
カズィ・モノポールの写真と比較すると、だいぶ落ち着いている・・と言うか、光沢が出て来ていると思いますが、実際、1日の休養の差は、それがボトルを立てている期間で有るとするなら、結構に大きいです。
なので、このようなフィルターをしないキュヴェや、瓶熟が長くなってきたボトルには、しっかり立てて澱落としをすることで、
「全く異なる印象」
になる場合がありますのでご注意くださいませ。
時折、発送した翌日の到着日にいきなり開けられ、「澱だらけで飲めません」と電話でクレームを言われることが有りますが、美味しく飲めるかどうかはお客様次第なんですね。
このプレモー辺りの1級を飲むと感じる「肉」っぽい感じ・・は、クロ・デ・コルヴェやクロ・デ・ザリジリエールと共通かな・・と思います。そこに紫の果実がしっかり目に入り、質感高いベルベッティなタンニンがこのワインの大きさを物語っているかのようです。
少々グラスを振っていますと、とても目の細かい高周波のスパイスがおしとやかに香って来ます。
「ん~・・やっぱり・・クロ・デ・ザルジリエールに・・近いなぁ・・」
2002年のオー・ペルドリは、ま~濃いし、結構にタンニンも有るし・・余り好きじゃ無かったのは事実です。そこに畑由来のエレガントだったらどんなに輝くだろう!・・と思える要素が差し込んで来て・・
「ガ~っと濃くするか、エレガント系を表現するかのどっちかにせい!」
と思った・・ような記憶が有ります。
確かにこの時も、相当に海外の評価が高くなってきており、ポイントも高かったので仕入れてみたんですが、結局余りテンションが上がらず、余り売れませんでした。
しかしながらこの2011年の熟し始めの「レ・ユイット・ウーヴレ」は、不要な濃度はほぼ無く、丸くなり始めて美味しさがちょうど出て来たタイミングだと思われます。
ちょっと、シルヴァン・カティアールを思い起こさせるような緻密さもありながら、オー・ペルドリと言うか、プレモーらしい起伏の大きなウネリ、パワーみたいなものも感じさせてくれました。
これ、ちょっと・・リーズナブルなんじゃないかな?と思います。1922年に植樹された区画からの超絶なV.V.ですから・・そんな緻密な部分と、おおらかさが交錯するプレモー1級らしいピノでした。是非挑戦してみてください。お勧めします。
P.S.・・あ、2012年ものは、ゴー・エ・ミヨ誌でも18/20ポイントと、結構に高い評価です。2011年ものよりさらに精緻な仕上がりかと思われます。