
面白いもので・・カミさんにドライな「セック」とこの「モワルー」を少しずつ飲んでもらいました。まぁ・・結果は予想通りでは有ったんですが・・
「次はどっちが良い?」
と聞くと、
「ほんのり甘いやつ」
と期待を裏切らないお言葉を頂戴いただきました。
「(ほら・・やっぱりね・・)」
まぁ、カミさんはワイン屋の女房では有りますが、ワインのことは何も知りません。ワインの梱包はもはや「プロ」では有りますが、自分の感性や欲望に従い、「モワルー」を選んだわけですね。
やはり美味しいんですよ・・めちゃ。ほんのり「トロッ」とした粘性の在る、僅かに橙色の入ったゴールドな色合いから、酸とミネラリティに異常に長けた成分と釣り合うだけの「僅かな甘み」が人間の願望や欲望を満たしてくれます。
マリアージュも楽ですよ。日本食から中華、勿論フレンチやイタリアンも行けちゃいます。何せ甘みが穏やかなので、下手をすれば、
「・・あれ?・・甘く無いじゃん」
と言い出しかねません。
そう・・その言葉もカミさんです。最初にモワルーを飲み、二杯目にセックを飲んでます。セックはこれまた酸とミネラリティが凄いですし、モワルーは陰干ししていますので、そのフレッシュ系の酸は穏やかになってるんですね。
ですので、「甘みは穏やか」に設計されていますので、二杯目のフレッシュな酸の存在に感覚が支配されており、絶妙な甘みバランスのモワルーが最初より余り甘く感じず、
「・・これって同じワイン?」
とまでは言いませんでしたが、人間の感覚って、結構に相対的なものなんだと再認識させてくれました。
その上で高貴さも有り、イタリアのアパッシメントな甘口とは一線を画すバランスがまた絶妙で、ついついまた飲みたくなってしまう訳です。ですので、滅茶甘いワインが飲みたいと欲される場合は、このモワルーは役不足です。でも、
「女性にも、勿論自分にも美味しいと思える少しだけ甘みのある高級ワインが飲みたい」
のでしたら、むしろこのモワルーしかない・・と思います。
noisy もたっぷり楽しませていただきました!是非ご検討くださいませ。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【現在、やや甘口ながらも最高の食中酒と言えるでしょう。マンモス級のクリスタリーなミネラリティと豊富でバランスの良い酸、そしてクリーミーな舌触り!素晴らしいです!】
以下、以前のレヴューをそのまま使用しています。

昨夜、あるエージェントさんの担当と電話で話しをしていてヴァン・ジョーヌの話しになり、
「そうそう・・あのxxxって造り手のサヴァニャンってそっちに在庫はまだ有るんだっけ?」
「有りますよ~・・。ヴァン・ジョーヌはだいぶ少なくなりましたが・・あと2~3ケース位かな?」
「そうか・・じゃあすぐ無くなるかもね。」
「・・いや・・皆さん、1~2本のご注文ですから・・大丈夫でしょう。」
「えっ?」
と言ったまま、少しの合間、noisy も絶句してしまいました。
「ワイン屋が1本とか、2本とかの発注なの?」
「そうですよ。取り敢えずこう言うのも並べておこう・・もしくは受注発注的な?」
まぁ、人それぞれですから他人の商売に口をはさむつもりは有りませんが、それで良くワイン屋面が出来るなぁと・・思っちゃいましたね。ちょっとカルチャーショックでした。数が無くて、人気が有って・・とか、割り当てで・・それで1~2本と言うのなら判りますが、おそらく同じものじゃなくても飲んだことさえ無いアペラシオンや銘柄でさえ、品揃えの一環としてのみの発注じゃぁ、そりゃぁ、エージェントさんの説明文を丸々コピーしてネットに掲載するしかないでしょう。
そうは言いつつも、人気銘柄で割当数量が少なく、ワイン屋でも中々飲めないワインが有り、このディディエ・ダグノーのレ・ジャルダン・ド・バビロンもそんなワインの一つでした。noisy も一度飲んだきり・・いや、飲ませてもらったと言うのが正しいですが、自分で開けられるほどは入荷しないアイテムでして、何とかしないと・・と思っていたところ、やはり・・と言うか、なるべくして成った・・と言うべきかは判りませんが、販売の方も一巡して止まったような感じになってしまいました。
