【おそらく今までで最も「ふかふか」とした畑の柔らかさをワインのテクスチュアと印象に表現した「ドメーヌ・ディディエ・ダグノー」のヴィンテージでしょう!】

残念ながら余りにも少ない入荷でして、
「・・どうしたら良いのか・・」
と途方に暮れてしまいました。大沢誉志幸さんのあの独特の声が頭の中でリフレイン・・(^^;; まぁ、たったこれだけで判る方は・・若い方はいらっしゃらないかと思いますが、中々の名曲かなと・・。この「エトセトラ」にしましても6本しか入荷が無く、他は全て1~3本ですので・・途方に暮れた後は、
「・・カニ食べいこう♪♪」
まで流れて来る始末でして・・エトセトラだけに・・なので、この際、何とかこのエトセトラだけでもテイスティングしようと決めました。まぁ、ダグノーですから何も間違いなどは有りはしないと思っているんですが、
「少なくともヴィンテージの傾向が見れれば・・」
と言うことで持ち帰りテイスティングしました。
そうしましたら・・やはりこのところのベンジャマンになってからの躯体の「柔らかさ」がさらに顕著になり、ディディエの頃の「石を嘗めるような・・タイトで味わいの薄い表情」では無くなって来ています。
面白いのは・・今のベンジャマンになってからの方が判りやすいはずなんですが、ディディエの頃のハードなロックでは無く、少しソフィスティケイトされたロックに感じられるのでしょうか、
「親父さんの時のワインがポテンシャル高い」
と言うようなご感想も有るようです。勿論、その辺は飲まれる方の好みですからそれで結構なんですが、親父さんの頃には、
「味がしない・・酸っぱいだけ」
と・・ネットでは随分とブログなどに上がっていましたから、何とも不思議な感じがします。・・別に良いんですけどね・・美味しければ!

そうですね・・もう、最初から柑橘系果実の繊細かつピュアな・・素晴らしいアロマが上がって来ます。ミネラル感もややゴロっとした石の感じがしますが、その石が・・何と言いますか、白や茶色の粉を噴いているようなイメージで、それが「片栗粉をまぶしたようなミネラリティ・・その中に石」・・のような感じなんですね。
ですから・・ディディエの頃は、リリース時もの凄くハードで、エナジーのベクトルは内向きだったものが、ベンジャマンになってからは徐々にそのベクトルの向きが逆転・・と言いますか、外向きのベクトルが大きくなってきた・・そんな感じだと思っていただけますと近いかなと思います。
ボディもタイト一辺倒では無く、太さを感じるイメージです。余韻もミネラル感だけではなく柑橘な果実感と果実酸的なものをしっかり感じられますから、今から飲んでも・・一応美味しく飲める・・ように変わって来ています。
中々にメディアの情報も見当たらなかったんですが、ヴィノスで92ポイント、付いているのを発見しました。飲み頃は2023年~2033年となっていまして、ヴィノスの短い飲み頃期間はアドヴォケイトから伝わった伝統なんでしょうか。
今から美味しく飲めますが、ポテンシャルの20%も感じられれば良い方だと思いますよ。それでこれだけ・・美味しくいただける訳ですから・・はい。
因みに・・2020年ものは毎年飲んでいた「ピュルサン」さえ飲めませんでしたが、ヴィノスの評価ではなんと・・シレックスを上回り95ポイント・・と言う・・ヴィノスとしては非常に高い評価をしていました。なので、
「何とかピュルサン、飲めないか」
と画策したんですが上手く行きませんでした。
常々言ってますが、人気が今ひとつのピュルサンって・・とてつもなく旨いんですよ・・。そりゃシレックスの硬質で高質な火打石っぽいニュアンスは何とも心地良い訳ですが、ピュルサンだって凄いですよ?・・とお伝えして来た部分を2020年もので確認・説明できなかったのは残念では有ります。
非常に少ない2020年ものです。フィネスさんは少な過ぎると思われたのか、2019年ものを少しだけ分けてくれましたので、そちらもご案内させていただきました。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【唯一無比!?完全無欠のブラン・フュメ・ド・プイィ!・・以前のままにマンモス・ミネラリティを宿しながらも柔らかさを増して来ています!素晴らしいです!】

