
昔別れた片思いの恋人に再会したような・・ちょっと切ないような、でも嬉しいような・・でも楽しいひと時を過ごしました。コント・ラフォンもドミニク・ラフォンも、ワイン屋ではあっても色んな障害で、そう簡単にコルクを抜けるアイテムでは無いのはご存知かと思います。
輸入元の絡みも有り、昔からコント・ラフォンの扱いは非常に難しかったです。ドミニク自身が自由にやりたいという・・ドミニク・ラフォンのアイテムも同様で、入荷数は安定しない・・と言うより、
「入荷しないと思っていた方が精神的に楽・・」
な状況が長く続いています。
でも今回はようやっとまとまった数、24本をいただけましたので、飲んでみました・・と言うか、飲んじゃいました~!
ドミニク・ラフォンのムルソーは、変更が無ければショーム・ド・ナルヴォーと言う岩場に開墾したレ・プティ・モンターニュと言う村名リューディ単独です。
これは以前のコント・ラフォンのムルソーに使用されていました( En La Barre、EnLuraule、La Petite Montagne です。)。コント・ラフォンでは、自社所有畑のみになりましたので、しばらくは使用されていなかったと思うんですが、ドミニクがドミニク・ラフォンを始めるに当たって、このレ・プティ・モンターニュの畑を自身でフェルマージュしたんですね。ちょっと興味深い・・まぁ、そんなのはnoisyだけかもしれません。
この畑は1級のグット・ドールやレ・ブーシェールの上部に有り、この2つの1級のニュアンスに似た「こってり」した部分と、レ・ナルヴォー的な「石の厳しい感じ」を持っていると思います。
昨今のラフォンの作風同様に、「新樽」のニュアンスはまず感じません。非常にピュアでしかもナチュラルです。ムチムチっとしてます・・。ほんのりと「グリーン」な色を忍ばせる美しいゴールドから、ムルソー的なキツ~イ石たちの洗礼を受けます。・・でもこのキツ~イ石たちが良いんですよ。少量を口に含み、舌と口蓋で磨り潰してゆくと・・非常に細やかな石灰なニュアンスと熟しているのに新鮮なフルーツをタンマリと感じることが出来ます。昔からコント・ラフォンをお飲みの方はもう・・想像出来ちゃうんじゃ無いかな~と思いますよ。まぁ、造っているのがドミニクですから当然かもしれませんが、
「コント・ラフォンのムルソーそっくり!!」
まぁ・・冗談では無く、こう言うワインをドミニクは造りたいんだな・・と言うことは本当に良く判ります。
中域の膨らみは適度、オイリーで余韻も非常に長いです。蜜っぽいニュアンスが形成されてゆく正に真っ只中と言う感じで旨いですね~・・やっぱり!
ですが、2012年ですから少し「締り気味」です。閉じ気味というよりは「締まっている感じ」です。それでもポテンシャルが有りますから美味しく飲めちゃいます・・まぁそれでも「少し早いな~」と言う気持ちにはなるかもしれません。ムルソーは村名でも平気で30年以上の寿命が有りますから、余り大事にしすぎると、購入した本人は飲めないことになっちゃいますから~・・ご注意くださいね~。
「やっぱいいわ~!・・ラフォン!」と思っていただけるでしょう!・・某大手代理店さんが溜めるだけだけ溜めてガメている性で価格は高いし品物は無い状況になっているコント・ラフォンとドミニク・ラフォンですが、確実にこちらの方がコンディションも良いです。正規品です。品温を上げやすい春から・・のおつもりで、ちょっと贅沢をしてみたい時にいかがでしょうか!・・勿論、消化不良になっちゃうかもしれませんがnoisy は責任持てません。ムルソーと言ったらやはりラフォン!・・ご検討くださいませ!
前回の時に書いた同じアイテムのレヴューです。
━━━━━
ようやっと noisy の店にも正規のドミニク・ラフォン2012年が、本当に少々・・入荷しました。2012年はようやくドミニクの本領とも言える「白」がいただけましたが、赤のヴォルネイや1級は「ゼロ回答」でした。
聞くところによると2012年のドミニク・ラフォンは、本当に日本への入荷が片手にも余るほどのケース数だそうで・・・、しっかり飲んでご案内したいところを、これまたどうにもならない数量しか戴けないと言う・・
それなりに親しくさせていただいているエージェントさんでは有りますし、それこそ15年じゃきかないほど、そこそこのお付き合いは有るんですが、中々オペレーションが複雑なようで・・・友人の店には「遠の昔」に入荷しているものを、もう忘れた頃になってからようやくのご案内を戴け・・それもこのお盆前のど~にもならない時期ですから、
「・・なんだかな~・・」
と言うような気持ちにも成ろうもんです。
本来で有れば・・いや、知名度、出来、ポテンシャルから言えば、あっという間に無くなる様なアイテムかと思うんですが、ワイン屋はともかくとして、エージェントさんが思っているような「市場の気持ち」形成には至っていないように思います。
まぁ・・「コント・ラフォン」と言えば、ワインマニアの間では「超大物」では有るんですが、何しろ「高価」ですし、「数が無い」ですから、実際に飲まれたことの有る方・・それも良いタイミング、良いコンディションで・・と言う限定されたものになってくると・・
「余り知られていないのかな~・・」
と、不思議な気持ちになってしまうものです。反対にあの「コシュ=デュリ」さんのように、まともな価格で取引できないようになってしまえば、またそんな目で見られるようになるのかもしれません。
今のところは・・まぁ、ご紹介済みのバックヴィンテージのブローカーものも、若干は高目では有るにせよ、余り動きませんからね・・。
だから、本来で有れば、きちんとテイスティングしてのご案内が妥当なところですが、
「ドミニク・ラフォンだけでは分けてくれない」
状況も有りますし、ど~もその辺の板ばさみ状態になってしまってね・・。困ったものです。
そんな感じなので、
「そんなことやってるとエクスクルーシヴも失うぞ!」
と脅しに近いようなことを言って・・(^^・・少しでも大目に貰おうとしてはいるんですが、これも上首尾には行きませんね。その、エージェントさんとリテールの市場の「思いっきり違う温度差」を埋めるのが「ワイン屋」で有るべきですが、そのワイン屋も「飲めないような数量」しかもらえないとなると、
「無理して飲んで、その分を価格転嫁しなくちゃならないのならテイスティング出来ない」
と言う状況になってしまうんですね。
どこかでこの悪いサイクルを変えないと、せっかくの素晴らしいワインが日本に入らない状況になってしまいます。
2012年のドミニク・ラフォンです。目立つ「D」のエチケットは、「何となく可愛らしいけどフツー?」なものに変更になりました。上記のような理由で、noisyも取り合えずは・・飲みませんが、売れないようなら飲んでみようかと思っています。その場合は価格変更も視野に入ってきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
シャルドネ・ファンならやはり必ず飲んでおきたい・・・もしくはセラーに置いて熟成させたいアイテムかと思います。ご検討くださいませ。