
あの頃の価格のまま出ています・・(^^;;
テイスティング・チェックのつもりで少量仕入れて、いつもの通りの味わいだったので、ご案内しようと思ってネットを徘徊してみると、ま・・とんでもなく安く販売されているのを見てしまいまして・・
「・・これじゃ無理じゃん・・」
と言うことで、2017年のヴォーヌ=ロマネV.V. 共々お蔵入りしてしまったオーレリアン・ヴェルデのオート=コート・プリュレです。
noisy は基本、テイスティング有りきですから、どうしても他のショップさんよりも経費がかさみます。沢山仕入れて沢山販売出来るようであれば、かなり滅茶リーズナブルに販売しても経費分は吸収できる位にすることも可能では有りますが、ほとんど
「バナナの叩き売り・・(古っ)」
状態の値付けをされてしまいますと、もう・・やる気が失せてしまいます。
価格でしか勝負できないショップさんは、人気のワインやレアワインはやたら高いでしょう?・・それか、呆れるほど尊大なセットを組んでいるかのどちらかです。そうやってしかバランスが取れないんですね・・きっと。
なので、noisy としましたら、その場から逃げだすしか無いんですよね。そうしているうちに2年半(以上?)も経過してしまいました。
味わいは健全でとても良かった・・と思います。ただ売る気が無かっただけです。オート=コートは写真が見当たったので掲載させていただきましたが、ヴォーヌ=ロマネV.V.は散々探しましたが見当たらず・・もしかしたら noisy も飲んだ気になっているだけなのかもしれません。
そんな訳で、レヴューは書かないことにしますが、価格は当初予定のままですから、
「適度に熟している・・はず」
「リアルワインガイドはポイント、高め」
と言うことで、ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【ACブルより濃度と熟度が有りチェリーの風味が心地良いです!難しいヴィンテージを乗り越えた美味しさを体験してみてください!】
雹被害とベト病で収穫が激減したオート=コートの2016年です。しかしワインの出来としましては、例年並みに近い仕上がりになったかな・・と思います。
2015年のオート=コートは、ヴィンテージの背景をそのままに、良く熟した深さ、柔らかみの在る仕上がりで、むしろ傾斜が少なく標高の高いオート=コートの良さが出たヴィンテージでした。
2016年ものは、2015年ものよりもやや明るさの在る赤い色合いが特徴で、熟度自体は2015年には及ばないことが伺えます。
しかしながら、ACブルゴーニュもそうでしたが、ブルゴーニュワインと言うのは面白いものでして、
「・・若い(やや青い)からと言って悪い訳では無く、むしろそう言った仄かな、細やかなニュアンスが心地良く、またヴィンテージの特徴を教えてくれ、美味しさにつながる」
んですね。
ですから、例えば2000年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールも当初は散々でした。2004年は難しい年でしたが、それゆえの深み、複雑性が表れています。2006年ものも世界的にはオフですが、noisy 的にはグレートイヤーです。2007年は硬いですが、そろそろこなれ始めています。2013年も前評判はメタメタでしたが、到着したら色合いこそ淡いものの、美しいエキスが出たワインが多く魅了されたものです。
2016年のオート=コート・ド・ニュイは、1997年とか2000年とか、もしくは2006年辺りのイメージを併せ持ったものに近いかもしれません。
ほんのりとハーブやミントのニュアンスをトッピングに持ちつつも、チェリーを思わせる充分な熟度が得られ、複雑な要素を開かせる前段階に有ると言えます。2015年や2014年のような熟度の高い味わいでは無く、上記のようなヴィンテージが持つ「冷ややかさ」に特徴が有ります。
非常にドライで、甘みは全く有りませんが、エキス感に溢れ、若々しく、美しいノーズが有ります。深~い構成では無いものの、充分な構造です。難しいヴィンテージにメゾンとして、出来ることをキッチリ出来たと言えるかと思います。
価格的にも最低ラインと言えるこんなプライスです。ぜひ飲んでみてください。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【今すぐ飲むならこのオート=コート!オーレリアン・ヴェルデらしいナチュラルで切れの良い味わいに美しい石灰系ミネラリティがふんだんにあります!】
2014年ものはのんびりしていたら仕入れられず、悔しい思いをしたものですが、今回はちゃんと仕入れられました。価格もむしろラシーヌさん扱いの最終2006年当時より、リーズナブルに仕上がっています。
実はnoisy は2006年以降のワインも飲んでいまして・・2007年ものは醸造所の新設の性か、はたまたヴィンテージがなせる業か、「表情の無い・・いや乏しい、ちょっと抜けたような感じ」がしまして、扱いを躊躇していました。
この2015年ものですが、現在飲んでもかなり・・旨いです!・・ニュイ=サン=ジョルジュの村から西に入っていったところにこのアルスナンと言う村が有ります。少し離れていますが、ニュイ=サン=ジョルジュっぽく無い・・ことも無い感じですが、ニュイ=サン=ジョルジュ的なむせるような土のニュアンスは全く無し、反対に透明感がそこそこに有る白い石灰感が強めに有ります。また、スパイシーなニュアンスも有りますが、ニュイのような強いものでは無く、例えば新鮮な果実に鼻を寄せた時に捕まえられるようなピュアで伸びやかなものです。
中域がそれなりに拡がり、ボディもスタイリッシュ気味ですが充実、余韻にかけての果実感と石灰感のせめぎあいが実に好印象!ほんのりとビターなニュアンスと熟れたベリーのニュアンスを残しつつ消えて行きます。
まぁ・・今飲んで非常に旨いです。14度保存のセラーから出して、部屋の温度で徐々に上昇して行く状況の中で、非常に良いパフォーマンスをみせてくれます。

← こんな感じです。良さそうでしょう?