スマホを変えました・・食事中に撮るのでスマホ必須なんですが、流石にバッテリーが一日持たなくなって来たのと、小型のiphoneだと・・もう小さい文字が何とも厳しくなって来てしまいまして、
「一番大きいiphone」
に変えました。レンズが3つも付いてて派手な見た目・・しかも激重・・でも、もうしょっちゅうワインの写真を撮り、お客様のご発注の処理をする noisy には必須です。
ただし・・撮れ方が今までと少し違うので、慣れが必要なようです。いまひとつの写真になっていましたら申し訳ありません。
ブラン・エトセトラ2019...良いですね~・・たしかにピュル・サンやシレックス..激旨なんですが、まぁ・・エトセトラで充分とも思えてしまいます。
この何年かのダグノーのソーヴィニヨンは、親父さんの時代のマンモス・ミネラリティはそのままに・・硬さを少しずつ和らげて来ました。何も変わっていないように見えて・・実は大きく変化して来た訳です。

「何せ、以前の(10年以上前の)ディディエのブラン・フュメは、リリース直後はとてもじゃないが飲めなかった・・」
訳ですね。
「激有名ドメーヌのワインにしては全然美味しく無い!・・味がしない!」
なんてブログがアチコチに上がっていた訳です。noisy はそれを打ち消すように・・コラムを書き続けていました。
「一日一杯だけ・・4週間掛けて飲んで!・・もしくは栓を抜いて4週間経ってから飲んで!」
みたいな感じです。
今や・・そんなことは不要です。少なくともリリース直後から理解できる味わいです。
柔らかさの中に潜り込んでいるとんでも無い量のミネラリティ。ダグノーならではの均整の取れたアロマ。脳髄にすっと入ってくるようなイメージの品とスピードの在る柑橘フレーヴァー・・。
柔らかさの中の硬質さ・・と言っても良いかもしれません。白ワインの醍醐味の一つでしょう。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【A.O.P脱出後に名前が無かった元アンシャイユ・・ブラン・エトセトラと命名です!】
ベースのブラン・フュメ・ド・プイィだったワインです。名前を新たに付けていただいて、
「ブラン・エトセトラ」
と成りましたのでお見知りおきくださいませ。エトセトラは実際には「エトセテラ」らしいんですが、混乱してしまいますので英語的に・・noisyも空気を読めるようになりました。
非常に良いです。ドライで適度な膨らみが有り、ビターな余韻が柑橘フルーツのリアリティを高くしています。
シレックス的でも有りますが、半分はもっと普通に石灰的なミネラリティだと思います。なので、クリスタル的・・に透明でも有りつつ、白っぽさがそこに乗っている感じです。
勿論ですが、今から最大限美味しい時期を迎える・・なんてことは有り得ません。海外メディアのご重鎮たちは平気で「10年以内」などと言ってますが、余りに的を得ていないので、そのような雑音は聞かないようにしてください。
「何とか美味しく飲めるタイミングが比較的早い段階でも出てくる可能性が有る」
と言うだけです。
もっとも、今までこのワインが大好きで、比較的早いタイミングで飲まれてきた方なら、
「・・滅茶美味しくなった!」
と思っていただけると思いますよ。
ダグノーとしますと、単に畑の勝手にさせるだけ、葡萄が成りたいようにするだけ・・と言うスタイルでは有りません。
「そこに人間の関与が有って葡萄がワインに昇華する!」
と確信しながら、その道を極めようとしている様が見えて来ます。
言ってしまえば、そもそも畑に葡萄を植えた時点で「自然に任せている」訳じゃ無くなっているんですね。禅問答みたいになってしまうので止めますが、それでもダグノーのビオは孤高のスタイルだと思っています。ご検討ください。ディディエ・ダグノーの意思を感じていただけるリーズナブルな「プラン・フュメ」の息子です。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!これにケチを付ける INAO の方々の頭の硬さは、先代ディディエのシレックス以上。是非ともこの素晴らしいブラン・フュメのディテールに包まれてみましょう!】