そうりゃぁそうでしょう・・売る方もどんなワインなのかは良くは判っていないんですから・・ね。ちらっと甞めた位のエージェントさん主体の試飲会での判断がまともに出来るほどのテイスティング能力を持っていれば別ですが、数十アイテム以上が普通の試飲会では、細かな情報はさしては得られないものです。
なので、このレ・ジャルダン・ド・バビロンだけでは無く、今回のディディエ・ダグノーは出来るだけ飲もうと・・心に決めてのご紹介です。営業的には「・・なんだかなぁ・・」になってしまいましたが、やはり素晴らしいワインを、
「xxだから素晴らしい!」
「xxだからお勧めしたい!」
と言えるのがワイン屋だろうと・・いや、八百屋さんでも肉屋さんでもまともな商売ならそうですよね。毎日、最高級のA5ランクの国産和牛しか食べない・・と言うのも肉屋としてどうかな?・・とは思いますけどね。

以前に飲ませていただいた時には、
「旨いワインだなぁ・・」
と言う印象で、他にも山ほど・・ワインを飲んでいたので、細かな印象を脳裏に留めておくことは不可能でしたが、それでも、
「デザートと言うより食中酒だろう?」
と・・結論していたように思います。最も、熟成を重ねて10~20年も経つと、かなりトロリと甘味も効いて来るかなと。
昨今のディディエ・ダグノー・・と言うか、ベンジャマン・ダグノーのワインは、全体的にディディエ時代のエキスの濃さと純粋さはそのままに、So2の量はさらに減って来ているように思います。テクスチュアが以前よりしなやかなんですね・・。
で、ミネラリティはガラス系の透明感たっぷりなものがてんこ盛り状態で感じられます。テカテカと輝いています・・。アロマはクリーミーさの有る、やや色付た感じで、オレンジ、黄色、茶色の果実系です。
甘い・・と言うほどは甘く無く、じゃぁ・・甘く無いのか?と問われるなら・・いや、甘さは有る・・と言うべき感じで、要は、
「バランスの取れた酸がたっぷり存在している」
から、単に甘いだけにも感じないし、このワインを気品の有るものにしているのでしょう。
安くて甘いワインは酸がまともには有りませんで、ただ甘いのでダレてしまっています。なのですぐに飽きてしまうし、結局は残してしまって勿体無いことになります。
しかし・・これはもう・・飲んでしまいます。胃を目指して球体の物質が「スト~~~ン」と落ちて行き、また還りのアロマと、舌に残る複雑な味わいを噛みしめることになるんですね。飲んでからしばらくは、その余韻に浸ってしまいます。
「でも甘さで食中には厳しいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、
「全くそれは当たらない」
と言っておきましょう。
非常に・・マリアージュしやすいワインです。高質、高貴でやや甘口ながらも、食の邪魔を一切しません。むしろマリアージュに気を使わないで済み、しかも食をしっかり引き立てつつ、このワインの余韻でしっかり自分を主張する感じです。
まぁ・・3人で飲んでるとあっと言う間に無くなっちゃいます。
「・・もう少し・・飲みたいなぁ・・」
と思うかもしれません。でも2人なら、グイグイ飲む感じにはワイン自体がさせてくれませんのでちょうど良いでしょう。
色合いも実に・・そそりますよね。ちょっと薄い緑を持っていて、黄色が濃くて、良い感じです。
そして、ナチュラルなんですが非常にピュアです。決してこのワインが持つ美しさを汚すようなことはしないビオ系ワイン・・と言えるでしょう。
とても素晴らしいです!コンディションも素晴らしい!・・飲んだらもう1本、欲しくなっちゃうでしょう!でも3本の入荷で1本飲んじゃいましたので・・残りは2本です!是非ご検討ください。素晴らしい食中酒です!