
2016年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールの先陣を切っての登場は、あろうことか・・オーレリアン・ヴェルデでした。
何せ2016年のブルゴーニュは前評判が良く無くて、
「どこどこの村はほぼ全滅。収穫量は半分以下。」
「どこどこのドメーヌは不作で2016年のリリースが無い。」
などと散々脅されて来ましたので、まず2016年ものの第一弾としてのテイスティングは、かなりドキドキしたものになりました。
それに、オーレリアン・ヴェルデのピノは、ラシーヌさん時代からオート=コートをベースとして扱っていたものですので、エクスクルーシヴが移動して何度か飲んではいたものの、扱い自体は初めてなんですね。
色合いを見てみましょう。
「もっと淡いんじゃないか?」
と想像していましたが、反してしっかりしたものに見受けられます。アロマもピュアで、スピードもそこそこに有ります。
ほんのりとベリー、チェリー、ハーブ、石灰のニュアンス。中域はしっかり、余韻もそこそこに有ります。適度な膨らみも有り、ネガティヴな印象の中、中々に良くまとまっていると感じました。
2016年の日照不足と言うネガティヴなイメージは、ほぼ感じられません。しかし、アロマの中には僅かですがハーブ、ミントのトッピングが有り、葡萄の熟度は確保されていますが、イメージ的には1997年ものを少し良く熟させたような感じです。
因みに1997年のブルゴーニュを販売した1999年頃のことですが、前評判の高かった1995年と1996年、しかも1996年ものは2~3割のプライスアップが有ったんですね。
1997年ものは日照不足と言われ、ブルゴーニュファンからは「青い」と敬遠されました。売り辛かったですね・・。noisy は、
「・・そんなに悪いか~?」
と疑問に思っていました。リリース直後はそうかもしれないが熟は早いし熟したら美味しいだろうと。
で、3~4年も経った頃、飲食店さんの方から火が付きましたね。複雑性が高く、もう柔らかくなり始め、かなり美味しくなっていたんです。なので、
「山ほど余っていた1997年ものは一気に無くなった」
のを覚えています。
日照不足を回避しようと葡萄自身が子孫を残すために頑張ったのでしょう・・・ほんとうにそういうような深い味わいがするんですよね。リリース直後には無かった「滑らかさ」が熟すことで生まれた訳です。
そんな1997年ものよりもしっかり熟度が有り、ピュア感が有るのが2016年のオーレリアン・ヴェルデのACブルゴーニュです。どんどんまとまってきている感じです。2015年もののような完熟感は無いですが、若々しく複雑性高い味わいです。ご検討くださいませ。