いや~・・これは飲んでご紹介したかったアイテムです。でも買えたのがたったの6本ですので・・テイスティングは諦めました。代わりに以前にご紹介させていただいた、同じ1994年のモレ1級モン・リュイザンV.V.のレヴュー文を掲載しますので、ご参考にされてください。
まぁ、余り言ってしまうと・・・特にnoisy の新着メールをご覧のお客様の中には、沢山のご同業者の方もいらっしゃいますんで・・でもまぁ、言ったところで減るもんでも無いし、ワインの紹介をこんなまともじゃない書き方をした文を書くのはnoisy位でしょうから構わないっちゃぁ・・無いので言ってしまいます。
ただし、これはね・・あくまでnoisy的な推理の域に有ることであって、正確な情報と言う訳では無いことをお含みおきください。
まず、飲んでないのでペルナン・ロサンとは限らない・・これが前提です。でもまぁ・・間違い無いでしょう。
で、ペルナン・ロサンとはどんなドメーヌだったか・・と言うことが大事で、■エージェント情報に「1.92haのほぼ三分の二を、アラン・ミシュロとドメーヌ・ペロ・ミノが占めている」なんていうのは、ここでは全く意味の無い話です。ドメーヌ・ペルナン・ロサンの畑を2000年に購入したのがペロ・ミノなので、1994年のリシュモンヌをどうこう言うので有れば、ここを言わんと遺憾・・なんですね。いかんです。
でさらに・・ペルナン・ロサンのリシュモンヌというのはどういうワインだったかっちゅうことが重要でね・・。実は、あのメゾン・ルロワがドーヴネやドメーヌ・ルロワを始める前の1980年代中盤まで、ペルナン・ロサンのリッシュモンヌを購入し、メゾン・ルロワの看板の一つとして販売していた・・・と云うような事実が有った訳ですね。
でもそんなことはPKさんのバーガンディにも書いて有りますんで、ちょっと知ってる人なら常識に過ぎないんですが、余り勉強する気の無い関係者の方々は結構知らないんですね・・。
で・・ここからが重要?・・noisyも余り言ってない部分ですが、結局、自身でドメーヌを始めたルロワと、それまでの取引先の間では、ちょっとした軋轢が有ったのでしょうね。あのデュガ=ピィもそう・・出色のシャルムをルロワに渡さないようになり、自身のドメーヌで販売に力を入れ始めました。そんな造り手の中にきっとペルナン・ロサンも含まれていて・・
そんな時に「Dom.Laurent」が現れた訳ですね。その頃のドミニク・ローランのエチケットには「Dominique 」とは記載せずに、何故か「Dom.」と省略していました。それを初めて見たnoisyは・・
「ドメーヌと見間違うじゃん!」
と思ったのを覚えています。
で、新樽200%だ400%だと・・その時代の申し子になったドミニク・ローランが、むしろそれまでのメゾン・ルロワのワインの供給元だった造り手たちの買い手になったと・・言う状況なんだと、勝手に推理している訳です。・・あくまで勝手なものですんで、大きな声で言わないようにしましょうね~!
なので・・飲みたかったワインです。noisy が飲みたいと思った位ですから、皆さんもきっと琴線に触れた方もいらっしゃるんじゃないかと・・。このワインもやはり、「歴史のひとコマ」を感じさせてくれるワインでしょう。
それにリシュモンヌと言えば、先日ご案内させていただいた、オーレリアン・ヴェルデのトップワインでしたので、その辺と絡む興味をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
是非ご検討ください。
以下は異なるワインの以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュの古酒!ドミニク・ローランが自分の舌で確認し、購入した秀逸なキュヴェです!とても美味しいです!】
そろそろ20年という古酒を3アイテムご紹介します。数が無い1996年モン・リュイザンと1992年ラトリシエール=シャンベルタンは飲んでいませんので・・すみません。
さっそく1994年のモン・リュイザンを飲んでみました。
(94年は完売です。すみません。) すると・・少し弱くなったコルクには、
「
ドメーヌ・ペルナン・ロサン」
の銘が有るではないですか!