こんな時にこそ、以前のヴィンテージのものの写真を撮っておいて良かった・・と思うんですが、比較してみていかがでしょう?因みに、大きさのみの変更で、明るさや色合いの調整は全くしていません。そのため、少し暗い写真になってしまっていますがご容赦ください。
淡く明るい緑の入った輝く黄色をしています。これにもし、それなりの量の揮発酸が出ていますと・・こんな感じには撮れません。もっと薄い茶系のグラディエーションがエッジに出てくるのが普通ですが、こちらはとても健全に見えるはずです。
そうなんですよ・・もう、開けた瞬間から見事なアロマが飛び出して来ます。とてもピュアです。揮発酸については、嗅ぎ取ろうとさえしませんでした。そんなことは無意味なほどに仕上がりの良さが現れていたからです。
そして、普段のディディエ・ダグノーのブラン・フュメの「硬さ」は無く、テクスチュアは見事なまでに滑らかでありつつ、フルーツの果肉のような起伏を口内で感じることが出来ます。こんなことは今の今まで、ディディエ・ダグノーのブラン・フュメに感じたことはありませんでした。
なので、
「1カ月掛けて飲んでね・・」
のように言っておりましたが、2017年ものに限っては、どうやらその心配は無いようですよ。
何せINAOさんがプイィ=フュメのアペラシオンを許可しなかったそうですから、他のキュヴェも同様なはずです。すでにテイスティング済みのフィネスさんの担当さんにも確認しました。
「いや~・・どのキュヴェもとても美味しいんですけどね・・認可が下りなかったそうですよ。サンセールだけは下りたのでA.O.P.を名乗ってますが、他はヴァン・ブランです。今までに無く柔らかくて美味しくて・・」
とのことで、それもまたnoisy が受けた印象と全く同じでした。
「それ・・So2 の使用量が滅茶低いんだよ・・」
と伝えておきましたが、この活き活きとしたディテールの素晴らしさは感動ものでした。
ただし・・ど~も数が無いようでして、しかも2017年のビュイッソン・ルナールについては日本未入荷で、今のところ造ったのかどうかも判らないそうです。
劇的に美味しくなった・・生まれ変わったと言って良い、ディディエ・ダグノー2017年でした。ベンジャマンとシャルロットも、さらに前進すべく、頑張っているのが判る危険性の無い2017年です。
あと、このように酸化防止剤の少ないワインは、やはり熱や温度変化への耐性は低くなりますので、温度管理をキッチリして、お楽しみください。素晴らしい2017年!是非ご堪能くださいませ!ブラボー!
以下は以前のレヴューです。
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【割り当てが少なくて飲めませんでした・・が、2016は凝縮した密度の高い味わいのようです!】 2016年は少なくてもしょうがないですよね。淡くて軽い味わいの年かと思いましたが、ピュル・サン、シレックスと飲ませていただき、そのピュアなスタイルは全く不変、テロワールの違いをも見事に感じさせてくれた素晴らしいヴィンテージだと思います。
比較的早く熟すベースのワインですので、是非、開かせながら飲むような感じで楽しんでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【ディディエ・ダグノーはベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィでもこんなに美味い!2015年も超お勧めです!】

