
ジュヴレ=シャンベルタンに有って、「サン=ジャック」の名を持つ3つの畑の一つ、
「エストゥルネル・サン=ジャック」
です。
しかも、優れたキュヴェのみを神の鼻と舌で選び出すと言う、あのドミニク・ローランの2013年ものです。
noisy 的には「エストゥルネル」と言うのは、「最高の」と言うような意味だと覚えていたんですが、改めて仏語辞典などを調べてみても出て来ないですね。人名だ・・と言うことのようですし、ネットの翻訳をしてみると、「冗談」などと変換されることも有り、不明な状態です。
しかしながらこのエストゥルネルは、グラン・クリュ同等と評価されるクロ・サン=ジャックと、1級筆頭格のひとつとされるラヴォー・サン=ジャックに接しており、その両方の畑の上部に有ります。
まぁ、先の話しを持ってくると、
「最高の(もっとも高い位置にある)聖ジャックの冗談のような畑」
と言うような、フランス人的ジョークの入った名前なのでしょうか。
いずれにしましても、クロ・サン=ジャック、ラヴォー・サン=ジャックのような、しっかりした濃度と果実の風味の確かさは無く、より痩せていることが多いですが、その分、余分なぜい肉の無いスマートなスタイルで、非常にエレガントなワインでも有ります。
2013年ものですので、
「そろそろ良いんじゃないかな・・価格も安いし・・」
と言うことで仕入れてみました。
ドライですね~・・確かに上部の畑のニュアンスがします。表土は薄く、大きめの石が見えるようです。モレのクロ・ド・ラ・ロシュのように、ナトリウム系のミネラリティで要素と要素の「つなぎ」をしてくれるようなミネラリティが無い感じで、もっとストレ-トに石灰、石のニュアンスが取れます。
そこに、クロ・サン=ジャックの黒さ、ワイルドさをほんのりと湛え、ラヴォー・サン=ジャックの厚みをちょっと持ちつつ、どちらかと言うと詫び寂び的なエキスの美味しさを感じさせてくれます。
2018年の夏は非常に暑いので、この位のドライな表情、エキス中心の味わいが好ましいですね。グラスを振ると、
「・・ジュヴレの西の1級畑的ニュアンスもあるなぁ・・」
と感じさせてくれます。どちらかと言うと、ラヴォー・サン=ジャックの更に西の「レ・ヴァロワーユ」や「ラ・ロマネ」と言った1級畑に共通点が多いような気がします。
この2つの畑も非常に乾いたニュアンスが有って、しかしながら・・完熟すると、
「・・え?・・こんな官能的なニュアンスの下地を持ってたんだ・・」
とビックリすることが有りました。
なので、このエストゥルネル・サン=ジャックも、まだまだこれからの本領発揮と言うことなのでしょう。
でも余りに暑くて、ピノ・ノワールとは言え、余り暑苦しい味わいはどうもなぁ・・とおっしゃる方には、新鮮なヤキトリなどとマリアージュされると、よても良く合うと思います。勿論、質感は1級畑ですんで、しっかり有ります。
ちょっと早いかもしれませんが、エレガントでシミジミ美味いワインです。冗談で 7 を揃えてみました・・(^^;; 是非ご検討くださいませ!