このポテンシャルでしたらこのプライスはお得感が有ると思うんですね。
リアルワインガイド第58号で徳丸さんは、今飲んで89+、ポテンシャル90 飲み頃予想 今~2035 と評価していますが、いや、noisy の採点とほぼ一緒です。ここだけの話し、普段の自然派のテイスティングでは、そんなに一致することは無いんですけどね・・。
いつも書いていますが、90点を付けるかどうか・・80点台に留めるか・・と言うのは、このような仕事をしていると決断しなくちゃいけないシュチュエーションが多い訳ですが、noisy 的には素直に90点及第で有って、じゃぁ・・そこから加点できるかどうか・・が次のポイントになりますから、今飲んで90 ポテンシャル90+とするかもしれません。
何故って・・今飲んで凄く美味しいから・・ですね。これはもう仕方が無いことで、現地試飲と輸入後の試飲では時間的タイミングがかなりズレています。しかもこの収穫から1年半ちょっと経った時期、瓶詰め後の著しい成長時期、もしくは変化する時期に当たりますから、その前後では少しズレが生じる可能性もある訳ですね。
まぁ・・点数で飲む訳じゃぁ無いので・・noisy 的にどれだけお勧めできるか・・と言う所に焦点がある訳ですから、
「思いっきりお勧めします!」
と申しておきましょう。是非とも飲んでみてください!一推しです!
以下は2006年以前の(古っ!)このワインのレヴューです。ご参考までに。
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【お!安くなったし質感がさらに向上!美味しいです!】
どうやら勘違いされている方がとっても多いようなので、ここでその辺をまず明らかにしておきましょう。「ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ」と いうワインですが、これは、ACブルゴーニュ格とほぼ同等・・・ということでは有りません。頭に「ブルゴーニュ」と付きますので、
「ACブルと一緒だよね!」
と思っていらっしゃる方がとても多いと思います。
まあ、ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ というワインのA.O.C.は、あくまでA.C.ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ なんですが、位置的に言って、ブルゴーニュはコート・ド・ニュイの村名アペラシオンを名乗れない「村」のワインがこの名前になります。ですから、「村名 格」のワインと思っていただくのがより近い訳です。もちろん、ヴォーヌ=ロマネやシャンボール=ミュジニーと言った村名アペラシオンと全く同格とは言えま せんが、実際は各々の村名を呼称出来ない、総称の村名のワインであり、決してACブルゴーニュの格でもグラン・ドルディネールの格でも無いんですね。ニュ イの村の畑のように階層的に区別されないんです。
ですので、
「村名ワインとほぼ同格かちょっと下位(村名とACブルの中間)・・・良いものはそれを凌ぐ・・し、駄目なものはACブル以下」
と思っていただくのが正解だと思います。良い物も、それなりのものもかなり入り混じっているアペラシオンということで、正確には、コート・ド・ニュイの西 側の標高のやや高い場所にある18カ村のワインです。ニュイ(AC村名 + ACブル + α) の ニュイを 「オート=コートの村々」に置き換えた形と思ってください。そして、一生懸命に良いワインを造ろうとしていて、感性に優れる生産者ならば、実感的にはニュ イの1級に迫る味わいのものもあります。それがこのオーレリアンだと思うわけです。
で、味わいですが、これが素晴らしい!2004年の同じワインも素晴らしかったが、2005年はさらに質感がアップしています。2004年のこのワインの味わいを、noisy は以下のように書いていました。
2004 ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ ル・プリウレ━━━━━━━━━━━━━
テロワール的には、ニュイ・サンジョルジュの土っぽさをやや軽くし、モレっぽい紫のニュアンスを補充した感じです。ただし今回ご紹介のどのワインにも言え ることですが、まだ幾分早いので、余韻の中過ぎに酸・タンニンのエッジを感じます。休息を与えることにより、もしくは時間の経過で、さらなる膨らみと複雑 性へ変化して行くと思います。
味筋は、「フィリップ・パカレの透明感」 に「フレドリック・コサールの旨みの二乗」をプラスしたもの..でしょうか。どれが良い、ということにはならないと思います。あくまでスタイルの分析です。どちらにも似ているようでそうではないんですね。
また、還元的である、とか、ビオ臭というものはほぼ見つけられません。それに、
「さっと出汁をひいた感じ」
でもありません。あえて言うなら、とんでもない量の上質の原料から、ほんの少しだけの一番出汁を取り、他の原料の一番出汁と合わせた様な感じです。あっさりとしているだけではなく、奥深さも感じます。
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基本的に同じワインですので、変わらないっちゃ無いんですが、以下のような部分が違っています。
1.ファーストノーズに低温浸漬由来と思われるヨードっぽい香りが2004年ものよりも顕著
[低温浸漬法はアンリ・ジャイエが完成させた技術(別の意見もあるでしょうが・・・)で、ジャイエ風のワインに仕上がってきます。やりすぎるとギイ・ アッカ風になってしまうようで・・。悪く言えば、テロワールの表現が減ってしまう可能性もありそうです。]
2.紫中心の小果実の風味が、紫と黒に変化した2005年!
3.より冷たく、より凝縮したエキス!
エキス重視の綺麗なワインです。飲み頃にはやや早いと言えますが、15~30分ほどで、かなりアロマティックに、ボリュームも膨らんできます。奥深く、 質感がかなり上昇していますので、これを飲んで、「高い!」と文句つける方は少ないはずです。
2004年のオーレリアンのシャンボール・レ・シャルムやこのワインを、
「うんめ~!」
と楽しまれた方も多いはずです。はっきり言って2004年よりもポテンシャルは上。とても締まっていますので、大きいマグナムグラスをスワリングさせなが ら、のんびり飲んだらとても楽しめるでしょう。是非とも飲んでみてください。お勧めします!