ペルナン・ロサンは、2000年に惜しまれつつドメーヌと閉じた、実にファンの多かった造り手でした。
ドメーヌの畑、クロ・ド・ラ・ロシュ、モン・リュイザン、リッシュモンヌなどは全て、アンリ・ペロ=ミノに売却され、その後のペロ=ミノの隆盛に繋がったと言われています。
ま、ペロ=ミノの作風とはだいぶ違うとは思いますけど。
このモン・リュイザンですが、以前ご案内させていただいたニコラ・ポテルのワインと同様ですから・・・

「モン・リュイザン」はグラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュを名乗れる部分と、プルミエ・クリュ・モン・リュイザンになる部分に分かれています。
今回のこのワインは当然1級、プルミエ・クリュです。
しかし、この淡い色合いを見ていただくとお判りのように、
「クロ・ド・ラ・ロシュと判別が付き辛い」ほど似た味わいになっています。
石灰石のニュアンスを多く含んだ土壌で、シャンボールほどのテッカテカした石灰では無いものの、ジュヴレに接したこの部分は、何故か反対側のシャンボールに似た風情を見せるのですね。モン・リュイザンやクロ・ドラ・ロシュの方が鉱物的ニュアンスは強いですけどね。石灰が強いと感じるのはシャンボール系・・、艶かしいのはこちらでしょうか。
クロ・ド・ラ・ロシュと言えば、代表的な造り手は現在では、ポンソかデュジャックか・・になるかと思いますが、デュジャックよりのエキス主体の味わいになると思います。
本来はとても寿命の長いワインですが、19年の年月が、実に良い感じのエロいピノ・ノワールに変化させています!実に旨いですよ!
1994年はオフ・ヴィンテージ・・・みたいなイメージがあると思いますが・・・とんでもない!・・・あの頃の評価は特に、
「新樽第一主義による濃厚一辺倒」タイプが良いとされていました。ある意味、ドミニク・ローランも、その旗手としてスターダムに昇り喧伝された訳ですから・・・皮肉なものですね!
「僕のワインはとてもエレガントだから・・・」
とドミニクは言ってるそうです。新樽200%とか400%の申し子だったのにね・・。
ペルナン・ロサンも、実は80年代は、濃い目の味わいだったと記憶しています。しかし、このワインを飲む限り、90年代に入ってから、ギイ・アカと決別して、エレガントな・・・ブルゴーニュ本来の姿を取り戻した訳です。
妖艶で、良く香り、膨らみ、長く持続します・・・素晴らしいです!価格はとても安い!絶対買いのワインでしょう!
でも、19年の月日がコルクを柔らかくしていますので、抜栓にはご注意下さいね。 1996年のモン・リュイザンですが、ほんの少量なので飲んでいません。96年はグレートイヤーといわれたヴィンテージですが、中々美味しくならなくて・・・
「本当にグレートイヤー?」
と首を傾げてしまうことが多かったですが、ここにきてだいぶ開くようになってきました。美味しいボトルが多い現況です。しかし、価格はオフと言われた1994年よりも高いです・・・でも、
「クロ・ド・ラ・ロシュと変わらない」味わいならば、かなり安いと言えます。ご検討下さい。
1992年のラトリシエールですが、ご存知かと思いますが、実はクロ・ド・ラ・ロシュと接したジュヴレの最南にあるリューディです。なので、
「シャンベルタンらしくない」
「痩せている」
などと言われるんですが・・・それが特徴なんですよ。ジュヴレにしては、クロ・ド・ラ・ロシュのような石灰石的ニュアンスが強い訳です。なので、シャンベルタンやシャルムに比較すると、飲めるようになるまでに時間が掛かるんですね。
21年を超えてきていますので、クロ・ド・ラ・ロシュ的シャンベルタンの実力を見ることが出来ると思います。是非ご検討下さい!