
ニュイ=サン=ジョルジュから西に上がって行き、距離にして10キロ弱ほどでしょうか、離れたアルスナン村のル・プリュレです。ニュイの畑よりも高度が有りますし、日照の関係からかやや冷ややかに仕上がりますが、昨今の「温暖化」の影響でしょうか・・
「ちょうど良い感じ」
「昔の上出来のA.C.ブルを超える質のシャルドネ」
のニュアンスを受けてしまいます。
そもそも2004年からこのワインをテイスティングしており、途中何年かは扱わなかった経過が有りますが、やはり10年以上も経過しますと、樹齢も上がり、醸造などの設備などもこなれて来て、実に良い印象しか受けないような感じになってきました。
2016年ものもリリース直後から非常に美味しく、しかも価格も安いので・・いや、2004年ものの価格を見てみましたら・・ちょっとビックリしました。4千円ほどで販売していましたので、今の方が相当リーズナブルですよ。安くて美味しくて売れていたオーレリアン・ヴェルデでは有りますが、
「今の方が全然安い!」
のには驚きです。
色合いも淡い緑が透けて見え、ガラスやクリスタルのような透明なミネラリティを多く含んだように見えるかと思いますが・・そのまんまです。適度に柑橘が入る果実の風味が心地良さを増長してくれます。
ブルゴーニュにおいては(特に)、白っぽい石灰感だったり、透明な石灰感だったり・・が、同じワインでも年代で異なって感じられる場合も有りますが、その辺はやはり複雑に入り組んだ表土の下の地層が由来していると思います。ブルゴーニュは、表土は比較的新しい世代ですが、断層隆起の上に表土が有り、ジュラ紀や白亜紀、第三期などの地層がやや上を向いて存在していると言われていますんで、ちょっとズレるだけで味わいが異なると言う・・ブルゴーニュの醍醐味を生んでいる訳ですね。
味わい的にはほぼ2016年と同様、緊張感は2016年に分が有り、包容力、優しさは2017年・・と言ったところかと思います。是非飲んでみてください!とても美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【このオート=コート・ド・ニュイ・ブランは激旨です!2016年のブルゴーニュ白は期待大?】
久し振りのオート=コート・ド・ニュイ・ブラン・ル・プリュレですが・・滅茶出来が素晴らしいです!・・これは必飲です!
実は先月届いていてテイスティングも済み滅茶美味しいので、
「これはイチ推しにして!」
と考えていたところ、どこをどう探しても撮ったはずの写真が無い・・!
こういう時はホントに困るんですね。フォルダ内の膨大な写真のプレヴューからその目的の写真を探すというのは、かなりの困難を伴います。結局見当たらず、
「グラスの写真が掲載できずに旨いって言ったって信用度が低いしなぁ・・」
と言うことで、昨日また飲んでしまいました・・。
しかしながら、
「・・いや~・・これは格別な旨さ!」
と再確認してしまいました。
柑橘が香り、美しい冷涼な酸と、わずかにグラマラスに感じられる豊満さを持つ柔らかな酸が見事に溶け込み、冷ややかで透明なガラスのようなミネラリティを多分に含んでいます。
その柑橘系フレーヴァーもわざとらしくない自然なもので、適度に熟し、果実そのものの美味しさでいただいているような気になってきます。
ブルゴーニュのシャルドネとしても最高級の部類には入るはずは有りませんが、このクラスで・・三千円そこそこでここまで仕上がるのは滅多にないです。
リアルワインガイド第62号は、テイスティング時に硬かったようで暫定点としていますが、88~89Points、飲み頃は記載していません。noisy 的には 90Points オーバーは確実ですね。そして・・今飲んでも滅茶良いです。是非飲んでみてください。滅茶旨いです!