【飲んでご案内させていただこうと意気込んではいたんですが余り買えませんでした・・】
もうかれこれ15年以上、追いかけているドニ・モルテです。96年もの位から注目し始め、素晴らしい1999年、2000年のシャンベルタンやクロ=ヴージョに、アンリ・ジャイエのニュアンスを感じてとても嬉しかったのを覚えています。日本のエクスクルーシヴが見当たらなかったのでブローカー経由で普通に仕入れていましたが徐々に評価が上がり、今度は価格上昇に苦しめられ・・あの素晴らしいシャンベルタンはまともに買えないようになってしまったので、
「まぁ・・クロ=ヴージョでも目茶美味しいから・・」
と我慢していましたが、そうこうしているうちに不幸な事故でドニ・モルテは亡くなってしまいました。
ある意味、時代の流れだったのかもしれません。ドニ・モルテのワインは比較的濃密な味わいでは有りましたが、ペロ=ミノのような凝縮感の塊・・エレガントなニュアンスなどどこ吹く風・・のようなもので有りませんでした。ちゃんとブルゴーニュらしいエレガンスを持ちつつ濃密さも備わり、ミネラリティもしっかり・・そんなほぼパーフェクトなワインかなと・・その当時は思ったものです。
1999年のブルゴーニュワインの「酸不足」が言われ、それまでの化学肥料や農薬に頼った「不健康に肥満したワイン」が問題になるにつれ、ブルゴーニュワインは1970年以前のような有機栽培の方向へ大きく動き始めました。他地区での動きがブルゴーニュのコート=ドールにも飛び火したのでしょうか。ブルゴーニュに生まれたらヴィニュロンは早かれ遅かれ「ガx」で死ぬ・・とさえ言われていました。その流れが変わり始めたんです。
そしてドニ・モルテも先代のやや濃密路線からエレガント路線に変化してきました。区画別にキュヴェ立てしていたのをやめ、シンプルなラインに変更、滑らかで美しいワインに変わったんですね。
今回は良年2011年のV.V.です。ブローカーものですが、何故か見た感じでも正規より良さそうに思えてしまいます。もし残るようなら飲んでみようと思っています。ご検討くださいませ。