いや~・・美味いですね~・・ピュール・サン2015年の方は敢えて時間を取って飲ませていただきましたが、こちらのベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィ2015年は・・サクッと、三人であっと言う間に無くなってしまいました。
ちょうど・・何と言うか、シレックス半分、ピュール・サン半分のミネラリティをやや緩くしたようなニュアンスで、しかしその緩さが有るからこそ「肉」が判るから余計に美味しい・・そんなイメージです。
ただしこれも、コンディションを第一にお考えのフィネスさんのワインだからこそ・・かもしれません。勿論、2015年ものがそのように仕上がっている・・と言うことかもしれませんので、その判断は微妙では有ります。
しかし、酷いコンディションのダグノーのワインも何度か口にしていますが、これがまた・・呆れた味わいになってしまってるんですね。
流通が悪いのか、エージェントさんの扱いか、ワイン屋の性か、もしくはお客さんの保存や考え方の問題か・・様々な観点が思い浮かびますが、少なくともひとつ言えるのは、
「保存の温度が高過ぎる!」
と言うことでしょうか。
そのため、ワインに積み重なった余分な積算温度が、美しいディテールだったものを壊してしまうんですね。
でもまだそれは有名になった生産者で有れば、生産者の性にされることは少ないでしょう。しかし、そのコンディションの良く無いワインに対する矛先は、簡単に生産者に向かいます。
「この生産者はダメなんだ・・」
と単純に考えてしまうんです。
そうなると、その情報は拡散され、真実ではない姿がネット上に溢れてしまいます。ディディエ・ダグノーも一時期・・そう、日本のネット創成期に、その憂き目に遭っていたんですね。
なので、noisy も火消しに躍起になった記憶が有ります。
「そうじゃないんだよ・・」
と。
この素晴らしい2015年のブラン・フュメ・ド・プイィも、さっさと飲み切って、非常に美味いです。
「ソーヴィニヨン・ブランと言うのは美味い白ワインなんだ!」
とも勘違いしてしまいそうです。
しかし、この先何十年も寿命を持つワインです。出来れば1本でも、セラーで忘れた存在にしていただき、20~30年ほど経過したベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィをご賞味いただきたいなぁ・・と思います。
今回は余りいただけませんでした。追加できるかどうかは今のところ不明です。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです!
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【これで充分・・とも言えるキュヴェです!】
もし、ディディエ・ダグノーの上級キュヴェを絶対に飲まない!・・と決めていらっしゃるのなら、もうこれ以上のプイィ=フュメは存在しないし、充分な満足感が得られるワインです。フランソワ・コタも素晴らしいですが、ナチュラルさではディディエを上回ったとしても、総体のポテンシャルでは届かないんじゃないかなと・・だから本当に・・充分なんでしょう。
そして、このスタンダードなブラン・フュメ・ド・プイィは、ディディエ・ダグノーの全てのキュヴェの味わいを内包するようなアロマと味わいですから、
「ディディエ・ダグノーとは何ぞや?」
と言うような疑問にもたっぷり応えてくれる能力を持っています。下から上まで、しっかり旨いのがディディエ・ダグノーです。
ですが勘違いしないでいただきたいのは、今飲んでいるこの「ブラン・フュメ・ド・プイィ」の今の味わいこそがこのワインの全てでは無いと言うことなんですね。今飲んでも滅茶美味しいです。昔のディディエ・ダグノーのように、パッキパキでは無いと言えます。なのでとても旨いんですよ。
でもそれが全てでは無い・・歳を経る毎に深みを増し、表情は豊かになります。マンモス・ポテンシャルなプイィ=フュメなんです。

そして、香りのスピードは速く、非常にピュアです。なんの穢れも感じない無垢な美しさを持っています。その上で、ナチュラル感もたっぷりです。柔らかさを増してきた2014年です。
アロマはしっとりとスパイシーで、黄色や白い花の低域から高域までを感じられます。石灰系のミネラリティは比較的軽やかで、しっかり白い色とほんのわずかに黄ばんだ感じが伝わって来ます。
中域も適度に膨らみます。何と言っても美しい酸がパレットに拡がり、ややマッタリとした濃密なエキスが舌の上で時間を掛けて解れて来ます。
非常にドライですがエキスの旨みが素晴らしい・・非常に細やかですが、僅かに粒子を感じるような終盤から、ナトリウム系の崩壊感を伴う長い余韻・・まん丸なビターの粒子も感じさせながら再帰的に大きな構造をイメージさせつつの収束です。素晴らしいワインでした!
残念ながら・・店を手伝っている我が息子は、ちょっとワインが美味しいと・・余り飲めないクセに、やや多い回数、グラスに注いで自分の分をしっかり確保してしまいますので・・(^^;; まぁ、noisy の健康のためを考えてやってくれているんだろうと思うようにしていますが・・ボトルの底にたどりつくのが非常に早いワインでした。
旨い白ワインは赤ワインを凌駕してしまう・・とも思っています。勿論・・赤も大好きですが、こんなソーヴィニヨン・ブラン・・知らなきゃ大損だと思います。是非飲んでみてください。素晴らしいです!