
まぁ、ある意味価格は正直な部分が有りますが、「ボーヌ・プルミエ・クリュ・グレーヴ・ル・クロ・ブラン」と言ったら、下手すれば、グラン・クリュも真っ青な味わいのワインに仕上がっている可能性も有るんですね。
「シャルドネって・・結局ピノより高いのかな?」
化粧を落とした・・つまり、希少価値などを削いで比べると、ピノより高価なのかもしれないですね。
今回のボーヌ・プルミエ・クリュ・グレーヴ・ル・クロ・ブランは2004年、 ドメーヌ・ガジェものです。
このル・クロ・ブランは、ボーヌの村のほぼ中央北寄りに有る31ヘクタール超の比較大きなリューディ、レ・グレーヴの中に有るクロなんですが、ブローカーさんの説明には「ポマールとサヴィニーの間に・・」などと書いてありますが、それは「ボーヌの村の説明」に過ぎないですね。意味不明です。
まぁ、この畑は超フランス人的に、
「ル・クロ・ブラン( 白[葡萄]のクロ )」
と名付けられている通り・・シャルドネが植わっているんですね~・・。面白いですよね・・。
「・・そのまんまじゃん・・」
と日本人なら思っちゃいますよね。自分ちのにゃんこに、
「白い猫」
とは名付けませんよね~・・。でもそれがフランス人なんですね~・・。ドイツ人も平気で「黒い猫」みたいな名前を付けますが、ゲルマン系が掛かるとそんな感じなんでしょうか?・・でも結構、みんなそれで納得しちゃうんですね~。ワイン関係の様々な名前なんて、歴史の有る著名な畑でも結構そんなもんなんです。
で、このボーヌの村はポテンシャルが凄いのに結構お値打ちなシャルドネが見つかりますんで、決して見過ごすことが出来ないんですよ。
このボーヌのグレーヴと言う畑は、石灰が非常に強い、シャルドネにも適した土地です。ボーヌの西側は痩せていて石灰岩質ですので、タイトで密なワインに仕上がります。このグレーヴは、ルイ・ジャドのシャルドネの典型とも言えるワインですから、収穫時期の適切さ、たっぷりな石灰系ミネラルと、樽の使い方、エルヴァージュ、瓶詰めの完全さが現れています。一滴一滴の密度は・・・・開いたグラスをいつまでも嗅いでいたいと思わせるかもしれません。あ、ワインバーさんなどで、いつまでも空いたグラスを手放さない・・・は止めましょうね~。気持ちはわかりますけど!
本当は飲みたかったんですが、数が・・在りません。ですので、今回は飲まないでのご案内です。熟し始めたシャルドネも旨いからね・・・。是非確かめていただきたいと思います。
何てったってね・・このドメーヌ・ガジェは、ルイ・ジャドの社長さんの実家のドメーヌなんですね・・。今も代わっていなければですが、ピエール・アンリ・ガジェさん(・・だったと思う)です。そのワインは剛腕、ジャック・ラルディエールが指揮を取っていますから、
「ルイ・ジャドの面子を掛けて造るワイン!」
です。このボーヌ村のシャルドネ辺りは余り評論家さんたちも評価対象としないのが普通なんですが、珍しくスペクテイターが89/100Pointsと評点を付けていますしね。
因みに2009年は良年ですが2本しか購入できなかったので飲んでいません。スペクテイターは92/100Points と、かなりの高得点です。
さらには2004年ものは、少し前に少量ご案内させていただき、かなりの評判を得ました。まぁ、味わいも飲むタイミングによりかなり異なりますから、しっかり休めて・・でも最初から余り出ないからと諦めず、じっくり構えて飲んでみてください。

完全に丘にかかっているレ・グレーヴの南側の裾野・・に有るのが1級レ・ブレッサンドですね。白だけでは無く赤も産出されます。その位置によって、シャルドネ向きの畑に植わっているのがこのワインです。
レ・グレーヴに良く似て、オイリーで肉厚、石灰の関与が強い、ムルソーにも良く似たニュアンスの有るワインですが、比較すると、赤土のニュアンスが少々混ざった、やや粘土な味わいが特徴です。
2010年と若いのも有り、開けたては「オーク」のニュアンスがやや勝り、果実の風味は2004年クロ・ブランには及びません。
しかしながら15分もしますとボディが膨れ上がって来ているのに気付かれることでしょう。
「むむ・・いつの間に・・」
と言う感じです。
「・・何だ~・・まだ早かったか~・・」
と落ち込んだのも束の間、厚いボディがさらに巨大化していて、表情が豊かになって来ます。ややソリッド、スタイリッシュなクロ・ブラン、より肉厚で滑らかなレ・ブレッサンドと言うことになるでしょうか。飲むほどに膨らんで来ますから、今のタイミングで飲んでもOKでしょう。でも3人ほどでグイグイ飲んでしまうと勿体無いのでご注意くださいね。柑橘系もしっかり出て来ます。
ガジェも、デュック・ド・マジェンタも好きなんですよね。何よりリーズナブルなのが嬉しい・・何で人気にならないのか、不思議な位です。是非飲んでみてください。お勧めします!