【ジャック・ラルディエールさんの後を継いだフレデリック・バルニエさんが「意地」で造った??G.C.レ・グランド・ロリエール!・・ポテンシャル、滅茶高いです!】

コルトンのグラン・クリュ、そんなには見ないレ・グランド・ロリエールです。最近はルフレーブのネゴスがリリースしていますでしょうか。しかし10万円ちかいトンデモな価格になってますが。
こちらは並行輸入ですが、オルヴォーさんが持って来たものです。ずっと飲む機会を伺ってましたが、2015年ですので・・そろそろ良いんじゃないかと言うことで入れさせていただきました。まぁ・・この価格ならルフレーブの1/6以下です。
このレ・グランド・ロリエールは Noisy wine ですと、メオ=カミュゼさんの珠玉のコルトン・クロ・ロニェでしょうか。その真下、もしくは真横に接しています。なのである意味・・折り紙付きのグラン・クリュです。
まぁ・・こんなことを言いますと怒られるかもしれませんが、コルトンのグラン・クリュ赤は何故かアロース=コルトンとラドワ=セリニーの境界辺りにあるリューディに良いものが見つけられると noisy は感じていて、アロース=コルトン側にしっかり入ってしまうと・・やや呆ける感じを持っています。
また、コルトンの丘は標高が高く400メートルほどもあり、グラン・クリュは330~270メートルほどの標高に展開されていますが、赤に限って言いますと・・余り標高の高いリューディは・・何となく今一つ・・すみません・・淡く硬いものが多いように思います。
なので、ラドワ側のロニェ、ロニェ・エ・コルトンは素晴らしいですし、アロース側のレ・ルナルド、レ・クロ・デュ・ロワ、レ・ブレッサンド、レ・グレーヴは素晴らしいです。ドメーヌ・ルイ・ジャドの至宝コルトン=プジェは滅茶素晴らしいですが、ちょっと変わった畑でして、石灰が強いコルトン=シャルルマーニュに囲まれるように泥灰土主体の部分が有って、それがシャンベルタン系のような鉄分を多く含みつつの石灰もたっぷり・・と言う優れたコルトンを生んでいるんですね。
で、このラドワ側のレ・グランド・ロリエールですが、そのコルトン=プジェの「石灰50パーセント 泥灰土50パーセント」のイメージだとしますと、「石灰35~40パーセント 泥灰土65~60 パーセント」の、やや赤ワインに寄った土壌になっている・・と思っていただけましたら、判り易いかなと思います。
収穫から9年経過していますので、「いい加減飲めるようになっただろう!」と踏んでの仕入れです。何せ・・
「滅茶安い!」
ですので、無くならないうちに仕入れておきたいと思っていました。
しかし、優れたコルトンは解れて来るのに時間が掛かりますから、リリースから8年、収穫から10年と・・noisy 的には思っていまして、その辺がどう出るか・・と言うような「賭け」でもありました。

抜栓すると、すでに濃密で官能的なアロマが漂って来ます。状態は滅茶良いです。
鉄っぽさやスパイスはまさにジュヴレの西側にある1級クロ・サン=ジャックをさらに濃密し膨らませたかのよう・・です。グラスを伝う涙も中々落ちて来ないです。官能さも出て来て、そこに赤黒果実が差し込んで来る感じです。
口内に入れると、金属系のミネラリティが口蓋を刺激、また質の良いタンニンが少々歯肉を収れんさせます。適度な膨らみと収縮を繰り返す感じで滅茶パワフルですね・・。余韻も・・とんでも無く長く、いつまでもそのパワフルな味わいの残像を見せてくれます。
ま~・・極上のグラン・クリュです!・・しかし、徐々に解れて来るとしても、やや早いのは否めない・・でしょうか。なので、翌日にも持ち越そうと一旦テイスティングを止めました。
で、翌日再度のテイスティングです。
いや・・もう前日とは雲泥の差、違いです!・・パワフルさが目立った前日は大違いで、めちゃエレガントで美しいエキス味へと変貌していました!
単に赤果実、黒果実とかでは無い・・キノコの群生やハーブ、皮革、多彩なスパイス、コーヒー、そしてチョコっぽいニュアンスまで出て来ます。グラスをフリフリ時間を掛けると・・めちゃ官能的なニュアンスが濃厚に感じられます。
タンニンはしっかり溶け込んでボディを形成、石灰や金属のミネラリティも全て一体化し、ゴージャスなコルトンをしっかり演出していました。久々に熟したグラン・クリュの美味しさを堪能できました!
昨今はコルトン・グラン・クリュも・・D.R.C.の進出も有り、評価も底上げされてきている感じがします。しかしルイ・ジャドとしては、ルイ・ラトゥールと言うコルトンの巨人に、大いなる対抗心を持っているんですね。
ですから、コルトン=シャルルマーニュも、コルトン=プジェも・・コルトン何とかと付くワインには、惜しみない努力をしているんですね。
この2015レ・グランド・ロリエールもまた、そんな意思を強く感じるグラン・クリュでした。滅茶安い!・・そう感じていただけるでしょう。今の内だとも言えます。
飲み方としましては、あと1年ほどお待ちになるか・・(^^;; いったん開けてこの素晴らしいブケを楽しみつつ一杯だけに留め、翌日に本格的に飲む・・もしくは、デキャンタしておいて半日~翌日に飲む・・そんなスタイルをお薦めします。
充実した密度の高い、また素晴らしいポテンシャルのコルトン・グラン・クリュです!
因みに・・メディア評価は見つかりませんでしたが、2015年の近い畑のものが見当たりましたので以下に掲載させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
● 2015 Corton-Greves Grand Cru Louis Jadot (アロース側中腹 レ・ブレッサンドの南)
95 Points James Suckling
95 Points Wine Enthusiast
92~94 Points The Wine Advocate
91~93 Points Vinous
● 2015 Corton-Marechaudes Grand Cru Domaine Louis Jadot(アロース側だがラドワに接する レ・グランド・ロリエールのすぐ傍だが接していない)
92~94 Points The Wine Advocate
89~92 Points Burghound.com
● 2015 Corton-Pougets Grand Cru Domaine des Heritiers Louis Jadot(アロース側 ル・シャルルマーニュの東に接する)
96 Points Wine Enthusiast
94 Points Burghound
94 Points Vinous
94 Points Wine Spectator