス由来だと思いますが、揮発性の・・香水のような成分のアロマティックさだと思います。何とも良い感じなんです。
ワイナート誌を見ても、「少し青っぽい」・・みたいな表現が見受けられますし、飲まれたお客様も同様のニュアンスを言葉にされますが、ワイナート誌は別にして、お客様からは「マイナス印象としての青っぽさ」だけだとは思えない言葉だと理解しています。
つまり、良い意味での青っぽさと言うか、将来的に消えるとか、将来的に別の要素に変化しつつ有るもの・・のような意味合いですね。
実はそれは「大正解」なんですね。醸造中に余りにいじくりまわしたワイン・・は、その青っぽさは別の要素をくっ付いてしまって、
「青臭い」
ワインになってしまい、茎っぽかったり、サラダ食べてんじゃね~ぞ~!・・のような感じになってしまうことが有ります。
ですが、アメリーのワインは、例えばピジェアージュも発酵後半にチョロっとするだけのようですし、おそらくワインにストレスを与えないように優しい手順を踏んでいると思われます。
なので、その若さ、青さ、植物っぽさはむしろ、構成の大きさを表現して行く大事な要素の一つだと考えることが出来ます。
たとえば、ワインにはとても重要な「渋み」・・・これも弄繰り回してしまうと、タンニンや他の渋みを持つ要素が別のものと結合してしまって、「渋さ」「くどさ」を固定してしまいますが、若いときの単に渋みは、将来的な「甘さ」と「大きさ」、そして「将来そのもの」を表現してくれる「シード」なんですね。
このオート=コートは、現段階(2015年10月1日)においては、若干の青みを抜栓直後から15分ほどの間、感じることになります。しかし、その時間が過ぎると、むしろ今まで感じていた青みは消え、ボディの大きさと甘み、果実感を助長していることに気付くはずです。
つまり、まだワインとして安定していない時期のピュアな青っぽさは、決して悪いものだけでは無いんだ・・と言うことなんですね。
このオート=コート、フランソワ・ジェルベからいただいたニュイ・サン・ジョルジュ近郊の畑だそうで、言われてみればニュイ=サンの複雑性豊かな味わいをやや冷ややかにした・・そのまんまの味わいがします。とても優れたワイン・・でも15分待ってね・・もしくは、その変化を楽しんでね!・・と言うワインなんですね。
優しさ、複雑さはACブル・プリエールには無く、軽やかさは劣るもののエレガントさも有り、総合的には上です。価格はそう変わりませんが、この成長途中、落ち着く過程にあるオート=コートを楽しむことは、アメリーのワインを理解する早道なんじゃないかと思います。
残り全部を購入しちゃいましたので、この数で最後です。是非ACブルや他のワインと合わせ、楽しいブルゴーニュ・ピノ・ノワールを感じてみてください。お奨めします!